ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
あの後、オーディンの爺さんはめげる事なく日本の各地を回って遊んだ。
多分アザゼル先生とおっぱいパブに行ったんだろう。
と言うか声高らかに行きたいとかほざいてたからな!
俺も行きたかった!
『まぁそんな事を言えば殺されるのは目に見えてるがな』
言うなよドライグ!
夢ぐらい見させろよな!
『………………相変わらず騒々しいな。貴様らは』
お、ドラゴン!
大丈夫なのか!?
『あぁ、何とかな。と言うよりも貴様らが騒がしいせいでおちおち眠れん』
『とか何とか言って起きてるって事は寂しかったんじゃないのかぁ?』
『語尾を延ばすな!気色悪い!!』
『あぁん!?』
相変わらず仲良しだなお前らは……。
まぁ良いや…………ん?
一階に行っていた俺は再び最上階へと向かう途中、何やら話し声が聞こえてきた。
このオーラは……朱乃さん?
「朱乃、お前と話がしたいのだ」
「……気安く私の名前を呼ばないで」
物陰から伺うと、朱乃さんとバラキエルさんが何やら揉めていた。
朱乃さんに至っては普段のニコニコフェイスではなく、声も今までに聞いたことがないって位冷たい物だった。
「……赤龍帝と逢い引きをしていたとは、どう言うことだ?」
あ、逢い引きて…………古風な物言いだな。
しかし俺との問題か、これは手厳しいな……。
「私の勝手でしょ?何故、それをあなたにとやかく言われるのかしら?」
「彼は性欲に忠実だと聞いている。私は……お前が心配なのだ。卑猥な目に遭っているのではないかと」
う~ん、スケベなのは否定できんからなぁ……。
それにその答えは父親らしい心配の仕方だ。
と言うか俺にはバラキエルさんが悪い人には見えねーんだよな……。
「彼の事をそんな風に言わないでよ!」
だが朱乃さんは強い語気で否定した。
「確かにイッセー君はスケベだけど、優しくて、頼りがいがあって……何より他人の希望を守るために一生懸命に戦う男性よ!……噂や見聞だけで判断するなんて、最低だわ。やっぱり、あなたの事を許すなんてーーーー」
「私は父としてーーーー」
「父親顔しないでよ!だったら何であの時来てくれなかったの!?母様を見殺しにしたのは貴方じゃない!!」
その一言にバラキエルさんは押し黙ってしまう。
俺は二人に気付かれる前にその場を立ち去った。
「俺が悪いのさ。全部な」
この後帰って来たアザゼル先生に事の事情を聞いた。
何でも朱乃さんのお母さんーーーー姫島朱璃さんの管理していた神社に、負傷したバラキエルさんが飛来し、朱璃さんはそれを手厚く看病した。
そしたその縁で、朱乃さんを間に宿したらしい。
だけど、朱璃さんの親類はそれを良しとしなかったらしく、高名な術者達をけしかけ、朱乃さん達家族を抹殺しようと企んだ。
それらはバラキエルさんの力で退ける事が出来ていた。
けどーーーー
「その日、バラキエルを呼び出した時を切っ掛けに、妻は亡くなった。どうしても奴でなきゃこなせない仕事だったんだよ。けど、その僅かな間に…………」
バラキエルさんが事を終えて戻ると、既に朱璃さんは亡くなっていたそうだ…………。
それから朱乃さんは天涯孤独の身になって、各地を放浪して、部長と出会ったそうだ。
「じゃあ先生は、バラキエルさんの代わりに、朱乃さんを見ようと?」
「……さぁな。ただ、罪の意識を消そうとしてるだけかもな」
「だったら……」
そんな悲しそうな横顔はしないですよ、普通はーーーー。
「……なぁ、イッセー」
「はい」
「朱乃の事……お前に頼んでも良いか?」
俺はその申し出に目を見開く。
「本来なら俺がやるべき事だ。けど、お前も分かってるだろうが、朱乃はーーーー堕天使が嫌いだ。バラキエルと再会した時点で、俺の話だってマトモに聞きやしないだろう。…………俺じゃ、アイツら二人を繋ぐ希望には、なれないんだっ!」
先生にしては珍しく、悲壮さを隠しきれない慟哭。
「ーーーー任せてくださいよ」
俺は胸をドン、と叩いて宣言する。
「俺が二人をもう一度繋いで見せます!それに……家族だって、何時別れることになるか、想像つきませんから。朱乃さんには、後悔してほしく、ないから」
「……すまねぇ」
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次の日、俺達グレモリー眷属は冥界で開催されたウィザードラゴンのイベントに主役として参加していた。
「はい、ありがとうな!」
今は握手とサイン会だ。
俺達の前には長蛇の列が出来ており、子供一人一人にサイン色紙を渡して、握手する。
子供達は俺が馴れない悪魔文字で書いたサイン(と言うかサインなんて書いたことないが)を嬉しそうに受け取り、握手すると、
「ウィザードラゴン!頑張ってね!」
と、言ってくれるんだ!
『ありがとう少年。君も毎日を楽しく生きるのだよ?』
「うん!」
と、ドライグもバリトンボイスでクールに対応している!
かく言う俺も嬉しい!
俺はこの子達の希望になれていってるんだって実感して涙が溢れちゃうよ!
木場は俺のライバルキャラ『無糖・ブラックナイト』となって女の人達との握手に、小猫ちゃんは『ヘルキャットちゃん』と言うウィザードラゴンの味方役として、大きなお友達と握手していた。
イベントは何事もなく終わり、俺達の仕事も終わりだ。
あー疲れた!
『いやー、チビッ子共との握手会、またやりてぇなぁ』
「それは同意するぜ、ドライグ」
それに、鎧の持続時間の修行にも持ってこいだしな!
「イッセー様、お疲れ様ですわ」
俺にタオルを持ってきてくれたのはーーーードリルヘアーのお嬢様、レイヴェルだった。
「サンキュー、レイヴェル」
何でも俺達が冥界でイベント活動するって聞いて、手伝ってくれるのを進言してくれたんだ。
「こ、これも修行の一環ですわ!べ、別にイッセー様やグレモリー眷属の為って訳ではありませんから!」
「はいはい、ツンデレ乙」
なんてコテコテのツンデレ発揮してるけど、結構真剣に仕事をしてるんだよな、コイツ。
まぁ、値は真面目っぽいし、こっちが素なんだろ。多分。
「やっぱりスゲェよな、子供って。真剣に悪くないって思えてきたよ。この仕事」
「子供達は夢中ですもの」
「あぁ。だからこそ、守らなきゃなってさ」
俺に何処まで出来るかは分からない。
でも、あの子達が望む限りは、俺はウィザードラゴンでいようと思う。
そう決意した日だった。
ドライグ『次はいよいよロキが登場するぜ!フハハハ!ネタバレしてやったぜ!』
イッセー・ドラゴン「『死ね!!』」