ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
作者「今回お前の出番ねぇから!」
ドライグ『』
親子間の修復の話をし終えた後、朱乃さんは再び修行へと戻っていった。
……ちょっとは背中を押せたかな、俺。
さてと、
「部屋に戻るか」
俺は部屋に戻ってゲームをしようと階段へと歩を進めた。
すると、
「……ん?」
台所から何やら良い匂いが漂ってきた。
何だろう……俺は気になって台所を覗いた。
「イッセー様?」
「グレイフィアさん……!」
そこではグレイフィアさんが何やら料理をしていた。
グレイフィアさんの手元には湯気の立つ小振りの鍋が。
どうやら良い匂いの根源はそこかららしい。
「丁度イッセー様の元へと向かおうと思いまして……」
「え?俺の所へ?」
「はい……。その……」
グレイフィアさんは何やら恥ずかしげにもじもじし始めた。
そのいじらしい様に俺の心臓は早鐘を打つ。
……冥界で感じたあの時の気持ちと、おんなじだ。
でも、決して苦しくなく、寧ろ心地良い。
…………もしかして、この気持ちは。
「お粥を作ってみたのですが、良かったらどうですか……?」
等と思っていたら、グレイフィアさんは意を決した様に俺にそう言ってきた。
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丁度小腹も空いていたので、俺は快諾した。
んで現在は、俺の部屋。
グレイフィアさんはれんげで粥を掬うと、息を吹き掛けて冷ましていた。
正直、グレイフィアさんの綺麗な唇から聞こえる吐息に、ドキドキが止まらなかった。
「はい、どうぞ」
「あ、じゃあ……失礼します」
差し出されたお粥を一口咀嚼。
「……美味い!美味いですよ!」
「お気に召していただけて、何よりです」
グレイフィアさんは綺麗に微笑むと、続けて食べさせてくれた。
流石に恥ずかしかったので自分で食うと断ると、「もっと頼って下さい」と少し怒り気味に言われ、すごすごと食べさせてもらった。
正直な話……心臓がどうにかなりそうだった。
「ご、御馳走様でした!」
「はい、御粗末様です」
今まで生きてきた中で一番恥ずかしい食事だったな……。
それにずっと心臓が高鳴りっぱなしだった。
「イッセー様」
「はい?」
「あまり御無理はなさらずに。貴方はまだ休まなければならない身ですから、ゆっくりなさって下さい」
そう言われ、俺は強引にベッドに寝かされた。
「グレイフィアさん…………」
「大丈夫です。眠るまで、私が側にいますから……」
手を握られ、慈愛が籠められたその言葉に、俺はこの胸の高鳴りの正体を悟った。
ーーーー俺はこの人が、好きなんだと。
もっと、ずっと側にいたい。俺の全てを掛けてでも、守り抜きたいと。
でも、何で好きになったんだろう?
何時からだろうか、この気持ちが芽生えたのは。
俺は微睡みの中でそれをずっと考えていた。
『スタイルもルックスも抜群。そんな女に惚れない訳ないだろ?』
違う。って言うか俺は容姿やスタイルで好きな人は選んだりしない。
『自分の闇を包んでくれたからだろ?それにお前は誰より母性愛に飢えていたじゃないか』
違う。……母性愛を欲しがったのは事実だが、闇を包んだのは皆もおんなじだ。
皆俺の闇を受け入れてくれた。誰一人逃げ出さずに聞いてくれた。
『………それでも辛いなら、俺がーーさんの心の支えになるよ。弟さんが見つかるまで』
『死んだ父さんと母さんが言ってくれたんだ。俺は希望なんだって。だから、これからも皆に希望を与えていけって、俺は最後の希望だって、言ってくれたんだ』
『俺、まだまだ弱いけど……何時か強くなったら、改めて、ーーさんの希望になる。そう言うよ!何時か、必ず!』
俺が微睡みの中で見たのは、幼き日の光景。
子供の頃にした他愛ない約束事。
だが、俺はそれを誰に誓った?
古い記憶は朽ちて枯れていく。そんな言葉を聞いたことがある。
だがーーーー俺は絶対にこの約束事は忘れていなかった。
なら、それを誓った相手を、忘れて良い訳ないだろ!!
ふと見上げたその視線の先には、グレイフィアさんがいた。
その顔と、記憶の中の約束事をした相手の人物像が、不思議と合致していた。
ーーーーあぁ、そうか。
「……ははっ」
「?どうかなさいましたか、イッセー様」
そうだよ。
普段のクールな表情。
クレープを初めて食べた時の嬉しそうな顔。
たまに見せる少し怒った風の雰囲気。
頬を染めて照れる横顔。
惹かれる要素なんて、探さずとも合ったじゃないか。
「何でも無いです…………おやすみなさいーーーーグレイフィア」
俺は瞼を下ろし、眠りについた。
この戦いを終えて、この気持ちにケリを着けよう。
今はまだ、言うべき時じゃない。
でも、確かな答えが、俺の胸には導かれた。
えー、告白に関してですがこの章の終わりには絶対します。
そして次章からは出番も増やす予定です。
それまではご辛抱の程を、宜しくお願いしますm(__)m