ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
もうお盆休み終わりかよ!!
『はぁぁ!』
「させるかっ!」
《ランド・プリーズ!ドッドドドドドン、ドンドッドドン!》
《バインド・プリーズ》
メデューサの蛇が千鶴に襲い来る寸前でウィザードはランドスタイルに変身し、バインドでメデューサを拘束する。
拘束された事により、蛇も消えて何とか千鶴は無傷だった。
「千鶴さん!逃げて!!」
「う、うん!」
何とか千鶴を安全な場所まで避難させることに成功したウィザードRSだったが、その隙に鎖を破るメデューサ。
「さぁてどーするよ?俺とフリートークと洒落込むかい?」
『ふん………はぁ!』
だがメデューサは余裕の態度を見せると、リザードマンと共に姿を消した。
ウィザードRSは変身を解除して一息吐くも、その表情は浮かなかった。
『……皮肉なもんだよな』
「………あぁ。千鶴さんが必死に守ろうとしてる悟史さんがファントムで、千鶴さんがゲートなんてさ」
皮肉、そして残酷な運命に人知れず苦悩するイッセーだった。
一方の千鶴は、大学の映画研究部の部室にやって来ていた。
もしかしたら悟史もここに逃げ込んでいるかもしれない………そう淡い期待を持って扉を開けるも、
「さとっち……」
そこに悟史の姿はなかった。
千鶴は壁に貼られた写真を剥がすと、部室を後にした。
「ふぅん。だから行き成り俺を攻撃しやがったのか」
「ええ」
某廃ビルでは、悟史はミサから先ほどの事情を聞いていた。
「と言う訳だから、魔法使いのことは良いわ」
「あ…?」
訳が分からずいぶかしむ悟史だったが、ミサは妖艶に微笑みながら言葉を続ける。
「貴方、あのゲートと知り合いなんでしょ?」
~~~~~~~~~~~~
「悟史さんが、ファントム………!?」
面影堂に戻ったイッセーは真実をリアスに告げた。
「はい……」
「…イッセー、彼女には伝えたの?その事」
「……言ってないです。それと、ゲートは千鶴さんです」
「…そんな事って」
何を言って良いか分からず、沈黙が続く中、面影堂の電話がなった。
「もしもし……千鶴さん!?今何処ですか……え、悟史さんのアパート!?分かりました、俺も直ぐ向かいます!」
「イッセー!」
「ちょっと行って来ます!」
「何かあったら直ぐ駆けつけるわ!」
「お願いします!!」
受話器を置くと、イッセーは千鶴に言われた住所のアパートへとバイクを走らせるのだった。
「相変わらずいい表情するな、千鶴」
先に悟史のアパートに着いた千鶴に、何故か悟史はカメラを回していた。
行き成りそんな事を言われた千鶴は当然困惑の声を上げる。
「は?何言ってんの急に……」
「まぁまぁ。それより女優業はどうなの?大きな役とかもらってるの?」
そんな千鶴に構わず、悟史は相変わらずカメラを回し続ける。
「……しないよ。あれから一歩も進んでないし」
気落ちした声でそう呟く千鶴に、
「一歩も、って事ないだろ?思い出してみなよ。何かある筈だ。夢のために、お前が必死で掴んだ小さな足掛かりが……」
「え?」
そうゆらりと立ち上がり、悟史は自分の本性を見せようとするが……
「千鶴さん!」
その直前にイッセーが部屋に入って来た為に、取り敢えずは中断する。
「あ、一誠君」
「良かったー、無事で」
イッセーの姿を見た悟史は気づかれる事なく舌打ちする。
「魔法使い君も来たんだ」
「そりゃあゲートをファントムから守んなきゃいけないからな」
「へぇ~、カッコいいね。でもさっき、ファントムに逃げられてたよね?」
痛いところを突かれ押し黙るイッセーをよそに、悟史は千鶴の腕を掴む。
「千鶴、俺達だけで逃げよう。こいつは頼りにならない」
一緒に逃げることを薦めるが、そうはさせまいとイッセーは悟史の腕を掴む。
「待てよ」
「…離せよ」
悟史の正体を知ってるイッセーとしては、彼女と一緒にさせるわけには行かない。
互いに一触即発の空気を醸し出す中、
「ちょっと!訳の分かんない事で揉めないでよ!私とさとっちだけでどうにかなる訳無いんだから、一誠君もいたほうが良いに決まってるでしょ!」
ここで千鶴から正論が放たれ、ぐうの音も出なくなってしまう。
そしてそのまま、千鶴は二人の腕を掴み、外へと引っ張って出てきた。
「……そうだ!映研行かなきゃ!」
思い出したかのように道中の公園で叫ぶ千鶴。
「映研?」
「フィルム、あの映画の」
「えっ?」
「映画は、さとっちの命なんでしょ?肌身離さず持ってなきゃ。この先、何時でも何処でも完成させられるように」
「千鶴さん………」
イッセーは千鶴の想いを静かに聴いていた。
「今すぐは無理かもしれないけど、何時か…………。何時かで良いから、必ず完成させてよね」
「何で、お前がそこまで?」
「………見たいんだ。あの映画が、私、女優真中千鶴の原点。今の私の、心の支えだから」
そう笑顔で言う千鶴を静かに見ていた悟史だったがしかし、
「そうか………それが、心の支えか」
してやったりな微笑を見せる。
「へ?」
『…不味いっ!』
「これで、お前を絶望させられる!」
悟史がリザードマンに変身しようとするよりも早く、イッセーは千鶴の視界を遮る為に、仕方なく彼女を抱きしめる。
「キャッ!?ちょっと、何よ!?」
驚きながらイッセーを押し退ける千鶴だったが、何とか悟史が変身した所は見ていない様だ。
だが、千鶴の目の前にはリザードマンが迫っていた。
「ファントム…!さとっちは!?」
『へへっ、俺と一緒に来てもらうぜ』
リザードマンは千鶴を連れ去ろうと迫る。
「危ないっ!」
それを阻止しようとして、千鶴の腕を引っ張るイッセー。
すると近くに置かれていた滑り台に頭をぶつけ、千鶴は気絶してしまう。
「やべっ、しまった!」
『相棒、兎に角彼女を守らんと』
「わーってるよ!」
《ドライバーオン・プリーズ》
だがこれで見られたり聞かれたりする心配は無くなったので、心置きなく戦える。
「変身!」
《フレイム・プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!》
ウィザード・フレイムスタイルに変身し、そのままの勢いでリザードマンと交戦する。
《コネクト・プリーズ》
「はぁ!」
『ちぃ!いい加減しつこいぜ!』
「しつこいのがウリだかんな!魔法使いってのは!」
『クソがっ!』
リザードマンはウィザードFSを押し退けると、木に飛び付きそこから飛び降りては攻撃と、敏捷な動きで次々と位置を変え不意打ちのような攻撃を繰り出す。
「だーっ!ウゼェ!」
《エクステンド・プリーズ》
ウィザードFSはエクステンドで足を伸ばし蹴撃を浴びせようとするも、それすらもかわされてしまう。
しかもその合間に足に棘攻撃をもらってしまう。
「いってぇ~!?」
『ハッハッハァ!ざまぁみろ!!』
「んの野郎…………!!」
食い付かん限りの勢いで睨むウィザードFS。
「あらあら、私の可愛い後輩を傷付けるなんて………お仕置きが必要ですわね」
『あびゃあー!?』
木の上に得意げに踏ん反り返っていたリザードマンの上空から、何者かの電撃が浴びせられ、リザードマンは木から落ちてしまう。
「………えい!」
『ぐっほぉ!?』
更に落下中に小さい何かの攻撃を受け、リザードマンは壁に叩き付けられる。
「魔剣創造っ!」
『むぅあっ!?』
そこに追い討ちを掛けるかのように無数の剣が降り注ぐ。
リザードマンは寸での所で棘を飛ばして相殺する。
「はぁ!」
『ちっ!今度は何だよ!?』
一息吐いていた所に濃密な魔力の塊が飛ばされ、リザードマンは苛立ちを込めた声を上げながら剣で薙ぎ払う様に掻き消した。
「通りすがりの悪魔……かしら?」
「…部長!皆!!」
そこに集まったのは、アーシアとゼノヴィアを除いたオカ研のメンバーであった。
「大丈夫かい、イッセー君」
「…おうよ。って、アーシア達は?」
「ゼノヴィア先輩の日本観光と言う事で、呼んでないです………」
イッセーの疑問には、小猫が答える形に。
「なるほどねぇ、イテテ…」
「さぁ、どうするのかしら?ファントムさん」
『ふん、まあ良い!先にフィルムを手に入れるか!』
リザードマンは木から木へと飛び移っていきながら、姿を消した。
「くそっ、逃げられた……!」
「…一先ず、彼女を面影堂に連れて行きましょう」
場所は変わって面影堂。その一室でベットに寝かされている千鶴。
そこにはリアス達が付き添っており、イッセーは扉の前にいた。
「部長…彼女をお願いします」
「分かったわ。イッセーも、ゆっくり休みなさい」
「……はい」
一回に降りたイッセーは頭を抱え、苦悩していた。
『彼女に、真実を告げるのか……?』
そんなイッセーの心情を察してか、ドライグはそんな事を言ってきた。
「それは……何だか駄目な気がするんだ。………それに、彼女の希望は本当に映画のフィルムなのかな?」
ふとイッセーは先程から感じていた疑問を口にした。
『本人がそう言っていたのだから、間違い無いんじゃないのか?』
「……」
黙々と魔宝石を磨く茂の傍らで、イッセーは知らず知らずの内に眠ってしまった。
場所は変わって映画館。リザードマンはフィルムを回収したらしく、何故か映写機を持ち込み鑑賞している。
その足元には転がっている警備員の姿が。
『ヘッ!くっだらねえ!こんなの作って、何が楽しいんだ』
退屈そうに悪態を吐きながら鑑賞するリザードマン。
すると、そこへ新たな観客――――メデューサとフェニックスがやって来た。
『こんな所にいたのか…』
『フィルムを手に入れたんだろ?サボってねえで、とっととゲートを絶望させに行けや!』
『う!』
ドン、とリザードマンの座る椅子の背凭れを蹴るフェニックス。
呻き声を上げながらも、リザードマンは手でフレームの形を作る。
『そう急かすなって……練ってんだよ。あの女を一番効果的に絶望させる演出プランを。ほら俺、映画監督だったからさ』
リザードマンが形作るフレームの中には、千鶴の笑顔があった。
~~~~~~~~~~~~
朝、面影堂。リング台に嵌められていた魔法石を鑢で磨いていた茂。
その手を止めると完成したのか、にんまりと笑っていた。
そして作業机の上には既に完成したらしい変身リングも
その一方で、リアス達は今後の事について話をしていた。
「やっぱり千鶴さんの出てた映画のフィルムがなくなってるって…」
「そのフィルム燃やされちゃったら、千鶴さんは……」
深刻な顔になるリアスと木場だったが、対照的にイッセーは静かだった。
「本当にフィルムなのかな……?」
「えっ?イッセー、どう言う――――「一誠君!!」」
リアスが尋ねるよりも早く、二階から千鶴が降りてきた。
「ねえ!何がどうなってるの?どうして急にさとっち、いなくなっちゃったの?あの時、一体何があったの?答えてよ、一誠君。さとっち、どこ行っちゃったの?」
イッセーに問い詰める千鶴を制止させようとしたリアスを止め、
「……一人で、逃げた」
そう苦々しい表情で告げた。
「じゃあ、あのファントムは?」
「……逃げた」
「信じらんない……!」
逃げた、としか言わないイッセーに失望したかのように、千鶴は捲し立てるように言い放った。
「どうしてさとっち一人にして、私の事、助けてるの?ねえ、逆でしょ?狙われてるの、さとっちなのよ!?」
「千鶴さん、落ち着いて!」
「落ち着ける訳無いでしょう!?さとっちの言った通り…………ゲートを守る魔法使いだとか言って全然頼りにならない!!」
「……いい加減にしてくださいっ!」
「幾らなんでも、言い過ぎですよ!」
「イッセー君がどんな思いなのかも知らずに、そんな事言わないでくださるかしら?」
更にはイッセーを非難する声まで上がったため、周りのグレモりー眷属が我慢できなくなり、反論に転じた。
「イッセーは貴方の為に――――」
「良いんだ皆!……彼女の、言う通りだ」
それにより、全員沈黙してしまった。
その雰囲気に耐えられなくなったのか、
「もう良い!!」
そう叫んで飛び出して行く千鶴。
「千鶴さん!」
リアスが引き止めようとするも空しく、千鶴はいなくなってしまう。
「イッセー。迷えば迷う程、彼女を苦しめるぞ」
作業台から降りてきた茂は、イッセーにそう言った。
「………そう、だな。おっちゃんの言う通りだ」
イッセーは立ち上がると、千鶴の後を追いかける様にして出て行った。
『相棒、見当は』
「ついてるさ。多分………あそこだ」
嘗ての映画のラストシーンの撮影場所の海沿い、そこに千鶴はいた。
「さとっち……お願い。無事でいて……」
と、そこにイッセーも到着した。
「一誠君……」
「千鶴さん。ここ、映画のラストシーンの場所ですよね?」
「…よく覚えてるのね」
「………大事な事なんです。正直に話して欲しい」
波立つ水音をバックにイッセーは彼女に問い質した。
本当の希望を。
「千鶴さんの心の支え、ほんとは映画のフィルムじゃないんじゃないですか?初めての映画を一緒に作った人と一緒に過ごした時間……。いや……悟史さんそのもの、ですか?」
暫く沈黙が続く中、千鶴はダムが決壊したかの様に語りだした。
「そうよ……悟史よ!悟史がいたから私、女優になろうって思ったの。悟史が褒めてくれたから。でも……全然うまくいかなくて……、ずっと顔が見たかった……。やっと再会出来て、生きてるって分かったのに……。さっきは謝っても許されない事を言ったけど………お願い、一誠君。悟史を護って!」
涙を流しながら頭を下げて懇願する千鶴。
そこに、イッセーの携帯にリアスから連絡が。
「イッセー、ガルちゃんがファントムを見つけた。今そっちへ向かってる!」
「分かりました」
通話を終えると、イッセーは改まって彼女と向き合う。
「千鶴さん。今度こそファントムを倒して、貴女の希望を、護ります」
「一誠君……」
「だから………ごめんなさい」
《スリープ・プリーズ》
イッセーは素早い動作でスリープの指輪を千鶴に嵌め眠らせた。
そこへグレモリー眷属がやって来た。
「イッセー君、新しい指輪ですわ」
「茂さんから、預かってきたんだ」
木場と朱乃から青いウィザードリングを受け取る。
「千鶴さんは、任せてください……」
「勝ちなさい、イッセー。約束よ」
「…はい!」
リアス達が千鶴を避難させて少し経った後、フィルムを手に悟史がやって来た。
「主演女優が到着したら、目の前でこいつをズタズタにする。ラストシーンに相応しい演出だ。……んっ?」
だがそこにいたのはイッセー。
「魔法使い。何でお前が、ここにいる?千鶴はどうした?」
「眠ってもらってるよ。悪い夢を見せたくないんでな」
「へえ~……。何だか知らねえけど、だったら俺が、叩き起こしに行ってやるよ!」
「させねーよ。お前は今、俺がここで倒す」
《ドライバーオン・プリーズ》
悟史がリザードマンに変身したのと同じタイミングで、イッセーはウィザードライバーを操作。
《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!》
「変身!」
《ウォーター・プリーズ。スィ~スィ~スィ~スィ~!》
《コネクト・プリーズ》
「はっ!」
ウィザード・ウォータースタイルに変身し、ウィザーソードガン・ガンモードによる精密射撃でフィルムを弾く。
『しまった!』
「でやっ!」
『あぐっ!』
驚いた隙にウィザーソードガン・ソードモードに切り替えたウィザードWSに斬撃を喰らい吹っ飛ばされる。
『ならコイツはどうだぁ!?』
リザードマンは全身から無数の棘を飛ばして攻撃する。
「もう見飽きたよ、そんなの!」
《リキッド・プリーズ》
『なにぃ!?』
だがウィザードWSは冷静にリキッドの魔法で体を液状化させて、棘攻撃を無効。
即座に実体化して連続で蹴りを入れる。
『ぐぅっ!……テメェ!』
《キャモナスラッシュシェイクハンズ!ウォーター!スラッシュストライク!スィー!スィー!スィー!》
ウィザードWSは螺旋状に刀身に沿って噴き上がる水流を斬撃で放つ。
『ぐぬぅぅぅぅっ!!があぁ!』
何とか耐えたリザードマン。
その間にウィザードWSは歩み寄りながら、先程もらった新しい指輪を嵌める。
「悪い夢は………終わりにしよう」
《シャバドゥビタッチヘンシーン!ウォーター・ドラゴン!ジャバジャババシャーン、ザブンザブーン!》
水で形作られたドラゴンが周囲を旋回し、ウィザードWSの体に吸い込まれるように溶けていった。
ウィザード・ウォータードラゴンスタイル。
新たなる姿を見たリザードマンは、
『やばい………っ!!』
身の危険を察知したのか慌てて海に飛び込む。
「逃がすかっ!」
《チョーイイネ!スペシャル・サイコー!》
ウィザードWDはスペシャルウィザードリングを翳す。
現れる魔方陣を潜ると、ウィザードWDの尻には巨大な尻尾が。
「おぉ、尻尾か~!って感心してる場合じゃないな………はぁぁ!!!」
ウィザードWDはその尻尾――――ドラゴテイルを海面に叩き付けると、さながらモーゼの奇跡宜しく海が割れた。
『な、何………ッ!?』
困惑するリザードマンに構わず、また新たな指輪を嵌める。
《チョーイイネ!ブリザード・サイコー!》
「はぁっ!!」
ウィザードWDが手を翳すと、割れた海ごと凍て付かせながらリザードマンへと奔っていく氷の結晶のような魔法陣が現れる。
『ぐっ、あぁぁぁ………………………………………』
魔方陣が通過すると、リザードマンは氷で地面に釘付けとなってしまう。
「フィナーレだ!」
凍結した海底へと飛び降り、そのまま氷の上を滑走していくウィザードWD。
「はっ、でやぁぁぁぁぁぁっ!!!」
接近するとドラゴテイルの一撃でリザードマンを粉砕。
アイスダストのようにキラキラと舞うように降ってくる氷の欠片と共に、空高く舞いながら元の位置に着地するウィザードWDは
「…………ふぃ~」
何時も通りの安堵の息を吐いたのであった。
そして、そんなウィザードWDを影からコッソリと見守る人物が。
「はぁ~、あれがリアスちゃんの新しい眷属の子かぁ~!サーゼクス君の言った通り、ホントに魔法使いなんだ~、スッゴク綺麗!それに、何でかな……凄くドキドキするよ~///………よし!今度サーゼクス君に名前聞いておこうっと☆」
この騒がしい人物とイッセーが出会うのは、そう遠くない…………。
~~~~~~~~~~~~
「ん……ここは?」
「映研ですよ」
あの後、イッセー達は眠った千鶴を映研部室へと運び、目が覚めるのを待っていた。
そして今しがた目を覚ました千鶴にフィルム缶を渡すイッセー。
「これ」
「えっ?これって……」
それは間違いなく、千鶴が大学生時代に撮った映画のフィルム。
「預かったんですよ、悟史さんから」
「預かったって?」
「………悟史さんはアメリカに行きました」
「アメリカ?」
彼女に真実を知らせるのは、まだ早い――――そう思ったイッセーは彼女を絶望させない様、嘘を吐いた。(編集はリアス達が総出で行った)
苦しそうに言葉を紡ぐイッセーの表情は、グレモリー眷属達だけが読み取れた。
「はい。元々、映画の勉強をしに海外にいくつもりだったんですって。ファントムからも逃げられるし、一石二鳥だからって。この町に戻って来たのも、その準備だったみたい、です」
「そう……。そうだったんだ……」
「千鶴さんに伝言」
「えっ?」
「『俺もあっちで頑張るから、お前も頑張れ』って。………自分で言えば良いのに、なぁ」
「ほんとよ……。出会った頃から、いっつも自分勝手なんだから」
幸いにも彼女はイッセーの言葉を信じてくれた。
千鶴はその場で上映し、イッセー達も鑑賞させてもらうことに。
「うん……。いいと思うよ?そういうとこ」
「和也とのここでの時間が、これからもずっと続けば良いのにって、思ってた」
「雪子、俺……」
「良いんじゃない?夢でも何でも勝手にすれば。泣きべそかいて戻って来ても、あんたに貸す胸なんて、もうないんだからね」
「お前、最高の女優だよ!」
「馬鹿……。こんなの見せられたら、また頑張りたくなっちゃったじゃない」
泣き笑いの表情でそう言った千鶴を見守るイッセー。
そして、小さな思い出の映画は、幕を下ろした。
~~~~~~~~~~~~
「皆さん、本当にありがとうございました!」
グレモリー眷属に頭を下げる千鶴。
その手には、映画のフィルムが。
「大丈夫っすよ!それよりも、女優の仕事、頑張って下さい!」
「一誠君……うん!」
改めて頭を下げると、フィルムを抱え去って行く。
「いつかは、ちゃんと伝えなきゃいけないな。でも、今は……」
「良いんじゃない?人に希望を与えるのは、現実だけとは限らないわ」
「……そう、ですね」
リアスの言葉に僅かながら頷くイッセー。
やはりその横顔は、少し悲しそうだった。
「イッセーさ~ん!みなさ~ん!」
と、向こう岸からイッセー達を呼ぶ声が。
見ると、沢山の荷物袋を持ったアーシアとゼノヴィアが。
「おぉ、お帰り!アーシア!」
「はいっ!……皆さんお集まりでどうかしたんですか?」
「ちょっと夕焼けを、ね?イッセー君」
「だからそう言うのは女の子に言えよ!!」
「日本………凄く奥が深いな!今日はこのちゃんこ鍋を食べようと思ってね」
「何処に観光に行ったんですか………でも、美味しそうです」
「あぁ。桐生も太鼓判を押すぐらいだからな!」
「だったら、茂さんも呼んで皆で鍋パーティでも開きましょうか」
リアスの提案は満場一致で賛成に。
「あらあら。でしたら、イッセー君の食べるお手伝いをさせて頂きますわ~」
「え、マジっすか!?」
「あら朱乃。それは部長である私の役目よ?」
「わ、私もイッセーさんに食べさせますっ!仲間外れは嫌ですぅぅ!!」
「……そうか、これも桐生が言っていた花嫁修業の一環ッ!イッセー、私に任せるんだ!」
「でしたら、私も………お世話になってるので」
「い、イヤー、困るなぁ!」
『相棒、モテモテだねぇ』
「だたら、僕も……」
「ナニイッテンダ!フジャケルナ!!」
騒がしくなりつつも、帰路へと着くイッセー達であった。
次回、D×Dウィザード
茂「可愛いぞ~、アーシアちゃん!」
???「やっほ~!兵藤一誠君~☆」
リアス「は、恥ずかしいわ……!」
MAGIC30 『授業参観と魔法少女?』
ドライグ『次回も、START YOUR ENGINE!』
イッセー「ソレやるの久々だな」
ドライグ『今回全然出番なかったからな!』
ティアマット『悔しいでしょうねぇ』
仮面ライダードライブの免許、チェイスでした。
眩し過ぎる笑顔でしたwww