どらン猫が使い魔   作:一匹犬

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3話「使い魔の仕事」

「さて、とりあえずは何を話すんや?」

 

食事も一人を除き終わったな。しかし……タバサとか言う嬢ちゃんいつまで食ってんや。確か夕食も普通にあるんやろ?

 

「いつもこんな感じよこの娘は」

 

キュルケがテーブルに肘を掛けながら慣れた様に話す。しかし大食いにしたって食い過ぎやろ。もう何人分なんや?

 

「それにしてもやで、さっきのハシカ……やのうて」

「ハシバミ草」

 

ジュニアの言葉を続けるタバサ。

 

「そうそれやハシバミ。えらい苦い草やったなぁ〜 まだ舌がおかしなっとる。小鉄はなんでか平気みたいやけど」

 

じと目でワシを見るジュニア。こいつもかなり鈍っとるな。

 

「確かに苦かったがある意味味があったし食って後悔はしとらんよ」

 

ま、万人受けする味やないのは確かやろうけど。

 

「! ……」

 

ワシの言葉を聞いたタバサがちょっと顔変わったのう。なんや? ま、今はそれより。

 

「おい、ジュニア。猫たる者たまには外で食え」

 

「えっ? そやけど鮒とか釣って食っとるで」

 

「釣るって……どこまで猫離れしてるのよ」

 

ルイズが呆れとるな。はよ慣れてくれよ。

 

「そりゃ焼き魚や塩漬けは飼い猫でも食えるわい。えげつい虫(寄生虫)が怖いから生魚を食えとは言わんが外にあるのも食わんと胃は強くならんぞ」

 

ワシらみたいに野良生活と飼い猫生活を行ったり来たりする奴が一番危ない。まぁジュニアは百合根はんが死なん限り出ていく事はないやろけどな。

 

「お、おう……気ぃつけるわ」

 

「さて、話が脱線しとったが始めるか?」

 

「え、えぇ。そうね……まず最初は……使い魔はご主人様の為に薬やマジックアイテムの材料になる野草とか鉱物なんかを取ってくるんだけど」

 

好物? いや、鉱物……鉄や宝石の元のやつの事か。う〜ん、鉱物は分からんが野草なら……

とりあえずルイズにワシらの世界の草やら植物の事を尋ねるがあんまり芳しくないな。……こりゃ野良生活はキツイなぁ。いちいち毒味してたら命がいくつあっても足りひんぞ。しばらくはここに厄介になるしか道はあらへんな。

 

「ま、暇があったらこっちの世界のやつも覚えていくわ。……で、あとはなんや?」

 

野草とかの話はとりあえず置いといて続きを促す。

 

「使い魔は主人の目となってもらう……んだけど」

 

なんや歯切れが悪いのう。

 

「どないした? 目となるってのは具体的にはどういう……」

 

「使い魔は主人と視覚を共有出来るのよ。こんな風に」

 

「うわっなんや!? 目がおかしなった!」

 

キュルケが言い終わると同時にジュニアが急に取り乱しよった。

 

「なんやこれ、左目の見え方が訳分からん事になっとる!」

 

? ……左目? どういう事や? キュルケを睨みつけるが……

 

「怖い顔しないでよ。ジュニアちゃんの片目が見てる光景は私の片目と同じなの」

 

「……? どういう事や? それがなんの……ん? まさか二人が同じ場所にいなかったら別々の光景が見えるっちゅう事か?」

 

なんや酔いそうやが、ホンマやったら便利かもしれんなぁ。

 

「えぇそうよ。だから鳥など飛べる使い魔なら偵察とかに適してるのよ。私は猫だったけど可愛いし気にしないけどね」

 

キュルケが相変わらずジュニアを抱っこしとる。しかし、さすが魔法……っちゅう事か? 現代世界で言うと目がテレビの役割になっとんのか。あのでっかい黒い機械の名前なんやったか……

 

「ビデオカメラやな。生番組の中継カメラみたいなもんやろ」

 

抱き抱えられたままのジュニアが補足する。機械に関してはワシより詳しいから多分あってるんやろな。

 

「んじゃワシも試してみるか。ルイズ、頼むわ」

 

「え!? う、うん…………ふん! とぉ!」

 

ルイズがなにやら唸ったりしとるが変化はあらへんな……

 

「きょ、今日はちょっと調子が悪いみたい。また別の時にやりましょ」

 

? なんや様子がおかしいのう……それにキュルケの表情が悲壮な感じがする。タバサは相変わらず無表情やが。……一体なんなんや?

 

「……こほん、最後だけど、使い魔はご主人様を守る役目もあるんだけど……猫じゃあねぇ」

 

なかなか言ってくれるやないか。しかし……う〜ん、強いのんを披露する場面もそうあるとは思えんしなぁ……

 

「普通の人間になら勝てる自信あるけどお前らて魔法使うんやったか?」

 

普段のテツには勝てるがあいつ、目的が出来たら段違いに強なるからな。その状態のあいつなら多分素手やと世界一やろな。

この世界は……生身であのテツより強い奴がそういるとは思えんがこんなファンタジーな世界じゃのう……

 

「魔法っちゅうと火の玉出したり雷呼んだり地下迷宮から脱出したり行った事ある町とかに瞬間移動したり出来るっちゅう事か?」

 

ジュニアの目が爛々としとるな。実際お前が言った魔法があったらワシらじゃどうしようもないがな。

 

「火の玉は私が使えるし雷はスクエアの風メイジが使えるわね。迷宮脱出とか瞬間移動とかは初耳だけど」

 

キュルケがジュニアの問いに答える。……火の玉と雷はあるんかい。物騒な世界やのう。こりゃ物騒なとこには寄らん方がええな。しかし、スクエアってなんや?

 

「ま、戦えない場合はご主人様の身の回りの世話とかしてくれればいいわ。代わりに重い物持ったり衣類の洗濯、部屋の掃除とか」

 

それは完全にお手伝いさんやないか。金持ちならそういう人雇やいいのに。

そう言うとルイズが働く事で主人と使い魔の絆が深まるのよとかほざきよるが……

 

「小鉄は掃除洗濯は慣れとるもんな」

 

ジュニアもたまにワシを手伝ってくれるから出来るっちゃ出来るが百合根はんが甘いから一人でやらせるって事がないからなぁ。

 

「ま、猫は猫なりに頑張らせてもらうわ。……あ、そういや使い魔っちゅうのはいつまでの契約なんや? 1、2ヶ月ならともかく流石に半年とかそれ以上は勘弁してほしいんやけど。それか定期的に帰してくれるんなら支障はないやろうけどな」

 

期間が1番肝心や。流石に半年も帰れんのはまずい。

 

「なに言ってるの? 使い魔は死ぬまで一生ご主人様に尽くすのよ」

 

ルイズが全く疑問を感じない表情で宣告しよった。

 

「! 一生て、まるで奴隷やないか!」

 

流石に一生てのは受け入れられん。いや、比喩やんな?

 

「なら、定期的に帰してくれ」

 

最大限譲ってこれやな。まだいらつくけど。……ん? ルイズのやつ、何をバツが悪そうにしてんや。

 

「えーと、その……使い魔を元の場所に戻す魔法は……ないの」

 

!? なっ…………

 

「えぇ〜冗談やろ!? 片道切符の大冒険て洒落にならへんがな! ……ん? 小鉄、どないした?」

 

一生会えんちゅうのか? チエちゃんや皆に…………

 

「おい、小て……げっ!?」

 

ジュニアがワシから飛びすさった。? どないしたんや? キュルケはびっくりした顔で、タバサもえらいでっかい杖を構えとる。ルイズだけポカンとしとるな。

 

「ライゾウちゃん、あんた何者なの? その殺気、素人じゃないわ」

 

警戒しとんのかワシを睨みつけるキュルケ。……殺気出とったんか。そういや心もなんか昔、チエちゃんに会う前くらいの頃になってる気がするな。

 

「オレと初めて会うた時……いや、もっとえげつない殺気やぞ」

 

ジュニアもびびっとるか。……ぬるま湯生活が長すぎたか?

 

「悪かったな。驚かせて。……ルイズ、悪いが使い魔の件はなしや。ワシは勝手にやらせてもらうで」

 

「えっ? ちょっと! 急にどうしたって」

 

ルイズがなんか喚いとるが構わず食堂を後にする。

現地の人間と協力しない……アホな事してるのは頭では分かっとるが……本能が嫌がったらそれまでやな。

……さぁ〜て、どないするか……

 

 

 

 

 

 

 

 

なんも考えず学校?をぶらつく。無駄に広いな。迷わん様にせんと。

……調べ物をするには何がいいんやったか……本か! 確か学校には本を大量に持っとるとこがあったはず。そこ行くか。

 

「クワァ〜〜」

 

ワシの近くをフクロウが横切りそのまま下の方に向かっていったが……あれは厩舎か? 色々いるかもしれんな。駄目元で行ってみるか。

 

 

 

 

 

 

 

学校の横に馬とかがいそうな厩舎がある。中を覗くが……信じられん光景やな。見た事ない生きもんがうじゃうじゃいよる。

 

『ただの猫がなんの用だい?』

 

その時背後からワシに話しかける声がする。振り返ると……

 

 

 

 

 

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