ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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俺はゼロ、残業代ゼロだ!


MAGIC123『The Finale Of The Finale』

 

 

「『――――さぁ、ショータイムだぜ!』」

 

 

決め台詞を言った俺達(・・)の言葉は、この場に自然と大きく響いた…………って、

 

「『ん?あれ…何か、俺の言葉が……』」

 

ここで俺は、とある違和感に気付いた。

さっきの決め台詞、って言うか、今もそうだったけど、

 

「『――――俺の声にドライグの声音が被ってる!?』」

 

何だこれ、一体どうなってるんだ!?

一人でアワアワしていると、急に俺の体の狼狽えが収まった。

 

『「だからお前がこうなる事を望んだんだよ、相棒」』

「『ど、ドライグ!?』」

 

そう俺の口から紡がれたのは、ドライグの声だった!

その声には、俺の声音が被っていた…!

 

『「良いか相棒。今の状況を分かりやすく説明してやる。今――――俺とお前は一つになっている」』

 

 

 

…………は

 

 

「『はぁぁぁぁっ!?』」

 

どういう事だそれ!?

俺そんなの望んでない!

 

『「厳密に言えば、俺の魂とお前の魂が同化してる。もっと分かりやすく言えば、二人で一人の探偵みたいなもんだ」』

「『んなもん分かってるわ!ふざけんなよおい!!何でお前と一つにならなきゃいけねーんだよ!?』」

『「んなもんこっちの台詞だボケェ!!お前があの唄俺の脳内に送ってきたから紡いでみたらこんな事になってた俺の身になってみやがれ!!訴訟もんだぞ!!!」』

「『あぁ!?』」

『「おぉん!?」』

 

試合そっちのけで(脳内で)睨み合う俺達だったが、今が試合中だと言うのを思い出して、サイラオーグさんに向き直る。

 

「…事情は分からんが、新しい力に目覚めたと言う事で、良いのか?」

「『えーっと、はい、そういう事っす』」

 

困惑させちゃってすみません!

まぁぶっちゃけ俺も事情を呑み込めてないんだけどね!

 

「『…こんなんでやり辛いとは思いますけど、試合再開と行きましょうか』」

「あぁ。新しい力、存分に見せてくれ!」

「『はい!』」

 

そう言い、改めて構える『「なぁ相棒」』…って、

 

「『何だよドライグ?』」

『「この形態の名前って何にすんだ?」』

 

 

………

 

「『そんなもん作者が書いてる時に考えるから気になくていいだろ!!』」

『「ハイここで衝撃の真実!なんとこの作品で登場する用語や名称の大半はその場のノリと勢いで考えられているのでぇす!!」』

 

余計な事言わなくていい!!

兎も角行くぞ!

 

三度構えた時、背部で折り畳まれていた翼が広がり、魔力が噴射口から爆発!

覇龍の時以上のスピードを発揮し、サイラオーグさんに拳をぶつける!

 

「ぬぅっ!!」

 

だがサイラオーグさんはただではやられず、クロスカウンターの要領で俺に拳を放っていた……が、

 

 

「!?」

 

俺の鎧に、殆どダメージはない!

いや、微々たる損傷こそあるが、それすらも直ぐに修復されていく!

 

「『――――おぉ!!!!』」

 

今度は蹴りを放つが、サイラオーグさんは持ち直し、足を掴んで俺を宙へ投げ飛ばす!

だが俺は宙で態勢を整えると、その体制からドラゴンショットを生成。

 

「食らえ!爆裂の龍波動!!」

「はっ!」

 

サイラオーグさんは拳で消すような真似はせずにそれを躱す。

…やはり一度見られているから、容易に手は出さないか。

 

だが、俺の攻撃方法はこれだけじゃない!

 

「『いっけぇぇぇぇ!!!』」

 

俺が吠えると、翼から八つの発光体が分離し、俺の周囲に留まる。

そしてそれらは形を変え、全ての発光体は――――

 

 

『こ、これはっ!?何と兵藤一誠選手の翼から分離した光が、小型のドラゴンに変化しましたァ!!』

 

そう、小さなドラゴンに変化したのだ。

因みにこれ等のドラゴンは全てドライグを模している。

 

 

そう考えると少し気持ち悪い……ゲフンゲフン。

 

『俺が制御してやる。貴様はあの男とぶつかる事だけ考えろ』

 

サンキュー、ドラゴン!

 

「『行け、ドラグーンッ!!』」

 

暫定的に決めた名称ではあるが、俺は八体のドラゴンにそう命令すると、一斉にサイラオーグさんへ向けて飛び出す!

 

「面白い妙技だな!どの様なものか、この体で体感させてもらおうっ!!」

 

サイラオーグさんは手始めに一番近くにいたドラゴンへ向けて拳を放つ!

ちびドライグはそれを察知すると、ちょこまか飛び回りつつ魔力の砲撃を放つ!

 

「はぁーーーーッ!!?」

 

迎撃しようとしたサイラオーグさんだったが、その一撃を撃ち消すどころか、逆に大きく吹っ飛ばされていく!

体勢を立て直そうとするサイラオーグさんだが、そうはさせまいとちびドライグたちは次々と魔力砲を放つ!

 

それぞれ爆炎を伴ったり、雷を迸らせたり、かと思えば魔力砲が幾重ものレーザー線になって襲い掛かったりと、サイラオーグさんを確実に追い詰めていく!

 

「ぐぅおぉぉ!?」

『どうした事でしょうかッ!?サイラオーグ選手、防戦一方だァァ!!!』

『あのサイラオーグをたじろがせるほどの一撃なのか…!?』

 

実況は勿論、アザゼル先生ですら驚愕冷めやらぬって感じだな。

その疑問には、ドライグが答えてくれた……俺の口を使って。

 

『「そいつらには相棒の実力がそっくりそのまま反映されている」』

「『『な……!?』』」

『「まぁ本体に比べればいくらかスペックダウンしているがな。それでも並みでない奴が相手でもそうそう堕ちないぜ」』

 

簡単に言えば、このちびドライグ達は分身した俺…つまり、俺九人分って事だ!!

 

「『まだまだ行くぞッ!!』」

《Wizard Promotion!!Water Dragon!!!!!》

 

魔龍進化を行うが、俺の鎧の色は変化せず、以前までの砲門はそのままに――――胸部に砲口、頭部に小型のキャノン砲が増設された姿に進化した!

 

「『いっくぜぇぇぇぇぇっ!!!!!』」

《Infinity Boost Charge up!!》

《B----------------------oost!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!》

《Infinity Full Burst!!!》

 

全砲門に魔力をチャージ、そしてちびドライグ達も俺の周囲で口腔内に魔力をチャージ!

空気が振動する音を大きく唸らせ、そのままぶっ放す!!

 

 

ブゥゥゥゥゥンッ―――――ギュオォォォォォォォォォオンッ!!!!

 

 

全砲門から一斉掃射された魔力の砲撃はフィールド全体を大きく揺るがし、それでいてそれら全てがサイラオーグさんへ寸分の狂いもなく迫っていく!

 

「凄まじい弾幕!…だが、ただでは落とされんぞッ!!!!!」

 

サイラオーグさんは圧倒されつつも笑みを浮かべ、その身一つで魔力砲の弾幕へと向かっていく!

一撃一撃が必殺級に威力込めたってのに……被弾しつつもサイラオーグさんは拳で薙ぎ払っていく!

 

「ぬおおおおっ!!…普通であれば落とされる事必至の一撃!!だがッ!!!!」

 

左手に闘気を纏わせ、横薙ぎにフルスイング!

此方にも伝わる拳圧の波動を感じ取っていると、弾幕は綺麗さっぱり落とされていた………いや、今更驚きはしない。

 

「『あんたならそれぐらいやってくれると信じていたぜ!!』」

「さぁどうした!?お前のショーも、まだまだこんな物ではあるまい!」

「『当然ッ!魔龍進化!!』」

《Wizard Promotion!!Hurricane Dragon!!!!!》

 

荒れ狂う暴風を纏い、今度はシャープなスタイルに。

 

《Infinity Boost Charge up!!》

《B----------------------oost!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!》

《Infinity Raid Acceleration!!!!!》

「『――――光を超えるぜッ!!!!』」

「!?」

 

バチバチと雷をスパークさせ、足を踏み出す――――と同時に、俺の目には虚を突かれた表情のサイラオーグさんの目の前にいた。

 

「『ぉおおおおおお!!!!』」

「ガッ!!!」

 

パワーが低下している、そう思ったのかはわからないけど、防御せずに堪えて迎撃しようと思っていたサイラオーグさんの体は、大きく揺らぐ!

 

「『生憎だけど、さっきまでとは段違いだぜ!!』」

「――――フッ!」

 

確かに普通の魔龍進化よりはパワーアップはしているけど、やはりそこまでのダメージは見込めないか。

サイラオーグさんは拳からの波動を放とうとするが、俺はその前に移動…一瞬でサイラオーグさんの背後を取る!

 

「――――速いなッ!」

「『!』」

 

サイラオーグさんは振りほどけないと判断した様で、今度は体から闘気を放出してきた!

僅かに体勢が崩れた俺に反応し、全力の一撃をぶちかました!

 

「『ーーーーっ!!!』」

 

ズザザッ、と地面を滑るようにして転がる俺だが、何とか無理やり勢いを殺し、立ち上がる。

鎧は何時の間にやら修復されていた。

 

「…修復のスピードが上がっているな。それも赤龍帝ドライグと一体化した影響か?」

『「これは相棒の信念が形になっている」』

 

それに答えたのは、ドライグだった。

 

「?」

『「あぁ、兵藤一誠じゃなくてドラゴンの方の赤龍帝」』

「あ、あぁ。丁寧にどうも」

『「おう…最後の希望ってのは、どんな事があっても挫けたりはしない。それがたとえ、自分に向けられた絶望であろうと、自分自身が生み出した絶望であろうと……相棒が諦めない限り、鎧は魔力の有無に関わらず再生される。無限の名の通りにな」』

 

へぇ、そうなのか。

知らなかった……って言うか、口にされると恥ずかしいな。

 

 

 

でも、それは俺自身そのものなんだ。

 

 

「『…俺はどんな事があっても絶望したりはしない。そして、どんな絶望からも仲間を、主を、大切な人たちを守り抜く!!その絶望を、打ち砕く!!!』」

《Wizard Promotion!!Land Dragon!!!!!》

 

音声が終えると、籠手が大きく肥大化する。

グッと構えると、力強い音声が流れる!

 

《Infinity Boost Charge up!!》

《B----------------------oost!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!》

『「おい相棒。発現したばかりの力だから、安定していないのも大きい。後数分でケリを付けろよ」』

「『…応!』」

 

強化の影響で、周囲にソニックブームが生まれるほどの力が籠められる!

対するサイラオーグさんも、力強く拳を構える。

 

「『……行きますよ』」

「…来いっ!!」

 

勢い良く踏み込んで、俺達は同時に拳を突き出した!

 

 

 

ドゴォンッ!!!!!

 

 

 

「「『…ッ!!』」」

 

力強い衝撃に、お互い殴られた格好のまま動けなくなる。

だがそれも束の間で、衝撃から覚めると、拳のラッシュをお互いに見舞う!!

 

 

「「『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!』」」

 

殴り、殴られ、拮抗しあう打撃の世界で、ただ一心不乱に俺とサイラオーグさんは撃ち合う!!

俺が殴れば、サイラオーグさんの拳が突き刺さり、俺の蹴りがクリーンヒットすれば、サイラオーグさんの回し蹴りが鎧に食い込む!

その余波で周囲の瓦礫が浮かんでは塵と帰る!

 

『殴り合いです!壮絶な殴り合いがフィールド中央にて行われておりますッ!!!緻密な戦術も、練り上げられた魔力合戦もなく、超超至近距離にて行われる圧巻の殴り合いッ!!ただそれだけの事がッ、頑丈に作られていて尚!修復を繰り返すフィールド全体で、大迫力に行われておりますッ!!!観客席はなんと総立ち!スタンティングオベーション状態となっておりますッ!!!ただ意地をぶつけ合う打撃合戦に、老若男女が興奮しております!!!よくやるぜ、二人ともォォォォォッ!!!!』

 

『『『『『サイラオーグゥゥッ!!! サイラオ―グゥゥッ!!!』』』』』

 

『『『『『ウィザードラゴンッ!!! ウィザードラゴンッ!!!』』』』』

 

 

「ぉおおっ!!!!」

「『グッ…アァ!!!』」

 

フラフラになりつつも、俺はサイラオーグさんの拳を受け止める!

その拳を振り払うと、溜め込んだ力を爆発させる!

 

《Infinity Solid Break!!!!!》

「『――――ぶっとべぇぇぇぇぇぇぇえっ!!!!!』」

「ーーーーー!!!!!!」

 

籠手のスラスターからの噴出も作用しての強烈な一撃は、サイラオーグさんを突き抜けた衝撃が辺りを破壊する!

 

 

 

その中心に立っていたままのサイラオーグさんは……静かに倒れた!

 

 

『サイラオーグ選手、ダウンーーーーッ!!!!兵藤一誠選手の一撃が、ここにきて若手悪魔最強の獅子王へと深く突き刺さったァーーー!!!これは、勝負あったかっ!!?』

 

実況がそう捲し立て、会場が沸き立つ中、サイラオーグさんはピクリとも動かない。

 

『「中心線を確実に通したんだ。それに、今までの蓄積したダメージも加味すると、動けなくとも不思議はあるまい」』

 

 

…本当にそうかな。

 

『「何?」』

 

何となくなんだけど、この人はこれだけでは終わらない…そう思っちまう。

 

『「その口ぶりだと、この男との戦いを未だに望んでいるかのようだな」』

 

 

…そうかもな。

そう思っていた俺の目の目に、女性らしき影がゆらりと現れた。

 

その人は、まるでサイラオーグさんに語り掛けるように、傍らに立っていた。

 

『「俺や相棒以外には見えていないようだな」』

 

お前にも見えるのか。

 

『「あぁ。恐らくお前と一つになっているからだろう――――おい、相棒」』

「『ん……?』」

 

ドライグの言葉に、改めて前方を見ると、

 

 

 

『――――なさい』

 

女性は静かに、だけど確かな口調で言葉を発した。

そして――――驚くべき光景がもう一つ。

 

 

サイラオーグさんが、僅かに体を動かし、そして…………立ち上がったのだ。

その顔はボロボロで、目も虚ろだが、瞳の奥には強い光を感じた。

 

『サイラオーグ』

 

あの人は、まさか―――――

 

『「サイラオーグ・バアルの、母親か」』

 

ドライグが言ったとおり、それはサイラオーグさんのお母さんだった。

顔がハッキリと浮かんだ時、それはアンダーワールドで見たのと全く同じだと気付いた。

 

『「まさか、眠った状態で思念を飛ばしたというのか?」』

 

ドライグが俄かには信じられない様子で呟いた。

だけど、その声は確かに聞こえる――――。

 

『立ちなさい、立ちなさい!サイラオーグ!!』

 

そしてそれは、息子を叱咤激励する厳しいものだった。

 

『貴方は、誰よりも強くなると約束したでしょう?』

 

聞こえてはいない…でもその声が紡がれる度、サイラオーグさんの瞳の奥の光が強くなっていく。

 

『夢を叶えなさい!貴方の望む世界を、冥界の未来の為に、自分が味わったものを後世に残さない為に、その為に貴方は拳を握り締めたのでしょう!!…たとえ生まれがどうであろうと結果的に素晴らしい能力を持っていれば、誰もが相応の位置につける世界――――それが貴方の望む世界の筈です!これから生まれてくるであろう冥界の子供達が悲しい思いを味わわないで済む世界っ!それを作るのでしょう!?』

 

サイラオーグさんのお母さんの姿が徐々に消えていく。

でも、最後の一瞬には微笑みが浮かんでいた。

 

まるで、自慢の息子を見る母親の様に――――

 

 

『さぁ行きなさい。私の愛しいサイラオーグ。――――貴方は、私の息子で、希望なのだから』

 

 

 

その瞬間だった。

足を力強く踏みしめ、拳を強く握り、眼前の男は――――吠えた。

 

 

 

 

 

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

雄々しくも、悲しく聞こえた獅子の咆哮は、会場全体の心を打ち震わせた。

 

 

『「……大した男だ!」』

 

ドライグの声も、震えていた。

戦慄だけじゃない、そこには高揚すらあった。

 

そしてそれは、俺も同じであった。

 

「兵藤一誠ッ!!俺は負けんッ!!!俺には、叶えねばならないものがあるのだっ!!!!!」

 

サイラオーグさんの闘気が、フィールドを揺らしていく。

黄金のオーラが右手に集約し、それは巨大な獅子を形作り、サイラオーグさんを覆った。

 

 

 

 

 

ガォォォォォォオオオォッ!!!!

 

 

獅子が咆哮を上げ、俺達を睨み付ける。

 

 

 

 

「『――――俺達も、負けるつもりはねぇっ!!!!!』」

 

俺の体から赤いオーラが溢れ、それは左手へと集約する。

オーラは赤いドラゴン――――ドライグの姿となり、負けじと吠える!

 

 

 

 

 

グオオオオオオオオオンッ!!!!!!!!

 

 

獅子とドラゴンは互いのオーラをぶつけ合い、フィールドを赤と黄金で塗りつぶしていく!

 

 

 

「……ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!」

「『……おりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!』」

 

俺達が互いの拳を掲げて飛び立つと、獅子とドラゴンは激しく衝突する!!

お互いがお互いを食らわんばかりに拮抗し、眼が眩むほどの閃光が迸る!!

 

「『負けん……負けんぞォォォォッ!!!!』」

 

サイラオーグさんが吠えると、獅子のオーラも強く輝く!

じりじりと後退しつつ、俺は踏み止まる!!

 

 

「『……俺も、俺達もッ!!!』」

 

今だって聞こえる――――皆の声が。

 

 

『ウィザードラゴンッ!!!』

 

 

『頑張ってーーー!!!』

 

 

『イッセーくぅぅんっ!!!!』

 

 

『イッセーェ!!負けんじゃねーぞォッ!!!!』

 

 

『……イッセー様、頑張ってっ!』

 

 

『イッセーッ!!』

 

 

子供達の、イリナの、吼介の、グレイフィアの、リアスの声が――――

 

 

いや、それだけじゃない………ここまで、バトンを、希望を繋いでくれた

 

 

 

『イッセーさん!』

 

 

『イッセー!』

 

 

『イッセー君!』

 

 

『イッセーッ!』

 

 

『先輩…!』

 

 

『イッセー先輩!』

 

 

『イッセーくん!!』

 

 

アーシア、朱乃さん、木場、ゼノヴィア、小猫ちゃん、ギャスパー、ロスヴァイセさん…仲間たちの思いがッ!!!

 

 

それを感じた瞬間、鎧から眩い輝きが溢れ出る。

限界寸前だというのに、その瞬間だけ、体が軽くなった――――様な気がした。

 

 

 

「『――――負けられねぇんだよぉぉぉぉぉっ!!!!!!』」

 

ドライグのオーラが、獅子を飲み込んでいく。

サイラオーグさんの体が、徐々に追い込まれていく!

 

「『爆発しろ!龍拳(ドラゴニック・フィスト)ォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!』」

 

 

 

――――力の均衡が、破られた。

 

 

ドラゴンが獅子を噛み砕き、無防備なサイラオーグさんに俺の拳が突き刺さった!!!

 

サイラオーグさんの体が揺らぐ、俺はその横を、倒れるように駆け抜けた。

 

 

「まだだ………まだ、まだだっ…………!!」

 

だがそれでもサイラオーグさんは、倒れなかった。

その瞳には、未だ戦意が燃え盛っている。

 

『「相棒、これ以上はもう――――」』

「『……うるせぇ!!サイラオーグさんが戦えるなら、俺だって、まだ………!!』」

 

ドライグの制止も、絶え間なく響く激痛も無視して、サイラオーグさんを迎え撃とうとする。

だが………

 

 

『……赤龍帝、もう…良い………』

 

サイラオーグさんの胸にある獅子が、レグルスが声を発した。

 

『…我が主は……サイラオーグ様は……』

『「…まさかっ」』

 

獅子は目の部分から、涙を溢れさせていた。

ドライグは、獅子の言いたい事を察したようだった。

 

 

俺はサイラオーグさんに改めて視線を移すと、サイラオーグさんは拳を突き出し、俺へと向かおうとしたまま――――気を失っていた。

その顔は……笑っていた。

 

そして気絶しても尚、その瞳には、戦意の光が灯り続けていた。

 

『サイラオーグ様は…少し前から、意識を失っていた………』

「『それって……』」

 

この人は、気絶しても、意地だけで………

 

 

『それでも…嬉しそうに……ただ嬉しそうに……向かっていった……ただ真っ直ぐに…………貴方との、夢を賭けた一騎打ちを、真に楽しんで……』

 

獅子は、静かに慟哭した。

 

『「意識を失っても尚、戦おうと意地だけで体を突き動かした……サイラオーグ・バアルよ。俺は、俺達は、お前との一戦を、決して忘れない。お前は誇りある王であった」』

 

ドライグは、赤き龍は、気を失った獅子王に最大級の賛辞を贈った。

俺は自然と深く頭を下げていた。

 

そしてそのボロボロの肉体を、抱きしめた。

 

 

込み上げてくる思いで声を震わせながら、それでも叫んだ。

 

 

「『――――ありがとう……ありがとう、ございましたぁぁあ!!!!!!』」

 

 

 

 

 

『サイラオーグ・バアル選手、投了。リタイヤにより、ゲーム終了です。リアス・グレモリーチームの勝利です!!』

 

 

 

最後のアナウンスと共に、会場から惜しみのない拍手と称賛の声が鳴り響いた。

 

 

 

 

 




久しぶりにまじめなドライグ書いた気が……


イッセー「それは兎も角、新作ガンダムブレイカーまだかよ?」
ドライグ『早くヒロイン攻略してみたいぜ』
ドラゴン『結局それか』
イッセー・ドラゴン「『お前そう言えば後半何処に行ってたんだよ』」
ドラゴン『野暮用』

ドラゴン君、実は後半戦から少し姿を消していました。
何をしていたかは次回で明らかに!(なる予定)
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