日ノ本四重奏   作:黄昏翠玉

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第2章はじまります。


第2章 クラスメイト
第1話 カミングアウト


陰陽学園。それは、江戸幕府によって奨励された祓魔師育成機関の設立に合わせて、“旧家”土御門を筆頭に倉橋、若杉、加茂、安倍等の陰陽師家、また“新家”神成、真榊、佐竹等の新参陰陽師家が設立していった祓魔師の育成機関である。

特徴的なのは、編入制度で、家ごとに設備に差があるため、実力がある、さらに伸びると判断された者は、本人の意向に合わせてより上の設備を持つ学園への編入を希望できる。

最も上にあるのが土御門と倉橋であり、その下に加茂、安倍、若杉と土御門一派が続く。

陰陽学園といってはいるが、ようは祓魔師を育成するのである。表に陰陽学園と言っていても西洋型の祓魔師、すなわちエクソシストの育成機関を備えた学園も存在する。

 

 

 

 

 

「ホレお主ら、注目!」

眼鏡をかけたスーツを着崩した男が教壇に立った。生徒たちは男に視線を集中させる。

男はこの教室の担任である。

「皆待っとったかどうかは知らんが、とにかく本来は皆と一緒に入学するはずだった生徒たちだ」

男は横に並んでいる少年少女に視線を向けた。少女は頷いた。

「神成勇子です。 よろしくお願いします!」

礼をして顔を上げる。

勇子たちは、つい昨日帰って来たばかりだ。それなりにあせって帰って来たのだが、それでも3日は最低でも必要なことであったため、冬士たちよりも4日遅れで人間界へと帰ってきた結果、冬士たちと日を合わせて、倉橋陰陽学園へと入学することになったのだった。

「…っと、山村圭吾です。 タイプキラーの中毒症状が起きるかもしれないので、その時は、助けてください」

そう言う圭吾の傍にはトエがひかえている。

「雅夏大輔、生成りだ」

「影山冬士。 同じく生成りだ。 よろしく」

大輔と冬士が礼をすると、1人の生徒が立ち上がろうとして、別の生徒にさえぎられた。

クラス内はざわついた。

「ホレ、何か質問とか無いかの?」

男の問いに、1人の女子生徒が手を上げる。

「ん、片葉怜奈」

男が指名すると、怜奈は立ち上がった。

「はい。 闇先生、私は雅夏君と影山君は生成り分校へ行くべきだと思います」

先ほどさえぎられた生徒が手を上げるが、再び同じ生徒にさえぎられた。その代わり、その生徒が手を上げる。

「土御門千夏」

「はい」

それは、千夏だった。

「分校があってもなくても、倉橋陰陽学園は生成り共学制です。 冬士と大輔が来るのは問題ないんですよ」

千夏は冬士と勇子、大輔を見る。勇子は頷いて、手を上げた。

「神成勇子」

「はい。 実際、冬士は本校へ、大輔は分校への入学を希望していましたが、学園長と面会した時、大輔も本校を受けるようにと学園長が仰いました。 …それに、分校、今年中に閉校するそうですね」

勇子が一気に言うと、怜奈は目を見開いた。

「そんなこと―――」

「生成りは分校に行く。 絶対に。 ―――それは俺たちからはチョット面白くねえ“呪”だな」

冬士の言葉に怜奈は冬士を見た。

「…でもいいさ。 関わりたくねえなら関わろうとしなければいい。 気にはしねえよ、俺だって生成りなんてならなきゃアンタらと同じ―――いやむしろ、この業界に関心すら持たなかった部類の人間だった」

冬士の言葉に、1人の少年が眉をひそめた。怜奈は少し俯いた。

「…ごめんなさい。 さすがに言い過ぎたわ」

「…こっちこそ、いきなり驚かせて悪かったな」

冬士が口をつぐむと、闇は勇子たちの席を割り振り、連絡事項を伝えた。

 




わかりにくかったらすいません。先生の名前は”闇”です。
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