ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
後展開がかなり急になりますが、ご容赦ください
木場side
僕とゼノヴィアのペアは立体駐車場を駆け抜けていた。
僕が先に進み、物陰から先を見定めて、後方で待機している彼女を呼び進む。
これを幾度となく繰り返し、徐々に駐車場を進んでいた。
ーーーーこの気配は。
前方に誰かいることを感じた僕は立ち止まった。
どうやらゼノヴィアも感じていたらしい。
そこにいたのは、黒髪長髪の女性ーーーーソーナ会長の『
手には長刀を構えている。
……確か、かなりの有段者だった筈。
「ごきげんよう、木場祐斗君、ゼノヴィアさん。ここへあなた達が来ることは分かってました」
…………読まれていた訳だ。僕達が攻撃の要だと。
更にその横から2名ーーーー長身の女性、『
「読まれていたなら、仕方ないですね」
僕は手元に聖魔剣を創り出し、ゼノヴィアは腰に帯刀していた剣を引き抜いた。
と、その時だった。
『リアス・グレモリー様の『
っ…………恐らくは、ギャスパー君だね。
「冷静ですね」
「まぁ、こう言うのは慣れろって言うのが僕の友達の台詞ですから」
…………とはイッセー君には言われたけど、僕は内心膓が煮えくり返っているよ。
多分、君もだろう?イッセー君。
彼は落ち着いてる様に見えて案外カッとなりやすいからね。
『ソーナ・シトリー様の『
ほら、僕らもやられっぱなしじゃないよ。
「…………此方も一本取られましたか」
「さて、やらせてもらうよ。可愛い後輩がやられたので
ね」
ゼノヴィアの体から濃密なオーラが吹き出る!
……彼女も何だかんだでギャスパー君を可愛がっていたからね。
お互いに得物を構えーーーー一気に斬り結ぶ!!
ギィィィィィィンッ!!
「っ!……それは、聖剣!?」
すると、巡さんはゼノヴィアの得物を見て驚きの顔を見せ、一歩下がる。
そう、今彼女が持っているのは聖剣だ。デュランダルではない。
「あぁ、これはアスカロン。イッセーから借りた」
『っ!?』
ゼノヴィアの告白に、全員驚いていた。
彼女の今回の修行内容は、このアスカロンを使いこなせる様にするための物だった。
まさか、イッセー君の赤龍帝の籠手から外せるとはね。
アザゼル先生の着眼点は凄いよ。
そして今、アスカロンは
……とまぁ、説明はこれくらいにしてと。
あまり説明すると「それフラグだから!」とイッセー君に突っ込まれてしまうからね。
「はぁぁっ!」
「ちぃっ!?」
僕の高速の剣術を舌打ちしながら長刀で往なす副会長。
やはりそう簡単に討たせてくれない、かッ!
…………それと、由良さんにもちゃんと警戒はしないとね。
僕は聖魔剣に魔力を纏わせ振るうも、それは空を切った。
……っと、彼女にも動き出したね。
ゼノヴィアは空間に穴を開けると、そこにアスカロンの刀身を近付ける。
巡さん達は何事かと思い見ていると、その空間から聖なるオーラが溢れだし、アスカロンを包み込んだ!
「……まさか、デュランダルのオーラだけを!?」
「その通り!」
「きゃっ!?」
破壊力の増したアスカロンの刀身が、巡さんの日本刀に亀裂を入れた!
これもまたアザゼル先生が着目した点だ。
全く恐ろしいよ。こんな人が僕達の敵だったなんてね!
ギィンッ!ガギィンッ!!!
とうとうゼノヴィアのアスカロンが巡さんの日本刀を砕いた!
万事休すかと思われた時、不意に由良さんが動いた!
両手を前に翳す由良さんに何かを感じたのか、ゼノヴィアはオーラだけを飛ばした!
「
ゼノヴィアが繰り出した一撃は、聖なるオーラが消失し、魔のオーラへと変化した!
幸いオーラだけを飛ばしていた為に、ゼノヴィアはそれを簡単に避ける事が出来た。
ガッシャァァァァアアンッ!!!
だが勢いあるオーラは車数台をいとも簡単に吹き飛ばした!
反転……………
「厄介だね。カウンターか…………」
これは少し雲行きが怪しくなってきたぞ……。
「ゼノヴィア!やれるかい?」
「……当然!」
ゼノヴィアはアスカロンを振ると、巡さんと由良さんのタッグに向かっていく!
「……戦う相手を変えないのですね?」
「えぇ。彼女はそう何度も同じ手を食らう程バカじゃない。それに…………」
由良さんがカウンター系の能力を持っていると言う事は…………
「貴女もそれをお持ちですね……真羅副会長?」
僕達グレモリー眷属は善くも悪くもパワー押しだ。
対してシトリー眷属は今のを見る限り、手数を増やしての搦め手が得意なテクニック押し。
恐らくこの人もカウンター使いだとするなら、パワー押しのゼノヴィアをぶつけるのは悪手!
それを言うと、彼女は顔を驚きで染め上げた。
「……まさかそこまで読まれるとは。その通り、私もカウンター使いです」
真羅副会長の目の前には装飾された鏡が現れた。
「これが私の『
…………やっぱり。
あのままゼノヴィアとチェンジしていたら、聖剣の一撃を返されてアウトだったね。
「とは言っても、貴方の聖魔剣の力もそれなりに大きいです。このまま続けても、防御力の低い貴方では一撃入れただけでアウトです」
確かにね。
でも、それはその鏡に攻撃すればの話だ。
恐らく素早く攻め立ててもあの『
簡単だ。鏡は無視すれば良い。
彼女は恐らく気付いていない。
今彼女が立っているのは…………
「僕の領域だからね」
「?」
「我が呼び声に応え、虚空に狂い咲け…………鋭き鉄の華ーーーー
刹那ーーーー
「ーーーーッ!!?」
真羅副会長は虚空から生えた僕の魔剣に串刺しになっていた。
……あんまり女性には使うべきじゃないね。
勿論、心臓に剣は到達していない。
でも、これで『
真羅副会長が驚愕に目を見開くのと同時に、喀血した。
そして力なく倒れ、
『ソーナ・シトリー様の『
真羅副会長は光になって消えた。
「「副会長っ!?」」
「余所見とは良い度胸だなっ!!」
巡さんと由良さんが気をとられた隙を狙って、ゼノヴィアはアスカロンを振り下ろした!
よし!このタイミングなら間に合わない!
そう確信した僕だったが…………
「こうなったら……ゼノヴィアさんだけでも!」
「あぁっ!
だが彼女達は予想を遥かに上回るスピードであの反転の力を発動した!
「ッ!!」
ゼノヴィアが放った一撃は魔のオーラに変わり、ゼノヴィア目掛けて弾き飛ばされた!
ゼノヴィアは逃げようにも刀身を白刃取りをされていて逃れようがない!
「ぐぅぅぅぅーーーーッ!!?なら……お前達も道連れだぁぁぁ!!!」
ゼノヴィアは倒れることなく踏み止まると、既にアスカロンに溜め込んでいた聖なるオーラを波状攻撃として撃ち放った!!
「連続では出せまいッ!聖牙天衝ォォォォォッ!!!!!」
「ーーーーッ!!!!!」
三日月状の光波は反転の力を発動させる暇を与える事無く巡さんと由良さんに命中した!!
「……後は、頼むぞ。木場」
ゼノヴィアは息を切らしながら光に包まれて消えた。
任せておいて、ゼノヴィア。
君の分まで、僕は剣を振るおう。
木場side out
~~~~~~~~~~~~
イッセーside
「……うし、こんなもんだろ」
「ナイスチョイスです。イッセー先輩」
匙を倒した俺達は、暫くの間ある準備をしていた。
その間に、こちら側は会長の『
だが、こっちも『
木場かゼノヴィアかは分からないけどな。
『オフェンスの皆、聞こえる?』
……っと、部長からの連絡だ。
『これから私はソーナの本陣に向かうわ。イッセー達はモールの中央広場に行ってくれる?』
中央広場?
『そこにソーナと思わしき人がいるのだけれど…………ギャスパーからの情報によれば屋上にいる筈だわ』
「罠の可能性がある……と?」
『そう。それを確認してほしいの。今から私の分身を送り込むわ』
……どう思う?ドライグ。
『十中八九結界の類だろう。恐らくは術者の姿を投影する、な』
まぁ、あの慎重派な会長がそんなに場を変える筈はないからな。
部長もそこを睨んでるんだろう。
「分かりました」
「了解です……」
『助かるわ。それとイッセー…………アレはどうだった?』
「…………やっぱり部長の思っていた通りでした」
『そう……で、作戦は?』
「完璧です…………」
な、小猫ちゃん。
俺がニヤリと笑むと、小猫ちゃんもピースサインを見せる。
それを聞いた部長はホッとする。
『分かったわ。……もうゲームは終盤よ。皆、気合いを入れて……勝つわよ!』
「「はい!」」
部長の言葉に改めて気合いを入れ直し、俺達は決戦に赴いた。
~~~~~~~~~~~~
『ワイズマン!』
人間世界の鬱蒼と茂る森の奥に位置する洞窟ーーーーそこに居を構えるワイズマンの元に幹部ファントムのメデューサが訪れる。
『……何用だ、メデューサ』
『フェニックスの姿が見当たらなくて…………奴め、もし貴重なゲートを手に掛けていたら』
『案ずるな』
焦りから声が一段高くなるメデューサを諌め、ワイズマンは手元の宝石を覗き込んだ。
『…………奴は今、現実にはおらんよ』
『…は?』
『クックック……どうやら余程フラストレーションが溜まっているらしい』
訳が分からず訝しげになるメデューサに構わず、ワイズマンは不気味に笑った。
宝石には、何処かの警備兵を蹴散らして進む、フェニックスが映っていた。
~~~~~~~~~~~~
「ごきげんよう、兵藤一誠君、塔城小猫さん」
「どうも……」
「大胆っすね、会長。『
部長の言う通り、ショッピングモールの中央広場に、会長は優雅に佇んでいた。
…………この感じ、やはり会長はここにはいないな。
『やはり結界が張られているな。相棒、今目の前のソーナ・シトリーを攻撃しても無駄だぞ』
分かってるよ、ドライグ。
要は部長が来るまでそれを悟られなきゃ良いんだ。
「あら?あなた方の『
「言ってくれるわね……ソーナ」
おぉ、我らがリアス部長のお出ましだ。
アーシアと朱乃さんは……本物の部長に付いてるな。
そして……結界を貼ってるのは『
会員の眷属は3、対して此方は今来た木場を含めて6。
数は有利だけど、会長が何を仕掛けてくるか分からない。油断はしない。
…………くらり。
一瞬、俺の意識が遠退いた?
何とか踏み止まるが、混濁はどんどん強くなっていく。
遂には、俺はその場で膝を付いた。
イッセーside out
~~~~~~~~~~~~
木場side
…………イッセー君?
僕らはソーナ会長と中央広場で向かい合っていた。
一触即発の空気の中、突如イッセー君が膝を付いた!
「イッセー?」
「先輩!どうしたんですか……?」
「あ、あれ?…………何か、意識が……」
全員が困惑する中、会長だけが小さく笑った。
「無駄ですよリアス。フェニックスの涙も効果がありません」
「イッセーに何をしたの?ソーナ」
部長は紅いオーラを漂わせてる。
例え分身でも、やはり部長のオーラと遜色違わない。
「兵藤君の力は驚異です。それは、貴女達グレモリー眷属の柱、いえ、希望と呼んで良いでしょう。瞬時に戦場を見極める視野の広さ、あらゆる属性のドラゴンショットを使いこなす器用さ、触れるもの全てを砕くパワー、そして……絶対に諦めない『根性』と呼ぶべきもの。それが私達の一番の驚異でした」
…………確かに。
この中なら一番に警戒すべきはイッセー君だろう。
彼は自分は細かい戦いは苦手だと嘯くが、実際は違う。
今ソーナ会長が挙げた例がそれを物語ってる。
「だからこそ、違う形で貴方を倒すしかなかった」
『
その中身は血の様に赤いーーーー血?
ーーーーッ!!
そうか、あの中身は…………ッ!
「成る程…………正当法じゃ無理だからこそって、訳か…」
「そうです。この中身は……貴方の血です。人間がベースとなっている転生悪魔。人間は体に通う血液の半分を失えば致死量です」
「…………強制、リタイア…………ッ!」
イッセー君が倒れたと同時に、イッセー君の右腕に繋がれていたラインが浮き彫りになった!
「加えて貴方にはこのラインを見れば何をするか分かった筈です。だからこそ、匙は修行でラインの不可視化を成功させたのです」
ッ!
僕は慌ててラインを切断する。
「無駄です、木場祐斗君。もう彼は、医療ルームに転送されるだけの血を失っています」
会長の冷淡な一言に僕らは愕然とするーーーーが、
「ふ、フフフ…………」
部長だけは、それを笑っていた。
ど、どうしたんだ?
「…………リアス、何が可笑しいのです?」
「フフ…………ッ!ソーナ、見てごらんなさい。本当にイッセーの血は散らばっているのかしら?」
「何を言って…………ッ!?」
言われて会長は床を見るがーーーーその途端会長は顔を強張らせた!
釣られて僕らも見るとーーーー
「血が…………飛び散っていない?」
そう、切断したラインからは、血が一滴も出ていないのだ。
もしあのラインから血が抜き取られているならば、切った瞬間に血が飛び散る筈…………どう言うことだ?
その時だった。
「く、クククッ…………アッハハハ!!」
倒れた筈のイッセー君が、笑い声を上げながら立ち上がったのだ!
ど、どうなってるんだ!?
確かにあの血の量は体の半分程だ!
例え頑丈なイッセー君でも、血を失えばどうしようもない筈…………。
「兵藤君、何故…………!?」
「イヤー、俺の大根演技も中々捨てたもんじゃないなぁ。会長、それ本当に俺の血だと思ってるんですか?」
「何を、言って…………」
「まぁ確かに半分ちょっとは俺の血ですよ。だけど…………」
《コネクト・プリーズ》
イッセー君は一旦鎧を解くと、魔方陣から何かを取り出した。
それを見て、会長は目を見開いた!
「そ、それは……!」
イッセー君の手に握られたのは、トマトジュースだ。
「もう半分以上はこのトマトジュースですよ」
「ッ!?」
「んで、俺に繋がれてたラインは100均ショップで手に入れた奴から作り出したんですよ」
「苦労しました。匙先輩、ラインの気配すら絶たせていましたから。感知するのも、繋ぎ合わせるのも…………」
じゃあ、今のは、演技…………!?
ってちょっと待って。部長も笑っていたと言う事は…………
「リアス、貴女最初からこの手を見抜いていて……ッ!」
「そうよ。私だって、『
……そうか。試合前に部長がイッセー君と小猫ちゃんに声を掛けていたのは、この事だったんだ!
「敵を騙すにはまず味方から…………。この事を大人数に知られると、却ってやりづらいのよ」
「…………成る程。此方の作戦は、読まれていたと言う訳ですか」
「そう。そして、貴女でチェックメイトよ。ソーナ」
そう言うと、部長はドロンと煙に巻かれ、そこにいたのは一匹の蝙蝠。
部長の使い魔だ!
「ッ!」
「最初に取ったギャスパーはちゃんと仕事して終わりましたよ。会長、貴女の場所もちゃーんと把握済みです。今本物の部長は、貴女の所に向かってますよ。そう…………屋上にね!」
「ッ!キャアッ!?」
イッセー君は不意打ち気味に『
恐らくあまり力は込めてないけど、不意打ちだったので動揺によって結界を維持できず、結界は消滅した!
途端、結界に投影されていた会長は消滅する。
「さぁーて、草下さんだったよね?今から俺達3人相手取るかい?」
恐らくは草下さんも反転の力を有してる筈。
でも、先程の巡さんと由良さんはコンビだったから上手く立ち回れた。
現在草下さんはーーーー一人。
恐らく集中力が必要な反転は今のシトリー眷属では複数相手では出来ないだろう。
立ち塞がるイッセー君だったけど、その体は僅かにふらついていた。
「っ…………やっぱ半分ちょっとでも抜かせたのはマズったな」
……どうやら演技じゃなさそうだ。
だったら早く決着を付けないと!
「…………仕方ないか」
………………え?
「木場、小猫ちゃん。この状態じゃ俺は足手まといだ。部長の事、任せたぜ」
「イッセー君……?」
鎧を解いたイッセー君は、かなり顔色が悪かった。
『相棒、お前まさか!よせっ!今の状態では自殺するような物だ!!』
「赤龍帝の力を反転させられても厄介なだけだ!なら…………相反する力だッ!!」
イッセー君は右腕の、ヴァーリから奪った白龍皇の力が宿った籠手を構え、低く吠えた。
「ゥォォォォォォォォォォ………………ッ!!!!!」
右腕に埋め込まれた宝玉から眩しい光が漏れ出した!
《Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!》
その瞬間、聞こえる筈のない音声が聞こえたかと思うと、イッセー君は再び鎧を纏っていた。
が、それは普段の赤い鎧ではなかった。
無垢な心の様なーーーー白。
その場にいたのは、あの白龍皇その者とも言える、イッセー君の姿だ。
「さぁーて、草下さん。悪いけど……フィナーレだ」
《DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide!》
「くっ、あぁッ!?」
何て事だ…………草下さんの魔力が、一気に小さくなった!
イッセー君、君は白龍皇の力まで…………!
がーーーー
「………………ゴフッ!」
イッセー君の鎧の口許から、何かが漏れ出した。
ーーーー血だ。
すると、鎧は霧の様に霧散し、イッセー君はその場に踞り、尋常じゃない程に吐血した!
「ガハッ、ガハッ!!」
「イッセー君ッ!」
慌てて駆け寄るが、イッセー君は寒くて仕方がない様に震えていた!
近くにいた小猫ちゃんも、顔が青ざめている!
「……ダメ、このままじゃ、イッセー先輩がッ!!」
『グレイフィア!!相棒を強制リタイアさせろッ!!このままでは死ぬ!!』
『ッ!リアス・グレモリー様の『
グレイフィアさんも動揺しながらイッセー君をリタイアさせる!
だがイッセー君は消える前に、
「木場、小猫ちゃん、受けとれっ……!」
《Transfer!》
最後の力を振り絞って僕らに草下さんから奪った魔力を譲渡した!
そしてイッセー君は、この場から消えた。
と、同じタイミングで、
ドォォォォォォォンッ!!!!!
「「「ッ!?」」」
ショッピングモールの壁に穴が空いた!!
何があったんだ!?
『よぉ、悪魔共。魔法使いは何処だ?』
粗暴そうな声と共に現れたのは、火の鳥を思わせる異形の化身だった。
「祐斗、小猫!」
「何があったのですか!?」
轟音を聞いて、部長と会長も屋上から転移で現れた!
「……ファントム!」
『はっ、俺の事を知ってるのか?』
「フェニックス……?」
会長は目の前の異形を見てそう漏らした。
『ほぉー。分かってるじゃねーか。そうだよ、俺の名はフェニックス。早速だけどよ、テメーらに用はねーんだよ…………消えろォ!!』
『ッ!?』
ソイツーーーーフェニックスは手に大質量の炎を産み出すと、此方に投げ付けた!
僕達はそれをかわすが、その一撃はこのレプリカの空間に穴を空けた!
なんて一撃だ…………こんなもの食らってたら、持たないっ!!
「よくも私達の試合の邪魔を!」
「許さないわ!!」
部長は手に幾重もの滅びの魔力を、会長は水を様々な動物に変化させ、フェニックスにぶつける!
だがフェニックスは手に持った大剣でそれらを掻き消してしまった!
『テメーら悪魔風情が、俺に勝てるとーーーーヌァァァッ!!?』
そう自慢げに口を開いたフェニックスに息つく暇無く電撃を浴びせた者がいた!
ーーーー朱乃さんだ!
「この力を、彼の前で振るおうと思っていたのに………………覚悟なさい。今からあなたにする事は、全て八つ当たりよっ!!」
『ガァァァッ!!この力、光の力も混ざっているのか!
?』
フェニックスは何とか逃れるも、そこには部長の滅びの魔力が!
『ちぃ!弱い癖にしつけぇ!!』
「弱いかどうかは、この状況を見て判断なさい!!」
『…………鬱陶しいんだよッ!!!!!』
会長は高速で振動させた水で形作られた龍を差し向けるも、フェニックスは全身から炎を放ち、会長の水を蒸発させた!!
熱量でもこれ程とは…………明らかに悪魔のフェニックス家より強い!!
『何だ何だ?もうお仕舞いか?なら、消えーーーーッ!?』
『ッ!?』
大剣を振るおうとしたフェニックスに、何かが当たりそれは阻止された!
一体………………?
『あぁん?…………よぉ、会いたかったぜ!魔法使いッ!』
ッ!?
そんな、彼は重症の筈…………!
「ハァ…………ハァ…………ッ!」
「イッセーッ!?」
そこにはやはり、イッセー君がいたんだ。
青い魔法使いの姿だけど、壁に寄り掛かった状態だ……!
「ハァ…………お前、俺が倒した筈だろ?」
『俺は不死身だ。何度でも蘇る!そしてーーーーカァッ!!』
フェニックスは炎で形作られた鳥を撃ち放った!
イッセー君はそれを避け、フェニックスが剣で斬りかかって来たので、再び受け止める!
が、やはりイッセー君は膝をついた!
『蘇る度にーーーー強くなるっ!!』
「確かに、な!前より…………強くなってやがる!」
『おらぁ!』
「ガハッ!?」
フェニックスの蹴りで、イッセー君はいとも簡単に吹き飛ばされた!
そして変身が解かれる!って不味い!!
「イッセー君はやらせないッ!!」
『またテメェか!!しつこいんだよ!!』
しつこくて結構!
大切な友達を、失う訳にはいかない!!
「アーシアさん!今のうちにイッセー君の回復をッ!!」
「は、はいッ!!」
「加勢するわ、祐斗!!」
けど力量差は圧倒的で、僕はフェニックスに吹き飛ばされる。
く、このままじゃ…………ッ!
「ファントム。お前の横暴も、そこまでだ」
『あぁん?』
こ、この声は…………!
「お兄様!」
魔王、サーゼクス・ルシファー様だ!
サーゼクス様自らこの場に出るなんて……ッ!
「若き悪魔達の熱き争いを妨げた罪…………万死に値する」
『へっ!ほざいてんじゃーーーー』
フェニックスの言葉は、長くは続かなかった。
何故なら、サーゼクス様の放った滅びの魔力で、顔が吹き飛んでいたからだ。
「…………滅べ」
撃ち放った滅びの魔力を再び手繰り寄せたサーゼクス様は、今度はフェニックスの体を消滅させた!
「…………木場祐斗君、それに皆。済まなかった」
サーゼクス様は頭を下げた。
「奴の侵入を許したのは私の落ち度だ。君達には、多大な迷惑を掛けた」
「ルシファー様、頭を上げてください」
けど、部長は気にしてない風に、サーゼクス様に告げた。
「ファントムがここに乗り込んで来るなんて、誰も予想して無かったですし……それに死者も出ていないから、良いのでは無いでしょうか?」
「それに今度は、ファントムの乱入も視野に入れての防衛もすれば、宜しいと思います」
「リアス、ソーナ…………ありがとう」
「それに……今はイッセーです」
「そうだった。グレイフィア、今すぐ全員を転移させるんだ!」
『はい!』
結局うやむやになったしまったこのレーティングゲームだけど、この戦いで得られた物は大きいと思う。
だよね、イッセー君…………。
次回、D×Dウィザード
イッセー「俺、一体……」
エリス「始めまして、兵藤一誠君」
ゼノヴィア「夏休みの宿題だ!!」
小猫「にゃん♪」
MAGIC49『さらば夏休み』
イッセー「俺死んでないからな!俺生きてるからな!!」
ドライグ『穏やかな顔だろ?死んでるんだぜ……』
ドラゴン『何だ、これは…………!?』
漸く終わりですね
後木場君の新技の名前の由来ですが…………狂い咲き、セイヴァー。
分かるかなぁ?