★ 俺恋 ★~俺が好きなのは……~ NEW   作:koimayu

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旧作とは少し違っています。



第3話 ★ 俺と妹、幼馴染の登校 ★

 

 

 

 

 

「おーい、美優。もう時間だぞ」

 

家を出るのはいつも余裕を持っている。

 

登校の最終までにはまだ1時間近くある。

 

学校までは歩いておよそ20分くらいなのにどうしてこんなに早くに出るのか。

 

それはこういうことだ。

 

「兄さん、用意できたよ」

 

美優は部屋から小走りで階段を駆け降りてくる。

 

「忘れ物ないのか」

 

「ないよ」

 

それを聞くと俺は鍵を閉める。

 

で、さっきの理由が判明する。

 

そう、俺と妹は毎朝一緒に登校するのだ。

 

はっきり断言しておこう。

 

俺は別に妹と登校したいと言い出したわけではない。

 

美優の強い要望があったからだ。

 

それはさておき、妹の中学校は俺の高校のまだ先にある。

 

だから必然的にこれくらいの時間になるのだ。

 

「じゃあ行くぞ」

 

「うん」

 

と言って、美優は俺の右腕にくっついてくる。

 

具体的に言うなら腕を俺の腕にからませて、もう十分大人の女性と言っても過言ではない胸を押し付けくる。

 

ま、まあうれしいんだよ。

 

なぜなら、妹というのがなかったら美少女と毎日学校に行けるなんて夢みたいじゃない?

 

フフン。俺だけの特権、良いだろ?

 

なんて思ってない……思ってねーぞ!!

 

でもさ。

「ねえ、美優」

 

「どうしたの兄さん」

 

「あのさ」

 

「うん」

 

「暑い」

 

「え」

 

「だから、む、胸が当たって……」

 

「ふふふ、兄さん照れてる」

 

「て、照れてない」

 

言い返してみるが、声が震えている時点でアウトだ。

 

そりゃね、胸はすごい柔らかいんだから。

 

そこらの高級なクッションより断然良い弾力がある。

 

しかも美優の胸はかなり大きい。

 

俺の腕は美優の胸を押しつぶすような感じに、いやもう完全に押しつぶしている。

 

そんな状態で普通の健全な男子は完璧に理性を保つのは絶対に無理だ。

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

そんな他愛もない話をしていると、タタタッと息急きって走ってくる幼馴染の姿が視界に入る。

 

幼馴染の名前は遠藤(えんどう)芽衣(めい)。

 

身長は二歳下の美優とあまり変わらない。

 

顔は美優の大人びた感じとは異なり、かわいさ、つまりあどけなさが残っている感じだ。

 

髪は肩下までで、それを学校ではツインテールにしている。

 

芽衣が走っていると、これまさに愛らしいウサギに思える。

 

ところで跳ねる、と言えば胸なのだが……きちんとあるんだよね。

 

大きさは見た目では美優とさほど変わらない。

 

それで走ると、こちらもウサギになるんですよ。

 

だから、

 

「ハァハァハァ……」

 

「おいおい、大丈夫か。それでなくても芽衣はスタミナが少ないんだから」

 

と言って、あたかも芽衣を煩っているかのように振舞う。

 

つまり本当は違う。

 

俺は美優の腕の束縛から抜けてしゃがむ。さてその先には何があるのか。男が目指すロマンの……。

 

ボカッ。頭の上にグーパンチが降ってくる。なかなか効きます。

 

その軌跡を辿る。

 

グーパンチの起点には顔を真っ赤っかにした美優さんの顔。かなりお怒りの模様。

 

「兄さん」

 

美優の声は非常に荒い。

 

ま、マズい。

 

何とかして火を消さなければ。

 

「……そ、そんなに胸をみ、見たいんならわ、私の」

 

「ば、ばか」

 

慌てて俺は美優の口を塞ぐ。

 

とんでもない勘違いをしていた俺。

 

美優は怒ったのではなく、発情していた。

 

美優は女子として男子が覗くのを怒ったのではない。

 

美優は自分の胸以外の女子の胸を見て欲しくなかっただけだ。

 

そうだった、妹はこういうやつだったと再認識する。

 

「美優、ここは公共の場だぞ。」

 

「ごめんなさい」

 

シュンとなる美優。

 

反省していてくれればいいが……。

 

なぜか、顔を赤らめたままである。

 

何か、嫌な予感しかしないが、まあいいだろう。

 

「はあ、相変わらず恭ちゃんたち兄妹は仲がいいのね」

 

「それは当たり前。私と兄さんは兄妹愛で結ばれてるもの」

 

ブハッ。芽衣からまるでお腹を殴られた時に出るような声を出した。

 

「美優、お前何言ってるんだ」

 

俺は半ば、いや完全に呆れながら何とか声を絞り出す。

 

「ありのままを言ってるだけ」

 

「兄妹愛ってなんだよ」

 

「兄と妹が愛で結ばれていること」

 

もう付いていけない。

 

芽衣もポーッと頬を赤らめている。

 

「兄さん」

 

「はい」

 

美優がすごい剣幕で迫ってきた。

 

「私のこと嫌い」

 

「それは……」

 

好きと言えば変な方向に流れる。

 

だからと言って嫌いでもないし。

 

何より、拗ねるのが恐ろしい。

 

「グスッ、兄さん私のこときらいなの」

 

美優が急に泣き顔になる。

 

「好きだよ」

 

つくづく俺は妹に対して甘いと思う。

 

まあ、何年も親がほとんどいなかったからそれは必然なのかもしれないが。

 

で、美優は次の瞬間、すごい良い笑顔になっている。

 

「わ、私のことを好きって……」

 

妹が恍惚の顔になる。

 

予想通りの反応だ。

 

ここで俺が取るべき選択肢はただ一つ。

 

ほっとくか。

 

「芽衣、行くぞ」

 

「え、うん」

 

放って置いても良いの、と芽衣に聞かれるけど大丈夫と答える。

 

だって本当に

 

「……あ、兄さん待って」

 

大丈夫だし。

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

「……、美優」

 

「なにー」

 

「何でこっちに来てるの」

 

妹は中学生。

 

学校の場所は違うんだが……どうせ。

 

「忘れてた」

 

テヘッ、と笑いながら走り去っていった。

 

その仕草は非常にかわいいんだが……間違うか、学校の場所を。

 

「行こっか?」

 

芽衣に促されて校門をくぐった。

 

だがこの時、俺はあることを忘れていた。

 

あれの報いが来ないはずがないことを。

 

芽衣の「行こっか」の指す場所が学校だけではないことに。

 

 

 

 

 

・・・・・・俺の妹はバカである。

 

 

 

 

 





次の第4話はBEFOREの方ではなかったものです。

是非、ご覧ください。

次回は4月1日です。

お楽しみに!!
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