日ノ本四重奏   作:黄昏翠玉

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主人公4人なんですけど、全然そんな感じしないかもしれません。w


第1章 霊界の旅
プロローグ


魔法、呪術―――それらが再び勢力を取り戻した日本において、この物語は始まる。

 

日本において、陰陽術が再び発達した現代。

陰陽術を駆使する家の元締めである土御門家は、没落してしまったものの、今もまだ影響力は残している。土御門の支流である倉橋などの家を含めて、それらの家を“旧家”と呼び、新しく土御門の影響下に入った神成、佐竹、真榊などのことを“新家”と呼ぶ。

 

江戸時代末期、日本において問題になっていたのは、“霊災”と呼ばれる現象だった。江戸幕府は土御門を保護、陰陽寮の復活とともに、陰陽師の育成機関の設立を推奨し、開国への流れ、学制の発布とともにその流れは強くなっていった。

霊災とは、人間たちの住む人間界とは少し違う、霊界と呼ばれる場所に住む者たちのこと。言い換えるならば、八百万の神であり、妖怪であり、精霊である。

彼らが人間界に現れる際に、彼らの体を構成する霊気は爆発的に膨張する。その余波が霊災という形で現れてしまうのだ。霊獣を祓うのはとてもではないが、ほとんどできないと言っていいことである。通常は、霊獣そのものではなく、霊獣が起こしてしまった霊災―――そもそもの影響を与える霊気の塊を散らすという形で、祓魔を行う。

200年ほど前、大規模な霊災が起き、日本全国が甚大な被害を受けた。時を同じくして外国も同じように被害を受けているのだが、政府間はこれについて何かの関連性を見いだせず、すべては内に秘められた。

それ以来、日本だけにとどまらず、世界のどこかで毎日のように霊災が起きている―――。

 

 

いったい誰が望んだというのだろうか。

いったい誰がこの状況を笑っていられるというのだろうか。

その答えを持っているのは、簡単な話―――

 

「また行くのか」

「楽しそうだから」

 

とめるものはない。ただ己の思うが儘に進んでいくだけだ。

なぜならば彼らは、人の姿こそしているが、中身はもとより人ではなく。

 

「ああ、また来るよ―――今度は誰だろうね」

彼らは口々に言う。

待ちわびる。新たな犠牲者ともいうべき存在を。彼らはただ待っているのだ。

己らを受け入れてくれる存在を。己をその心に受け止めてくれる存在がほしいのは、人も物の怪も変わらないようだ。

「きっとあの子が来る」

「きっとあの子は来る」

「「あのお方を連れてやってくる」」

 

 

 

 

小さく笑った青年と屈強な男。

彼らは廃墟と化したような街並みで、青い空を見上げた。

 

彼らは歌う。

 

人の歌を

 

霊獣の歌を

 

狭間の歌を

 

力の歌を。

 

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