ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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駄目だ、タイトルが思いつかない(何時もの事)


MAGIC160『これからの動向』

 

「……相変わらず、吸血鬼は好きになれない……ッ!」

 

会談が終わって直ぐ、ゼノヴィアは溜まった鬱憤を吐き出すかのようにテーブルを叩いた。

…此奴の事だから斬りかかりそうな感じもしたけど、よく我慢したよ、ゼノヴィア。

 

「昔のあなたなら、迷わずデュランダルで斬りかかっていたところですね。よく我慢しました――――成長しましたね」

 

シスターに褒められて、ゼノヴィアは複雑そうな顔をしつつ頬を染めていた……つーか昔も似たような場面があったのかねぇ。

 

『吸血鬼と言ってもこの女装野郎と随分違うじゃないか。まだこいつの方が面白いぞ』

「そ、それって僕褒められてるんですかぁ……?」

「ドラゴンにしちゃ褒めてんじゃねーかな」

 

しかしドラゴン、お前凄い事言いやがったな。

 

『何がだ』

 

和平を結ばなくて良い、って言った事だよ。

あの空位でそんな事ぶっちゃける奴いないぜ、普通。

 

『別に俺は悪魔の陣営に興味はない。…ただ、お前に死なれては困るだけだ』

『人、それをツンデレと言う』

『誰が何時デレた』

『え、無自覚なのこわ……』

『何故引く』

 

何時も通りの軽口のキャッチボールを交わすこいつ等は放っておいて……

 

「この後の事を決めとかないとな」

「そうですね。向こうからの連絡を待つ身と言っても、何も用意せずに行くわけにはいきませんから」

 

俺の言葉にソーナ会長も同意する。

ギャスパー本人が助けに行きたい、その意思を出来る限り尊重したいところだ。

 

「行くわ。今度こそヴラディ家とテーブルを囲むつもりよ。まずは私が先に行って、この目であちらの現状を確認してくるわ。ギャスパーの派遣はそれからでも遅くないと思うの」

「俺も同行した方が良いか?」

『いや、相棒は待機しておいた方が良いだろう』

 

え、何で?

 

「前提条件として、ギャスパーの主たる私が直接訪れるのが道理だし、先方にも失礼がないわ。そしてあなた達に待機してもらう理由を大別すると二つね。一つは有事が起きた際に、私がいなくても直ぐに行動できるようにする為。ここに襲来してくる者がいるかもしれないから、対応できるメンバーが残った方が良い。二つ目だけど――――」

『向こうで何かが起こった際の、増援要因としてだな?』

 

ドライグの問いに、リアスは頷いた。

 

「そうはならないのが一番だけれど、今までの経緯やヴァンパイアの問題から推察しても巻き込まれる可能性があるわ。いえ、それを踏まえて行動しても何らおかしくない」

「…そうか。逆にぞろぞろ付いて行っても警戒されるもんな」

 

大勢で行けば力で解決するつもりか、そう勘繰られる可能性が高い。

今まで他勢力と関わっていなかった吸血鬼の気性を考えると、確かに『王』のリアスが行くのは理に適う。

 

「でも一人で行くのは危険なんじゃないか?ツェペシュにカーミラの事情が絡みそうだし、最低限の護衛を連れて行っても良いんじゃないのか?」

「勿論、そのつもりよ。――――私の『騎士』は連れていくわ」

 

木場か、人選としては最適だな。

それに実力だって折り紙付きだ。

 

『お前が行ったら野蛮な印象与えそうだしな』

「やかましい!」

「イッセー様は『王』としての経験がまだ不足しているので、向こうを怒らせてしてしまう可能性が高いですからね」

「ぐふっ!!」

 

グレイフィアのまじりっけナシの正論に俺は膝を付いた。

正論だけに言い返せないのが辛い……。

 

『さっきの会談でもそうだったからな』

「半分以上はお前だろーが!!」

「お前ら口喧嘩は余所でやれー。……俺も同行しよう。エルメンヒルデから話は聞けたが、確認しておきたい事があるからな。リアス、お前はヴラディ家に行け。カーミラ側に向かったら、警戒が強くなるだろう」

 

先生も向かうと……でも待てよ?

 

「先生って堕天使の要人でしょ?警戒されるんじゃないっすか?」

「未だに吸血鬼といがみ合いを続けてる天界と教会の者が行くよりは多少はマシさ。それに、神器に詳しい俺が行く、それ即ち交渉の武器になる」

『聖杯か』

「そういうこった」

 

そう言うと先生は天界と教会の者――――グリゼルダさんとイリナに向き合う。

 

「イリナ、シスター・グリゼルダ、このことはミカエルにも伝えておいてくれ。聖杯と吸血鬼、流石にきな臭すぎる」

「ええ、わかりました。こちらは場合によってはジョーカーを切るとミカエルさまも仰っておりますし、最悪の結果だけは避けたいものです」

 

グリゼルダさんの言葉に先生も軽く驚いていた。

 

「…そんな簡単にジョーカーを切れるのか?って言うか、俺達への対応のランクが上がってるな。まぁ、えらい連中ばかりが狙ってくるから当然っちゃ当然か」

『聖杯と吸血鬼なんて組み合わせ、エボルマッチなぐらい最悪な組み合わせだからな』

「最低限の犠牲で済むようにしたいというのはミカエル様の御意思でもあります。その為にも暇人ジョーカーは存分に使えとの事です。……本当あの子ったら、暇さえあれば美味しいもの巡りで連絡がつかなくなりますから。そこのゼノヴィア以上に困った子です」

 

切り札がそんなザマで天界大丈夫なのかな……。

 

「イッセー。立神に連絡しておいてくれるか?」

「…連れて行くんすか?吼介を」

「護衛として連れていくなら何とかなるだろ。……もしかしたら、ファントムも絡んでるかもしれないからな」

「……何でそう言えるんすか?」

 

俺が尋ねると、先生は言いにくそうに言葉を濁した。

 

「……悪い、それに関してはまだ言えない。まだ確証がある訳じゃねぇからな」

「…分かりました。一応吼介に連絡してみます」

 

なんか腑に落ちない感じではあるけど…………兎に角、降りかかる火の粉は払うだけだ。

 

 




この時点で先生は黒幕に近付きつつあります。それが何を意味するか……分かるな?


破壊者マジ何でもありすぎて笑う

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