エクストラ・カンピオーネ!~神と魔王と混血児~   作:結城真尋

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原作読んでて衝動的に書きたくなりましたw
駄文ですがよろしくお願いします!


プロローグ

南イタリアのシチリア島、そのサン・バステン遺跡。

そこには二人が無言で向かいあっていた。

 

片や東方の不敗の軍神・ウルスラグナ。片や唯の中学生である少年・草薙護堂。

本来なら向かい合うことなどあり得ない両者は、しかし満身創痍であり肩で息をしている状態だった。

 

「ふふふ、イイ奴だなお前は。このような因果な神と出会わなければ平穏で健やかな生を送れたであろうに」

 

「全くだよ・・・・・・。この島であった連中は変な奴らばっかりだし」

 

ウルスラグナと草薙護堂。神と人。絶対者と挑戦者。

それにもかかわらず会話を続ける二人の間には友であるかのような空気さえ流れていた。

 

「ほう」

 

「目の前にいる自信過剰で迷惑な神様とかな。でもそんなに嫌いじゃないぞ」

 

「ふはははは、神に対して不敬もいいとこだぞ」

 

「ふん、敬ってほしかったらもっと神様らしく振る舞えばいいじゃないか」

 

しかしそれは叶わない。

 

己の核たる神話から外れ、まつろわぬ神となった神は、一度死を迎え不死の領域へと還ることなしには元の神格には戻れない。

 

「そのためには一度敗北を得なければならない」

 

「負ければいいってことか? ならそれを俺が与えてやってもいいぞ」

 

その言葉と共に、護堂の震える手に持つ石版が火花を散らし熱を持ち始める。

 

その石板の名は<プロメテウス秘笈>

 

ギリシア神話における天界から火を盗み人間に与えた神の名を冠したその石板は、神から神力を盗みとる神具であり、今は目の前にいるウルスラグナの神力の一部が蓄えられている。

 

「やめておけ。我が『白馬』の力を使う気なのだろう? 人が神の力を使うなど分不相応。それを使えばお主は死ぬぞ」

 

「やってみなきゃわからないだろう? 少しの可能性があるならそれに賭けてやるさ!」

 

「愚かな・・・・・・この状況からならよくて相討ちであろうに!」

 

両者の間に濃密な魔力が渦巻き始める。

ウルスラグナの突き出された手からはバチバチと電気が漏れ、護堂のもつ石版はいよいよ熱くなり飛び散る火花も激しさを増す。

 

再び無言で向かいあう二人。

 

一瞬の静寂の後、ウルスラグナの手からは稲妻が、護堂の石版からは白い焔が飛び出した。

 

そして・・・・・・

 

 

 

                   ✝ ✝ ✝

 

 

 

『ふはははは、無敗の軍神たる貴様がただの人間の小僧に土をつけられるとはな!』

 

ウルスラグナの宿敵たるフェニキアの神王・メルカルト。

彼は敗れ果てたウルスラグナを前にして呵々大笑していた。

 

「相討ちであろう、敗北ではない」

 

『いや、貴様の敗北だ軍神よ。この小僧はじきに蘇る」

 

「なに?」

 

『忘れたか、かのパンドラめの忌まわしき呪法。神を贄にして初めて成功する儀式。災厄の魔女の落とし児の生誕祭よ』

 

「・・・・・・ふふふ、そういうことか。我が神力が流れ込んで行くわ」

 

うっすらと消えゆくウルスラグナの身体から横に倒れている護堂に神力が流れ込んで行く。

 

「あら、この子が私の新しい息子なのね」

 

その場に甘い声が響いた。

 

『ほう、もう新しい落とし児の誕生に気づいたかパンドラよ』

 

いつの間にか現れたパンドラと呼ばれた女性は妖艶にほほ笑むとメルカルトに向かい会う。

 

「ええメルカルト様。私は災厄の魔女にして一握りの希望を運ぶもの。どこにでも現れますわ」

 

『ぬかせ魔女め』

 

「さぁ、みなさま! 新しい神殺しの誕生に祝福と憎悪を与えて頂戴な!」

 

『ふん。新しい神殺しなど俺がすぐにでも葬ってくれ・・・・・・ん?』

 

「誰かが見ている? ・・・・・・くくく、はーっはっはっは!! 我が見られていたことに気付かなんだとは!」

 

「まぁ、あの方は自由に色んなものを見られるんですもの。この神殺し誕生の場面を見られていても可笑しくはないですわ」

 

『ずいぶんと適当だな。貴様の息子だろうに』

 

「あの方は私の息子であって息子ではないですわ。エピメテウスと私の呪法ではなく古き儀式、極めて原始的な方法での生誕を行った方。何番目とかではなく番外の存在ですもの」

 

 

 

                   ✝ ✝ ✝

 

 

 

「へぇ、勝負はウルスラグナの負けかぁ・・・・・・ということは僕のお仲間が誕生ってことか。じゃあ7人目だね」

 

北欧のとある場所で少年はふっと笑いながらつぶやいた。

そのつぶやきに返す声が二つ。

 

『『御身を含めると8人ですよ王よ』』

 

「おお、お疲れ様フギン、ムニン。わざわざ悪かったねぇ。」

 

『『ただ今戻りました王よ』』

 

『『しかし御身は動かれなくて良いのですか王よ?御身とかの新しき王は同郷の・・・・・・』』

 

「フギン、ムニン」

 

『『出すぎた真似をいたしました』』

 

「いや、いいんだ気にしないで」

 

『『はっ!!』』

 

「さて、また騒がしくなるんだね・・・・・・。どうなるか楽しみだなぁ、なにが起こるんだろうね?」

 

最後の少年の問いかけに返す声は無かった。




感想、指摘があればぜひ。
明日の朝までにもう一話上げられたらいいなぁ・・・
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