ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
イッセー「うるせぇよ!!」
曹操「ハリー絶対許さねぇ!!!」
イッセー「そこまで行くと僻みだぞお前!」
ドライグ『ほまれ…お前、輝いていたぞ……ほまれェ』
ドラゴン『まだ泣いてるのか……』
「……ドライグ、聞こえるか?」
『…あぁ』
俺――――兵藤一誠の心に響いてくる、多数の声。
――――助けて、ウィザードラゴン!
――――あの大きい怪獣を、やっつけて!
無数に響く子供達の声が、俺達の心にじんわりと響いてくる。
心に届くのと同時に、次元の狭間の空――――冥界の子供達の笑顔が沢山現れていく。
『…成程な。相棒、どうやら冥界中の子供達の思いを、グレートレッドがここに投射してくれているみたいだ』
…冥界中の、これが全部、俺達を呼ぶ声か。
俺の中に、こみ上げてくる熱い思いがあった。
俺は自然と、拳を握り締める。
『グレートレッドは夢幻を司るドラゴンだ。…誰かが抱いた夢を、誰かが見た夢を、誰かが思い描いた夢を、それらを俺達に見せているんだ』
「夢、か……。でも、この俺を呼ぶ声は夢なんかじゃない。そうだろ?」
『…あぁ、そうだな。……不思議な感覚だ、こんなに高揚したのは何時ぶりだろうか……この声に応えてこそ、ヒーローだろ?』
――――あぁ!
『グレートレッドよ。この男を、あの子供達の元に帰してやってくれないか?』
ドライグの進言に、グレートレッドは――――一際高い咆哮を上げる。
すると前方の方角が歪みが発生し、裂け目が生まれた。
そこからは大都市が一望できた――――冥界の都市だろう。
「さぁて……いっちょ行きますか!!」
『応っ!!』
『……フン』
「おー」
そして最後にグレートレッドは同意するかのように咆哮を上げ、次元の裂け目を超えていった。
ーーーー
グレイフィアside
私、グレイフィア・ルキフグスは冥界の首都、リリスにて『超獣鬼』の相手をしている最中にあります。
ルシファー眷属の『騎士』沖田総司さんが『超獣鬼』へと斬り込み、切り裂かれた後にすかさず麒麟の炎駒さんが炎の砲撃を浴びせる。
「やっぱ効果薄いっすよ!グレイフィアの姐さん!」
「怯んではいけません!倒せずとも、首都圏を何としても死守するのです!……ハティ、スコル、まだ行けますか?」
『ちょっちキツイけど、まだ頑張れるよ!』
『俺も!お兄さんだってこのぐらいじゃ諦めないもんね!!』
お兄さん――――イッセー様…………そうです、彼はどんな時だって諦めずに進んできたのです。
彼が守ってきた笑顔を、希望を、彼がいない間……私達が何としても守るッ!
「ハァッ!!」
「穿てっ!」
狼を模した魔力弾と共に、エリス様が大規模な槍の雨を降らせ、『超獣鬼』の表皮に傷が生まれていく。
ですがこれほどの一撃でも、『超獣鬼』の歩みが止まるのみ…………。
「……やはり、足止めが限界ですか」
『豪獣鬼』は複数体が沈黙したと報告したと聞いていますが、本元の『超獣鬼』は一筋縄ではいきませんね……。
――――イッセー。
「私達に、力を……!」
余力を振り絞って、全力を撃ち放つ!……が、その煙の中から無数の触手が襲い掛かってきた!
迎撃しようと肘部に折り畳まれていた剣を展開しようとしたところで……鎧が解けてしまったのです。
『ワウゥ……』
『グゥ…』
ハティとスコルも限界だったようです……ここまで有難う。
私は二匹をグレモリー邸へと転移させ、単身迎撃を試みるますが――――
『触手の方が速いっ!』
迎撃を諦め、防御の為に魔方陣を展開した瞬間――――赤い剣筋と共に触手が切り裂かれました。
「これは……」
総司さんでしょうか、そう思いましたが、どうやら違うようです。
「姐さん!大丈夫ですか!?」
「えぇ……今のは」
「――――間に合ってよかった」
戸惑いを隠せない私の耳に届いたのは、酷く覚えのある声。
心底安堵したという感情が籠められたその声は、誰よりも愛しい彼の声そのもので。
「……ッ」
私は声のした方へと振り向くと、そこには――――
「待たせてゴメン。グレイフィア」
赤い鎧姿のあの人……イッセーがアスカロンを携えて、そこに浮かんでいたのです。
イッセーside
ふぃ~、ギリギリ間に合った……!
俺はグレイフィアに襲い掛かっていた触手を寸での所で切り刻んで彼女を守った。
グレイフィアの元に近付き、傷がないかを確かめる……うん、無事みたいだな。
「イッセー、なの……?」
対するグレイフィアは幽霊を見たかのような、信じられない面持ちで俺を凝視していた。
「おう。……心配かけて、ゴメンな」
「…イッセーッ!!」
そう言うと、グレイフィアは目尻に涙を浮かべ、俺に勢いよく抱き着いてきた。
「…良かったッ。生きていてくれて……本当に……ッ!」
「…あぁ。俺はちゃんと、ここにいるよ」
……大切な人を泣かせるなんて、恋人失格だな。
俺はグレイフィアの涙を拭って、落ち着かせる為に背中を叩く。
「…あのー、姐さん。お熱いのは良いんですけど、そう言うのはまた、後でにしてもらえますかね……」
「…ッ!!」
と、ここでルシファー眷属の皆さんの生暖かい視線に気付き、グレイフィアはバッと離れる……可愛いなぁ。
「ご無事で何よりです、一誠さん」
「エリスさん!」
ニコニコ笑顔で俺に寄ってきたのは、サーゼクス様の奥さんのエリスさん!
『おぉ、中々エロイ身体つきだな』
ドライグの言う通り、エリスさんの格好は身体つきが良く分かる戦闘服!
ピッチリしたスーツを押し上げるおっぱいに括れた腰、綺麗な生足……有り体に言ってエロい!
「…いてててててっ!!」
何て鼻の下を伸ばしていたら、グレイフィアに頬っぺたを引っ張られた!
「御免なさい」
「いえいえ、殿方ですから仕方のない事です」
エリスさんはニコニコとしつつ、後ろの怪物相手に大質量の槍を投げつけていた!
槍の穂先は怪物の首を消し飛ばしていく!……が、すぐさま再生していった。
何つー再生能力だ……あれ受けて直ぐに回復しちまったよ。
『エロいのはこの際後で歴代の奴等と円卓会議するとしてだ、どうする相棒』
お前先輩方と何やってんの?!…………対抗策としては、久々にあれやってみるか?
『『あれ?』』
二人の疑問に、俺は懐から指輪を取り出す。
すると、ドラゴンの方から嫌そうな声が漏れた。
『……おい、まさかとは思うが』
「うん。――――融合すっか」
『――――嫌だ!!』
嫌だ!!……って、お前そんな事言うキャラか?
『俺はもうこんなドスケベと融合したくないんだ!!』
「キャラ崩れてるって!そんなに嫌なのか!?キャラ崩壊するほど嫌ってか!?」
『嫌だ!!』
『…そこまで否定されると俺だって傷付くぞ』
…うん、まぁ、ドラゴンの気持ちも分からんではないけど。
でもさ、ここは冥界の危機って事で、覚悟決めてくれよ。
『嫌だ!僕には出来ない!!』
『甘ったれた事を言うなぁ!!ここで俺達が出張らないと相棒に見せ場全部持っていかれるんだぞ!!そんな事になっても良いのかぁ!?』
『出番なんていらない!!寝かせてくれぇ!!』
『そこまで言うなら無理やりにでも俺と超融合してもらおう!!――――やれ相棒!!!』
『何でそんなに乗り気なんだよぉッ!!!』
「……お、おう」
何か、こんなに嫌がっているのに無理やりさせるのもどうかと思えて来たんだけど……まぁ良いか。
改めて指輪をはめると、俺は魔法を発動させる。
――――折角だ、ここはドラゴンの気を乗せるためにも、派手にいかせてもらおう。
「俺は魔力を消費して、魔法――――超融合を発動!!俺は、
《Soul Fusion Welsh Wizardragon!!!!!!!!!!!!!》
『ヨッシャァァァァッ――――』
『イヤだぁァァァァッ――――』
気合十分なドライグと、本気で嫌がるドラゴンの声が、詠唱と共に交わっていく!
「融合召喚!!!吼え立てよ、幻魔龍帝・ウェルシュウィザードラゴンッ!!!!!!」
『グォオオオオオオオーーーーーッ!!!!!!(オッシャァッ!!/畜生めぇー!!)』
それぞれ異なる感情が籠められた咆哮を上げ、生前のドライグを模した鱗のような鎧を纏ったウィザードラゴンが、冥界の空に降臨した!
「……って、何でドラゴン実体化したんだ?」
ドラゴンは確かアンダーワールドでしか召喚できない筈だろ?…まぁ、ぶっつけ本番でやって今更だけど。
首を傾げていると、ドライグの声が脳内に響いてきた。
『グレートレッドのお陰だな。夢を投影させたのと同じ要領で、お前の中の此奴を一時的に実体化させたって訳』
「成程な。サンキュー、グレートレッド!!」
『どうやらグレートレッドが気絶していたお前の記憶を見てな。その中にあった俺達の融合体を見たくなったらしい』
だから力貸してくれたのか!……って、俺の記憶覗いちゃったの!?
『お前が女と交尾してるのもバッチリ見たってよ』
「ヤメテ!!」
『相棒がそこの銀髪メイドに迫られて獣みたいにガッついたのも中々悪くなかったとよ』
だからやめろっての!!今脳内会話だから良いけども!!
『あ、後リアス・グレモリーの乳房を赤ん坊みたいに吸ってたのm』
「もう良いわー!!!さっさとやるぞ!」
『へいへい』
『…もう好きにしてくれぇ』
ドラゴン……すっかり意気消沈しちゃって。
じゃあドライグ、お前が体動かすって事で良いか?
『おう!』
「よぉし。…あ、グレイフィア。皆さんを下げてくれる?多分アイツが暴れると巻き込まれるから、周囲への被害だけ抑えててくれるか?」
「…分かりました。皆さん!」
グレイフィアの号令を受けて、ルシファー眷属の皆さんとエリスさんがこの付近一帯に結界を張ってくれた。
よし、これで思う存分やれるな!
「行け、ドライグドラゴン!!」
『『変な呼び方するな!!』』
何とも締まらない始まり方だけど、ドラゴンは勇ましく吼え立て、デカブツに向かっていく!
怪獣が迎撃するよりも早く、ドラゴンの爪撃が怪獣を深く切り裂いた!
『オラオラオラオラァ!!!』
その一撃に激怒したのか、怪獣が吠えながらドラゴンへとブレスを吐くが、ドラゴンは水流のブレスで鎮火させる。
息つく暇もなく、瓦礫を巻き込んでの暴風が怪獣の巨躯を痛めつける!
『オォッ!!』
『グギャアアッ!!!』
炎を纏った尻尾の一撃で、怪獣を大きく後退させる!
『さぁーて、このままブレスで……』
『『アオーン!!』』
ブレスを吐こうとしたドラゴンを遮るように、その場に遠吠えが響く!
見れば、俺の足元にハティとスコルがやって来ていたのだ。
「貴方達!疲れていたのでは……」
『ワウ!(折角お兄さんが戻ってきたんだ!僕達もジッとなんてしてられないもん!)』
『ワン!(僕等も戦うよー!)』
そう高らかに二匹は吼えると、輝きを発しながらドラゴンに纏わりつく!
光が晴れると、ドラゴンの両翼に狼の顔が特徴のキャノン砲が装着されていた!
「おぉ、かっけー!」
『よぉし相棒、魔力回せ!一気に決めようぜー!!』
『…フフ、これで俺もボンクラ共の仲間入りだ……笑えよ………ハハハッ』
……よし、行くぞ!
俺はドラゴンの背に乗り、背後に手を当てる。
魔力を流し込み、ドラゴンの口に膨大な熱が、フェンリルのキャノンに魔力がチャージされていく。
「これでフィナーレだッ!!消し飛べぇぇぇ!!!!」
『燃えちまいな!!!!』
ドラゴンの炎と、フェンリル砲から放たれた魔力の奔流が、怪獣を塵一つ残さず消滅させた――――
ーーーー
「……はぁ」
怪獣が跡形もなく消し飛んだのを確認し終えると同時に、ドラゴンの姿も消えた。
ハティとスコルと共に、地面に着地して、地べたに座る。
「あー……疲れたぁ」
『いや、相棒。もう終わったみたいな空気醸し出してっけど』
分かってるよ、これからだろ?
「ちょっとはしゃぎ過ぎたかな……」
「イッセー、朗報がある」
地べたに座る俺に、オーフィスが近づいてきた。
何だ?
「グレートレッド、イッセーのオーラを回復してくれる」
「…マジで?」
「マジ」
グッと親指を上げるオーフィスを見てから、グレートレッドを見上げる。
グレートレッドの目が俺を見つめたかと思うと、目が赤く輝き、赤いオーラが俺の中に流れ込んでくる。
おぉ、マジで回復してる!
『グレートレッドに気に入られたな、相棒』
「そりゃ光栄だ。ありがとな、グレートレッド!」
再び開いた次元の狭間への裂け目に入って行こうとするグレートレッドに礼を言うと、グレートレッドは何と俺の方へと振り向いてきた。
何だと思っていると、グレートレッドの口が開き――――
『シャバドゥビタッチヘンシーン、シャバドゥビタッチヘンシーン』
………は?
「……………な、何でその呪文?」
『プリーズ。ルパッチマジックタッチゴー、チョーイイネ。サイコー』
「いや、だから何で俺のドライバーの呪文なんだ!?」
『印象に残っているからじゃないのか?』
いや、印象に残る気持ちは分かるけど何でそれを今言うの!?……おい、グレートレッド!!帰る前にその理由を言っていけ!!
だがグレートレッドはまた呪文を口ずさみながら、次元の狭間に返って行った………。
「……最強のドラゴンって、あんなんなの?」
『いや、俺もあんなだとは思わなかった』
「……何か、余計に疲れた気が」
そう思っていると、ここからちょっと離れた方角から、懐かしい気を感じた。
――――リアス達か。
「イッセー」
俺は立ち上がって向かおうとすると、グレイフィアが声を掛けてきた。
「ここの後処理は私達に任せて。………気を付けてね」
「あぁ。――――じゃ、行ってくる」
俺がバイクに跨ると、オーフィスが後ろに乗って来た。
「オーフィス、ちゃんとしがみ付いとけよ」
「分かった」
「……そう言えば、次元の狭間に帰らなくてよかったのか?」
「考え、変わった。イッセーのいる場所が、我のいる場所。そう考える事にした」
……そっか。
「よしっ……行くぜ!」
「おー」
待ってろよ、皆……!
オーマジオウ、結構ヤバい奴ですね