インフィニットストラトス~抗い続ける復讐の戦鬼~   作:FEEL

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大変長らく執筆停止して申し訳ありません!!
全体的な構想を固めたと同時に生活も多少安定してきたので再び執筆再開したいと思います。

文章力のない駄文ではございますがお付き合いいただければ幸いです。


第10話「一次移行」

 一夏がクラス代表となることが決まり、放心した一夏を尻目に午前中の座学の授業は滞りなく進み、現在は昼休み、タクマは席から立ち上がるとクラス代表の妙な重圧と授業の疲れで机で突っ伏している一夏の元へと近づいた。

「一夏、飯行かないか?」

 タクマの言葉が終わると少しの間があってから一夏はのろのろと立ち上がった。

 

「クラス代表って具体的にどうしたらいいんだ?」

 食堂へ向かう道中、一夏はタクマに聞く。そこでタクマは以前に千冬が言っていたクラス代表の話を思い出す。

「確か生徒会が主催する会議や代表同士の集会への参加とクラス長としてクラス内での案件の司会進行、教師への報告ってところだろうな」

「マジか・・・」

 一夏は肩を落とす。その肩に手を置きタクマが苦笑いする。

「まぁ、俺が辞退しなければ一夏に回ることもなかったんだ。困ったことがあったら何でも相談してくれ、出来る限り助力させてもらうよ」

「ホントか!!」

 その言葉を聞いた一夏が目をキラキラさせながら顔を上げる。それに対しタクマも「ああ」と笑いかけた。

 

 そして食堂に着くとすぐに見覚えのある金髪の女子が一夏の目の前に立ち塞がった。

「一夏さん、私とお食事を共にいたしませんこと?」

 タクマは目の前のセシリアが一夏を見る瞳に今までとは別種の感情があることを感じ取った。

「一夏、どうせだったらセシリアと食べてこいよ」

 タクマはその感情にふと思い当たることがあり、そう言いながら一夏とセシリアを通り過ぎる。が・・・

「え?タクマも一緒に食おうぜ」

 そこでタクマとセシリアが凍り、そこで自然とタクマとセシリアの視線が交錯しアイコンタクトが始まった。

「(タクマさん・・・もしかして気づいていらっしゃるのですか?)

「(まぁ今さっき何となくはな――とりあえず今は一緒に昼食をとって俺は早めに切り上げるよ)」

 そこでアイコンタクトが途切れ、すぐにセシリアが笑顔を見せながら会話に戻る。

「そうですわね、タクマさんも如何でしょう?」

「そうだな一緒させてもらおう」

「よっしゃ決まりだな!」

 うきうきしながら昼食をとりに行く一夏と深くため息をつくタクマとセシリアの姿がそこにはあった。

 

 

 一夏、セシリア、タクマがそれぞれのメニューを運びながらテーブルに着き食事を始める。セシリアの昼食はプレーンオムレツとシーザーサラダだ。

「午後の実習はアリーナで行うそうですわ」

 オムレツをナイフとフォークで器用に切り分け、そのひとつを口元へ運びながらセシリアは言った。

「っということはISの実践か?」

 タクマはそうセシリアに聞くと昼食のうどんをひとすすりする。

「確定ではないでしょうが恐らくそうですわね」

 次はシーザーサラダを口元へ運ぶ。

「そういえば千冬姉が午後は専用機を使うから準備しとけって言ってたな」

 一夏は生姜焼きとから揚げを軸としたS定食を食べながら呟く。その呟きにタクマとセシリアは驚く。

「セシリア・・・午後に専用機使うなんてこと今日言われてたか?」

「いえ、少なくとも私は聞いていませんわ・・・」

 その返事に一夏は「あれ?」と首を傾げながらS定食に添えられているキャベツの千切りを箸で摘み口に入れた。

「まぁ、こんなことで嘘ついても何もあるまい。――っと、一夏、少し用事を思い出した。先に出るぞ」

 そう言いタクマは完食したうどんの器とお盆を持って席を立った。

 

 タクマは足早に食堂を出ると即座にISの整備室へと急いだ。

「(たしか一次移行まであと僅かだったな)」

 タクマは左手に身に着けている時計を一目見て午後からの授業が始まるまで30分ほど時間に猶予があることを確認すると同時に走り出した。そして1分ほど走ると整備室を見つけ、近づいていくとセミロングの青髪で眼鏡をかけた見知らぬ女子生徒が整備室の中を覗き込んでいるのが目に止まった。

「どうかなされましたか?」

 タクマが近くまで寄りながら声をかけると少女はビクンと体を震わせ、タクマの方へと向きかえる。

「は、迫水君・・・」

「整備室に何か用でも?」

 驚いている少女にすぐさまタクマは質問する。少女はうつむきながら「あ、ありません・・・ごめんなさい」と言い立ち去った。

「誰だったんだろうか?今の少女は・・・」

 そんな呟きをもらしながらタクマが整備室に入ると緑の髪をした女性・・・サキがなぜか白衣を身に纏いISのシステムの調整をしていた。

「サキ、ISの一次移行を済ませる、準備をしてもいいか?」

 そう言いながら近づくと「あら?」とタクマに気付いたサキは「少しだけ待ってください」と言い、先程までISの調整に使っていたであろうPCに向かいキーボードで何かを打ち込むと「どうぞ」との声をタクマにかけた。

「IS――着装!」

 その言葉とともに右の中指にある銀の指輪を意識しながらISのイメージを思い浮かべる、すると自分でも視認できないほどの一瞬で槌雷への着装が完了した。

「ほう・・・やはりこの速度での着装はまだ慣れてないな」

 そんなことをつぶやきながら整備室横のIS運転用の部屋に向かおうとすると、サキから通信越しで声がかかった。

「タクマ、部屋に入ってすぐ左側に演習用の銃が2丁用意してあります。それを使ってください」

「分かった――しかし演習用の銃というとツインリニアガンとは根本的に違うのではないか?」

 話しながら隣の部屋に向かうために歩き出す。

「それは大丈夫です、ISへと装備が完了した段階でIS自身のデータをその演習用の銃に反映させます。するとIS自身が最適な重さに感覚を調整してくれます」

 サキの説明を聞きながらタクマは驚く。

「そんなことが可能なのか?」

 そこで演習部屋へと着く、3m程の鉄製の扉で50cmほどの3本の鉄棒が舵のようについているノブを三回転させ開ける。

「先程の少しお待ちいただいたときに以前作成した演習用のソフトを起動させました、現在はまだ開発段階なので特定の銃でしか使えないのですがいつかは他の方の銃を使われる際に自分の銃と同じ感覚で使用できるようにできると思います」

 説明を聞きながら銃を手に取るとツインリニアガンよりも明らかに軽かった、しかし2秒ほど持ったまま待っているとすぐに手に慣れ親しんだ重さへと変わった。

「確かに・・・いつもの重さに変わった」

 タクマの感想を聞くとサキは少し安堵した。開発段階で実験もしていないソフトであったのでどこでアクシデントが起こるか分からない、まずはその第1段階を突破したことで他の懸念も恐らく大丈夫であると確信したからである。

「それでは演習用の的をXモードで起動します、タクマもXモードという項目を起動してください」

 ISに内蔵されている通信機器を介して外のサキが言う。タクマがISのメニュー画面を起動すると目の前に電子モニターが表示され装備詳細やISの検索画面などの項目から少し離れたところに演習項目というものがあった。そこを押すとA~Zまで呼応目がありその中のXを起動した。すると程なくして大小様々な大きさのある三重円の書かれた的が前後左右至る所に表示された。

「演習――始めてください」

「了解」

 そこで手に持った演習用の銃を標的に向けて引き金を引く。すると本物と同じ振動と反動を持って銃から空砲が鳴り、感覚から予想した着弾点そのままに演習用の的に穴が開く。中心から少し逸れた所である。

「凄いな・・・、反動、振動、弾着点、身体への負担、ここまで再現しているのか」

「ええ、この世界の化学力の進化は凄まじいものがあります。調整次第では寸分違わずに実機と同じ感覚にできるみたいです」

 その化学力を生かしてここまで実機と同じ感覚にするサキの技術力に心底驚きながら的を撃ち抜いていく。初弾こそ驚きで手元がぶれたものの2発目以降はいつもの調子を取り戻し的の中心に穴をあけていく。

 

「そろそろ一次移行に入ります」

 演習を始めて20分が経った頃、サキが呼びかける。

「了解した」

 タクマはあれからあらゆる方向に動き出した大小さまざまな的を神経を最大限に使い、中心に穴を空けていく。そこでISが光りだした。

「―――これは・・・」

 光が消えると、外見上には変化はないが出力等をはじめとした全体的な性能や燃費が多少改善され、さらに武装が一つ解放された。

「メーサービット・・・こいつが使えるようになったのか」

 タクマは不思議と先程までの神経を使う演習の疲れが消えていくの感じた。それほどまでにこのメーサービットの追加は喜ばしいものであった。

「タクマ、メーサービットを起動してください」

「了解だ」

 そこでメーサービットを起動する。すると突撃と射撃という項目が現れ、迷わず突撃を選択し背中についていた左右5枚の羽を全て放出するイメージをする。

「―――っく!!」

 すると瞬く間に金色の羽は全て背中から飛び立った。しかし何も考えなければ羽は停止してしまうため全ての羽を的へ向かうようイメージする。しかし羽自体の動きも銃弾ほどの速度ではないので的に到達しようとしたときにはすでに的はなくそのまま演習用の壁へと激突した。

「まだだ!!」

 次にメーサービットの射撃の項目を選択し、的に弾を撃つイメージをすると10枚の羽全てから1つの的にビームが飛ぶ。

「各個指示じゃないと一斉発射になるのか――なら!!」

 そこでISが頭の中へそれぞれのビットを番号分けして表示する。その一つ一つに先ほどの演習と同じ要領で指示を与えていく。イメージは先程の的を狙って弾を放つ感覚をそのままに描いた。すると指示を受けたビットはその的へビームを放ちその場で停滞した。

 指示、切り替えを繰り返して全ての的にビームを着弾させたことを確認して周りを見渡すと無造作に浮いている金色の羽達が目に入る。

「とりあえず的には着弾させたが・・・停滞したままじゃ遠距離武装で破壊されて終わりか――難しいなビットの操作は」

 そこで4基のビットを常に動かしながらビームを順次発射していたセシリア・オルコットの実力の高さを思い知ったと同時に動けなくなる弱点への共感を覚えた。

「凄いな・・・彼女は」

 やはり代表候補生というのは並みの実力じゃないことを思い知っていると、サキからしきりに通信が届いているのに気が付く。通信を開くと呆れたような冷静な声でサキが伝える。

「タクマ――始業開始1分前です」

 先程の充実感から一転して背中に冷や汗が流れる。

「・・・このままISでアリーナまで全速力で飛んだらダメだと思うか?」

「ダメに決まってるじゃないですか・・・色々と壊れますよ」

「だよな・・・」

 サキに呆れられながら窘められて、タクマは整備室に戻りながら少々授業に遅れる旨を職員室に通信で伝えた。するとすぐさま千冬に伝わり、一言「授業前に素直に頭を差し出せば今回は不問にする」と言われた。

「罰を受ければ不問とは優しいのか理不尽なのか・・・」

 そんなつぶやきを漏らしながらISを解除した。

「タクマは一次移行したISの変化内容を確認して記録してもらえますか?」

「了解だ」

 そう返事するとサキから一枚の紙が手渡される内容は機体名と変化内容の二つだけが項目として書かれていた。

「隣、座るぞ」

 タクマがそう言うとサキも「どうぞ」と促し、隣に座るとすぐさま一次移行後の槌雷のデータを演算ソフトに送り、変化差の表示をすると変化内容が赤文字となって表示されその内容を紙に写していく。

「―――全体的な足回りは第2世代相応くらいにまで改善されて、スラスターをフル稼働させた速度だけなら第3世代にも匹敵する・・・か」

 さらにツインリニアガンの形状も銃身に厚みが増して12発分のカートリッジも積めるようになり、超振動ブレードの燃費も改善された。

「中々いい機体になったじゃないか」

 満足げにタクマがつぶやくとサキも応じる。

「そうですね、これは先が楽しみです」

 サキがそう言うと同時にISのエネルギーが満タンとなった。

「ありがとう、それじゃ授業に行ってくる」

 ISの収納されている指輪を身に着け走り出した。




批評、誤字脱字の訂正、感想などありましたら気軽に書いていってください!
お待ちしています。

これからもよろしくお願いいたします!


それと重大なお知らせですが今までの自分のストーリーを見直してみて訳の分からない部分が数多くあったので一律修正した結果、基本的な本筋は変わっていないのですが道中のストーリーがかなり変化したのでその事をお伝えするのと同時に謝罪させていただきます。
本当に申し訳ありません、訳の分からない部分や不明瞭な部分に気が付けばその都度、修正させていただきますが、ストーリー自体を変えるということは二度とないように致します。失礼しました。
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