ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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まだシスターコンビは出ません

後今回結構視点変わります。見辛いとは思います……すみません




MAGIC16 『精神世界ーーーーアンダーワールド』

 

よぉ、イッセーだ。

今日は学校が休みで、アーシアとお出掛け真っ最中だ。

部長は冥界の方にお呼ばれしていて、今はいない。

 

「いっぱい買いましたね」

「まぁ、こんだけ買えば暫くは飯の心配は大丈夫だな!」

 

何時も出掛けるショッピングモールに行くと、何やらセールをやっていて、大量に買い込んだ訳だ。

んで、今はその帰り。

 

「アーシア、学校楽しいか?」

「はい!皆さん凄く優しくて、私も嬉しいです!」

「そっか!」

 

……過去に辛いことがあったからこそ、今のアーシアは出会った時より輝いてみえる。

何時までも、この笑顔を守らないとな…!

 

 

と、そんな時、

 

 

 

 

「うわぁぁぁ!!」

 

 

急に近くから悲鳴が聞こえてきたんだ!

 

「な、何でしょう…?」

「……行こう!」

「は、はいっ!」

 

俺とアーシアは、悲鳴の聞こえた方向に走っていった。

するとそこには、

 

 

「く、来るなぁ!」

『ここで会ったが何年目か知らねぇっすけど、さっさと絶望してもらうっすよ~』

 

 

丸まった体に翼の生えた怪物が、中学生位の男の子を襲っていた!

白昼堂々ファントムかよ!?

 

「このやろっ!」

『ぐへぇ!』

 

俺は近付きキックでファントムをその子から遠ざけた!

 

『何なんすかお前?俺様の仕事の邪魔をしないで欲しいんすけど』

「お前らの仕事の邪魔をするのが、俺の仕事なんすよ!」

《ドライバーオン・プリーズ》

 

俺はベルトを発現させて指輪を付けながら、ベルトを操作した。

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!》

「変身!」

《フレイム・プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!》

 

割りと久しぶりに変身すると、ファントムは驚いた様子で俺に向かって叫んだ。

 

『あぁ!お前が噂のウィザードって言う指輪の魔法使いっすかぁ!?』

「へぇ、俺も有名になったなぁ。アーシア!その子を頼む!」

「わ、わかりました!」

《コネクト・プリーズ》

 

魔方陣からウィザーソードガンを取りだし、ソードモードに変形させてから、俺はファントムに斬りかかった!

 

『うおっ!?不意討ちとは卑怯っすよ!』

「すっすっすうるせぇっす!!」

『おまえもうるせぇっす!』

「でやぁ!」

『むぅっ!?』

 

っ、受け止めやがった!?

 

『うぼぁ!!』

「どわっ!?」

 

しかも炎まで吐いて来るし!

確かに見た目少しドラゴンっぽいもんな…。

 

『どうしたんすか?攻めてこないんすか?』

「余計なお世話だっ!」

 

だったら突き攻撃だっ!

けど…………

 

 

 

『はぁ!』

ガァン!

 

ファントムは力を込めると、その体が石みたいに固くなった!

いてぇ!なんつー固さだ!?

 

『この俺、ガーゴイルには傷ひとつつけられない、っすよ!』

「なっ………ぐぁぁぁっ!?」

 

の、のし掛かりかよ!?

くっそぅ、このスタイルじゃ持ち上がらねぇ……!

 

『ほ~れほれ!どうしたんすか!?さっさと攻撃しないと、死ぬっすよ?』

「…の、野郎……!」

 

ファントムは余裕綽々で俺にのし掛かりを続ける!

その体の固さを活かしてるな、コイツ…………!

 

 

けど、何時までも殺られっぱなしじゃねぇ!

 

「っ、今だ!」

 

浮かび上がった瞬間に指輪を付け替え、スタイルチェンジだ!

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!……ランド・プリーズ!ドッドッドドドドン、ドンドッドドン!》

『色が変わったァ!?』

 

落ちてくるファントムを立って受け止める!

くそっ、やっぱり重いな…!

 

けど、これで!

 

「そうらよっと!」

『のわ~っ!?』

 

俺は受け止めたファントムを投げ飛ばした!

だが、ファントムは落ちる寸前に空に浮かんでやり過ごした!

 

「てめぇ!浮かぶとか卑怯だぞ!」

『誰も浮かべないとか言ってないっすよ~!そんじゃ!』

「っ!オイ待て!!」

 

…………って、俺この状態だと翼出せねぇんだった!

俺は逃げるファントムを見送るしか出来なかった…………。

 

「くっそぉ!ドライグ、アイツの魔力は?」

『安心しろ。既に記録済みだ』

 

取り敢えずは、また現れても大丈夫だな……。

 

「……っと。君、大丈夫か?」

「あ、はい…」

「ここじゃ何だし、別の場所で話聞くよ」

 

俺はアーシアとその子を連れて、行きつけのあの店に向かった。

 

 

 

 

 

 

「あ~!いっくんだぁ~!いらっしゃ~い!」

「ちわっす」

 

その店とは、俺が小さい頃からお世話になってるドーナツ屋さんだ。

車にドーナツを並べて、そこに並べられたテーブルで食べるオープンテラス的な感じで、そこそこ人気だ。

 

 

んで、今俺に挨拶したのがこの店の店長(年齢不詳)だ。

黄色い髪をポニーテールで結わえた、笑顔が素敵な人……この店の人気の一つなんだ。

 

「あっ、そうだ!新作のドーナツ作ったんだ~!その名も、"ドラゴンフルーツドーナツ"!」

 

……そしてこの人は、結構アイデアウーマン?って奴だ。

ちょくちょくこうやって、新作ドーナツを作って試行錯誤してる……けど、そのセンスが凄くぶっ飛んでると言うか、何と言うか……………。

 

 

普通ドーナツにドラゴンフルーツは乗せないよ!!

相変わらず奇抜過ぎるよ!

 

まぁ、でもーーーー

 

 

「食べる?食べる!?勿論ーーーー」

「プレーンシュガー3つで」

 

俺が食べるのは決まってるけどね。

 

「あぁん!……って、3つ?」

「うん、ちょっとね」

 

もう一々リアクションには突っ込まんぞ……!

店長も訳ありと悟ったのか、それ以上は何も言わずにドーナツを差し出してくれた。

 

「サンキュー、店長」

「はい!毎度あり~」

 

ドーナツ3つを受け取って、アーシアとその男の子に差し出した。

 

「はい、どうぞ」

「い、頂きます……」

 

まぁ、いきなり怪物に襲われたんだ。

いきなり話を聞くのも野暮だしな。

 

 

「君、名前は?」

「えっと、葛葉直樹です」

「直樹君か。えっと……どうして、怪物に襲われてたか、心当たりはあるかい?」

「心当たり……ですか。分からないですけど僕、此方に来たの久し振りなんです」

「久し振り?」

 

元々駒王町の出身じゃないのか?

 

「はい。元々北の方で生まれたので……此方に来たのは、父と一緒に来た時以来なんです」

「今回はいないみたいだけど、お父さんは仕事かい?」

「……………いえ。僕が中学に上がる前に、事故で…」

「…ゴメン。嫌な事聞いちゃって」

「い、いえ!ただ……」

「ん?」

「その、父さんの死の真相を、知りたくて……」

「どういう、事ですか……?」

 

アーシアの疑問は俺も同じだ。

事故で亡くなったんじゃ……

 

「……実は、父さんが死んだ事故は、色々と不明瞭な点があって。此方に来た時の旅行中だったんですけど、車が大破したのに僕は無事だったのもそうですが、父さんの死因が圧死と言うのが………明らかに事故での死因じゃないのが、怪しくて」

「それを調べようと…?」

「はい」

「因みに、事故が起きたのは?」

「7年前です」

「そっか……」

 

 

 

……圧死、か。

ドライグ、どう思う。

 

『恐らくは、その父親がゲートだったのかもしれんな。そう考えるのが普通だろ?』

 

確かに、な………。

 

『何か引っ掛かる事でもあるのか?』

 

いや、だったら生き残った直樹君を狙う必要性はあるのかなって。

ゲートじゃないなら、奴等も基本騒ぎは起こさない筈だし。

 

『……まさか』

 

…そうじゃない事を、願うけどな。

 

 

「……それは?」

「…父さん、警察だったんです。これは、死んだ父さんとの、唯一の繋がりなんです」

 

直樹君は警察手帳を取りだし、そう語ってくれた。

 

「何時か、父さんの様な立派な警察になる……。僕はそう誓ったんです。この手帳に」

「それは……直樹君の希望なんですね」

「はい」

 

希望、か……。

 

 

 

取り敢えずは話を打ちきり、直樹君を家に泊める事にした。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

「ガーゴイル、お前指輪の魔法使いに邪魔されたんだって?」

「そうなんすよ~」

 

夜のビル街、その一角で、フェニックスと作業着を着込んだ男が会話をしていた。

 

「魔法使いめ。忌々しい奴だ……」

 

メデューサは忌々しそうに吐き捨てた。

 

「けどよぉ、どうすんだ?また魔法使いに邪魔されちまうぜ?」

「もしそうなら、俺が真正面からぶっ倒すっす!」

「お!良い意気込みじゃねーか!」

 

フェニックスはそれを聞き、楽しそうにその男ーーーーガーゴイルの背中をどついた。

 

「そう言うならば、干渉はせん。やってみろ、ガーゴイル」

「了解っす、姐さん!」

 

 

~~~~~~~~~~

 

「ん~……朝か」

 

部長まだ帰ってこないんだな……。

 

 

「い、イッセーさん!」

 

起きてボーッとしてると、アーシアが慌てた様子で駆け込んできた。

どしたんだろ?

 

「な、直樹君が……いないんですっ!」

「なっ!」

 

不味い!

今、直樹君を一人にしたら……!

 

「くっ!」

「イッセーさん!?」

 

驚くアーシアに構わず、俺は家を慌てて飛び出した。

 

『相棒!当てはあるのか?』

 

……っ、だけど!

 

 

 

……………………そうだ。

 

俺はバイクに跨がり駆け出した!

 

『相棒、何処に行く!?』

 

ちょっとな!

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

その頃、直樹はとある道路の脇にいた。

そこには花やお酒と言った物が添えられていた。

 

「父さん………」

 

そう、この場所が直樹の父親が亡くなった場所である。

受験等であまり来られなかった直樹は、ここで亡き父親に色々と報告をしていた。

 

「…俺、やっぱり父さんの死が、ただの事故死には思えないんだ。何で俺が無事だったのか、犯人が誰なのか、絶対に突き止めるんだ……だから、「見守ってくれ…っすか?」!」

 

だがそんな直樹の背後から何者かが現れた。

作業着を着込んだ男ーーーーガーゴイルである。

 

「やっと二人きりっすね」

「お前……!」

「イヤー、感動感動。亡き父親に真相を解き明かす事を誓う息子!そんなに真相が知りたいなら教えてやるっすよ…………君のお父さんを殺したのは、俺っすよ」

「!?」

 

驚愕に目を見開く直樹に構わず、ガーゴイルは饒舌に語りだした。

 

「あの時の君は幼くて楽勝と思ってたんすけど、君の父親が立ち塞がって邪魔をしてきたんすよね~。だから、殺したんすよ。そしてさぁやろうって時に警察の奴等が来やがるから、絶望出来なかったんっすよねぇ」

「お前が、父さんを…………よくもぉ!」

 

果敢にもガーゴイルに向かう直樹だが、あっさりと往なされて首を掴まれる。

そしてその姿を、ゲートだった男から真のファントムの姿へと変えた。

 

「……ぐっ、うぅ…!」

『君はこの辺には住んでないから諦めようかと思ってた矢先にやって来てくれたから、これで暫くは寝て暮らせるもんっすよ!さぁ、さっさと絶望するっす!!』

「ぼ、僕は……!」

 

 

 

 

その時、ガーゴイルに数発の弾丸が命中し、ガーゴイルは弾かれるように倒れた。

 

『ぐぁっ!』

「……え?」

 

何が起こったのか分からず、直樹は周囲を見渡した。

 

 

 

 

 

「ふぅ~、間一髪ってとこだな」

 

すると、その影は姿を現した。

その人物は、兵藤一誠その人だった。

 

「兵藤さん!」

「大丈夫か?直樹君」

「どうしてここが?」

「ん?おっちゃんに聞いたんだ」

 

イッセーはあの時、叔父の茂に聞きに行っていたのだ。

 

7年前に起きた自動車事故の場所は?と。

 

茂がそれを覚えていたために、イッセーはこの場所に辿り着けたのだ。

 

『お、お前……!』

「よぉ、ファントムさんよぉ。また邪魔しに来たぜ?」

《ドライバーオン・プリーズ》

 

フレイムウィザードリングを付けながら、茶化す様にイッセーはガーゴイルにそう言った。

 

『クッソー!何処まで人の邪魔を!ホント迷惑な出しゃばり野郎っす!!』

《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!》

「ソイツぁ結構!俺のキャッチフレーズなんでね。変身!」

《フレイム・プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!》

 

現れた赤い魔方陣を潜り、イッセーはウィザードFSに変身した。

 

 

「さぁ、ショータイムだ!」

 

ウィザーソードガンを使い、ガーゴイルに再び弾丸をお見舞いした。

 

『ぐうう!』

「はっ!」

『うぉ?!』

 

ガーゴイルの怯んだ隙を見逃さずに、ウィザードFSは蹴りを腹に放った。

少し宙に浮かんだガーゴイルに、更なるキックで追撃する。

 

『ぐぉっ!……だったらこれはどうっすか!?』

 

ガーゴイルは呻きながら何やら石の様な物を取りだし、辺りに投げた。

すると、その石は忽ち複数の兵隊『グール』へと成り変わった。

 

『さぁ、行けっす!』

『『『『ヴぅ……!』』』』

「ちぃ!直樹君、逃げろ!」

《エクステンド・プリーズ》

「おらぁぁぁっ!」

『ヴゥゥゥゥッ!!』

 

ウィザードFSは直樹に逃げを促しながら、手足を自在に伸ばす魔法、"エクステンド"を使い、グールの群れを一掃する。

 

『忌々しいっすね!くぁっ!!』

「っ!うわぁ!?」

「ぐっ!」

 

怒ったガーゴイルが目を光らせて衝撃波を起こし、直樹と近付こうとしたウィザードFSは吹き飛ばされた。

 

その拍子に、直樹の懐から父親の形見である警察手帳が落ちた。

 

「あぁっ………、手帳が!」

『ん~?アレが君の心の支えっすか……………それなら!』

 

それを見たガーゴイルは、何と警察手帳を炎で焼き払った。

 

 

「あ、あぁ…………………………」

 

塵になっていく警察手帳を見た直樹の体に、紫の皹が走った。

 

「なっ……!」

『はっはっはっは~!これで俺の勝ちっすね、指輪の魔法使い!』

「この野郎…………ブッ飛ばす!!」

 

その光景を見て笑いを上げるガーゴイルにキレたウィザードFSは、ウィザーソードガンをソードモードにしてガーゴイルを切り裂こうとした。

 

『無駄無駄ぁ!』

「くっ……!」

 

だがまたしてもガーゴイルは体を石の如く固くしてその一撃を受け止める。

 

『どんだけやっても、俺に勝つことは出来ないっすよ!』

 

悔しげにそこから離れたウィザードFSに、ガーゴイルは嘲笑しながら大声で言い放った。

 

 

 

「……それはどうかな?」

『はぁ?』

 

だがウィザードFSは、不敵に微笑みながら、とある指輪を取り出した。

それは、フレイムウィザードリングに似ているが、装飾が少し派手なのが特徴的なリングだった。

 

 

「コイツ使うとドライグが喧しいから控えたかったけど…………後悔するなよ?ファンサービスの時間だ!!」

 

ウィザードライバーのハンドオーサーを操作して、左手に付けた新しい指輪を翳した。

 

 

 

 

 

《フレイム・ドラゴン!ボー、ボー、ボーボーボー!!》

 

翳した瞬間、魔方陣から炎のドラゴンが現れ、咆哮を上げながらウィザードFSに取り込まれた。

 

 

フレイムスタイルと同じ赤、だが先程と違いローブは真紅に染まり、両肩にあしらわれた赤い魔法石、そして胸部のドラゴンの頭を模した鎧。

 

 

 

魔法龍帝ウィザード、フレイムドラゴン。

 

 

 

ウィザードFDは、改めてウィザーソードガンを構えた。

 

『へん!幾ら姿を変えても、俺の固さに勝るものなしっす!』

 

そう意気込み、ガーゴイルは体を硬化させる。

 

「……そうかな?」

《ビッグ・プリーズ》

 

ウィザードFDはウィザーソードガンのハンドオーサーの親指を引き、開いた手と握手するようにビッグウィザードリングを翳した。

 

「さぁ、行くぜ……!おりゃぁぁっ!!」

 

魔方陣を通じて、効果により巨大化したウィザーソードガンをガーゴイルに叩き付けた。

 

 

『ぐぁぁぁっ!?』

 

流石に耐えきれずに、ガーゴイルは硬化を解除しながら吹っ飛ばされた。

 

 

『ん、んなの………反則…!』

「わりぃがとっとと決めさせて貰うぞ」

《ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー!》

 

ウィザードFDは、フレイムウィザードリング等と同じく赤い、龍が吐息を吐いているウィザードリングを右手に付け、そのまま翳した。

 

 

《チョーイイネ!スペシャル・サイコー!》

 

そう音声が響き渡ると、再び龍の咆哮が木霊し、ウィザードFDの背中に吸い込まれていった。

すると、ウィザードFDの胸部には、ドラゴンの顔が現れていた。

 

そのままウィザードFDは空中へと浮かび上がった。

 

 

 

「フィナーレだ」

 

そう短く告げると、ドラゴンの口から大火力の炎が放たれた。

 

『ぐ、ぐぁぁぁっ!?』

 

その様な一撃に耐えれる筈もなく、ガーゴイルは爆発と共に消滅した。

 

 

「直樹君!」

 

一息つく暇もなく、ウィザードFDは直樹に駆け寄った。

直樹の顔は、絶望一色に染まりきっていた。

 

「もう、駄目だ………………僕は、僕は……」

「…諦めるな!!」

「……!」

 

だがそんな直樹を、ウィザードFDは叱り付けた。

 

「大切な形見を燃やされて悲しいのは分かる!けどな、このまま絶望に負けたら、君の誓いは、一生叶えられないんだぞ!?お父さんに誓ったんだろ!?だったら諦めるなよ!」

「イッセー、さん……………」

「君は生きなくちゃならないんだ。君を命懸けで守った、お父さんの為にも!!だから………俺が必ず助ける!」

 

ウィザードFDはエンゲージリングを取りだし、直樹の右手に嵌めた。

 

「安心しろ。君の絶望は、必ず打ち砕く。約束する、俺が最後の希望だ」

《エンゲージ・プリーズ》

 

ウィザードFDはそう言って直樹を優しく寝かせ、宙に現れた魔方陣の中へと飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

『直樹!』

『お父さん!お帰り!』

 

 

『俺、大きくなったらお父さんみたいな警察官になるんだ!』

『そっかぁ!期待してるぞ!』

 

 

「ここが、直樹君のアンダーワールド…………………っ!」

 

直樹のアンダーワールドは、父親と仲良さげに話す微笑ましい空間だった。

だがそんな平穏を壊すかの様に、その映像を突き破りファントムが姿を現した。

 

「気色わるっ…!」

 

ウィザードFDが思わず粒いた巨大ファントムの威容は、緑色のまるでナメクジの様なファントムだった。

 

上半身は人間の手と同じ感じだが、その指に当たるモノは蛇となっており、掌には蛇の目が開かれていた。

 

「おーし、今回初めての出番だぜ!」

 

ウィザードFDから若干のメタ発言が飛び出たが、それは気にせず右手のウィザードリングを付け替え、ウィザードライバーに翳した。

 

《ドラゴラ~イズ!プリーズ》

「来い!ドラゴン!!」

《グォォォォッ‼》

 

その叫びに呼応するかの様に、空中に現れた魔方陣から出てきたのは、銀を基調とした巨大なドラゴンだった。

そのドラゴンが現れた瞬間、ウィザードFDは解除され、元のフレイムスタイルへと戻った。

 

 

 

 

このドラゴンこそ、兵藤一誠の中に潜むファントムーーーーウィザードラゴン。

 

 

 

 

ウィザードラゴンは巨大ファントムーーーーヨルムンガルドを捉えると、勢い良く交戦を開始した。

 

だが、巨大ファントム同士の戦いにアンダーワールドが耐えれる筈もないために、崩壊を助長させてしまっている。

 

「だーっ、やっぱ言うこと聞かねーか!?」

《コネクト・プリーズ》

 

ウィザードFSはそうぼやくと、コネクトによって魔方陣からバイクーーーーマシンウィンガーを取り出すと、それを運転し始めた。

 

 

「ドラゴン!俺に従え!!」

『グォォォォッ‼』

 

だがそんなウィザードFSの言うことにも耳を貸さず、ウィザードラゴンは本能のままに暴れる。

 

「くっ!だったらぁ!!」

 

ウィザードFSは、ヨルムンガルドに吹っ飛ばされ地面を転がるウィザードラゴンにそのまま突っ込んでいった。

すると、マシンウィンガーが半分に開いたかと思うと、ウィザードラゴンの背中にくっついた。

 

 

「おらぁっ!!」

 

マシンウィンガーを背中に取り付けたウィザードFSはエンジンを吹かした。

それに答えるかの様に、ウィザードラゴンは尾でヨルムンガルドを弾いた。

 

 

「っシャア!行くぜ、ドラゴン!」

『グォォォォッ‼』

 

先程まで言うことをまるで聞かなかったウィザードラゴンだが、今は大人しくそれに答えるように吼えた。

ウィザードラゴンは火球を吐きながらヨルムンガルドを追い詰めていく。

 

『ヴゥゥゥゥゥ!!!』

 

ヨルムンガルドも抵抗するように、光弾を放つもそれは全てウィザードラゴンの羽ばたきによってかき消された。

 

 

「さぁ、フィナーレだ!」

《ルパッチマジックタッチゴー!チョーイイネ!キックストライク・サイコー!》

 

ウィザードFSは魔法を発動させると、ウィザードラゴンの背中から飛び上がった。

続いて背中に取り付けたマシンウィンガーが外され、ウィザードラゴン自身も、変形していく。

 

 

変形が完了し、マシンウィンガーが背後に取り付くと、ウィザードFSはマシンウィンガーに足を合わせ、そのまま必殺キックーーーーストライクエンドを放った。

 

 

「だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

炎に包まれた一撃にヨルムンガルドは耐えきれず、押し潰されて爆発した。

 

 

「……っと。ふぃ~」

『グォォォォッ‼』

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

それから2日後ーーーー

 

「そっか、もう帰るんだな」

「はい。故郷に帰って1から改めて勉強します」

「頑張って下さいね!」

「勿論です!じゃ、イッセーさん!アーシアさん!お世話になりましたー!」

 

直樹君は何とか立ち直り、故郷に帰って勉強するんだそうな。

父よりも凄い刑事になる!ーーーーそう改めて誓って。

 

「直樹君、警察になれますか?イッセーさん」

「ん?そんなのやってみなきゃ分かんないさ。でもなれるんなら、彼は良い警察になれるさ。な?」

「…はい!」

「うし!俺達も戻るか!部長が帰ってくるしな!」

「あぅ!ま、待ってくださ~い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




鎧武外伝見ました。

イヤー、プロフェッサー相変わらず外道でした(笑)
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