日ノ本四重奏   作:黄昏翠玉

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お待たせしました。
大学に無事受かりました……直後地震だったんですが(;´д`)トホホ
いくつも並行して違う話を書きなぐっているせいでどれもこれも更新が遅れがちです。
よければ他の作品も読んでいただけるとありがたいです(`・ω・´)
小説家になろうさんで『日風翔夏』という名で活動しております。

今回はきりのいいところで切っちゃってるので短いです……。

では、どうぞ!


第4話 文化祭初日

文化祭初日

 

文化祭の初日になった。

着々と準備を進めてきた勇子たちだが、ようやく報われる、と言ったところだろう。

アレンがホクホクしながらカメラのバッテリーを確認しているのを見て、朱里はあらためて本番になってしまったなと思った。

アレンが中学校の同級生たちに連絡を入れたということは聞いている。売り上げはそのままクラスが使えるお金になると言うのを聞かされて俄然ヤル気を出してしまった数日前の自分を叱りたいくらいである。冬士は相変わらず突っ伏して笑っていた。実に器用な男である。

「朱里、頑張ろうね!」

「ああ…」

やる前から疲れているのは皆のテンションがやたらと高いせいだと思う。

アレンと千夏、勇子、大輔は厨房の最終確認やらなんやらに回るために調理室へと向かって行った。

朱里は着替えのために奥に引っ込んだ。

用意された衣装を着て、とりあえず鏡で確認しつつ髪形をしっかり整えて、ネコミミまでつける。これはすごく恥ずかしくて、朱里はそれでもやるしかないのだと自分に言い聞かせる。

ドアがノックされ、冬士の声がした。

「着替えたか?」

「ああ、今」

「入るぞ」

冬士が入ってくる。

冬士は衣装を着て、鬼の角を出せば終わりである。髪を整えたりする必要がないが、朱里的には鬼の角がある冬士に洋服は似合わないと思われた。

鬼と言うとどうにも和風のものをイメージしてしまうのである。

冬士は朱里がいるのに構わずさっさとそこで着替えを始めたから朱里は慌てて顔をそむけた。

「…あ、悪い」

「なんで何も言わずに脱ぐかな、お前!」

たとえ何も思っていなくても冬士だったら皆が見る。

これは千夏の言葉だっただろうか。

着替えた冬士が鬼の角を出した。

「鬼気は?」

「大丈夫」

「よし、行くぞ」

「ああ」

深呼吸をする。やるしかないんだ、とことんやってやろうじゃないかと自分に言い聞かせる。朱里は顔を一回ぺちんと叩いて、よしっ、と気合を入れた。

「お前はネコミミメイド、俺は基本執事。まあこんなゲテモノに頼む客はほとんどいないだろうから、お前の方に客が行くのは堪忍してくれよ」

「冬士はやっぱり自分の顔をしっかり鏡で見た方がいい。こんなイケメンがいるのに女性客が俺に頼むはずがない」

二人が教室に出ると、やって来た折哉が立ち止った。

「…お前ら、何がどうなってそうなった」

「「相棒の趣味」」

衣装については大人に何も言っていなかったのだった。と言うか、言う前からなぜか知っていた九玖についてはほっておくとして、他のメンツは冬士の姿についてかなり気にしていた。

さらに手が加えられて派手になってしまった朱里の衣装と、落ちつけようとした結果が肌の白さをさらに強調してしまった衣装の冬士。

「どうやったらそんなダイナマイトになるんだお前たちは」

「折哉さんからそんな台詞が出るなんて」

「俺も一端の男だぞ、朱里。聖人じゃない」

折哉はひとまず二人の写真を撮って、頑張れ、俺は見回りだ、と言って出て行った。

「…さらっと写真撮られたな」

「折哉さんは悪用しないよ」

「アレンは?」

「する」

「即答かよ」

冬士はククク、と低く笑った。鬼たちもうけたらしい。

時計を見ればあと5分で生徒たちが解放されるという時間。その30分後には一般向けに開放される。

「もうすぐだぞ! 鉱山、影山、頼むぜ!」

今回最初にホール担当になっている吉岡と亜門が揃えられた執事服を着て最終確認を行っている。

「よし、千夏、春樹、行ってらっしゃい!!」

「「行ってきまーす」」

時間になったということで勇子が2人を送り出した。

 

 

 

 

 

朱里の中学校での人気がどれほどのものだったかというと、アレンが本気で取り締まりに乗り出すレベルだった。アレンは確かに気が長い方ではないが、それでも十分待っていたといえる――それくらい、厄介なタチのものが絡んでくるのである。

「一般公開は30分後だぞ?」

「いいじゃないか、ちょっとぐらい早く来たって」

アレンは既にやってきている中学の同級生、アレンから見ても珍しく共と呼べる人物に会っていた。

「…まあ、あんまり殺到しないようにって考えを回してくれたのはホントに助かったけど」

「本当はすぐにでも朱里様に会いたい」

「おい」

「だが朱里様が文化祭を楽しむためには殺到しない方がいい」

「そうだよ」

「アレン、朱里様にしっかり文化祭を満喫させるんだよ!」

「おー」

アレンは内心苦笑する。

アレンと朱里のシフトを重ねて、2人がいっぺんに抜けられるように調整したのは冬士だったりする。まったくもって根回しのいい男である。

「…ああそう言えば、朱里様最近ちょっと危ない目に遭ってるみたいだね」

「え。どこからその情報仕入れたの?」

「ネットだけど、朱里様のクラスぐらい知ってるよ」

ああなるほどね、とアレンは思った。危ない目に遭っているのは事実であるため、否定はできない。

「朱里様は大丈夫?」

「うん、俺が見てる限りは」

「でも夏休み全然遊ぼうって言ってくださらなかったよね」

「あー。それはちょっと修行に行ってたから」

「修行!?」

アレンはしまった、と思った。

「なんで? 原因は? どの事件?」

「あ…あはは…全部?」

「…中央にいたのって確か生成りだったよね?」

「ド素人の手に負えるやつじゃないからやめなさい」

危ないっ!とアレンは思った。危うく冬士にとんでもないものを差し向けてしまうところだった。

「…あ。俺次のシフトなんだ。そろそろ行くよ」

「うん、頑張ってね」

アレンは時計を見ていそいそと教室へ戻っていった。

 

 

 

 

 

アレンが教室へ行ったら女性客の数がすごくて冬士と朱里がとてもバタバタしていたとかなんとか。

 




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