【東方】キノの旅-The Illusional WorId-【キノの旅】   作:SP

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第一章 千里の道を行く
夢現・b


「なるほど、この場所がそうだったんですね」

 

 大人の様でいて、若干の幼さが入り混じったかのような声がそう言った。

 

 風がうめき声のような音を立てて舞い、葉が擦れ合う音がざわざわと鳴り立てる。まるで、これ以上此処にいるべきではないと警告するかのように。

 

「へぇー、もうちょっと豪奢なのかと思ってた」

 

 今度は別の声が想いを口にする。

 

 すると、新しい声が苦笑を帯びながら答えた。

 

「本当は、この場所もそうだったんです。ただ、時の流れが、人の記憶からこの場所を消し去ってしまった」

 

 少し寂しそうに新しい声が言う。

 

 風が吹き付ける音が一瞬強くなり、また弱弱しくなった。

 

「……寒いですね、この場所は」

 

 最初の声がカチカチと歯を打ち鳴らすと、二番目の声が答える。 

 

「そろそろ行ったほうがいいんじゃない?」

 

「うん。風邪を引いてしまいそうだ」

 

「あらあら、それは大変ね」

 

 なら、いきましょう。新しい声が告げる。

 

 いつの間にか風は止んでいた。

 

 空を見上げると、茜色と藍色が混じって不思議な感傷を思い浮かばせる。

 

 再び視線を彼女へと戻すと、少し歩いた先で彼女が「早くしないと風邪を引くわよ」と微笑を浮かべて佇んでいた。

 

「本当にこれでいいの?キノ」 

 

「後悔なんてしないさ。自分で選んだんだからね」

 

 エルメスに片手を付いたキノが、彼女の手に触れた。




キノっぽくなってる……かな?
とりあえずのb,sideを投稿。
本編はまだ修正箇所が多すぎるので投稿は日曜日になりそうです。
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