インフィニットストラトス~抗い続ける復讐の戦鬼~   作:FEEL

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第2話「歪められた命」

「ハァッ――ハァッ――・・・どうなってんだよ!この街は!!」

 藤堂タツヤは息を切らしながら黒煙立ち込める街中を走っていた。後ろからは異形の化け物が破壊を繰り返しながら迫ってくる、その音は化け物がどこにいるのかを知らせタツヤの恐怖を的確に煽っている。建物や道路をはじめとして人間や生物など含め目に見えるもの全てを破壊しながら進んでいるはずなのに爆発ははどんどん狭まる。タツヤはその迫りくる恐怖に震えながらこの状況になった経緯を思い出していた。

 

 

「タツヤさぁああん、あの街行きましょうや!!」

 仲間の一人である沢栗テツは遠くに見える大きな街を指差しながら叫ぶ。タツヤはエンジンを噴かせそれに応える、方向はその街を目指して。

「あんなデケェ街だ!!さぞ良いもん持ってる奴がいるんだろうな!!」

 他4人の仲間とともに悪い笑みを浮かべる、タツヤは4人の仲間を引き連れて暴力や略奪を繰り返しながら様々な街を巡っていた。

「あの街はどんな街か知ってるやついるかぁ?」

 タツヤは仲間に聞く、するとテツが応えた。

「この周辺では一番デカイ街ですぜ、金あるやつはこぞってあそこにいやすぜ」

 リグは知っている情報を話し、エンジンをふかす。

「なら一気に行くか!!」

 タツヤは金があることを聞いて一気にテンションがあがり、それに呼応するかのように爆音を轟かせその街へ向かった。

 

 

『いくぜぇええええええええええええええええええええ!!』

 タツヤ達は大声をあげながら華やかな街門の街へと突入した、しかし入り口こそ綺麗であったが奥へ進むにつれ街の様相が変わっていった。

「・・・なんだよ!!これ!!」

 そこらにあったのは荒廃した町並みと無残な死体の数々だった。しかしタツヤ達はまだ好奇心が勝ったのか街の様子を見ながら中心部まで来た。

「おいおい・・・映画の世界にでも紛れ込んだのか?俺達は」

 タツヤは街を冷静に眺めながら軽口を叩いた、過去に人を殺したこともあるタツヤは他に比べれば幾分冷静さがあった。

「なんでそんなに冷静なんですか!?タツヤさん!!」

 仲間の一人が声を上げる、それに続き他の仲間も声を上げた。

「おかしいですよここ!!」

「もう帰りましょうよ!」

「タツヤさん・・・さすがに引き返したほうがいいですぜ・・・」

 テツすらもこの状況には驚きを隠せない様子だった。テツは人を殺したこともあり実力もタツヤに続くほどの強さではあるが状況が状況なだけに引き返すことを進言した。だがタツヤはそれに対し口元を歪めながら応えた。

「どうせだったら見にいかねぇか?こうなった元凶を・・・」

 テツは驚きながらタツヤの顔を見返す、死体の状態は無残なものばかりで街に入ってからというもの五体満足の死体は一人たりともいない。そんな異常な状況下でさらに元凶を突き止めるために進もうとしているのだ。テツは最後の忠告をしようと口を開いた。

「こんなの人間じゃ出来ませんぜ、絶対この先に得体の知れねぇバケモンが―――」

 しかし、その忠告は途中で遮られた。

「おいテツ!!どうし―――」

 タツヤはテツがいるであろう後ろを振り向いた、しかしそこには誰もいなかった・・・。タツヤはそこでバイクを止めた。

「どうなってんだ?」

 いつの間にか3人の仲間としまいにはテツまで消えていた。不思議に思ったタツヤはテツの声が途絶えた辺りを探索した、結果的にテツはすぐに見つかった。上半身だけの状態で・・・。

「嘘だろ・・・」

 タツヤは呆然としながらつぶやいた、身近な人間が殺され初めてこの景色が現実のものだと脳が追いついた。そして横を見ると転がったバイクとともにテツの下半身があった。

「(確かに・・・テツの言う通りとんでもない化け物が潜んでいるようだな・・・)」

 タツヤはすぐにバイクのところへ戻った、しかしあったのは無残に壊されたバイクと黒と黄色の模様の生物だった。

「くそっ!!」

 タツヤは来た道を戻り出口へ向けて走り出した。

「オマエハ・・・スコシバカリ・・・・ホネガアリソウダナ」

 その生物は辺りを壊しながらゆっくりと歩き始めた。

 

 

「もうそろそろ・・・ゴールか!!」

 タツヤは懸命に走った。身体は悲鳴をあげ脚ももつれながらもただ生きるためだけに走り続けた。そして後ろからもそれを後押しするかのように数えられないほどの爆発が轟いた。

「(なんで!!・・・こんな近くにいるんだよ!!)」

 タツヤは心の中で叫びながら全力で走りそしてとうとう街門を抜けた。

「よ・・・ようやく・・・抜けた―――」

 街門を抜けた瞬間から爆発が止み、タツヤは迫りくる恐怖による圧迫感から解き放たれた。

 その瞬間・・・あの生物の腕がタツヤの心臓を貫通した。

「――!?」

「ナゼ?ココヲヌケタカラ・・・ダイジョウブダト・・・サッカクシテイタ?」

「(馬鹿か!?俺は・・・!!街門を抜けて爆発が止んだからってなに安全になったと思ってんだ・・・)」

 心臓を貫かれながらタツヤは自分を戒めた。そして意識が遠のき始め死を意識させるまどろみに入った。

「オマエ・・・イキタイカ?ツヨク・・・ナリタイカ?」

 沈みゆく意識の中、生物のそんな声が聞こえた。タツヤは最後の力を振り絞り答えた。

「つ・・よ・・く・・・・な・・・り・・た・・・・・い―――」

 タツヤが力を振り絞って出した答えに満足したのか、言葉を言い終わった瞬間に生物の爪が脳に刺さった。そして爪から何かが流れ込んできた。

「ウァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

 タツヤの絶叫が街に響く

「タエロ・・・タエレバ・・・イキノコリ・・・アラタナチカラヲ・・・テニイレラレル」

 タツヤはその言葉に自分の心からの願いを重ね合わせた。それは「自分の意の向くままの殺戮と破壊、そして蹂躙」

「(この力があれば・・・俺は―――)」

 タツヤはこの世のものとは思えないほどの痛みを感じながら死の一線を超えることなく耐え切り、新たな命と力を手に入れ生き残った。

 

 

 

 

 

 迷彩服の男はその光景を遠くから眺めながら期待に口元を歪ませていた・

「第2のEATER・・・楽しみな素材だな」

 第1のEATERであるナリタがタツヤの頭から爪を離すとタツヤの身体がどんどん変化していった。

 身体は元の2倍以上にふくらみ腕や脚にもそれに見合うだけの筋肉が付いた。そして肌は青緑になり背中からは尻尾のようなものが生えたその姿は一目見て恐竜を意識させる。しかし顔からは赤と青の突起がいくつもありそこからは蟲を意識させる。

 そんな異形の姿になった瞬間を見た白衣の男は満足げな表情を浮かべながら消えた。




さて第2のEATER誕生というわけでEATERの順番が原作と異なるのでそこは不思議に思った方もいるのではないでしょうか?
ちなみに原作ではヴォル細胞を発見した博士の家族が第2のEATERの被験者となりますがこの小説内では一番最後の被験者が2番目になっています。(力関係は原作と変わりません、そしてその理由も後で分かります)

あと第1話では徐々にEATERに変化しましたが、なぜ今回は肉体だけがいち早く変化したか、などに関しては序章が終わった後にあるであろう、設定説明で書こうかなと思っています。

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