ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
今回も視点がコロコロ変わります。お見苦しいですが、どうぞ御勘弁を…………
イッセーがコカビエルの呼び出したケルベロスと格闘?していた頃…………
「悪いわね、ソーナ。結界を任せて……」
「構いません。それに私は貴方にそれ以上のものを任せてしまったのですから……」
ソーナ含めその眷属達は現在、学園の周りに被害が出ないように結界を張っており、そしてリアス達に課せられたのはーーーーコカビエルを止めること。
既にコカビエルは運動場にてフリードとバルパー・ガリレイと何かをしていた。
何をしているかは分からない。だがソレが最悪の事態を引き起こす事は察知している。
「リアス、もうこれは私たちだけで済む問題ではないわ。サーゼクス様を呼びなさい」
ソーナは眼を細くしてリアスに進言した。
「…………奴の目的はお兄様を表に出して戦争を起こすことよ? そんな事、出来るわけが…「現実を見なさい。今、この場には兵藤一誠君はいない。聖剣使いのイリナさんだって、怪我をして今は兵藤君の家で休ませている。木場君やもう一人の聖剣使いもいない……魔王様を呼ぶ以外、方法はないわ」…………」
だがサーゼクスに迷惑を掛けられないリアスはそれに対し顔をしかめるが、ソーナの有無を言わさない正論に押し黙る。
リアスにもそれは分かっていた。だが自分の領内で起きた事件は自分で尻拭いをしなければ…………その思いがあった。
そして、自分達にはーーーー
「大丈夫よ、ソーナ。私達には、希望が……イッセーがいるもの。彼は絶対に来る。あの子は、必ず約束を守るわ。イッセーが来るまで、耐えれる事は可能よ」
リアスの自信たっぷりな笑顔に、ソーナも少しだけ顔を綻ばせる。
「……どうか、ご無事でいてください。私は一応、もしもの時のためにお姉さまをお呼びします」
「……わかったわ。私もお兄様に連絡をいれるわ」
と、リアスがサーゼクスに通信しようと魔方陣を展開する前に、
「あらあら、それならもう連絡しておきましたわ。冥界からの軍勢は1時間ほどで到着するとのことです」
リアスの後ろから朱乃が笑顔でそう言ってきた。
「流石朱乃ね。敵わないわ」
リアスがホッと呟いた。
「…………行きましょう、部長」
「えぇ。アーシア、危ないと思ったら直ぐに転移しなさい。約束よ?」
「は、はい。でも……」
アーシアは途端に俯いて、だが直ぐに顔を上げると、真っ直ぐに告げた。
「部長さん達を見捨てて助かるより、皆さんと一緒に傷ついた方がマシです!イッセーさんなら、絶対にこう言います!」
「アーシア…………」
「あらあら、うふふ。イッセー君の癖が移っちゃってますわね」
朱乃が微笑ましそうに笑うと、つられてリアス達も微笑む。
「……分かったわ。貴女の決意…。貴女は必ず守るわ、アーシア」
「部長さん……!」
「…………さぁ!今はイッセーが来るまでに、私達に出来る限りの事をしましょう!」
そう言うとリアスは、運動場の真ん中で何やら魔方陣を展開しているバルパーを見据える。
そしてその上空には、コカビエルの姿も。
「貴方達!一体何をしようとしてるの!?」
リアスが叫ぶと、バルパーは振り向き狂気に満ちた声で答えた。
「何、エクスカリバーを1つにするだけじゃよ。まぁ、その余波でこの町は消し飛ぶがの」
「「「「ーーっ!!」」」」
『バルパー、エクスカリバーの統合はどのくらい掛かる?』
上空にいるコカビエルが尋ねると、バルパーは自信満々に告げた。
「5分もあれば十分じゃわい」
『そうか…………ならば時間稼ぎをして暇を潰すか』
コカビエルは指を鳴らすと、地上に幾重もの魔方陣を展開させる。
するとそこからは、更に数頭のケルベロスが現れた。
『『『グォォォォォォォ!!』』』
『俺のペット達と遊んでもらおうか』
「……上等よ。アーシアは下がって回復を!小猫と朱乃は戦闘準備よ!」
「「「はい!」」」
リアスは手に滅びの魔力を集めると、それをケルベロスにぶつける。
が、まるで怯む様子もなくリアスに向かってくる。
「雷よ!」
『グギュゥゥゥゥ!!』
「えい………!」
『グォォォォォォォ!』
流石は地獄の番犬。リアス達とも対等に張り合う程の実力で、戦いは平行線を辿っていた。
『ほぉ、中々粘るな。だが…………』
「きゃぁぁぁっ!?」
「っ!アーシア!?」
何とアーシアの目の前に現れたケルベロスが、今にも飛びかからんとしていた。
「くっ!退きなさい!!」
リアスがゴリ押しで押し通ろうとするが、ケルベロスはしつこく食い下がる。
そして遂にケルベロスの牙がアーシアを捉えーーーー
「やらせはしないよ」
る前にケルベロスは地面から無数に生えた魔剣により串刺しとなっていた。
こんな芸当が出来る人物は、リアスの知る限り一人しかいない。
「遅いわよ、祐斗…………」
「遅れてすみません、部長」
その正体はリアス・グレモリーの『騎士』、木場祐斗その人だった。
そして、現れたのは木場だけではなかった。
「加勢するぞ、グレモリー眷属!」
更に朱乃と小猫が苦戦するケルベロスを破壊の聖剣が放つ一閃の元に葬り去るゼノヴィアも現れたのだった。
「……祐斗!」
「っ!?」
安心しきった木場の後ろから残りのケルベロスが向かってきた。
木場は咄嗟に魔剣を創り切り裂こうとするが、ケルベロスの方が速い。
「アーシアさんっ、逃げて!!」
「祐斗さん!?」
木場はアーシアをケルベロスの被害が及ばない場所まで苦そうと立ち塞がる。
そしてケルベロスは容赦なくその爪を振り下ろした!
「っ!!」
木場は反動で眼を瞑るも、何時まで経っても衝撃が来ない。
不思議に思い眼を開けると、眼前には止まったままのケルベロスが。
「おいおい、木場。一匹ワンちゃん潰しただけで安心すんなよな~」
そんな時、暢気な声が聞こえたかと思うと、ケルベロスが"割れた"。
頭から真っ二つに別れたケルベロスの肉体は左右共に倒れた。
「これはっ…………と言うより今の声は!」
木場だけでなく、リアス達もつられて振り向くと、
「すんませーん、部長!遅れました!」
既にウィザードライバーを発現させた兵藤一誠が、そこに立っていた。
「イッセーっ!!」
「イッセー君!!」
全員嬉しそうにイッセーの元に駆けつける。
『ほぅ、来たか赤龍帝。待っていたぞ!』
「別にお前の為に来たんじゃねーからな!」
『ツンデレ乙』
「喧しいドライグ!!」
《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!》
「変身!!」
《フレイム・ドラゴン!ボー、ボー、ボーボーボー!》
普段通りでは歯が立たないと思ったのか、イッセーはのっけからウィザードFDに変身し、ウィザーソードガンを振り回す。
だがその姿は何時ものフレイムドラゴンとは少し違っていた。
「イッセー、その手の甲の宝玉は……?」
そう、ウィザードFDの手の甲には、赤龍帝の籠手にあった緑の宝玉が取り付けられていた。
「赤龍帝の力の一部を、ウィザードと混ぜ合わせたんです。これでウィザードの時には使えなかった倍加、解放、譲渡が使えるようになるんです」
『今回の敵は正直勝てるかどうか分からん。だからこそ、力不足のお前らに譲渡して戦う…………そう言う訳だ』
ウィザードFDとドライグの説明に全員納得した様に頷いた。
「今ここで、皆に分け与えます。ここに来るまでに倍加した力を」
《Transfer!》
宝玉から音声が鳴ると、リアス達に強化した力が流れ込んだ。
「これで暫くは戦える筈です。さぁてと…………木場、お前は」
「……僕はバルパー・ガリレイを討つよ」
ウィザードFDにそう告げて、木場はバルパーを睨み付けると、バルパーは突然叫び声を上げた。
「ふははははは!遂に……遂に完成だ!!」
狂喜に満ちた声を上げるバルパーに、全員がそちらを振り向くと、そこには4本の輝くエクスカリバーが。
「まさか、エクスカリバーを、1つに…………!?」
「そうだ!漸く私の夢が叶う!!新しいエクスカリバーの誕生だ!」
更に輝きが強くなり、そして光が晴れると、そこには1本の剣が。
「君に1つ教えてあげよう。君達は聖剣の因子を持ち合わせていなかったのではない。ただ、少なかっただけだ」
「何を、言って…………!」
「言葉通りだよ。聖剣を扱うための因子が君たちには不足していた……ならば不足している出来損ないはどうすればいい?………………答えは簡単。因子を抜けばいいんだよ」
「何……!?」
動揺のあまり動けない木場に代わり、ウィザードFDが木場の言葉を代弁する。
「因子を抜いて、それを集めれて結晶化出来れば、聖剣が第三者が扱うことが出来る!たとえ才能がなくてもな!そして私は研究の末、ソレを完成させた!だがどうしたものだ!!教会は私を異端者と追放した挙句、私の研究成果を奪う!」
「だったら、木場達を殺す必要はなかったはずだろ!?因子を抜いて捨てれば、木場達は…………!」
激昂した様に怒鳴るウィザードFDに、バルパーは何でもない風にその言葉を吐いた。
「ははは。何を言っている?貴様たちは実験動物だ。使い終わったモルモットは、殺すに決まっているだろう?」
モルモットーーーーその言葉を聞いた木場は、ガクリと膝を付いた。
そんな木場に、バルパーは青い塊を投げた。
「今、君の足元に落ちているのは君たちから抜き去った因子の残りだよ…………そんな残り屑、君にあげよう。そんなゴミは私にはもう必要ない」
「バルパー・ガリレイ!貴方と言う人は!何処まで人の命をっ!?」
リアスの叫びを無視し、高笑いを続けるバルパー。
「……木場」
「…………皆」
ウィザードFDの言葉に耳を貸さず、木場はそれを大切そうに拾い上げる。
泣きながら結晶を握り締めて、体を震えさせて。
「僕は、ずっと思っていた……。何で僕が生き残っていたんだろうって……」
涙を流しながら、木場は胸に留めてた想いを吐き出した。
「僕は生き残って、それで部長の眷属になって、学校に通えて、友達が出来て…………僕だけが幸せになっていいのかと考えた…」
ずっと木場は考えていた、自らが独り生き残った理由を。
「僕は復讐者だ…………そして、僕はずっと独りだ!!」
ーーーー貴方は一人じゃないよ。
そう自暴自棄になる木場に、優しい声が響いた。
その声は、木場だけでなく、ウィザードFD達にも聞こえていた。
そして、声は更に増えていった。
『泣かないで。どうして一人なんて寂しいことを言うの?』
『死ぬなんて、悲しいよ……』
『君は生きていいんだよ。だって僕達の希望なんだから』
「どう、して……ッ。皆…!」
木場の周りには、薄ら青い透明な人影……小さい人影、大きい人影があった。
その影は木場を囲むように、声を掛ける。
「僕は何も出来なかった!何も……皆を見捨てて、今は平和に暮らすなんてそんなこと許されるはずがない!!」
木場は結晶を両手で握り締めて震え泣きながら叫ぶ。
『見捨ててなんかないよ』
『だって君はずっと、僕達のことを想ってくれていた』
『たとえそれが復讐なんだとしても、君が私たちを忘れた日はなかった』
『それに…………今も涙を流してくれている』
木場は何度も何度も涙を拭うも、それは後から後から溢れてくる。
『私達もあなたを大切に想う』
『あなたはひとりじゃない』
『一人の力は弱くても、みんなと一緒なら大丈夫だ』
『だから受け入れよう・・・』
人影達は木場の手に、自らの手を添える。そして、木場の手の中の青い結晶を指した。
『歌おう。みんなで歌った歌を……』
木場の周りの光から、聖歌のようなものが響くーーーーそれはウィザードFD達にも聞こえていた。
リアスは驚いていて、アーシアは涙を流している……全員優しい表情をしていた。
『聖剣を受け入れよう』
『神が僕達を見放しても、君には神なんていらない』
『君には私達がいる』
『たとえ神が僕達を見ていなくても僕達はきっと……』
一つだーーーー。
そう聞こえたかと思うと、木場に人影達が取り込まれ、目の前に1本の剣が現れた。
『相棒』
「何だ……?」
『奴は至った』
「は?」
『神器は所有者の思いを汲み取り、進化していく。だが劇的な思いとなると、それはこの世界の流れに逆らうーーーーそんな変化だ』
「まさか…………」
『そう、それこそーーーー』
その剣から溢れる光は闇夜を切り裂き、
「『禁手』」
新たな境地に至った木場を祝福している様だった。
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木場side
僕は目の前の剣を掴んだ。そして感じた。
皆が、僕を内側から励ましてくれてるのを……!
「木場!お前の、お前の同士達の想いが詰まった剣が、エクスカリバーなんかに負けやしねぇ!!だから勝てよ!ダチ公!!」
「イッセー君…………」
魔法使いの姿のイッセー君は、僕に激励を送ってくれる。
いや、イッセー君だけじゃなかった。
「負けないで下さい!祐斗さん!!」
アーシアさんが、
「やっちゃって下さい…………祐斗先輩…!」
小猫ちゃんが、
「祐斗君、負けたらお仕置きですわ」
朱乃さんが、
「祐斗!貴方は私の、グレモリー眷属の『騎士』よ!だから……思いっきりやりなさい!!」
そして、リアス部長がそう言ってくれる!
「…はい!」
だから、負ける理由なんて…………ない!!
「その様なこけおどしに、私のエクスカリバーが負けるとでも?フリード!」
「あいあいさっ!」
バルパーはフリードにエクスカリバーを手渡す。
『ならば赤龍帝!貴様は俺と戦え!!』
「良いぜ、一走り付き合ってやるよっ!!」
その間に、イッセー君はコカビエルと上空でぶつかり合う!
「今ここに誓おう……僕は剣になる。皆を守るための………眷属の剣となる!!
「ひゃはははぁ!!そんなこけおどしが、俺っちに通用する訳ねぇ~だろぅがぁぁぁぁ!!!」
フリードは高速で僕の周りを動き回る…………天閃の力だね。
だが速度ならっ!
「僕も負けてないっ!!」
「どわおっ!?だったらこれでどうだぃ!?」
今度は鞭状に変化させ此方に向けてくる…………あれは擬態の力…………急に透明化した!?
「見えない一撃を読めるかい!?」
恐らくは他のエクスカリバーの力…………だけど!
ギィンッ!
死角から襲い来るエクスカリバーを受け止めるっ!
「な、んなアホなぁ!?刀身は確かに消えてた筈っしょ!?」
「確かにね…………でも、僕は刀身なんて見てない。エクスカリバーの聖の力を探知したまでだよ」
そう、姿を消せても気や質量は消えない…………まぁ、これはイッセー君に教わったんだけどね。
「糞がっ!気に入らねぇぇぇぇぇ!!!」
フリードは怒り狂い、エクスカリバーを滅茶苦茶に振るう!
「そんな乱れた剣で、僕達の想いが詰まった聖魔剣を、折れると思うなぁ!」
「どわっ!?」
聖魔剣を一閃すると、僕は後方に下がる。すると、何か声が聞こえた。
「……あれは」
「あん?」
そこにはゼノヴィアさんがいた。彼女は、僕達が斬り結んでる最中にも何かを呟いていたけど…………。
「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」
―――ゼノヴィアさんはそう呪文のようなものを唱えると、彼女の手元の空間にひびが入った。
そしてそこから……鎖で包まれている大剣が出現した。
ーーーーあれは聖剣。しかもエクスカリバーよりも大きなオーラを有している!
「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する……デュランダル!!」
ゼノヴィアは宙に出現する剣の柄を掴み、そのまま振り抜く。
その剣を拘束していた鎖は、まるで糸が切れるように粉々になり、ゼノヴィアはその聖剣ーーーー伝説の聖剣・デュランダルの剣先を僕たちの方に向けていた。
「デュランダル!?貴様、エクスカリバーの使い手ではなかったのか!?それに私の研究ではデュランダルを扱うまでの所までは到達していない!」
彼女の発言にバルパーはひどく驚いている……僕も驚いているよ。
デュランダル…………エクスカリバーに並ぶほどの聖剣の一つだ。
「私はイリナやそこの男とは違って天然ものの聖剣使いでね。そして、私の本来の使い手はーーーーこのデュランダルだ」
「…………何すか?何なんすか?ここにきてのこの展開はぁ!?胸糞悪いったらねぇぞオイ!この糞アマァ!!」
フリードは激昂しながらエクスカリバーをデュランダル目掛けて振るうも、彼女がデュランダルを振るうと、
ピシィッ!
「なっ…………!?」
フリードのエクスカリバーに亀裂が!
「……凄い」
たったの一閃で……!
「…………何だこの程度か。これなら、彼の聖魔剣の方が強いな。木場祐斗、後は君が決めろ」
「…………言われるまでもないさ!」
ゼノヴィアさんに言われる前に、僕はフリードに向けて駆け出した!
「糞がっ、糞がっ、糞がぁぁぁぁ!!!」
フリードは怒鳴りながら封魔銃を乱射するが、僕は全て聖魔剣で往なし、亀裂の走ったエクスカリバーに向けて一閃!!
ガァンッ!!
「ば、かな…………っ!?」
フリードは鮮血を撒き散らして、その場に倒れた。
エクスカリバーの破片と共に。
「皆、僕達の想いがーーーー勝ったよ」
僕は聖魔剣を掲げて、同士達に伝える。
「やったな、木場祐斗」
「ゼノヴィアさん…………君にも感謝するよ」
「礼などいらないさ。今度は、是非君ともーーーー」
ドォォォンッ!!
ゼノヴィアさんの言葉を遮る様にして、何かが僕らの側に堕ちてきた。
それはーーーー
『この程度か…………?赤龍帝』
さっきとは違う姿をした魔法使いーーーーイッセー君だった。
今日のわんこ:ケルベロスのけーちゃん、るべちゃん、ろすちゃん
ケルベロスが真っ二つになるシーンはトランクスに斬られたフリーザ様を思い浮かべて下さい