ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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ドライグ『いやー、まさかこんなに連載が長引くとはねぇ』


MAGIC138『生と死のEscape Game』

 

さて、ホテルの窓から外を見やるが――――真っ黒のローブを着た死神様御一行がこっちを見上げていた。

 

フードを目深く被っているから表情は窺えない。

だけど向けられている感情は分かる…………敵意、殺意がマシマシだ。

 

手には雑草を刈るには大きすぎるほどの大鎌。

あれが死神を象徴する武器、斬られれば魂を汚染されるらしい。

 

こうなったらハーデスのこの行動は完全に越権行為だ…まぁそれを追求するのはここから脱出してからだな。

 

 

兎にも角にも、ゲオルクが創り出したこの疑似空間から脱出するには三つの方法しかないらしい。

 

『一つ!創り出した術者が解除する!二つ!強制的に出入りする!そして三つ!術者を倒すか、この結界を支えている中心点を破壊する!!』

 

何でオーズ風なんだよ。

 

『ジオウにオーズ出演したから祝おうと思って』

 

まぁ分かりやすく纏めてくれてありがとよ。

 

『ぶっちゃけ作者が書きやすくする為にどうするか悩んでたらオーズのナレーション風にしたらどうだ?って発想から生まれたんだけどな』

 

メタい!!

 

「中心点…制御装置に関しては駐車場、ホテルの屋上、ホテル内部の二階ホールの会場、計三つの結界装置が確認できました。ウィザードラゴンさんの使い魔のお陰です!」

 

こういう時プラモンスター達は便利だ。

小さいから気付かれにくいし、ルフェイちゃんが掛けてくれた気配遮断の魔法も相まって短い間で制御装置を見つけてくれたからな。

 

「壊すべき結界装置はウロボロスの像か。三つとは相当大がかりだな。この空間はオーフィスを留める為だけに作られた特別な専用フィールドって事だ。本来のオーフィスなら問題ないだろうが、力を殺ぐことを前提で設計してたんだろうな」

「装置の傍には死神の数も多数集結しています。駐車場が一番多いですね。曹操様は既にこの空間から離れていますが、代わりにジークフリート様がいらっしゃいますし、疑似空間製作者のゲオルク様もおります」

 

つまり駐車場が一番の難関って事か。

 

けどそういや…

 

「ある個所の死神部隊が全滅してたのは何なんすかね」

 

偶然クラーケンが見つけたのだ。

ここより下の階層にいた死神部隊が全員倒れていたのだ。

 

「…何かのイレギュラーが働いていた可能性もあるな。とにかく、ますます油断できないって事だ」

「…それもそうっすね。じゃあ取り合えず、作戦通り俺が初撃で叩くって事で良いっすね?」

「あぁ。…すまんな、お前もサマエルで疲労してるってのに」

「気にしないで下さいよ。ヴァーリに比べたら屁の突っ張りっすよ」

 

それにこんなんでへこたれてたらヴァーリに怒られるしな。

 

「行けるよな?ドライグ、ドラゴン」

『大丈夫だ、問題ない』

『誰が疲労していると?』

 

よし、行けるな。

 

「ドライグの奴、死亡フラグ立てたけど大丈夫か?」

「『大丈夫だ、問題ない』」

「お前ら打ち合わせとかしてないよな?!」

 

さて、脱出作戦の始まりだぜ!

 

 

ーーーー

 

ルフェイちゃんの結界で覆われた階層の廊下に、俺は鎧姿で立っていた。

俺の傍には猫又モードの小猫ちゃん。

 

その近くではルフェイちゃんが脱出用の魔方陣を準備していた。

この空間から先に抜け出すのは、ゼノヴィアとイリナだ。

 

イリナはサーゼクス様と天界に今回の真意とハーデスのクーデターを伝える役割、ゼノヴィアはその護衛だ。

ゼノヴィアに関しては、護衛の他にエクス・デュランダルの修理も頼みに行く手筈だ。

 

『まさか全てのエクスカリバーが揃うとはな。修理終わったらとんでもないのになるんじゃないか?』

 

そう、ドライグの言う通り、実はエクスカリバーが全て揃ったのだ。

今イリナが持っている聖剣がそうなんだ。

 

アーサーが持っていた最後のエクスカリバー、『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』。

それを何と譲渡されたのだ。ルフェイちゃん曰くもういらないらしい。

 

『大方あの親フェンリルの制御に使う為に持ってたんだろう。今は暴走の兆しもないし、力もあの時より落ちてはいるがそれでもあれほどの魔獣はいまい』

 

ま、何にせよその時が楽しみだ。

 

「…探知、完了しました。先輩、そことそこです」

「了解っと」

《Wizard Promotion!!Water Dragon!!!!!》

 

俺は鎧を青色に変化させ、各砲門を指し示された場所に向ける。

 

「…小猫ちゃん」

「はい…?」

「その…こんな時に聞くのは野暮だけどさ、黒歌とは……」

 

俺の問いに、小猫ちゃんは少しだけ沈黙する。

 

「……私は、今まで姉様が嫌いでした。恨んでもいました。ですが……」

 

顔を上げる小猫ちゃん。

その顔は、さっき出て行った時とは違って、強い眼差しだった。

 

「ちょっとだけ、姉様とも、昔のように戻れたような気がします。本音でぶつかり合って、ちょっとだけ、姉様がまた好きになりました」

「…そっか」

「…これも、イッセー先輩のお陰です」

「止してくれ。俺はただ背中を押しただけだからさ」

「それでもです…」

 

照れくさくなってちょっと顔を背けると、小猫ちゃんは俺に抱き着いてきた。

 

「先輩がいたから、先輩の言葉があったから、私はここまで強くなれました。先輩のお陰で、ギャー君も強くなれた。だから、私も今以上に強くなろうと、思って」

「なれるさ。俺だってこうして変われたんだ。小猫ちゃんなら直ぐだよ」

「…好きです、イッセー先輩。大好きです。グレイフィアさんが先にいても、他の皆さんが先にいても、必ず追いかけて、貴方の隣に立ってみせます。だから……」

 

小猫ちゃんは一旦言葉を切った後、真っ直ぐに俺を見上げて、告白した。

 

「おっきくなったら、お嫁さんにしてください…!」

『え、そこで逆プロポーズしちゃうの!?』

 

小猫ちゃんの逆プロポーズに驚く俺だったけど、それ以上に周りの女性陣――――リアス、アーシア、朱乃さん、ゼノヴィア、イリナ、レイヴェル、そして黒歌。

 

って、聞いてたんかい!なんか空気読んで聞こえないふりしてバッチリ聞き耳立ててんじゃない!!

 

ルフェイちゃんもあわわと顔を真っ赤にしてこちらを見ている!君もか!!

 

唯一オーフィスだけだ、この空気でもぼんやりとしてるのは!

あ、木場と先生は横見ながら笑い堪えてる…後で殴ろう。

 

 

けど――――

 

「……先、越されちゃったな」

「へ…?」

「小猫ちゃん、俺はさ。意外と欲張りなんだ。自分が欲しいって思ったもんは何としても手にしてたい。だから――――」

 

俺はマスクをこの時だけ収納して、小猫ちゃんの唇を奪った。

 

『あーーーーーーーッ!!!!』

 

そして響き渡る女性陣の悲鳴!

この程度は予想の範疇、ここまで来たらいっそ派手にやるのが俺流だ!

 

「絶対、君を幸せにする。俺と、人生の最後まで生きてくれ!」

「…はい!!」

 

小猫ちゃんは嬉しそうに何度も頷いた!

よーし、甲斐性は見せたぜ!

 

…後ろで女性陣が何やら会議を開いてるのは見なかったことにしよう、うん!

 

『戦場で告白か。死んだな』

『死んだな』

 

洒落にならない事言うな!!

 

「えーっと、術式、組み終わりました!」

 

そうこうしてる内に準備が出来たようだ。

 

 

さぁ―――

 

「ショータイムだぜッ!!!」

《Full Blast Burst!!!》

 

力強い音声と共に、赤と蒼が入り混じったん力の奔流が砲門から放たれ、狙いを付けた場所――――屋上とホールに向かう!

 

俺達の作戦は至極単純、砲撃形態の水嶺僧侶の砲撃で先に装置を二つ同時に破壊、それと同時に群がってる死神を殲滅。

そして守りが一番厚い駐車場の区画を最後に制圧!

 

それとこの初撃は敵の動揺を誘うため、態と威力を大きくしている。

普通なら燃料切れになるが、魔力特化同士のこの姿なら容易い!

 

瞑目して確認したルフェイちゃんが告げた。

 

「屋上とホールの結界装置の破壊に成功!周囲にいた死神の方々もいません!残るは駐車場の一画だけです!――――こちらも準備完了しました!」

 

刹那、ルフェイちゃん達の足元の魔方陣が輝きを増す!

 

「ゼノヴィア、イリナ!しくじるなよ!!」

「イッセーもな!」

「絶対にこの任務は果たしてみせるわ!!」

 

よし、これで三人の脱出は成功だ!

 

「イッセー、外の死神連中は任せたぞ!!」

「了解!!」

 

先生達を筆頭に、俺を除いたメンバーが駐車場に向かっていく!

残った俺は結界の外に行き、突然の事で狼狽えていた外の死神連中の元へ!

 

『今のは……!ッ、赤龍帝!?』

「よー、死神さんよぉ」

 

ううわ、ここまで見ると気味悪い光景だな。

薄暗い連中が釜を振りかざしてるよ。

 

『一人とは、舐めた真似を……』

「いーや、一人で十分だからさ」

《Wizard Promotion!!Land Dragon!!!!!》

 

鎧を黄色に染めると、俺は右拳を地面に叩きつける!

軽い振動と衝撃の後、その場にいる死神全員ががくりと膝を付く!

 

『…重力かッ!』

「あんまり時間かける訳にもいかないんでな。最初からクライマックスでやらせてもらうッ!!」

 

俺は両拳に魔力を集中させて、地面に叩きつけた。

 

「まとめてフィナーレだッ!!龍戦車の大蹂躙(グランディス・タイラント)ォッ!!!!!!」

 

叩きつけられた勢いで放たれた暴力的な衝撃波は、辺り一面の風景を死神と共に蹂躙するかのように破壊していった。

 

 

『ちょいと威力大きすぎたな。空間もそうだし、向こうにも被害出てるかも知んねーぞ』

 

これだったらもうちょっと威力落としても良かったな。

死神がいた事が分からないぐらい、塵一つ残っていなかった。

 

「さて、向こうに戻るか」

 

俺は鎧を緑色に染め、風と共にその場を駆け抜けていった。

 

 

 

 

 

 

 

『…………素晴らしい』

 

イッセーがいなくなって直ぐに、空間の一か所が歪み、そこからワイズマンが現れた。

その声音は、純粋にイッセーの力量を褒め称えるものだった。

 

『順当に成長を遂げて行ってくれている……英雄派よ。お前達と言う障害が兵藤一誠を更に強くしてくれる。そう――――』

 

 

新世界創造の為に――――。

 

 

 




アザゼル「さぁ、付いてこれるか?……時のある間に薔薇を摘め(クロノス・ローズ)!」
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