ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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本編ウィザードと違いを分けるのは中々難しい……


MAGIC38『野獣、吼える』

 

今度、冥界に行くと言われた俺は、その前に中学時代の友達、立神吼介と出会った。

 

「お前元気してたかよ!?」

「あったり前だろ!お前も元気そうで何よりだよ、吼介!」

 

そりゃ嬉しいよ、何せ久し振りの再会だもんな!

 

「そういや、学校は休みなのか?」

「ん?あぁ~……実はさ、今度駒王学園って所に転校する事になったんだよ」

「俺と一緒の学校じゃん!」

「へぇー!?マジかよ!」

「でも何で転校してくんだ?」

 

しかも二学期という中途半端な時期に……?

 

「駒王学園ってさ、考古学とかの授業も受けれるらしいからさ。善は急げってね!」

「あぁ~!そういややってたな……」

 

でも受けてる奴殆んどいなかったと思うけど……まぁ良いか。

 

「で、イッセー!」

「どした?」

「…………何か、飯食うとこ、ない?」

 

吼介は腹を押さえて踞った。

 

「そういやお前空腹で倒れてたな…………近くにドーナツ屋あるから、行くぞ!」

「おぉ!ドーナツ…………」

 

それを聞いた吼介は目を輝かせて立ち上がった。

 

「よーし!早速行こーぜイッセー!!」

「オイ待てって!」

 

相変わらず猪突猛進だな、コイツは……。

 

 

 

 

「いらっしゃーい!あらイッセー君!」

「ちわーっす、店長!」

 

行くのは久し振りだからな~。店長の顔も懐かしい……。

 

「あら?そっちの子は?」

「あぁ、俺の友達です」

「ひえー、美人……」

 

ま、そう言いたくなるのも分かるよ。

でも俺がガキの頃から見た目変わってないような気もするんだよな…………まぁ、考えたら負けか。

 

「で、どうするどうする?今日は新作のフランクドーナツがあるよ!ドーナツの間にソーセージを挟んでるの!」

「へぇ、ハンバーガーみたいですね」

 

色々考えてるなぁ。

 

「じゃあ決まりね!今日のメニューは……」

「プレーンシュガー!」

 

これだけは譲れない!

そう断言すると、店長はガックリ肩を落とした。

 

「もうっ、やっぱり食べてくれないのね!」

「やー、だってここのプレーンシュガーが一番ですもん」

『そんなんだから何時まで経っても童貞なんだよ』

 

んだとコラァァァァ!?

 

「イッセー、何一人でキレてんだ?」

「や、キレてないっすよ」

「何年前のネタだよ……あ、俺その新作ドーナツで!」

「毎度!」

 

俺達はドーナツを受け取ると、席に座り思い出話に浸った。

 

「そういやお前、まだ独り暮らしなのか?」

「ん?いや、今はホームステイで色んな人と住んでる」

「ホームステイで?」

「あぁ。で、そっちもか?」

「おう。親父もお袋も忙しいからな、仕送りだけしてもらってる」

「大変だな…」

 

そういや昔から思ってたけど、吼介のご両親って何の仕事やってんだろうか?

聞いたことないけど、普通のサラリーマンとかかな?

 

「ん~!美味い!でも何か一味たんねーんだよなぁ」

 

そう言って吼介は懐から黄色いプラスチックのビンーーーーキュー◯ーのマヨネーズを取りだし、あろうことかドーナツにかけた!

 

忘れてたわ。コイツ…………

 

「ちょっ!君何してるのよ!?」

「あー、店長気にしないで。コイツ、重度のマヨラーだから」

「マヨラー!?」

 

思えば中学の学食とかにもマヨネーズかけてたっけ。

そのせいか、影で妖怪マヨネーズ童子とか言われてたな。

 

「ん~、やっぱりマヨネーズは最高の調味料だぜー!」

「……むー。でも、新作ドーナツのアイデアには持ってこいかも!」

「マジすか店長」

 

正直ドーナツにマヨネーズ使ったらもう惣菜パンだよ。

 

 

 

 

「……そこのお二方」

「「うぇっ!?」」

 

び、ビックリした~……って、誰だ?

振り替えると、そこには黒づくめの格好をしたおっちゃんが立っていた。

それも手元にはタロットカードを持って。

 

「お二方の運命、今なら無料で占って差し上げますよ……?」

「う、運命?」

 

な、何か怪しげなおっちゃんだな……。

 

「……そこの茶髪の方」

「お、俺?」

 

おっちゃんは手に死神のカードを持っていた。

多分、俺の占い結果だよな……?

 

って!死神って悪いんじゃねーの!?

 

「貴方には死相が見えます…………」

「死相って…」

『主に女関連でか』

『成る程、腹上死か』

 

何で俺の女性関係=死なんだよ!?

こないだも死ぬか搾り取られるかとか言ってたよなお前ら!!

 

「では、もう一方は…………っ!?」

「あれ?吼介!?」

 

アイツいつの間にいなくなったんだ!?

 

「イッセー君、彼なら何か腹減ったとか言って何処か行っちゃったけど……」

「えぇ!?」

 

アイツそんな大食いキャラじゃないだろ!

って…………

 

「あのおっちゃんもいない…………」

『……相棒、あの男だがな』

 

ん?何だドライグ?

 

 

『実はーーーー』

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

一方、吼介はと言うと…………

 

「あー、駄目だ…………ホントに飢え死にだよ、このままじゃ…」

 

先程ドーナツを食べたのにも関わらず、何処か満たされない様子だった。

 

「そこの君」

「んあ?……さっきの占い師か?」

 

そんな吼介の前には、先程イッセーに死神のタロットを掲示した占い師が。

 

「君の相が気になってね……少しばかり占っても良いかな?勿論、お代は結構だ」

「マジで!?」

 

タダと聞いて、吼介は喜んで占い師に促されて川辺へと訪れた。

 

 

 

「…………む!このカードは」

 

表になったカードには、魔術師の絵が。

 

「いや、皆まで言わなくていい!俺の中で渦巻くもんが、俺の命を蝕んでいる……そう言いたいんだろ?」

「あぁ……。良く分かったな。しかも、かなり絶望的な暗示が出ている」

 

それを聞いた吼介は感心した様に頷いた。

 

「やっぱり!流石は占い師。何でもお見通しか」

「とは言え、見た所、まだ絶望し切ってはいないようだな。君には、何か心の支えでもあるのかね?」

「心の……支え?」

「ああ。あるなら、聞かせてくれないかね?それを」

 

そう言って顔を近づける占い師。

 

「成る程な。でもおっちゃん!心配しなくても良いぜ!俺はそんな絶望も取っ払える!」

「……は?」

 

だがあっけらかんと笑顔で言い放つ吼介に、占い師は呆気に取られる。

 

「つまりだ!ピンチはチャンスって事なんだよ。分かるか?」

「ああ……」

「窮地に落ち込まれた時こそ新しい発想が閃くし、落ち込んだ時こそ周りが良く見える。あんたもさ、人を占う商売やってんだったらさ、そう言うアドバイスを、もっと積極的にやっていった方が良いと思うぜ」

「そうだな……。参考にさせて頂きます」

 

何故か意気揚々とアドバイスを送る吼介に、しかし占い師は苦虫を噛み潰した様な表情をする。

 

「……で?」

「で?」

「私が知りたいのは、君の心の支えだ!」

「…………あんた、良い奴だなぁ!」

 

痺れを切らしたかの様に叫ぶ占い師に、吼介はまたも笑顔で賛辞を送る。

 

「……はぁ?」

「通りすがりの俺みたいな奴に、そんな一生懸命になってくれてさ!」

「それには訳が……」

「えっ?」

「あ、いや。何でもない」

「でも兎に角、俺なら大丈夫だ!」

「何?」

「さっきも言っただろう?ピンチはチャンスだって。って事は、俺にとっちゃ、絶望も希望になっちまうんだなぁ、これが!ははは……!」

 

あくまでポジティブシンキングな吼介に、段々とフラストレーションが溜まっていく占い師。

 

「そんな事はあるまい!自分の心の奥を、もっとよーく覗いてみたまえ…………」

 

 

 

 

 

 

 

「オイオイ、それ以上はプライバシーの侵害だぜ?ファントム!」

 

徐々に吼介ににじり寄る占い師を制止する声が、土手に響き渡った。

 

「おぉ!イッセー!!って、ファントム!?」

「……何?」

 

そこに駆け付けたのはイッセー。

腰には既にウィザードライバーを顕現させており、臨戦態勢を取っている。

 

「隠しても無駄だぜ。アンタ、俺のダチ狙いなんだろ?」

「…………ふっ、バレてるのなら仕方がないな」

 

占い師は一人笑うと、その身体を人ならざる異形ーーーーファントムへと姿を変える。

ファントム、マンティコアはそのまま近くにいた吼介の首を締め上げる。

 

「ぐうっ!?」

「吼介!!」

「……はっは~!やっぱりピンチはチャンスだな!」

『…何?ぐぁっ!』

 

驚いている隙に、イッセーはウィザーソードガンでマンティコアを撃つ。

 

「ったく……相変わらずのポジティブシンキングだなお前は。変身!」

《フレイム・プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!》

 

イッセーは早速ウィザードFSに変身すると、ウィザーソードガンをソードモードに切り替えて、マンティコアを攻撃する。

 

「おらぁっ!」

『ちぃ!』

 

対するマンティコアは近づけまいと、巨大化させたタロットカードをウィザードFSにぶつける。

 

「うおっ!?だったら!」

《シャバドゥビタッチヘンシーン!ランド・プリーズ!ドッドドドドドン、ドンドッドドン!》

《メタル・プリーズ》

 

メタルの魔法で身体を硬質化させてそれを往なし、

 

《ロック・プリーズ》

 

魔方陣から岩石を召喚し、マンティコア目掛けて蹴り飛ばす。

 

『ぐああ!』

「まだまだ!」

《エクステンド・プリーズ》

 

畳み掛ける様にして、ウィザードLSはウィザーソードガンにエクステンドの魔法を発動させて、刀身を鞭の様にしならせマンティコアを切り裂く。

 

『ぐぅぅぅっ!……成る程、更に魔力を上げていると言うのは本当だったか』

「ったりめぇよ!………………ガッ!?」

 

自信満々に胸を張るウィザードLSだったが、その胸にはマンティコアの蠍の様な尾が突き刺さっていた。

 

「イッセー!!」

 

吼介の叫びも虚しく、ウィザードLSは力なく倒れ、しかも変身まで解除される。

 

「なっ…………毒、か!?」

『その通り。やはり君の運命は死!免れない様Deathね!!ハハハッ!』

「くそがっ………ドラゴン宿してる奴は、大抵の毒に強いんじゃねーのかよ……!?」

『私の持つ毒をそんじょそこらの毒と一緒にしないでもらいたい。例え伝説の赤き龍を宿す君でもその内楽になれる。さて…………ん?』

 

障害となりうるイッセーを排除したので、次なる標的は吼介。

なのだが、彼は今頻りに鞄を探っていた。

 

「おぉ~あったあった!」

「吼、介…………逃げろっ!」

「やだね!折角の食事に、死にそうなダチまでいるのに、逃げたら男が廃るぜ!!」

「しょ、食事……!?」

 

戸惑うイッセーに構わず、そう高々に言う吼介の手には、二つの指輪が。

 

「あれは…………指輪!?」

「ふんっ!」

《ドライバーオン!》

 

獣の叫びと共に、吼介の腰にベルトが顕現する。

そして吼介は大きく身振りしながら、

 

 

 

 

 

 

 

「変、身ッ!!」

《セット!オープン!》

 

左手に填めた指輪をベルトに押し付け、半回転させる。

すると、ベルトの中央部の扉が開き、中には金色の獅子の顔が。

 

 

《L・I・O・N!ライオーン!》

 

テンションの高いボイスと共に金色の魔方陣が現れ、吼介の身体を通過。

魔方陣が消え去った後、吼介はその姿を大きく変えていた。

 

左肩には金色の獅子を模したアーマー、そして同じ獅子を模したマスク。

 

 

まさに野獣の様な姿の吼介が、そこには立っていた。

 

「吼介……!?」

『貴様、何者だ!?』

 

マンティコアの問いに、

 

 

 

 

「俺は魔法使い、ビースト!さぁーて、食事の時間だ!…………牙吠!!!何てね!」

 

吼介改めビーストは勇ましく吠えると、ビーストドライバーから細身の剣、ダイスサーベルを取りだし、マンティコアと交戦する。

 

『舐めるなっ!!』

 

マンティコアは先程と同じくカードを巨大化させてビーストにぶつける。

 

「よっ、ほっ!」

 

ビーストは身軽にそれを避けながら全てダイスサーベルで切り払うと、そのままマンティコアにダイスサーベルを叩き付ける。

 

「がるっ!」

『ぎゃぁっ!……おのれぇ!』

「んんっ、おっと!」

 

マンティコアは尾をしならせてビーストを穿とうとするが、ビーストはそれをマトリックスばりに回避。

が、それだけで終わるはずもなく、マンティコアは尾を湾曲させて、無防備なビーストの腹に突き刺す。

 

「がはっ!?」

『フッフッフ……君達二人は、油断大敵という言葉も知らないのかね?』

「不味いっ……このままじゃ…!」

 

最悪の状況にイッセーは憤るが、自分も毒で動けない。

まさに四面楚歌。

 

「ぐっ、そうか……イッセー、お前、こんなに苦しかったんだな。ちょっと、待ってろよ……!」

 

だがビーストは諦めずに青い指輪を取り出すと、それを右手に填め、ビーストドライバーの右サイドに押し当てる。

 

《ドルフィ!ゴー!ド・ド・ド・ド・ドルフィ!》

 

すると、何やら動物の鳴き声と共に今度は青色の魔方陣がビーストを通過し、次にビーストの右肩にはイルカの頭部を模したアーマーと青いマントが装備されていた。

 

「何だありゃ……」

「動くなよ、イッセー!ほりゃ!」

 

ビーストはドルフィマントを翻すと、青い粒子がビーストとイッセーを包み込む。

すると、

 

「……毒が、消えてる?」

『何!?』

 

マンティコアが二人にかけた毒が、綺麗サッパリ消えたのだ。

 

「治癒の魔法だ」

『私の毒が、効かないだと…!?』

「そういうこったな!じゃ、止めはコイツだ!」

 

ビーストはドルフィリングを外すと、今度はオレンジのリングを填め、ビーストドライバーのリングスロットに押し当てる。

 

《ファルコ!ゴー!ファ・ファ・ファ・ファルコ!》

 

すると、今度は隼を模したアーマーとオレンジのマントを装備する。

驚くマンティコアを尻目に、ビーストは低空飛行からの斬撃でマンティコアを打ちのめす。

 

『ぐぅぅぅっ!』

「さぁーて、メインディッシュだ!」

 

ビーストは降り立つと、ダイスサーベルのビーストダイスを回し、リングスロットにファルコリングを押し当てる。

止まった数字は、6。

 

《シックス!》

「おぉっし!邪気、退散ッ!!なーんてな!」

《ファルコ!セイバーストライク!》

『ぐぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

ダイスサーベルを振り回して展開された魔方陣から、魔力で構成された6匹の隼に集中攻撃を受けたマンティコアは、耐えきれずに爆発する。

 

すると、爆発場所から魔方陣が現れ、それがビーストドライバーの中央に吸い込まれていった。

 

「ふぅ~、ごっつぁん!」

「……アイツ、魔力を食ったのか?」

 

呆気に取られるイッセーに、ビーストは変身を解いて駆け寄る。

 

「よ、大丈夫か?」

「あぁ、助かったぜ。吼介」

「ま、でも明日からはこうはいかないぜー!何たってライバルだからな!」

「ハァ?」

「惚けんなよ!イッセー、お前も魔法使いならアイツ等食べるんだろ?」

「や、俺はな……」

「皆まで言うな!分かってるから!けど、今回は俺の飯って訳だから!じゃーな!」

 

否定しようとするイッセーをせき止め、吼介は捲し立てる様に言いたい事だけ伝えると、そのまま何処かへ去っていった。

 

 

『何だアイツは……?』

「まー…………吼介あんな奴だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……古の魔法使い、か』

 

そして、ビーストの戦闘を見ていたワイズマン。

何やら、ビーストの事を知っていそうだが…………?

 

 

 

 

次回、D×Dウィザード。

 

 

吼介「ファントムの魔力を食わなきゃ、俺は明日をも知れない命なんだよ」

 

ミサ「私たちに協力しなさい」

 

ウィザードWD「お前、何で!?」

 

 

MAGIC39『魔力は食事』

 

 

 

 

 

 

 




さぁーて、どんな風にランドラ出そうかねぇ
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