ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝 作:ふくちか
佐野君も声だけみたいですが参加するっぽいですね!いやぁ、楽しみ!!
木場side
ロキとの戦いを終えた僕達は、事後処理を終えて現在兵藤家にいた。
どうやら会談は無事に成功したの模様で、僕達は安堵の息を吐いた。
「ん~、よしっ。一応気は整ってあげたわ」
そう言ったのは小猫ちゃんのお姉さん、黒歌。
今この家にはヴァーリの仲間達もいるんだ。
「ありがとう、黒歌」
「気にする事ないにゃん。アンタにも、この子にも、妹がお世話になってるし」
「……姉様」
「やるべき事も終わったし、私達もそろそろ帰るにゃん♪」
複雑そうな小猫ちゃんに構わず、黒歌黒歌がそう言うと、同意するかの様に立ち上がった他の面子達。
「……彼は生きてるのかしら?」
「ヴァーリはあの程度でくたばる奴ではない」
「そうそう。家のリーダーはしぶといからねぃ」
部長の言葉を否定するカイトと美猴。
その声音には、ヴァーリへの信頼が感じ取られた。
「じゃ、起きたら赤龍帝ちんに宜しく~」
「あばよ!」
「では、これにて。木場祐斗君、ゼノヴィアさん。また何れ、貴方達とも戦ってみたいですね」
「…………」
アーサーは聖王剣で空間を切り開くと、その中へと消えていった。
…………僕ももっと、強くならないとね。
……そう言えばまだ言ってなかったね。
黒歌が何をしていたのか。
それはイッセー君の治療だ。
あの戦いの後、イッセー君は全く起きることなく眠り続けていた。
黒歌曰く「魔力を限界まで行使した結果」だそうだ。
今イッセー君の肉体はその反動から身を癒すべく眠りについているんだ。
……しかも、一緒にディオドラの件で発動した「覇龍」の力も同時に行使したらしい。
それもあってか、イッセー君の眠りは深いんだ。
……まぁその内起きるだろうとのことだから、イッセー君は問題ない。
実はもう一つ問題があるんだ……それは、
「…………」
「…………」
イッセー君の周りをウロウロする二匹の狼。
そう、あのフェンリルーーーーハティとスコルだ。
あの戦いの後、この二匹は何故か僕達に着いてきたんだ。
追い返そうとも最初は考えたけど、二匹に敵意はなく、ずっとイッセー君を心配そうに唸っていたから、今は監視する名目で好きにさせている。
けどやはり牙を剥き出しにすることはなく、イッセー君の顔を舐めている。
するとーーーー
「う、ううん…………」
小さく唸り声を上げながら、イッセー君が目を覚ました!
「イッセーさん!?」
「……よぉ、アーシア」
寝ぼけ眼だけど、どうやら異変はないみたいだ……良かった。
「んっ、うぉっ!?」
と、ここでハティとスコルがイッセー君にじゃれついた!
「ふ、フェンリル!?何でコイツらが!あ、こら、くすぐったいって……!」
心底驚いた様子のイッセー君。
と、そんな時、イッセー君の使い魔の龍王ティアマットが近づいてきた。
「この様子だと……どうやらお前になついてしまったらしいな」
「え?!」
「あの戦いで見せたお前の覇気に魅了されたのだろう。だから主のロキの命にも背いた……と言うことだな。イッセー」
「な、何だ?」
「この犬共も使い魔にしたらどうだ?」
ーーーーッ!
僕達はティアマットの提案に息を飲んだ。
でも一番驚いているのは、他ならぬイッセー君だ。
「えぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
そして後日ーーーー
「兵藤一誠の名に於いて命ず!汝、我が盟友として、契約に応じよ!」
『『ワン!』』
結局追い払うにはなつきすぎていたので、イッセー君は仕方なくフェンリル二匹を使い魔にした。
一応北欧に確認を取ったところ、「今回の功労者たるイッセー君になら安心して任せられる」とのことだ。
まぁそれでも神殺しの力は驚異だから力は殆どセーブされてる状態だ。
それでも上級の魔物と同等の力を誇る辺りは、流石フェンリルと頷けるね。
「よし、今日から宜しくな!」
『『ワン!』』
……何だか、大型犬がじゃれついてる様にしか見えないね。
微笑ましい光景に僕達が頬を緩めていると、
「もう終わりよっ!!」
悲鳴が聞こえた。
その正体はーーーー北欧のヴァルキリー、ロスヴァイセさんだ。
「酷いです!オーディン様ったら、私を置いていくなんて!!」
……そうなんだ。
実はこの人、オーディン様に普通に置いて帰ったのだ。
恐らくは気付いてるんだろうけど……向こうが何も言わない辺りは……
「これ絶対リストラよ!リストラ!どうせ私なんて、彼氏いない歴年齢のダメ女よ!!」
もう自棄っぱちになってるね。
「大丈夫よ、ロスヴァイセ。この学園で働ける様にしたから」
と、部長がロスヴァイセさんの肩に手を置いた。
「ほ、本当ですか……?」
「えぇ。でも、良かったの?教師で」
「はい……一応教員免許は持っていますし、母校も飛び級で卒業してるから……でも私、この国で上手くやっていけるかしら……?」
未だに不安そうなロスヴァイセさん。
「ふふ、そこでこのプランよ」
部長が妖しく笑うと、懐から書類を取り出した。
「今冥界に来ると、こんな特典やあんな特典が付くのよ?」
「……ッ!保険金が、こんなに……しかも、こっちのは掛け捨てじゃない!」
「そうよ。それに、こっちのシステムもお得だとは思わない?」
「……スゴいです!悪魔って、こんなにも貰えるんですか……!基本資金が違うわ!ヴァルハラと比べても好条件ばかりです!」
戦乙女を買収してる……!!
流石、部長です……。
「そして今なら、この駒一つで貴女にこれだけのサービスが付くわ!だからーーーーどうかしら?」
部長が見せたのはーーーー最後の『戦車』の駒だ。
「……どこか運命を感じます。あの時冥界の病院で出会った時から、こうなる事が決まっていたかもしれません」
ロスヴァイセさんは躊躇う様子を見せずにその駒を受け取りーーーー紅い閃光に包まれた!
そしてーーーー無事に悪魔へと転生した。
「皆さん、悪魔に転生しました、元ヴァルキリーのロスヴァイセです。これからも、宜しくお願いしますね!」
「という訳で、私の最後の眷属は、ロスヴァイセとなりました」
『宜しくお願いします!』
こうして、僕達に新しい仲間が生まれた。
「木場。何かあったのか?」
「うん。実はねーーーー」
僕はずっとハティとスコルの相手をしていたイッセー君に事の経緯を説明するのだった。
~~~~~~~~~~~~
よう、皆。イッセーだ。
「……父様」
「ッ!朱乃か……」
俺は今兵藤家の玄関でグリゴリの施設に帰るバラキエルさんのお見送りに来ていた。
「……」
スッと、朱乃さんは弁当箱を手渡した。
バラキエルさんはそれを受け取り、包みを開くと、色彩豊かな料理が所狭しと並んでいた。
「……?」
「食べてみて下さいよ。ね、朱乃さん」
俺が代わりに代弁すると、バラキエルさんは料理を口に運んだ。
するとーーーー涙が一筋伝った。
「妻の……朱璃の味だ……ッ!」
それだけ言うと、バラキエルさんは無言で弁当をがっついた。
ボロボロと泣きながら、噛み締める様にーーーー。
「……また、元気な姿を見せてください」
数分後、朱乃さんは未だに泣いているバラキエルさんにそう言った。
「……兵藤一誠君」
「はい」
「娘の事を、頼む…………」
「……勿論ですよ」
俺が断言すると、バラキエルさんはそのまま帰っていった。
その後ろ姿は、以前見た寂しそうなそれではなかった。
「……ありがとう、イッセー君」
見送ったけど後、朱乃さんは俺に礼を言ってきた。
「いえいえ。俺は俺に出来ることをやったまでですから」
「それでもですわ……イッセー君」
「は……ッ!」
返事を返そうとした俺の口にーーーー何やら柔らかい物が触れた。
それは一瞬だったけど、確かな暖かさがあって…………!
「ふふ。私、諦めませんから」
「え……」
「ねぇ、リアス?」
朱乃さんがそう言うと、物陰から部長が出てきた。
「ええ、勿論よ」
「部長……?」
「行ってきなさい、イッセー。貴方には、行くべき所があるでしょう?」
ーーーーそうだった。
「…………ありがとう。リアス」
俺は短く言うと、そのままあの人の元へと向かった。
~~~~~~~~~~~~
~エピローグ~
俺は兵藤家の屋上に来た。
そしていたーーーー彼女が。
「……グレイフィアさん」
俺が呼ぶと、グレイフィアさんは此方を静かに振り向いた。
「……イッセー様!」
「ッ!」
俺の顔を見ると、グレイフィアさんは憚らずに抱きついてきた。
まるで、俺の存在を確認するかの様に。
「良かった、です……ご無事でっ!」
「……はい。俺、ちゃんと生きてますから。だって……俺は貴女に伝えたい事が、あるから」
グレイフィアさんは俺から離れると、此方を静かに見つめる。
俺は口を開こうとするが、緊張の余り頭が真っ白になった。
「俺、俺…………」
呼吸が荒くなっていく。
伝えたいのに、口が麻痺したかの様に上手く喋れない。
『おい相棒落ち着け!』
『そんな様では、伝わる物も伝わらんぞ』
けど、俺の相棒達の言葉で、ある程度緊張が解れた。
……サンキュー、二人共。
…………こうなったらヤケクソだ!
「すぅー…………グレイフィアさん、いやーーーーグレイフィア!!」
「っ」
驚くグレイフィアに構わず、俺はありったけの想いを吐き出した!
「俺は君が好きだ!!ずっとずっと、全力で、俺の全てで守りたい!ずっと君の側で笑っていたい!!だから、その…………俺ーーーー」
その先は、言えなかった。
俺の眼前には、グレイフィアの端正な顔が。
そして聞こえる。グレイフィアの鼓動が…………。
永遠とも思われるそんな瞬間、グレイフィアが俺から離れた。
「……私も、ずっと、貴方と共にありたい。私も、貴方を救いたい」
「グレイ、フィア…………」
「私も、好きです。イッセー様………いえ、イッセー。世界中の誰よりも、貴方を……愛してる…………」
その言葉を聞いた後、俺は自らグレイフィアの唇を奪った。
夜空に栄える月の光が、俺達を静かに見守っていたーーーー。
第七章、終幕
はい。やりきりました!!こんなベッタベタな告白しか出来ません!私の文才では!!
非力な私を許してくれ…………