インフィニットストラトス~抗い続ける復讐の戦鬼~   作:FEEL

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第9話「クラス代表決定戦2」

『これより第2試合を開始します。セシリア・オルコット、迫水タクマ両名はアリーナの中央までお進みください』

 その言葉を聞いてセシリアがISを装着する。そしてアリーナへと飛ぶための滑走路を見つめ大きく息を吸う。

「セシリア・オルコット行きますわ!!」

 その言葉と共にスピードを上げアリーナへと飛び立った。快晴の青空を蒼穹の機体が優雅にアリーナ上空を飛行する。そして同じく逆方向からは見慣れない赤と黒のISが出て来た。

「それが貴方のISですの?タクマさん」

 赤と黒のISを纏ったタクマはゆったりとした動きでセシリアの正面へと飛行する。

「ああ、そうだ」

 そしてタクマは臆面もなくいう。セシリアはタクマのISの情報を検索する。すると最新のところにアップデートされてあったためほどなくして見つかった。

「ラファール・リヴァイヴが元なのに名前は【槌雷(ついらい)】なんですわね」

「まぁ、搭乗者が日本人だからな、それからつけられたんじゃないか?」

「釈然としない答えですわね」

「俺は名づけの現場には携わってないからな、そこのところは知らん」

「そうですか・・・」

 セシリアはそう返事しながら改めてタクマのISを見る。外形の基本的な形はラファール・リヴァイヴだが特徴的な4枚の加速推進翼はなくなり、背中に金色の翼を思わせるような形のスラスターユニットがついていた。

「どこまで私のブルーティアーズについていけるか楽しみですわね」

 セシリアは余裕を持った表情で笑う。クラス代表を決める時に遮ったセリフの全容を知っているタクマはその表情に多少の以前の不信感が苛立ちに変わったことが分かった。

「セシリア・オルコット――君は国の代表としての言葉の責任というものを理解したほうがいい、遮るように意見したから聞こえてる人は少ないだろうがあの時の君の言葉は君が一番憤っていた君自身の愛すべき祖国を侮辱することとなっていたぞ」

 その言葉にセシリアは憤る。

「どこがですの!?私はただ、事実を述べようとしただけですわ!!」

 その言葉を受けたタクマの表情が元々の無表情にさらに冷たさが加わった。

「事実?現在の日本は初のIS生産国という立場があり、第1回モンド・グロッソ優勝者の織斑千冬やISの開発者の篠ノ之 束も日本人だ。ISを恩恵を受けているのは君の国も同じだろ?さらに言えばあの時は君を除けばほぼ全員が日本人だ、織斑千冬の弟や篠ノ之束の妹もいた中でイギリスの代表候補生がイメージだけで日本を侮辱することがどういう結果をもたらすか、理解できない君ではないだろう?」

 その言葉にはじめてセシリアは自分の言葉の問題さに気が付いた。そして迫水タクマが遮らなければクラス全員からどのように思われるのか想像するだけでも恐ろしくなった。

「あの時の君は貴族ではなく、ただの子供――いや、貴族という言葉に当てはめるならば他者を貶めることでしか自分の立場を誇示できない没落貴族だ」

 セシリアはつい耳を塞ぎたくなった。タクマの言葉はセシリアの精神をへし折るには十分すぎる威力のある言葉であった、しかしその言葉はセシリアを貶めるというものではなく、もしもあの時遮られずに言葉がクラス中に聞こえてしまった時のセシリア自身の言葉に対しての周りの評価の代弁であることが嫌でもわかってしまう。

「セシリア・オルコット――あの時の君は貴族であったか?」

 その問いに対する今の答えはセシリアには絶対に口にしてはならない禁句であった。

「あ、あの時の・・・私は・・・」

 今にも零れ落ちそうな涙を堪え言葉を紡いでいく。

「貴族では・・・ありませんわ・・・」

 その言葉と同時にセシリアは唐突な喪失感を味わった、喪失感を埋めるかのように自分自身を抱きしめるが震えは止まらず自分が自分ではない感覚がさらにセシリアを震わせた。

 その様子を見たタクマは静かに、だがセシリアの耳へ確実に届くように言った。

「セシリア――今、君は貴族を知った」

 その言葉にセシリアが止まる。

「貴族が貴族たり得るのは様々な責任と重圧がその行動に付随されるからだ――今の君はその責任の重みを知った」

 セシリアの中に先ほどの喪失感を埋めるほどのある感情が生まれてきた。

「セシリア――今の君は貴族か?」

 そして再び問いかけられる。その問いにセシリアは俯きながら答え始めた。

「今の私が貴族を名乗るのはあまりにおこがましいことですわ・・・」

 セシリアは偽りの貴族であった過去の自分自身を悲しい表情で嗤いながら顔を上げる。

「ですが――」

 セシリアは先ほど浮かべていた悲しみの表情を引き締め自分の覚悟を伝えるため碧眼の瞳で真っ直ぐタクマを見据えた。

「私は本物の貴族となりますわ」

 その言葉に込められた覚悟は戦時中に夫が徴兵され子供たちを守れるのは自分しかないと自覚した何よりも強い女性のものであった。

「あぁ――その覚悟を持った君のことを一人の貴族と認め、心から応援させてもらおう」

 そして手を差し出す。セシリアも自分の覚悟が偽りではないことを示すが如く強く握り返し、微笑む。

「よろしくお願い致しますわ――タクマさん」

 

 

 そして第2試合が開始された。

「手加減は致しませんわよ!!タクマさん!」

 そう告げるとセシリアはいつの間にか出したレーザーライフル――スターライトmkIIIをタクマへと撃つ。しかしタクマは光速の弾を体を少しずらすだけで苦もなく避けた。

「私のライフルを見切るなんてやはり只者ではありませんわね、タクマさん」

「お褒めに預かり光栄だな」

 タクマは距離をとりながら相手の出方を窺う。セシリアは素早く弾を連発する。

「(弾速は速いが狙うところが素直すぎる――それなら!!)」

 タクマは最小限の動きでセシリアの打ち出す球を避けながら接近していく。セシリアも直線的な動きでありながら弾がタクマの体をすり抜けていく光景を非現実的に感じながら後方へ下がりながらまた弾を撃ち出す。しかし背後を気にしながら後退するセシリアと最短距離を真っ直ぐに向かってくるタクマではスピードの差で追いつかれてしまう。

「くっ・・・」

「チャンス!!」

 その声と共にタクマは2つある装備のうちの一つである【超振動ブレード】を起動した。その形容はまるで日本刀のように細く長い。起動した超振動ブレードでセシリアを斬る。タクマの斬撃を受けセシリアのシールドエネルギーが減るがすぐさまスターライトmkIIIを構えた。

「今ですわ!!」

 タクマが近距離であるこの瞬間を逃すわけもなくセシリアは弾を撃ち込む。

「狙いが浅い!!」

 しかし体を翻したタクマは心臓やや上に着弾する弾を肩口に掠らせるだけで済ませ、また斬りかかる。近距離からの斬撃を避けられずにまたもやシールドエネルギーを削られてしまうがセシリアはその切られた反動を利用しながら後退した。そして同時にブルーティアーズを展開する。

「やりますわね・・・しかし――このブルーティアーズの前では!!」

 ブルーティアーズは四方でタクマの正面からと死角からの弾を撃ち出す。

「ほう、オールレンジ攻撃か・・・それなら」

 タクマは円を描くように豪快に移動しながら細かな動きで弾を全て避ける。そしてブルーティアーズの位置関係を把握すると同時に2丁の銃を展開させる。その銃はタクマが選んだ装備のもうひとつの【ツインリニアガン】であった、その形はデザートイーグルを模している。

「まずは動きを止める!!」

「させませんわ!!」

 そしてツインリニアガンから弾がブルーティア―ズ1基に対し1発ずつ発射され、それと同時にセシリアはブルーティアーズで発射された弾を正確に狙撃する。しかし実弾である弾はブルーティアーズの弾を受けるよりも先に突如破裂し細かな弾が拡散されながらブルーティアーズへと降り注ぐ。細かな弾に当たったブルーティアーズは4基ともセシリアからの操作が一時的に受け付けられなくなり空中で回転する。その隙をタクマは拡散ではなくしっかりと直進する普通の弾へと変更したツインリニアガンで4基とも全て素早く撃ち抜く。

「これで!!」

 そしてタクマは超振動ブレードを再び起動し、一気に距離を詰めようと加速した。

「まさかこの私が追い詰められるとは思いませんでしたわ・・・しかし――」

 セシリアは腰に据えてあった砲身をタクマへ向けてそこからミサイルを発射する。

「これで終わりですわ!!」

 一夏と同じくここでミサイルに当たって試合終了、セシリアはそうなると予想していた。しかし現実は違った。

「このくらい!!」

 タクマは超振動ブレードから素早くツインリニアガンを起動し、真っ直ぐタクマへと向かってくる2基のミサイルに弾を撃ち込んだ。ミサイルはタクマをも巻き込む爆風を伴いながら爆発する、そして爆風による煙幕によってタクマの姿はセシリアからは見えなくなった。

「まさか・・・これを見越して!?」

 その瞬間、煙幕の中から剣を突き刺すように前面に構えたタクマが現れる。

「もらった!!」

 タクマはそのままセシリアへと超振動ブレードを斬り付ける。

「きゃああああああああああああああ!?」

 セシリアは切り付けられた反動でそのまま地面へと叩き付けられるがすぐさま持ち直し後方へ移動しながらスターライトmkIIIでタクマを撃つが銃口から弾道を読み切られ弾がすり抜けるように避けられていく。

「これで終わりだ――セシリア!」

 タクマは名残惜しいような表情を浮かべながらセシリアにブレードを突き立て出力を最大にする。出力を最大にした超振動ブレードは刃の部分が赤く染まっており、さながら血を連想させるような様相となった。

「そう・・・ですわね!」

 セシリアも自分のシールドエネルギーの残量的にあと一撃だと理解しながら負けじとこの瞬間を楽しむかのような笑みを浮かべ、弾を放つ。タクマは流れるような動きでその弾も避け、そのままブレードで斬る。

「負けましたわ・・・タクマさん」

 そのセシリアの呟きと同時にシールドエネルギーが0となりアナウンスが流れる。

『試合終了、勝者――迫水タクマ』

 

「織斑、迫水と試合をしてみるか?」

 試合終了のアナウンスが流れる中、モニタールームでは千冬、真耶、箒、一夏が試合を見ていた。元々は教員2人で見る予定だったが詳細なデータを閲覧できるモニタールームで情報を確認しながら見せることで一夏にはいい経験になるのではないかと思案した結果の状況だった。箒は一夏についてくる形で一緒に試合を見ていた。そして今の試合を見ていた千冬は隣に座って唖然としている一夏を見ながら聞いた。

「・・・」

 一夏は自分自身あまり察しのいいほうではないと自負しているがそれでも力の差は歴然としていると思っていた、しかし同時に自分の目で、肌でその強さを見てみたいという感情も生まれた。

「俺・・・戦ってみるよタクマと」

 真っ直ぐ千冬を見つめ返し一夏はそう告げた。その横顔はかつての箒の目指し、憧れていた織斑一夏の顔と重なった。

 

「迫水、これから一夏と戦うことは出来るか」

 モニタールームから千冬が問う。タクマは「エネルギー補給だけさせていただければ」と返事をした、その言葉は一夏にとってこれからタクマと戦うことを否応なく現実のものだと認識させる。

「一夏・・・大丈夫か?」

 先ほどの戦いを険しい表情で再確認している一夏に堪らず箒は聞いてしまう。しかし一夏は余裕がないのか画面を見つめたまま答えた。

「悪い・・・箒、今は集中させてくれ」

 その言葉に一夏のこれからの試合への覚悟を垣間見た。そして一夏から少しだけ離れた壁に背中を預ける。

「篠ノ之、あいつもこの試合を経験することで何かを変えようとしているんだ・・・最後まで見守ってやってくれ」

 箒の横へとやってきた千冬はいつになく真剣な表情で画面を見つめる一夏を眺めながら言う。箒もその姿を脳裏に残すように軽く笑顔をのぞかせながら目を瞑る。そして「分かりました」と小さく呟いた。

 

『迫水タクマ、織斑一夏、両者中央へ』

 その声と共に一夏とタクマは滑走路を飛び立つ。そして向かい合うように空中で静止する。

「一夏、この試合1撃でも当てられたらクラス代表は譲ろう」

 タクマは気持ちがはやって緊張した様子の一夏に話しかける。

「それ俺にメリットある?」

 ごく自然な疑問を抱いた一夏にタクマは情熱的に説明する。

「一夏――クラス代表とは言わばクラスの象徴でありクラスの統率者である、選ばれる人間は学校全体でもごく一部しかいない。自らの権力に驕るしかない人間や偽善者が溢れかえるこの世の中で権力を正しく行使し人々を導ける名誉ある役職に何のデメリットがあるというのか!!!!!」

 タクマの情熱的な説明を一夏は真に受け「絶対に一撃以上当ててクラス代表になってやる!!」

 と、先程の緊張がやる気にかき消されたその瞬間、試合開始がアナウンスされた。 

「――!!」

 一夏は白式の機動性を生かし大きく円を描くようにタクマの周りを巡った。タクマは顔を左右へと曲げようともせずそのまま棒立ちで一夏が攻めるのを待っていた。

「随分と余裕だな――けど!!」

 タクマの背面に狙いを定め展開したブレードで一気に斬りかかる。

「――え?」

 しかしその攻撃は体の角度を変えたタクマによって空を切りそのまま一夏の右わき腹へと回し蹴りが入った。

「ぐわぁああああああああああ」

 ISの推進力を一瞬だけ使い短距離でも威力のある回し蹴りとなったタクマの攻撃は一夏を壁まで飛ばす。

「痛って・・・!?」

 壁に当たった一夏がタクマのほうを向くと今度はタクマがブレードを突き立てながら一夏へと向かってくる。そして素早く肩から斬りおとすように攻撃するが反射的に素早く横移動することで間一髪避けるがすぐさま展開したツインリニアガンの通常モードで一夏を打ち抜く。

「ぐっ・・・」

 撃たれた一夏はその衝撃に対しISを制御しきれず空中で一回転してしまい、その瞬間を素早くタクマが斬り付ける。

「やばい!?エネルギーが!?」

 一夏は目の前に表示された電子モニターに表示されるシールドエネルギー残量に焦りつつも距離を取ろうと後退すると拡散モードに変更したツインリニアガンを素早く展開し、弾を放つ。弾は拡散し一夏のISに降り注ぐ。

「くっ・・・マズい・・・」

 一夏は拡散された弾から逃れようと横方向へ一気に加速する。しかし拡散された範囲から逃れきれずよろけてしまう。そのよろけた一夏に素早く近寄り蹴り落とす。

「うぁああああああああああああああああ!?」

 一夏は地面へと一直線に落ちて土煙が上がった。真上にいるタクマにも届こうかというほど土煙が上がったその光景にモニタールームで千冬と真耶と共に見ている箒が「一夏!!」と心配そうに声を上げる。真耶も「織斑君!?」と同じく心配する声を上げた。

「どうした!!そんなものか一夏!!」

 あまりにあっさりと攻撃され続けている一夏をタクマが煽り立てる。しかし帰ってきた声は想像していたものとは違った。

「ああ、ごめんな――今ので目醒めたぜ!!タクマ!!」

 土煙が晴れた先にいたのは基本的なフォルムはそのままだが大きな両翼を宿した一夏とそのISの姿があった。

 

「本気でこい!!一夏!」

 そこで映画で見るように掌を自分に向け4本の指を使って『かかってこい』という意思を表示する。

「勿論!!」

 その瞬間一夏が消えた。

「――!?」

 そこでタクマの耳にわずかに空気を切る音がきこえ、そこからの不自然な風の流れからタクマは一夏が攻撃してくる方向を左側面だと予測し、拡散モードのツインリニアガンを放つ。

「うぉおおおおおおおおおお!!」

 タクマの予想通り一夏は左側面から現れる。しかし弾が拡散されるよりも先に背後に移動しながら回転する要領で蹴りつける。

「まだ甘い!!」

 タクマはその蹴りつけようと飛んでくる足を勢いを殺さずにタクマ自身の体に巻きつけるように調整しながら掴む。そしてそのまま逆方向の壁へと向けて投げる。

「くっ・・・これなら!!」

 そこで一夏は近接ブレードを展開しようと装備を検索すると雪片弐型《ゆきひらにがた》という名前の近接ブレードを展開した。

「雪片弐型・・・やってやる!!」

 そして一夏は今度は真っ直ぐタクマへと向かった。

「舐めるな!!」

 タクマは超振動ブレードを薙ぎ払う様に振るが一夏はその挙動を見切り足元から滑り込むようにして背後へと回り込んだ。

「なに!?」

「いけぇえええええええええ」

 そして一夏は無防備なタクマの背中を斬る。

「くっ・・・」

 タクマはすぐさま体を翻しながら斬撃を腕でガードする、しかしタクマの腕が力負けし、そのまま真っ直ぐ壁へと吹き飛ばされ一夏はその姿を追い雪片弐型を突き刺すように前面に構えながら追撃を試みた。しかしその追撃を読んでいたタクマは前転の要領で宙返りをしながら急激に上昇し回避する。

「なに!?」

 完全に速度で勝り追撃がうまくいったと予想していた一夏はいきなり眼前から消えたことに虚をつかれながらすり抜ける。タクマは素早く超振動ブレードを展開すると回転の流れをそのまま生かしすぐ真下にいるすり抜けてきた一夏の頭頂部を唐竹割りのように叩き斬る。

「ぐわぁ!?」

 真下へと叩きつけられるように降下していく一夏は地面へと接触することを避けるためタクマのほうを向くように空中で急停止する、しかし急停止したツインリニアガンの通常モードの弾が一夏のISに突き刺さる。

「(やばい・・・シールドエネルギーが200をきった・・・なにか・・・なにか手は!?)」

 そこで一夏が他の武装を探すと唐突に『零落白夜(れいらくびゃくや)』と表示された。

「(零落白夜・・・?――いや、何かは分からないが今はこれを使うしかない!!)」

 そして零落白夜を起動すると雪片弐型の刃が青い光を灯しながら拡大される。

「(何だ?あれは・・・予想はつかないが少なくとも攻撃をくらうことだけは絶対に避けたほうがよさそうだな)」

 タクマは唐突に一夏の持つ剣の刃が変わったことに警戒した。そして一夏は再び異常なほどの加速でタクマの視界から消える。

「またか!?――だが今度は!!」

 背面へと回った一夏は切りつける様にタクマの背を加速しながら狙う。タクマは超振動ブレードの出力を最大にした、超振動ブレードの刃が赤くなり強度や破壊力が跳ね上がる。

「うぉおおおおおおおおおおお」

 一夏は加速してタクマを斬りつける。タクマも回避が間に合わないことを察し超振動ブレードで打ち合うように対応する。しかし

「なに!?」

 超振動ブレードの刃が折れた。

「もらったぁああああああああ!!」

 一夏は叩き斬るように上から雪片弐型を振り下ろす、しかしタクマは急加速で体を傾けながら一夏の斬撃を肩口から腕にかけての位置だけにかすらせながら懐へと飛び込む。そして一夏を掴んで背後に回り抱くように固定すると頭を地面へと向け回転しながら急降下する。

「一夏!!これで終わらせる!!」

 そして一夏を頭から地面へと叩きつけタクマ自身は直撃を避けるように位置を調整しすばやくその場から離脱する。一夏のISのシールドエネルギーはその叩きつけられる衝撃から一夏を守ったところでその残量を0とした。そして試合終了のアナウンスが流れた。

『勝者、迫水タクマ』

 

 

 

「負けたーーー!!」

 一夏はその場で笑いながら叫んだ、試合前の険しい表情とは真逆である。そしてISをはずしたタクマが一夏の元へと歩いていった。

「やっぱ強いな!タクマ!」

 さわやかに笑いながら一夏は言う。タクマもそれに応じるように笑う。

「いや、一夏も強かったさ、最後は負けるかと思った」

 そう言いながらタクマは手を差し出す。その手を掴み一夏は立ち上がる。

「それでも負けた――もっと強くならなきゃな!!」

 一夏はタクマを見据え決意を新たにした。そしてクラス代表戦は終結を迎えた。

 

 

「それではクラス代表は迫水に決定でいいか?」

 翌日、朝のHRで千冬がクラス全体に聞こえるように告げる。するとタクマが手を上げた。

「あの、クラス代表を辞退したいのですが」

 そこでクラス全員が『え!?』とタクマのほうを向く。

「試合前に織斑君とある賭けをしていまして、その結果俺は辞退させていただくこととなりました」

 その言葉を聞いたセシリアも続く「私も遠慮させていただきますわ」とクラス代表辞退の意を表明する。そして――

「では、クラス代表は織斑でいいな?」

 有無を言わさぬ勢いで千冬が聞く。そして間髪いれずにクラス全員で返事をする。

『異議なし!!』

「・・・」

 一夏が承認するかを聞く間もなくクラス代表となることが決定した。




戦闘描写って難しいですね・・・表現が似たり寄ったりなのはある程度自分でも分かってはいるんですけど攻撃が似たり寄ったりになるのはなんか気になります

ちなみに最後のトドメは飯綱落としをイメージしています。

次回はおそらく日常回+セカンド幼馴染登場・・・の予定です

批評、誤字脱字の訂正、感想などありましたら気軽に書いていってください!
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