ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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長くなるので前後編に分けます


MAGIC12『俺達、戦います!前編』

ライザー戦に向けた特訓から10日が経った。

俺達は自分に出来る最大限の事をし尽くした。

 

でも強くなったのは俺だけじゃない。

 

小猫ちゃんと木場は戦いに少しは慣れた様子で、これなら心配は無用だろうと言えるくらいに強くなっているはずで、アーシアも朱乃さんとの特訓で神器による回復の速度が著しく上がったはずだ。

 

 

幸いにも特訓中にファントムは出て来る事はなかった。

 

 

 

そして今、家に戻ってきた俺は瞑想をしていた。

レーティングゲームは今日の夜、外はまだ夕暮れ時だ。

 

瞑想は俺が落ち着く時にやってることだ。

ドライグに勧められてやり始めたけどこれが中々良いんだよなぁ~。

 

 

『結局、禁手は間に合わなかったな』

『すまん、相棒…』

 

ドライグが申し訳なさそうに謝ってくるけど、大して気にしてはいなかった。

 

『良いって。その為の龍化だろ?』

『相棒………頭まで変化させるなよ』

 

わーってるよ。

……っと、誰か入ってきたな。

 

まぁ、オーラで分かるけどな。

 

「アーシアか?」

「目を瞑ってるのに分かるんですか?」

「こうしてるとな、何時もより五感が研ぎ澄まされるんだ。後は……雰囲気だな。で、どうしたんだ?」

 

俺は瞑想を中断してアーシアと向かい合った。

目を開けると、そこにはシスター服を着たアーシアがいた。

 

「それ……」

「はい。部長さんが一番、落ち着ける服を着てきなさいと言われたもので……やっぱり悪魔が修道服なんて、変、ですよね?」

「いや、良いと思うよ。少なくとも、俺は似合ってると思う」

 

これは事実だ。

初見じゃ絶対悪魔だとは気づかれない位に似合ってる。

 

すると、アーシアは嬉しそうに微笑んだ。

だけど、その体は少し震えていた。

 

「……怖いのか?」

 

俺がそう尋ねると、アーシアは少ししてから頷いた。

 

「……はい。こういうの、初めてで、それに部長さんの未来がかかってると思うと……」

「しょうがないさ。それが普通の反応だよ」

「少し……くっついても良いですか?」

「…あぁ」

 

そう言うと、アーシアは俺の隣に座り、腕に抱きついてきた。

 

「イッセーさんは、怖くないんですか?」

「……怖がってたら、皆不安になっちまうだろ?だから、俺は大丈夫さ。こう見えてプレッシャーには強いぜ?俺」

「…ふふっ。イッセーさんといると、安心します。だから、部長さんの希望に……なってあげて下さい」

「…勿論だ」

 

すると、突然部屋の扉が開かれた。

 

「ティア……」

「イッセー、勝てよ。あんな女を自分の道具のようにしか考えてない奴、殲滅してやれ」

「物騒だな、オイ」

 

まぁ、やる以上は手加減なんて出来ないけどな。

 

『殲滅の、タキオンスパイラルッ!!!』

 

お前銀河眼じゃねーだろ!

 

「後、アーシアも守ってやれよ」

「当たり前だろ?」

「…頑張ってな///」

 

…う~む、なんか最後が乙女チックだったのは気のせいか?

 

『もうシラネ』

 

何だその諦めは!?

 

 

 

なんて一幕があったが、俺達は暫く時間まで駄弁りあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レーティングゲームの開始時間が近づいた頃、俺とアーシアを含めたグレモリ―眷族の皆はオカルト研究部の部室に集まっていた。

 

 

小猫ちゃんは拳に皮のオープンフィンガーグローブを付けて、木場は静かに本を読んでおり、部長と朱乃さんはさすがと言ったほど落ち着いていて、アーシアは俺が傍にいるからか、比較的に落ちついていた。

 

 

うん、皆いい感じに落ち着いてるな。

ほんじゃまぁ、俺も………

 

 

『ま、お前らしいな』

 

そう、プレーンシュガーを食べることだ。

うん、久しぶりに食ったからか凄く美味く感じるな。

 

「先輩、私にも一口……」

「へ?これしかないんだけど、良いかい?」

「問題ないです……」

「じゃあ、全部やるよ」

 

そう言ってドーナツの袋ごと渡すと、小猫ちゃんは驚いた顔をしていた。

 

「良いんですか…?」

「あぁ。俺は一口食べたからね」

「このお礼は。必ず返します…」

 

律儀だなぁ。

今度、店教えてやるかな。

 

 

 

 

「…皆様、準備はお済なりましたか?」

 

……すると試合開始の10分ほど前に銀色の魔法陣が展開され、その中からグレイフィアさんが現れた。

 

「この10日で随分と変わられましたね。お嬢様、私の立場的に言いにくいのですが………頑張ってください」

「勿論よ。最善はつくさせて貰うわ」

 

そう言うとグレイフィアさんは部長から視線を外し、今度は俺の方に視線を合わせてきた。

 

「兵藤一誠様」

「い、イッセーでいいっすよ」

「……ではイッセー様。この様な立場ですが、リアスお嬢様をお願いします」

 

…さっきの応援でも感じてたけど、この人は部長を妹みたいに思ってる。

じゃなきゃ頑張ってくださいとか言わないし。

 

「…任せてください!」

 

そんな事を言われたら、こう答えるしかないよな?ドライグ…

 

『誰も同じじゃない~、それこそが生きてる意味だから~……え?わりぃ、聞いてなかったわ。ゴメン!』

 

何で歌ってんだよ!?

暢気だなお前!

 

 

 

 

「では皆様、この魔法陣の中にお入りください」

 

グレイフィアさんは部室の真ん中に魔法陣を展開させる。

そして全員が魔法陣の中に入ると、次の瞬間、魔法陣が光を出し始める。

 

「これにより皆様を戦闘フィールドにご案内します。それでは、ご武運を祈ります……」

 

 

 

そして次の瞬間、俺達は光に包まれながら転移していった。

 

 

 

 

 

目を開けると、そこは何の変哲もない今までいたはずの部室だった。

アレ?転移してないじゃん。

 

 

 

『皆様、この度、フェニックス家とグレモリー家の試合に置いて、審判役を任せられましたグレモリー家の使用人、グレイフィアと申します』

 

するとアナウンスのような音声で、どこからかグレイフィアさんの声が聞こえた。

 

『この度のレーティングゲームの会場として、リアス・グレモリー様方の通う、駒王学園の校舎を元にしたレプリカを異空間に用意させていただきました』

 

い、異空間に学校のレプリカァ!?

豪勢っつーか、悪魔の技術力がスゲェっつーか…。

 

『相棒、窓の外を見てみろ』

 

え?窓の外?

ドライグに言われて見てみると、空はなんつーか……紫?に覆われていた。

 

 

『両者、転移された場所が本陣でございます。リアス様は旧校舎、オカルト研究部部室、ライザー様は新校舎の生徒会室でございます。『兵士』は互いの敵地に足を踏み込めた瞬間、昇格を可能とします』

 

ほぅ、中々分かりやすいな。

新校舎に入ればもう昇格可能って訳だ。

 

 

「全員、耳に通信機をつけなさい」

「通信機?それのことっすか?」

 

部長の言葉に俺は少し首を傾げる…っていうか通信機ってもしかして、この光の球のことか?

俺は部長の周りで浮遊するいくつかの球体を見ながらそう思った。

 

「通信機と言っても、魔力を介した物よ。この光を耳に入れれば、仲間間で会話が出来るわ」

 

へぇ、すげぇな。

そう部長が説明してくれると、俺は部長に言われるがまま、光を耳に入れる。

 

「…準備は完了だわ」

 

部長は席を立ち上がる。

それと同時に校内にグレイフィアさんの声が響いた。

 

『それでは0時になりました。開始の時間となります。制限時間は人間界の夜明けまで。ゲームスタートです』

 

 

……そして校内に鐘の音が鳴り響く。

それはまるでゲームの開始時間と暗に告げているようだった。

 

 

「さぁ、始めましょうか……とその前にイッセー、こっちに」

「へ?」

 

 

朱乃さんと小猫ちゃん、木場が準備の為に出たので、いよいよ俺も出陣か?と思っていると、部長は俺を自分の太ももの所に指差して、多分寝なさいと言ってくる。

 

 

 

―――なんで?

俺がそう尋ねようとした時、部長はそれを見越して話しを続けた。

 

「この戦いは貴方が要なの。だからイッセーには体を休めて貰わないと…」

「はぁ……」

 

言われるがままに、俺は部長の太ももに頭を乗っけた。

あぁ、不謹慎だけど寝ちまいそうだ……。

 

「むぅ~」

 

アーシア、怒んないで。

予想はしてたけどもさ!

 

部長はクスクスと笑うと、俺の頭を優しく撫でてくる。

 

 

 

 

――――――すると、俺の中で何かが外れた気がした。

 

「ぶ、部長、これって……!」

「…貴方を悪魔に転生させる際にね、貴方の力はあまりにも大きすぎたの。だから私はたかだか人間がそんな力を持って転生したら、体が持たないと判断し、貴方の力をいくつかに分けるようにして封印したのよ…杞憂だったけどね」

 

 

…つまり、部長は俺の中に存在する封印を解いたってことか?

だから俺は力が溢れている。

 

……めっちゃ動きたい!

 

 

「あなたが悪魔に転生出来たのは今さらながら奇跡でしょうね。変異の駒を4つも使ってじゃないと転生できない30個分の『兵士』…最強の『兵士』よ、イッセーは」

 

 

最強の『兵士』、か・・・良い響きじゃん!

 

 

『部長、僕と小猫ちゃんの準備、整いました』

『こちらもですわ、部長』

 

木場と朱乃さんの声が通信機から聞こえる。

ならとうとう俺の出番か。

 

「朱乃は旧校舎の屋根で待機、祐斗は相手の『兵士』を森で警戒しながら待機しておいて…そして小猫はイッセーと合流、そして体育館に向かいなさい」

 

その言葉で俺達は同時に了承する。

 

 

「さあ…グレモリー眷属を怒らせたらどうなるか、フェニックスに分からせてあげましょう!」

 

それは宣戦布告としてはありがたいほど、意気の入った声だった。

 

 

さぁ、ショータイムだ!

 

 

 

 

俺は体育館付近で小猫ちゃんと合流し、そのまま裏口から体育館に入る。

俺達は舞台袖で相手がいるかどうか窺った。

 

まぁ、気配で分かるけどな。

 

「小猫ちゃん、敵さんのお出ましだ。どうせ隠れてても意味ないからな」

「潔いですね…イッセー先輩」

「…今、あんまりじっと出来ないだけさ。何なら俺一人でも良いけど?」

「…行きます」

「良いね。その思い切りの良さ、好きだぜ」

「ッ!へ、変なこと言わないでください!///」

 

おろろ?恥ずかしかったかな?

まぁ、俺も何でこんなこと言っちまったのかねぇ?

 

 

そう思いつつ、俺達は舞台の真中に立つと、すでに体育館の中心にはライザ―の眷族の数人がいた。

 

チャイナドレスの女の子、ブルマ姿の双子の女の子、そしてライザ―の命で俺を襲って返り討ちにした棍棒を持ったミラっていう女の子だ。

 

 

「こんにちわ、グレモリー眷属の下僕さん……っとあなたでしたか。あのライザー様に喧嘩を売った魔法使いさん」

「俺売られた側なんだけどなぁ。っと、俺は兵藤一誠だ。リアス部長の下僕にして唯一の『兵士』だ…。そう言えば、この前はゴメンな?ミラちゃん」

「あ、ハイ…」

 

オイオイ、ポケーッとしてるけど大丈夫か?……イテッ!?

 

「な、何小猫ちゃん?!俺なんかした!?」

「なんかムカつきました…」

「理不尽な!!」

『やーいやーい!』

 

お前は黙ってろ!

小学生見てーな煽りすんな!

 

 

「私はライザー様に使える『戦車』、シュエランよ」

「『兵士』のイルで~す!」「ネルで~す!」

 

双子の女の子とチャイナドレスの女の子がそう言って自己紹介してくる。

うむ、可愛いな。

 

 

「この前の雪辱…は、晴らします!」

 

なんか顔赤いけど大丈夫か?

風邪の相手に勝っても微妙なんだけどな。

 

 

まぁ良いか!

 

「小猫ちゃん、俺達のデビュー戦だ。気張ろうぜ!―――いいか、ライザーの下僕!ここからは、俺達グレモリーのショータイムだ!!」

「……はい!」

 

そして俺と小猫ちゃんは相手の方に向かって舞台から飛び降りて、そのまま向かって行った!

 

《Boost!》

 

先ずは一段階強化!

赤龍帝の篭手を展開して同じ『兵士』の双子ちゃんに向かうが――――

 

「「バッラバラ、バッラバラ♪」」

『「………ゑ?」』

 

俺とドライグは同時に変な声を上げてとまっちまった。

何でかって?

 

 

 

目の前の女の子がチェーンソーを取り出してきたからだ。

 

ボーっとしてる俺に向かって双子ちゃんはチェーンソーを振り回して……コッチキタァァァァ!!!?

 

「なんつー物振り回してんだよ!?ギャップ萌えってレベルじゃねぇーー!!」

 

 

ヤベッ、可愛い容姿と相まって何かこえぇ!

 

俺と小猫ちゃんはライザ―の『戦車』一人と、『兵士』3人と対峙している。

正直、俺一人でも良かったんだけど、どうしても小猫ちゃんは相手の『戦車』と戦いたかったみたいだ。

 

 

たぶん自分の修行の成果を試したいんだろうな。

 

 

だから俺は『兵士』3人と対峙しているわけだけど……

 

 

 

「きゃはは!お兄さん、カッコいいからバラバラしがいがあるよ!」

「バラバラにしてあげる!!」

「ありがとよっ!でもチェーンソーも直してくれたらもっと嬉しいかな!?」

 

俺は双子ちゃんが振り回すチェーンソーとミラちゃんの棍棒をかわしつつ、指輪をつけて魔法を放つ!

 

《ライト・プリーズ》

「太陽拳ッ!」

「きゃあぁぁ!!」

「目が!目がぁぁぁ!!」

「くぅっ!?」

 

ノリ良いなオイ!?

……だけど隙だらけだっ!

 

既に五段階まで強化されていた力を解き放つ!

 

《Explosion!》

龍牙雷光( ドラゴニック・プラズマ)ッ!!」

 

こいつ等相手にはこれだけの開放で十分だ!

喰らえ!獅子……もとい龍の牙を!!

 

「「「きゃあぁぁぁぁぁっ!!!??」」」

 

高速拳で縦横無尽に殴りつける!!

3人は何とか立ち上がるも既に満身創痍だった。

 

「な、何今の…!?」

「昇格してないはず……!」

「今の……上級悪魔クラス!?」

 

 

なるほど、今の俺は上級悪魔クラスの魔力なのか。

それは良いことを聞いたな。

 

つっても、まだ5段階だからもっといけるんだけど。

 

『今のお前と奴等の実力は雲泥の差だ。一気にやっちまえ、相棒』

 

まぁ、それも良いけど……体力は温存しときたいしな。

それに、彼女達も強いぜ?ドライグ。

 

「まだまだ、ですっ…!」

「こっからが、本番…!」

「ライザー様の、為に!」

 

……あんな野郎でも慕われるんだな。

 

 

――――良いぜ、だったら!

 

 

「君達の心意気、好きだぜ!全力で倒すだけの価値が、あるっ!!」

 

 

俺は一気に3人と距離を詰めた!

 

「イル、ネル!こうなったら相打ちでもこの人を倒します!この人は危険です!」

 

いい発想だ、感動的だな、だが無意味だっ!!

3人が纏めて得物を振り翳していくが――――

 

《リキッド・プリーズ》

 

俺は予め嵌めておいた指輪を翳して、体を液状化させた。

そのお陰で、3人の攻撃は空振りに終わった!

 

「えっ!」

「何!?」

「体が、水に…!?」

 

俺は怒りの王子、バイオ!ライダーッ!なんてな!

さぁて、小猫ちゃんもそろそろ決めそうだから、終わらせますか!

 

「えい…!」

「ぐぁっ!!」

「おらぁ!!」

「「「ぐあぁ!!」」」

 

小猫ちゃんが敵の『戦車』をアッパーでぶっ飛ばし、俺も液状化を解いて彼女達を殴り飛ばした!

 

「ふぃ~、やるね小猫ちゃん」

「いぇい…」

 

無言のピースサインが何か怖い……っと。

 

「じゃあ、行こうか?」

「はい…」

 

俺達は後ろを振り向かず、体育館を後にした!

 

『イッセー、小猫。体育館から離れたようね、さすがだわ』

 

 

 

 

―――次の瞬間、今までそこにあった体育館が激しい落雷によって消し飛んだ!!

 

 

 

「―――テイク」

 

 

 

その言葉と共に、体育館の上空にいる巫女服姿の朱乃さんの姿があった。

 

『ライザー様の『兵士』3名、『戦車』1名、リタイア』

 

同時に今まであそこにいた4人がリタイアしたことを知らせる、グレイフィアさんのアナウンスが入った。

さっすが朱乃さん!

 

「凄いですね、朱乃先輩……」

「な」

《Reset》

 

そう呟くと、倍増がリセットされた。

 

 

『良くやったわ、イッセー、小猫。なら次は祐斗と合流なんだけど…』

「今すぐ向かいます」

 

部長との通信を終え、俺は小猫ちゃんに向き直る。

 

「っし。小猫ちゃん、行こうか?」

「はい」

 

と呟くと、俺達は光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

「ふふふ……まさか攻撃されるとは思っていなかった?狩りを終えて油断した獲物は一番狩りやすい…基本よ」

「……確かに基本だな。タイミングも完璧だったし、だけどやるなら殺気を抑えないと駄目だぜ?」

「!!?」

 

……俺の声に随分とライザ―の『女王』は驚いているようだった。

 

それはそうだよな―――確実に不意を突き、事前から用意していた術を全力で放って、しかも直撃したことを確信したのにも関わらず、なんともない声が聞こえたんだからな。

 

俺は拳を振るい、爆炎による煙を振り払って空に浮かぶ敵を見る。

 

 

今のは簡単にこいつの攻撃する気配を察知して、魔法で防御しただけ。

多分狙いは…小猫ちゃんだろうな。

 

ま、一歩タイミングが遅れたら不味かったけどな。

 

「殺気の抑え方習った方が良いぜ?オバサン?」

「小僧……殺すっ!!」

 

おぉ、良いね。俺の安い挑発に乗ってくれるなんてさ。

ってか怒るって事は自覚あんじゃね?

 

「大丈夫?小猫ちゃん」

「はい、あるがとうございます……」

「良いって事よ」

 

とは言え、こっからどうすっかな……?

 

「イッセー君、小猫ちゃん……先を急ぎなさい」

「朱乃さん!」

 

そう思っていると、ちょうどあの『女王』と相対するように上空から下りてくる、朱乃さんの姿があった。

 

「心配はご無用ですわ。私の大切な後輩に不意打ちで傷つけようとする不届き者。オカルト研究部副部長として…倒しますわ」

 

朱乃さんは目を開くと、その魔力が跳ね上がった!

 

「分かりました!でも、気をつけてください!」

 

それだけ伝えると、俺と小猫ちゃんは木場の元に向かっていった。

 

 

『ライザー様の『兵士』3名、リタイア』

 

 

すると更に三名がリタイアしたというアナウンスが入った。

 

兵士三人……。なるほど、木場のやつか!

 

「これで半分近くのあいつの駒を殲滅出来た…あとは!」

 

 

俺と小猫ちゃんは運動場付近に到着すると、俺はすぐそばに木場がいることに気がつく。

そして俺は腕を引かれた。

 

「やあ、イッセー君、小猫ちゃん。無事でよかったよ」

 

そして腕を引いた張本人は涼しい顔で無傷でいた木場だった。

 

「元気そうだな、木場」

「まぁね」

 

お互いに軽口を叩き合う。

 

「さぁて、これからどうする?」

「次の敵は小猫ちゃんとは相性の悪い騎士や僧侶だらけだ…ここは」

「小猫ちゃんを待機させる……か?」

 

そう言うと、木場は静かに頷いた。

それを聞いていた小猫ちゃんは苦い顔だった。

 

「ですが……」

「小猫ちゃん、君の気持ちも分かるよ。だけど、俺達に負けることは許されない。何より駒の数じゃ俺達は圧倒的に不利なんだ」

 

俺が諭す様に言うと、小猫ちゃんは小さく頷いた。

 

「ごめんよ、小猫ちゃん。俺と木場がピンチになったら、その時は………助太刀してくれるか?」

「…分かりました」

 

小猫ちゃんが頷くのをを見て、俺と木場は静かに立ち上がった。

 

 

 

「さぁて…、そろそろ隠れてこそこそやるのが面倒なんだよなぁ」

「同感だね。僕も面倒なのは嫌になってきたところだよ」

 

そう言うと、俺達はどちらともなく笑った。

考えることは一緒か…なら!

 

 

「オカルト研究部の男子コンビで、あいつらの目が飛び出るくらい驚かしてやろうぜ!んで見せつけるんだ―――俺たちの底力を」

「当然だよ!僕たちは舐められて終われないからね」

 

 

 

そして俺と木場は拳を殴り合わせ、そして用具倉庫から飛び出る。

 

 

「出てこい!ライザーの眷属共!俺達は逃げも隠れもしねえ!!」

 

 

俺は運動場に出て叫ぶようにそう言い放ち、そして篭手を出現させる。

 

《Boost!!》

 

 

 

 

………お出ましだな。

 

「堂々と真正面から現れるなど、正気の沙汰とは思えんな―――だが!」

 

……運動場から霧が現れたと思うと、そこから甲冑姿のライザ―の下僕が現れる。

 

 

 

「私はお前らのような馬鹿が大好きだ!」

「……」

 

…多分、こいつも相当の馬鹿なんだな。

 

 

とにかく、あいつは恐らくは『騎士』…剣を帯剣しているくらいだしな。

 

「私はライザー様に使える『騎士』、カーラマインだ。さぁ、グレモリーのナイトよ、名乗れ!」

「僕はグレモリー様に使える『騎士』、木場祐斗。ナイト同士の戦い、待ち望んでいたよ!!」

 

…木場が帯剣していた黒い剣を引き抜き、何度か振りまわすとその剣先を相手に向けた。

 

「良く言った、リアス・グレモリ―のナイトよ!!」

 

 

ッ!

 

 

すると相手の『騎士』が高速で動きははじめる!

木場と遜色のないほど速度…さすがは『騎士』!

 

 

っつーか木場、お前も実は剣馬鹿だな?

 

「…全く、カーラマインは剣馬鹿なんだから」

 

……なるほどねぇ。

 

 

 

 

「全員投入とはさすがに俺も驚いたぞ」

 

……そこにはライザーの持つ、全ての駒が集結していた!

 

ツインロールの金髪の女の子に、仮面をつけたいかにも近接戦闘を得意とするような女性、和服の女の人に、これまた双子の猫耳少女に大剣を持った奴…。

 

…流石に多いな、フルは。

 

 

 

「それにしては随分と物静かだな、リアス・グレモリーの『兵士』」

 

仮面の女が俺にそう言ってくる。

 

「悪いが、これぐらいで焦っているようじゃあいつに喧嘩を売らないし、魔法使いもやってられないんでね」

「ほう、面白い。ならばその力を見せてもらおう!私はライザ―様に使える『戦車』イザベラ。さあ、行くぞ!!リアス・グレモリーの『兵士』!」

「上等!!」

《boost!》

 

俺と『戦車』の近接戦闘が始まる。

 

 

―――ッ!!

 

パワーだけで分かる……。こいつはさっきの小猫ちゃんが戦っていた戦車よりも明らかに強い!

俺はこいつの全ての攻撃を避けていくけど、拳の風圧だけで火傷しそうだぜ!

 

「ほう!良く避ける!さすがはライザー様に啖呵を切る男だ!」

「そいつはどうも!」

 

俺はイザベラに攻撃をした瞬間、篭手に包まれた拳を強く握り、素直にストレートを放ち狙う!

紙一重で交わすも、そして体勢が崩れ攻撃してきたところを、回し蹴りでカウンター!!

 

 

「ぐぅッ!!」

 

勢いに勝てず、イザベラは地面に叩きつけられる。

 

「……これほどとは。ならば全員で掛かるまで!!」

 

すると俺を囲むように金髪の女の子を除く全ての駒が臨戦態勢になる。

って、え?

 

「……あの子は戦わないのか?」

 

俺はイザベラさんに尋ねると、彼女はなぜか歯切れが悪そうに答えた。

 

「あ、あぁ。その方は戦わないのだ。なぜならその方の名は…レイヴェル・フェニックス」

 

 

 

 

 

 

 

…………フェニックス!?

 

 

「つまりライザー様の実の妹君だ」

「………………………は?」

 

えーっと、つまり、あの子はライザーの妹で尚且つアイツの眷属=駒?

 

 

「変態じゃねーかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

「なんか、すまない……」

 

すると、ライザーの妹は溜め息を吐いて木場と交戦している『騎士』を見た。

 

「まったく、カーラマインも馬鹿ですわ。お兄様が言ったサクリファイスに唯一顔を顰めて……あちらの殿方も顔は良いですが、カーマラインと同じ穴の狢ですのね」

 

あ、この子あれだ。

高飛車系のお嬢様だ。

 

俺の苦手なタイプだ…!

 

「……ま、まぁ良いや。倒すのに変わりはない」

 

俺は魔力を左手に集中させた。

 

「はぁぁぁぁっ………!」

「この魔力……!始末しろ!この男を動かすな!!」

 

イザベラさんが気づくも、ちょっち遅かったな。

俺はその場から飛び上がって木場に魔力を譲渡する!

 

「受け取れ木場ぁ!赤龍帝の贈り物(ブーステッドギア・ギフト)!!」

《Transfer!》

「っ!こ、これは…!?」

「木場!お前の神器を使え!!」

「…魔剣創造(ソード・バース)!!」

 

木場が地面に神器『魔剣創造(ソード・バース)』を使うと、地面から幾重もの太い魔剣が生え、ライザーの下僕全員の腹に突き刺さっていた。

 

「こ、これが……」

「ドラゴンの、力……!?」

 

彼女達が呟くと、

 

『ライザ―様の『兵士』2名、『騎士』2名、『僧侶』1名、リタイア』

 

光に包まれて消えていった。

 

「イッセー君、今の力は…」

「あぁ。赤龍帝の篭手は、自分の力を増やすだけじゃなくて、それを他人や物に渡せるんだ。あんまり使った事ないけどな」

「凄いです、先輩……」

 

 

すると、

 

『イッセーさん!聞こえますか!?』

 

アーシアの通信が突然に響いた。

 

焦ってる?何かあったのか?

 

「どうした、アーシア!何があった!?」

『大変なんです!部長さんが…部長さんが!!」

 

 

…なんだ、この胸騒ぎは。

アーシアの焦り声と、どこからともなく感じる嫌な予感に俺は冷や汗を掻きながらアーシアの言葉を待つ。

 

 

そして、その嫌な予感は的中したのだった。

 

 

 

『―――部長さんが単騎で相手の本陣に向かいました!!』

 

…それは衝撃的なことで、俺は目を見開いて驚いた。

 

そして―――

 

 

『リアス様の『女王』1名、リタイア』

 

更なる追い討ちを掛けるようにそのアナウンスが響き渡った。

 

 

 

 

 

 

俺はアーシアが何を言っているのか分からなかった。

次いで俺の耳に聞こえた、朱乃さんのリタイアを知らせる音声。

 

 

「アーシア、一体何があった!?どうして部長が…」

 

 

 

朱乃さんのことは当然、心配だ。

だけど今は部長が最優先だ!

 

 

 

『向こうからの通信で、部長さんとの一騎打ちで決着をつけるって!』

 

じゃあ…

 

「部長は……!」

 

 

それと同時に、俺は新校舎から怒る爆発音と轟音に気付く!

…新校舎で、部長とライザーが戦っているッ!

 

 

 

くそったれ!こうなったら!!

 

「木場、小猫ちゃん!相手の『女王』は朱乃さんを倒した!次に狙われるのは部長か、アーシアがいるところだ!だからアーシアの所に向かって…」

 

 

その時、通信機からアーシアの叫び声が聞こえた!

くそ、予感的中かよ!?

 

 

 

「急げ、木場、小猫ちゃん!あの付近には朱乃さんが仕掛けた罠があるけど、それも通用しない!俺は今すぐ部長のところにいく!」

「ああ、分かった!……イッセー君、頼んだよ!」

「先輩も、気をつけて…!」

 

…木場と小猫ちゃんは急いでアーシア達の所に向かう。

 

敵の狙いは俺たちの生命線であるアーシアの撃破。

そして部長を自身で葬り、保険としてアーシアを潰す。

 

だけど木場と小猫ちゃんが相手の『女王』を押さえてくれたえら、俺はライザーに集中できる。

 

 

でも敵は朱乃さんを倒したほどの悪魔だ…強さは相当なはず。

 

 

 

「もう貴方方に勝ち目はありませんわ。こちらの女王、ユーベルーナ。彼女にはフェニックスの涙を一つ、持たせていますわ」

 

……それが、どうした?

 

「だったら何だ?」

「っ!?」

 

俺は殺気をぶつけると、ライザーの妹は怯えの眼差しになった。

 

「いいてぇ事はそれだけか?なら消えろ。金髪ドリル」

《boost!》

 

 

俺は一言吐き捨てると、部長の下まで飛んでいった!

 

 

 

間に合ってくれよっ!!

 

 

イッセーside out

 

 

 

 

 

 

新校舎の屋上――――そこでは、リアス・グレモリーとライザー・フェニックスによる一騎打ちが始まっていた。

 

 

「リアス、いい加減諦めろ……君はもう詰んでいる。君の本陣には我が最強の女王、ユーベルーナを送った。もうじき、リタイアになるだろう。そしてここで君が倒されればそこでもう終わりだ…投了しろ、リアス」

「誰が!!」

 

リアスはライザーの顔に向かって大質量の魔力を放つ…だがそれが直撃し、ライザーの顔は消し飛んでもまた再生する。

 

さきほどからそれの繰り返し、だが確実にリアスの精神力は削がれていった。

 

「リアス、言っておくが今の君では俺に何度やっても勝てない。未成熟な力に未成熟な心…君はあまりにもまだ弱いさ」

「そうかもしれないわね…確かに私の攻撃は一切通らない。全てあなたの言う通りかもしれない。………だからって諦めるものですか!」

 

何度も何度も、リアスはライザ―に滅びの魔力を放ち続ける。

 

決して諦めまいと、自身を鼓舞するように。

 

「私が諦めるわけにはいかないわ。まだ戦っている下僕がいる!それなのに王である私がどうして諦めなければならないの!」

 

そう言い放つと、リアスは大出力の滅びの魔力を放った。

 

 

「確かにそれはすごい力だ…。だがな、リアス!単調過ぎるぞ!!」

 

が、ライザーはそれを易々と避け、業火をリアスにぶつけた。

 

「あぁぁぁっ!!!」

 

ライザーの業火に身を焼かれ、リアスは絶叫した。

火が消える頃には、もはや虫の息だった。

 

 

「…リアス。出来れば君を傷つけたくはなかったが、俺も『王』だ。君はここで、終わる…」

 

そう言うと、ライザーは手に炎を集中させた。

 

 

 

 

『私、もう……』

 

リアスは薄れ行く意識の中で、自身が敗北する事を自覚した。

 

『ごめんなさい…朱乃、祐斗、小猫、アーシア、――――イッセー』

 

その中でリアスは、合宿の夜を思い出した。

 

 

 

 

そして、唯一の『兵士』の言葉を――――

 

 

「俺が、部長……貴女を自由にします」

「俺が貴女の希望になります!」

 

 

 

『イッセー、貴方は…グレモリーに縛られていた私に希望を見せてくれた。貴方は、何時も明るかった』

 

でも、もう自分は――――

 

 

 

 

 

「本当に絶望しそうになったら、俺の名前を呼んでください。絶対に、駆けつけます」

 

 

そして、彼は屈託のない笑顔で、そう言った――――

 

 

 

「………て」

 

それを思い浮かべた瞬間に、リアスはうわ言の様に呟いた。

 

「ん?」

「……けて」

「ふふ……心配するなリアス、もう苦しまなくて済む―――」

「…助けて、助けて!助けてよっ!!約束したじゃない!!助けてくれるって!!私の希望になってくれるって!!!助けてよっ!イッセーッ!!!!」

 

 

 

 

その瞬間、ライザーは金網に叩き付けられた。

 

 

 

 

 

 

 

「呼びましたか、部長?」

 

その声は、とても静かで、とても穏やかで、とても明るかった。

 

「あ、あぁ…………」

 

その声を聴いた瞬間、リアスは涙を浮かべた。

 

 

悲しさではない、嬉しさを滲ませた声で――――

 

 

 

 

 

「イッセーっ!!!」

 

 

 

その正体は、兵藤一誠その人だった。

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

間に合った……間に合ったよ、神様!

 

部長はボロボロだった。

そんな目にあわせてしまった不甲斐ない自分を殴りたくなったが、今はそれどころじゃない。

 

 

「後は、任せてください」

「…ごめんなさいっ」

 

―――謝らないでください。

 

俺は部長に自分の服を被せ、ライザーを睨み付ける。

 

 

「貴様、赤龍帝の糞餓鬼……」

「よう。随分俺のご主人様を痛めつけてくれたな……」

 

お前は、お前だけはッ!!

 

「俺がッ!ぶちのめすっ!!!」

 

そう咆哮すると、俺は体に力を込める!

 

 

「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

赤いオーラが俺の体を覆っていくと、俺の右腕、両足、胴体が赤い鎧の様な鱗に変化していく!!

それに合わせ、俺の犬歯、耳も鋭く尖っていき、額からは一対の角が生えた!

 

 

 

そして俺は両拳を叩き合わせ、オーラを吹き飛ばした!

 

「なっ、その姿は……!?」

 

 

 

 

 

 

まぁ、驚くのも無理ないよな。

 

 

何せ今の俺は――――

 

 

 

「さぁ、お楽しみは、これからだぁ……!!」

 

 

 

 

小さいドラゴンのような風体だからな。

 

 

 

 

次回、D×Dウィザード

 

龍人イッセー「おらぁ!!」

 

ライザー「ぐはぁ!!」

 

リアス「ありがとう、イッセー……」

 

 

MAGIC13 『俺達、戦います!後編』

 

 

 




技解説

龍牙雷光(ドラゴニック・プラズマ)

一秒間に何百発という夥しい高速拳で相手を殴る。
なお、平常時では絶対打てないので倍加による強化必須。

元ネタは獅子座の黄金聖闘士の技
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