ハイスクールD×D wizard 希望の赤龍帝   作:ふくちか

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もうすぐで今年の仕事も終わりだと思うとなんだか足取りも軽いですね


と言う訳で、今回は新幹部が登場します
冒頭はファントムサイドから始まります


どうぞ!


MAGIC75『その頃の仲間達』

 

 

鬱葱と茂った、深い森の中にある洞窟。

 

 

『――――ワイズマン』

 

そこに安置された天蓋付きのベッドに向かって発せられた声。

暗闇なので姿まではハッキリとしないが、その闇の中でも輝く六つの赤い目が特徴的だった。

 

 

『――――ガルムか』

 

天蓋の向こう側からは、その呼び声に対しての返事が返ってきた。

 

『…ドレイクが、例の石の試作品をもって、姿を晦ましました』

『………ほぅ。あの石をか』

 

ガルムからの報告に対し、さして気にした素振りを見せないワイズマン。

だが、ガルムはそれを疑問に思わない。

 

『ドレイクの処分は……』

『構わん。放っておけ』

『しかし………』

『恐らく奴は異世界にでも飛んだのだろう』

『異世界……』

 

つまりは、この世界にはいないと言う事を察したガルム。

 

『デッドコピーとは言え、かの――――賢者の石を模倣したのだ。それが思わぬ効果を発したと考えるのが妥当であろう』

『………』

『何方にせよ、私と言えどそう簡単には干渉できん。お前は普段通りに、ゲートを絶望させ、ファントムを増やせ』

『はっ』

 

短く答えると、ガルムは闇に姿を消した。

 

『………………………』

 

ワイズマンは、ただ静観するのみだった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

木場SIDE

 

 

イッセー君がファントムと共に姿を消してから、もう三日が経った。

 

「どうだった、祐斗?」

「…………駄目です」

 

部長の問いに、僕は首を横に振るしかなかった。

 

「……そう。アザゼルはどうだったの?」

「…収穫無しだ」

 

アザゼル先生も方々に手を打ってイッセー君を捜索しているが、一向に見つからないそうだ。

そして今回は――――彼等の手も借りている。

 

 

 

 

「アザゼル」

「……ヴァーリか」

 

白龍皇、ヴァーリ・ルシファーとその仲間達。

今回は、彼等が自分の意思でイッセー君捜索に力を貸してくれているんだ。

 

「そっちはどうだった?」

「…残念だが」

「そうか…」

「でも可笑しくない?この世界の何処かにいる筈なら彼の気配を探知出来る筈なんだけど………」

「感じないのか?」

「全くよ」

「……どういう事だ?」

 

この世界にいるなら、少なくとも気配は感じられて当然だと言う黒歌。

じゃあ、イッセー君が意図的に気配を消していると言う事か?

 

「皆様、お疲れ様です」

 

イッセー君の捜索から戻ってきたらしいグレイフィアさんが、お茶を運んできてくれた。

 

「グレイフィア……」

「?どうかなさいましたか、お嬢様」

「……いえ、何でもないわ。ありがとう」

 

……おそらく、この中でも彼女の方がショックが大きいはずだ。

でも、グレイフィアさんは悲しみを隠して気丈にイッセー君捜索に全力を注いでいる。

 

そんな彼女に、僕達が出来る事は何もない。

 

 

……イッセー君、君は一体何処にいるんだい?

君の恋人は、こんなにも悲しんでいるというのに………っ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兵藤一誠は、今この世界にはいない」

 

 

 

 

 

―――――ッ!?

 

 

突如として聞こえてきた声に、僕達は全員警戒態勢に入った。

そうしながら声のした方を振り向くと、

 

「貴方は………」

 

その正体は、イッセー君が魔法使いになる切っ掛けを作った人物。

 

 

 

――――白い魔法使い。

 

 

「お前さんが、イッセーが魔法使いになった切っ掛けを作った魔法使いか」

「…………如何にも」

 

そうか、アザゼル先生は白い魔法使いにあったのがこれが初めてなんだ。

 

「お前さんには聞きたい事が山ほどあるんだが、それは別の機会だ。さっきの言葉、ありゃどういう意味だ?」

「言葉通りの意味だ。兵藤一誠は――――平行世界に転移したのだ」

「平行、世界……だと!?」

 

アザゼル先生は驚いたように声を荒げた。

 

「どうやら、三大勢力でも話は上がっているようだな」

「アザゼル、平行世界って?」

「……こことは違う、別の神話体系が支配する世界――――所謂、別世界って奴だ。だが、まだ存在する確証はっ」

「ならば、兵藤一誠の気配や気が感じられないのは何故だ?意図的に絶っているのなら話は違うが、仙術を扱う二人でも探知できんのはどう説明するつもりだ?アザゼルよ」

「……っ」

 

白い魔法使いの言葉に、先生は言葉が詰まった。

 

「だが、その平行世界にファントムはいない。恐らく兵藤一誠が転移したのは、その世界に存在しない異物を消去するために世界に呼ばれたのだろう」

「世界に、呼ばれた?」

「ただの仮説ではあるがな。何にせよ、お前達では手出しが出来ん事だけ伝えておこうと思ってな」

《テレポート・ナウ》

「お、おい待て!」

 

先生の制止を無視する形で、白い魔法使いは姿を消した。

 

「……アザゼル、彼は一体何者だ?少なくとも、人間ではないのは確かだが」

「…俺にも分からんさ。あの魔法使いには、謎が多すぎる」

 

確かにそうだ。

でも、現状はイッセー君の支援をしてくれているから、味方と捉えることもできる。

 

 

 

 

だけど、異世界にいると分かった以上、僕達に出来る事は――――イッセー君の無事を祈るばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はそんなイッセー君のご様子です


ガルムは北欧神話における地獄、ヘルヘイムの番犬です。
ケルベロスと同じ役割を持った獣です


特撮だと、ウルトラマンネクサスに登場したスペースビースト・ガルべロスが有名ですね。(名前の由来がガルム+ケルベロス)
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