インフィニットストラトス~抗い続ける復讐の戦鬼~ 作:FEEL
「確かにここでサトルさん達の気配が消えたんだな?」
叶エイジが荒廃した町並みを見渡しながら日向ランに聞く。するとランは自信に満ち溢れた顔で答えた。
「そうだよ!私の
「おいおい黒魔術はやめてくれよ・・・、今までどれだけひどい目にあってきたことか」
エイジは過去を思い出した。黒魔術で「埋蔵金の気配を感じた」って言った時はその場所から死体を発見したことをきっかけに大手の会社の不正と暗部に踏み込んでしまい、命を狙われながらもマスメディアを味方につけて世論を動かし、最終的には倒産させた。
「(あの時は本当に死ぬかと思ったな・・・)」
遠い目をしながら感慨に耽っているとランがまた何かを察知した。
「あれ?上から何か来るよ」
ランはそう言って空を見上げ、それに続くようにエイジも空を見上げると空中からグレーの機械の球体が2つ降ってきた。その球体は空中で変形し、4足と胴体を伴った2本の腕を持つ機械のモンスターとなった。
「なんだ!?こいつら―――俺の後ろに隠れてろ!!ラン」
そういってエイジは構えを取った。ランのおじいさんから教わった古武術で、一撃の重さに重点を置いたものだ。
「سشنةلبةنىسمسما」
機械の敵は何かわけの分からない言葉を発しながら突進してきた。エイジは地面へ滑り込むように回避し、素早く立ち上がりながらその勢いで肘を打ち込む。しかし機械は聞いた様子もなくその腕でエイジを掴んだ。
「سنتلالنشستفهشفىل」
もう一体の機械はその捕まえたタイミングを見計らったように腕から風でできたブーメランのようなものを発射してきた。
「エイジ!!」
ランが叫ぶ、風のブーメランはエイジの腹を的確に突き刺す。それを見てランはエイジに駆け寄ろうとする。
「うぁああああああああああああああああああああああ!?――――離れてろ!!ラン!!」
しかしランはエイジに駆け寄る。そこを風のブーメランを発射した機械の方が捕まえる。
「ラン!」
「エイジ!」
二人は腕を伸ばすがそれが届く前に意識がなくなった。
「サトルはいいものだ」
ナリタは検査結果とそこからの実験結果を眺めながら満足げに呟く。
「これでEATERの研究がさらに進んだ」
EATERの覚醒のパターンにも大器晩成型や標準型、早熟型などが挙げられるようになった。それはヴォル細胞を観察すると明確に違いが分かれる、そしてナリタは注入するヴォル細胞を覚醒パターン分けできるようになっていた。
「この成長スピードの速さもヴォル細胞の発達促進によるものなんだろうな―――さてと」
自身の成長の早さに納得しつつ先日捕らえたターゲットを研究室へと運ぶ。
「日向ラン―――彼女には大器晩成型のヴォル細胞を注入するか」
ランの脳に爪を突き刺し大器晩成型のヴォル細胞を流し込む。しかし同じタイプであるタツヤとは違い身体は変化しなかった。
「そして・・・叶エイジ―――彼には早熟型のヴォル細胞を注入しよう」
エイジの脳に爪を突き刺し早熟型のヴォル細胞を流し込む。するとすぐに身体に変化が訪れた。
「これは・・・」
ナリタは驚いた。無意識であろうがエイジは苦しそうに胸を押さえると背中から全身を覆うように赤い繭が張られ一瞬心臓の動きと同調する。そして中から光が溢れ始め、緑の液体を撒き散らしながら繭を突き破ると青と白のEATERが中から出て来た。
「(このEATERの形は宿主の憧れや夢と守りの意思から生まれたものだな)」
ナリタは変貌したEATERを眺めながら仮説の正しさを確信する。
「(EATERの形には宿主の最も強い感情、もしくは思考や願望が反映される。さらに攻撃は宿主の身体能力に依存する。)」
ナリタはまた新たな真実を発見し満足しながら。EATERに変身し、エイジが変身したEATERを抑える。
「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
EATERは雄たけびをあげながら抑えられる。EATERへと変貌した際に繭からもれた緑の液体と同じようなものを雄たけびをあげながら吐き出す。
「(変身したてのEATERは言ってみれば人間で言う赤ん坊のようなもの・・・私が負けるはずもないか)」
状況を冷静に見ながらEATERを特殊なケージに入れる。EATERは自由を欲するようにケージの鉄格子を叩くがびくともせず、ナリタはまた研究へと戻っていった。
その頃、地球の各地では突如襲来した黒騎士ルシファードとファディータと呼ばれる敵の攻撃を受けていた。この脅威に対し各国は合同で脅威に対して攻撃を仕掛けるべく「
ルシファードが地球侵攻を開始し至る所が壊滅的被害を受ける中、TDFの重役は生き残っている人類の宇宙脱出を計画し、12年前から極秘に製作していた宇宙戦艦へ生き残ってる民間人を乗り込ませた。
「人員の収容は完了したか?」
ベテランの艦長が聞く、その顔や雰囲気からは幾多の死線を乗り越えてきた風格がでている。
先程の艦長の問いに若い男が答えた。
「はい・・・完了いたしました」
その表情には重く苦しいものが混じっていた。彼の家族は黒騎士によって全て殺された。
そして出航のための新たな確認作業が行われる
「上空に黒騎士及びその他の攻撃等の反応はありません」
「前方確認――問題なし」
「後方確認――敵影見当たりません」
「左方確認――特に問題なし」
「右方確認――問題ないです」
「両翼確認――異常なし、10万km圏内のレーダーに反応ありません。目視による確認も異常なし。黒騎士も確認出来ません」
そう告げると他も続く。
「各機関、エンジン共に問題ありません」
「視界良好、操作感ともに問題なし」
「その他確認事項全て問題なし」
「了解・・・宇宙戦艦
艦長の声がスピーカーから流れる。それに続くようにどこからか「了解!レリーフ出航します」と言った。戦艦がゆっくりと発進する。しかし、その時異常事態が起こった――
「!?――地下より熱源確認」
それに対し誰かが叫ぶ。
「今の時期、地下のマグマは安静じゃないのか!?」
「原因は不明ですが、おそらく地下の火口に何らかの衝撃が加えられた可能性が考えられます」
そこで全員が黒騎士の姿を思い浮かべる。黒騎士が先回りしていたのだ、最後の人間達を根絶やしにするために。
「迂闊だったか・・・」
艦長は後悔を顔に浮かべながら指示を出した。
「全速前進せよ!!」
そう言うと誰かが反論しようと声を上げた。
「基地へ戻らないの――」
しかし艦長は言い終わるよりも先にまた声を上げた。
「今戻れば確実にこの艦は火の海に沈むぞ!あの基地は一時の隠れ蓑に過ぎない。ルシファードの放つ火球一発ですらまともには守れん」
そう言い切られれば納得するしかない。最早道はひとつだけだった。
「さて・・・そろそろ噴火するな」
ルシファードは邪悪な笑みを浮かべながら呟いた。そしてそれに反応するものが隣にいた。
「噴火まであと5分切りました、私達も脱出しましょう」
「分かった」
ルシファードはそう短く答え、悠々とした足取りで歩き出した。
5分後生き残り全員を乗せた戦艦は火の海へと包まれその姿を消した。
今回はバイオ編の主人公2人とメタル編主人公2人の登場となりました。
そして次回が序章の最終話となります
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