Winter Trivial  Story   作:南雲悠介

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 狩男に誘われてアレキサンダーで開催されるコスプレ美少女ご奉仕大会に参加する鷹志と明日香。今まで以上にアレキサンダーの皆と絆を深めて行くのだった


コスプレ美少女ご奉仕大会

 Episode:Takashi

 

 羽田鷹志 編

 

 Chapter:Takashi Haneda

 

 Wing of Hawk

 

 Collection Of Short Stories

 

 

【鷹志】

「はい、それじゃあ今からそっちに向かいます」

 

 電話を切って渡来さんと一緒に電車に乗る。

 

 今日は前に軽部店長と約束していた“コスプレ美少女ご奉仕大会”に参加することになっている。

 

【狩男】

「こっちの方で女性陣は何人か揃えるつもりだが、お前は渡来君を連れてきてくれないか?」

 

【鷹志】

「分かりました」

 

 少し前に電話で僕は事前に軽部店長と打ち合わせをしていた。

 

 “コスプレ美少女ご奉仕大会”に参加する女性陣はアレキサンダーの皆と渡来さん、それと玉泉さんのお友達が来るみたいだ。

 

 けれど、渡来さんがこういうイベントに参加して楽しんでくれるんだろうか? 

 

 

【明日香】

「羽田君はアレキサンダーが本当に好きだよね~」

 

【鷹志】

「えっ……? うん、まあ、普通かな」

 

【鷹志】

「今日は軽部店長に渡来さんも連れてくるように頼まれたんだ」

 

【明日香】

「今日アレキサンダーで何かやるんだったっけ?」

 

【鷹志】

「そうそう。“コスプレ美少女ご奉仕大会”っていうんだけどね」

 

【明日香】

「へえー可愛いメイドさんに色々やってもらえるなら悪い気はしないね」

 

【鷹志】

「そうだね。今日の僕たちはゲスト参加みたいなものだろうからどういうふうになるのかまだ分からないんだよね」

 

【明日香】

「でも、羽田君と一緒ならなんでも楽しめそうだよ。なんちゃって」

 

【鷹志】

「あはは」

 

 楽しいなあ。

 

 こうやって大好きな人と過ごす時間、それが僕にとって最も幸せな一時だといえる。

 

 この幸福な時間をいつまでも続けていこう。

 

 

【鷹志】

「貸切?」

 

 そういえば今日は貸切にするって軽部店長が言っていた気がする。

 

 飲食店がこういうことをして大丈夫なんだろうか? 

 

【翔】

「お、鷹志じゃん。今日はどうしたん?」

 

【鷹志】

「やあ、鳳くん。君も来てくれたんだ」

 

 スタイリッシュでかっこいい鳳翔君、千歳くんの友人だった。

 

 僕は彼のかっこいいところに憧れてる。

 

【翔】

「まあ、俺は今日は飯食いに来ただけなんだけどって貸切か」

 

【鷹志】

「あ、それはね。今日はアレキサンダーでちょっとしたイベントがあるんだ」

 

【翔】

「へえー」

 

【鷹志】

「せっかくだから鳳君も楽しんでいってよ」

 

【翔】

「店が空いてるんなら夕飯がてら寄ってくか」

 

 僕は鳳くんと一緒に店の中に入る。

 

【紀奈子】

「いらっしゃいませご主人様~」

 

【翔】

「は? 浪人が何言ってるんだよ。早く家に帰って○○でもしてろよ」

 

【紀奈子】

「うふふ鳳君の方こそ暇なんだねー」

 

 鳳くんと望月さんの間に嫌な空気が流れる前に僕がなんとかしよう。

 

【鷹志】

「望月さんこんにちは」

 

【紀奈子】

「あ、羽田君もいらっしゃいませーねえねえ羽田君からも鳳君に何か言ってよ」

 

【鷹志】

「おれはこれは彼なりのコミュニケーションの一つだろうなと考えていますよ」

 

【翔】

「まあ、俺は別に浪人とは仲良くなりたいとなんて思ってないけどね」

 

【鷹志】

「あはは。鳳くんは素直じゃないなあ」

 

【翔】

「んで何で浪人はメイド服なんて着てんの? もしかしてそういうバイトを始めたりしてたり」

 

【紀奈子】

「今日一日は店長の方針でアレキサンダーの女性店員はメイド服を着ることになってるんさ」

 

【翔】

「マスターって本当にくだらない事をよく思いつくよなあ」

 

【狩男】

「聞こえてるぞカケル。なんだお前知らなかったのか?」

 

【翔】

「ま、ここんとこ仕事が立て込んでてアレキサンダーに来れてなかったからね」

 

【狩男】

「そうか、今日は一応無理は要望じゃなかったら望月君たちが色々とお客様のためにやってくれるぞ」

 

【翔】

「へえ、そいつは楽しみだなあ」

 

【狩男】

「まあ、なんだ楽しんでいけ」

 

【鷹志】

「こんにちは店長。渡来さんも連れてきましたよ」

 

【狩男】

「お、鷹志か! よく来たな」

 

【明日香】

「こんにちは」

 

【狩男】

「翔にも説明したが今日は“コスプレ美少女ご奉仕大会”をやっているんだ」

 

【明日香】

「そうなんですか?」

 

【狩男】

「実は渡来君にもメイド服を着てほしかったんだがな」

 

【明日香】

「バイト代が出るなら着てもいいですよ」

 

【鷹志】

「いいの渡来さん?」

 

【明日香】

「別にいいよ。楽しそうだしさ」

 

【狩男】

「そう言ってもらえると助かる。さあ、これが渡来君のメイド服だ。上の店員が着替える部屋で着替えてくれ」

 

【明日香】

「はーい」

 

 渡来さんは軽部店長からメイド服を受け取ってスタッフルームに上がっていった。

 

【翔】

「鷹志はいいの? 彼女がマスターにあんなの着せられてるけど」

 

【鷹志】

「渡来さんがいいなら僕はそれでいいと思うんだ」

 

 正直僕も渡来さんのメイド服姿を見たくないといえば嘘になる。

 

 彼女はとても綺麗なひとだからきっとメイド服も似合うだろう。

 

 僕は渡来さんの着替えが終わるまでコーヒーと料理を注文して待つことにしよう。

 

【狩男】

「いやー渡来君がメイド服を着てくれて本当によかった」

 

【翔】

「マスターもいい大人なんだからあんまし変な性癖披露しないといいと思うよ」

 

【狩男】

「たわけ! 今日だけは特別だ」

 

【狩男】

「評判がよかったら今後メイド服での接客も考えているところだ!」

 

【鷹志】

「それはアレキサンダーの名物になるかもしれないですね」

 

【狩男】

「おお! 鷹志には分かるみたいだな」

 

【鷹志】

「ええ、アレキサンダーには綺麗所が多いですからね」

 

【翔】

「性格に難がある連中ばっかりじゃん。マシなのがいない」

 

【鷹志】

「そうかなあ? おれはとても素敵なひとばかりだと思うけど」

 

【翔】

「それマジで言ってんの?」

 

【狩男】

「確かにうちの女性陣は少々問題のある子たちだと思うがな……」

 

【翔】

「鷹志は純粋すぎなんだよ」

 

【鷹志】

「おれも鳳くんみたいにかっこよくなれたらいいなあ」

 

【狩男】

「おいおい冗談でもカケルみたいになるのはやめておいた方がいいぞ」

 

【狩男】

「俺みたいになるんだったら歓迎するぞ!」

 

【翔】

「鷹志がマスターみたいに下ネタとかガンガン言ったらそれはそれで引くわ」

 

【狩男】

「おいおい、俺はそんなにしょっちゅう下ネタを言ってるわけじゃないぞ」

 

【翔】

「なに? 違うの?」

 

【狩男】

「俺はだな少しでも働きやすい職場になるようにパーティージョークとして言ってるんだ」

 

【翔】

「下ネタがパーティージョークとか最悪じゃん」

 

【明日香】

「お待たせー」

 

【鷹志】

「渡来さん着替え終わったんだね」

 

【明日香】

「どうかな?」

 

 渡来さんはひらりと一回転してメイド服を僕に見せてくれた。

 

【鷹志】

「うん、とっても良く似合ってるよ」

 

【明日香】

「本当に?」

 

【狩男】

「おお! 素晴らしいじゃないか! さすがだな渡来君は」

 

【翔】

「うちの女性陣よりもいいんじゃない?」

 

【英里子】

「くはあ、やっぱり渡来さんはすごいわモデルみたいだわ」

 

【紀奈子】

「だねだねー同じ服を着ているのになんだかちょっと敗北感を覚えるよ」

 

【鷹志】

「日野さんと望月さんもよく似合ってると思いますよ」

 

【英里子】

「マジで? 羽田それ社交辞令じゃないだろうな」

 

【紀奈子】

「えりちゃん。羽田君はそういうのは言わないってば。純粋に似合ってるって感じてくれてるんだよ」

 

【日和子】

「羽田先輩のそういうところは本当にポイント高いですよね」

 

【明日香】

「なんだ玉泉。うちの鷹志に色目使う気か?」

 

【日和子】

「そんなことしません。ただ、羽田先輩は本当に周りに気配りが出来るひとだなって思っただけです」

 

【鷹志】

「ありがとう玉泉さん。おれもそういうふうに言ってもらえるとなんだか照れくさいよ」

 

 僕はあまり人から褒められることに慣れていないからああいうふうに言ってもらえるのはすごく嬉しい。

 

【狩男】

「さて、渡来君の着替えも終わったことだし“コスプレ美少女ご奉仕大会”を始めるか」

 

【玉泉】

「具体的には何をやるんですか?」

 

【狩男】

「基本的には普段と変わらず接客してもらうがせっかくメイド服を着ているからそれっぽくやってもらう」

 

【英里子】

「最初の紀奈子さんみたいにやればいいんすか?」

 

【狩男】

「そうだな。男性陣は俺とカケルとタカシの三人だけだが、敢えてカケルとタカシの二人を順番に接客してもらう」

 

【狩男】

「二人はそれぞれ接客時の態度やメイドとしての振る舞いをチェックするんだ」

 

【紀奈子】

「意外と本格的にやるんですね」

 

【狩男】

「うむ、衣装が変わってもその時に合わせた接客ができるのかというのを判断するんだ」

 

【狩男】

「そうすれば店員の接客の意識の向上にもつながるんじゃないかと思ってるんだ」

 

【英里子】

「そこまで考えたんですね。正直店長が楽しみたいだけでこんなことをしてるとばかり思ってました」

 

【狩男】

「もちろん俺も楽しむつもりだ。だが、店員の教育も必要だろう?」

 

【紀奈子】

「店長の真面目な顔初めて見た気がする」

 

【狩男】

「じゃあ始めるぞ」

 

 僕と鳳くんは席に座り渡来さんたちの接客を評価することになった。

 

【紀奈子】

「お帰りなさいませご主人様ー」

 

【翔】

「は? お前キモイから○んでくれない?」

 

【紀奈子】

「鳳、お前ちょっと調子に乗りすぎな」

 

【翔】

「浪人はもう既にアウトじゃん。お客にそんな暴言吐いていいわけ」

 

【日和子】

「それは鳳さんのせいだと思いますが……」

 

【翔】

「マスターも言ってんじゃん。いかなる時でも冷静に接客しなくちゃダメだってさ」

 

【日和子】

「紀奈子さんは何も悪くないです」

 

【紀奈子】

「ひよちゃんよく言った。鳳君にまともな評価なんてできるはずないよねー」

 

【翔】

「はぁ? んだとクソ浪人、ささっとご主人様にメニュー持って来いやタコ!」

 

【紀奈子】

「店長ー鳳君を評価する人から外してくださーい」

 

【狩男】

「すまないな望月君。おいカケルもいいかげんにしておけ」

 

【英里子】

「私はホー君がお客様ならすごく嬉しいけど」

 

【翔】

「じゃあヒノエリ、メニュー持ってきて」

 

【英里子】

「畏まりましたご主人様」

 

 日野さんは鳳君の元にメニューを運ぶ。

 

【紀奈子】

「えりちゃん自然に鳳君に接してるね」

 

【英里子】

「えっ……? これくらい普通だと思いますけど」

 

【英里子】

「カケルは照れ屋なだけなんですよ」

 

【翔】

「無駄話してないで早く注文取りに来いよ」

 

【英里子】

「それじゃあご注文を伺います」

 

【翔】

「んじゃこれで」

 

【英里子】

「お茶漬けですね。畏まりました」

 

 日野さんは注文を軽部店長に伝えて次の玉泉さんにバトンタッチした。

 

【日和子】

「いらっしゃいませご主人様。ご注文を伺います」

 

【翔】

「んだよ、タマイズミじゃん。一番つまんねー接客しかできない奴に順番回ってきたわけか」

 

【日和子】

「ご注文を伺います」

 

 玉泉さんは死んだ魚を見るような目で鳳君に答える。

 

 僕はあの目を見るとなんだかゾクッとする。

 

 

【翔】

「融通が利かなくてマニュアル通りの対応しかできないからタマイズミはいつまで経っても成長しないんだよ」

 

【日和子】

「ご注文を伺います」

 

【翔】

「お前つまんねーから引っ込んでいいよ」

 

 ピキッ

 

 玉泉さんの中の何かにヒビが入った音がした。

 

【日和子】

「どうしてアナタはそういうことしか言えないんですか!」

 

【翔】

「逆ギレかよ……ホントタマイズミは沸点低すぎ」

 

【日和子】

「誰のせいだと思ってるんですか!」

 

【紀奈子】

「まあまあ、ひよちゃん落ち着いて鳳君にまともな接客をしようとするとすっごく疲れるよ」

 

【翔】

「浪人、なにどさくさに紛れて飲食店の店員らしからぬ事言っちゃってるの」

 

【狩男】

「うーむ、次は渡来君のなんだが、大丈夫か?」

 

【明日香】

「大丈夫ですよ。みなさんの接客態度とか見てましたし」

 

 って言ってるけど本当に大丈夫かなあ渡来さん。

 

【明日香】

「いらっしゃいませ。ご注文を伺います」

 

【翔】

「この店のオススメってなに?」

 

【明日香】

「はい、当店のおすすめメニューはこちらになります」

 

【翔】

「へえー、やるじゃん」

 

【日和子】

「渡来先輩、鳳さんにも自然と接客できてる」

 

【紀奈子】

「やるねえ。こういう仕事に向いてるんじゃない?」

 

【明日香】

「皆さんが先にやってくれたから自然にやれたんですよ」

 

【英里子】

「クールになんでもこなしちゃう渡来さんはすごいわ」

 

【狩男】

「ほう、やるな渡来君。これは育ててみたいと思える逸材だな」

 

【明日香】

「店長さんまでそんなお世辞をいうのはやめて下さいよー」

 

【鷹志】

「渡来さんならきっと上手くやっていけると思うよ」

 

 なんでもそつなくこなす渡来さんは本当にすごいや。

 

 僕はアレキサンダーでバイトをやらせてもらった時は色々と苦労したものだ。

 

【紀奈子】

「それじゃあ次は羽田君の番じゃない?」

 

【鷹志】

「そうですね。よろしくお願いします」

 

 僕は望月さんの接客態度を評価するために椅子に座る。

 

【紀奈子】

「お帰りなさいませご主人様ー」

 

【鷹志】

「ただいま」

 

【紀奈子】

「これだよ! これ! こう返すのが普通だよ」

 

【鷹志】

「そうなんですか? おれは前に見たメイドさんが働いている風景を見たことがあるのでその時にお客さんと同じように答えたんです」

 

【英里子】

「羽田はそういうお店に行ったことあるの?」

 

【鷹志】

「えっ……?」

 

【英里子】

「だって働いてるところ見れるのなんて店の中に入るしかないじゃん」

 

【明日香】

「おい、どうなんだ?」

 

【鷹志】

「少しだけ行ったことがあるだけだよ!」

 

【日和子】

「でも。最近は女の子でもそういうお店に行くらしいですよ」

 

【紀奈子】

「ひよちゃん詳しいね」

 

【日和子】

「前に米田さんが言ってたんです。仕事で取材したことがあるみたいなんです」

 

【紀奈子】

「なるほど。確かに編集者さんならそういうお店に取材で行くこともあるかもね」

 

【英里子】

「米田さんは取材で行ったことあるだけでしょ? 羽田は違うんじゃない」

 

【鷹志】

「おれは興味があったので店に入ったんです」

 

【紀奈子】

「へえー可愛い女の子がいるんなら私も行ってみたいな」

 

【日和子】

「ふふふ今度みんなで行ってみましょうか」

 

【英里子】

「いいね、私もどういうふうなのか気になるし」

 

【狩男】

「行った時はどういう感じだったのか教えてもらえないだろうか」

 

【翔】

「マスターも気になるんだ」

 

【狩男】

「まあな、同じ接客業だしな。うちの店にもなにか使えるところがあるかもしれないからな」

 

【英里子】

「じゃあ、次は私の番か」

 

【英里子】

「ご主人様のご注文を伺います」

 

【鷹志】

「じゃあ、これを一つ」

 

【英里子】

「畏まりました。ごゆっくり」

 

【狩男】

「日野君は鷹志が相手でも難なく接客できてるな」

 

【鷹志】

「望月さんだって自然な感じですよ。ちゃんとできなかったのは鳳くんがちょっと変わってるからでしょうし」

 

【翔】

「浪人相手にあれぐらいは普通だって。あれくらいでペース乱されるようじゃまだまだだわ」

 

【日和子】

「それじゃあ私の番ですね。お帰りなさいませご主人様ー」

 

【鷹志】

「玉泉さんも気持ちが入っているすごくいいと思うよ」

 

【日和子】

「ふふふ、ありがとうございます」

 

【狩男】

「玉泉君はマニュアル通りきちんとできているようだな」

 

【英里子】

「真面目なところがたまひよのいいところだしな」

 

【紀奈子】

「ひよちゃんのそういうところ私は好きだなあ」

 

【日和子】

「英里子さんと紀奈子さんもありがとうございます」

 

【翔】

「マニュアル通りしかできないって一番ダメじゃんか。咄嗟に対応できるようにならないと」

 

【日和子】

「そこは鳳さんの言うとおりかもしれません……でも、なかなか難しくて」

 

【英里子】

「たまひよができないところはウチらでフォローしていけばいいんじゃない?」

 

【紀奈子】

「そうだよー私たちはアレックス3なんだしさ」

 

 望月さんが日野さんと玉泉さんの手を取る。

 

 いいなあ。女の子のこういう関係って。

 

【明日香】

「じゃあ、最後は私だね」

 

【明日香】

「お帰りなさいませ~ご主人様」

 

【英里子】

「カケルの時と変わんないね」

 

【紀奈子】

「自然な感じでいいんじゃない? それを評価するのは羽田君なんだしさ」

 

【鷹志】

「うん、いつもの渡来さんと変わりない感じかな」

 

【日和子】

「いつもどおりですか」

 

【鷹志】

「いつもどおりの渡来さんはすごく素敵なんだ」

 

【明日香】

「ちょっと! 皆の前でそういうこというのはやめてよ」

 

【鷹志】

「どうして?」

 

【明日香】

「恥ずかしいからに決まってるじゃん!」

 

【英里子】

「暑いなーここだけ南国になってるじゃん」

 

【紀奈子】

「羽田君は本当に天然だよね」

 

【日和子】

「でも、そういうことをストレートに表現できるのは羨ましいと思います」

 

【翔】

「だから気を張ることなく付き合えるんだよね」

 

【狩男】

「はっはっは。渡来君。君の彼氏はモテモテじゃないか!」

 

【明日香】

「彼女としてみんなに好かれるのは悪い気はしないんですけどね」

 

【鷹志】

「そうだ、この際だから言っておきたいことがあるんですが」

 

【狩男】

「なんだ急にかしこまって」

 

【鷹志】

「おれもアレキサンダーの皆さんと仲良くなれたのでこれからは名前で呼んでほしいんです」

 

【狩男】

「なんだそんなことか」

 

【紀奈子】

「ねえ渡来さん。彼はああいうふうに言ってるけどどうかな?」

 

【明日香】

「私は別に構いませんよ。望月さんたちにはいつもお世話になってますから」

 

【英里子】

「んじゃ、遠慮なく呼ばせてもらうわ。改めてよろしくな鷹志」

 

【紀奈子】

「よろしくね! 鷹志君」

 

【日和子】

「私も呼んでいいんでしょうか?」

 

【鷹志】

「もちろん」

 

【日和子】

「じゃあ、ここでは鷹志先輩と呼ばせてもらいますね」

 

【鷹志】

「ありがとう」

 

【英里子】

「それじゃあうちらのことも名前で呼んでいいから。確か千歳はそうしてたし」

 

【鷹志】

「はい、よろしくお願いします。英里子さん」

 

【英里子】

「渡来さんも名前で呼んでも構わない?」

 

【明日香】

「はい」

 

【英里子】

「じゃあ、明日香さんって呼ばせてもらうよ」

 

【明日香】

「じゃあ、私も英里子さんで」

 

【紀奈子】

「二人とも私のことも名前で呼んでいいからね」

 

【日和子】

「私のことも呼んで大丈夫ですよ」

 

【鷹志】

「紀奈子さんと日和子さんもありがとうございます」

 

【明日香】

「玉泉も私のこと名前で呼びたいなら呼んでもいいよ」

 

【日和子】

「じゃあ、明日香先輩で。よろしくお願います」

 

【狩男】

「それじゃあ今日は夜までみんなでパーテイでもやるか。準備はもう済んでるぞ」

 

【鷹志】

「それじゃあ、おれが司会でもやりましょう」

 

【英里子】

「お、いいじゃん! 鷹志」

 

【紀奈子】

「千歳くんもいつも司会をやって盛り上げていたよねー」

 

【英里子】

「アイツはハイテンションすぎなところがあったからね」

 

【日和子】

「鷹志先輩は落ち着いているのでそういうのはないでしょう」

 

【鷹志】

「千歳くんみたいにできるかは分からないけどおれなりに頑張ってみるよ」

 

【翔】

「マスターコーヒーおかわり」

 

 そして僕たちは夜までパーティーで盛り上がった。

 

 今日からまた新しい関係が始まった気がする。大切な人たちと過ごす時間が。

 

 明日はどんなひとたちに出会えるんだろう? 

 

 僕は日々移ろいで行く日常を大切にしたいと願った。




一ヶ月ぶりの更新です。
短編集は残り2話ほど載せて終わりにしようかなと考えています。
最後までこの作品を読んでくださった皆様に囁かな物語をお届けしたいです。
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