Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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14:雪国の裁き(後編)

「お前は・・・鬼を許せるか・・・?」

ライモンは問う。

 

 

「俺は許せない。俺達がこの村に入った時の、あの子供達

の雪合戦の時の笑顔を見たか・・・?」

 

「・・・」

 

「俺もあの笑顔に癒された。砂漠の疲れだって・・・一気に吹き飛んだ!

それに比べ、騒動の時の子供達の顔はおびえてた。」

 

「・・・」

 

「・・・そんな子供達の笑顔を消す者なんて・・・神聖に扱えるか!」

 

「・・・でも相手は鬼だ。どうにもできないだろ?」

 

「・・・俺が信じているのはだれだと思う?」

 

「え?」

 

「俺だけじゃない、ムフェックリーの奴もそうだ!お前も・・・信じている相手がいるだろう?」

 

――――――父さん?

 

「そいつだって、お前を信じていると思うぞ・・・そして、お前の帰りを待っている人も。」

 

「そう、信じている相手がこんなにいて、あきらめていいのか?」

 

「・・・・・・」

少年は黙った。

 

俺は、ライモンだけに信じられているんじゃないんだ。

母さんだって、俺の帰りを「信じている。」

ムフェックリー博士は、俺がTheEndに行くことを「信じている。」

父さんも――――――

 

 

俺は―――『信じられている。』

 

「そうだな。俺は期待にこたえなきゃダメなんだ!」

 

「その意気だ!」

 

「よし!いくぞぉ!」

 

「おお!」

 

少年と狼は歩き出し・・・

 

 

出そうとおもったが・・・

 

 

「・・・どこに行くんだ?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

少年と狼は成す術もなく、

 

 

立っていることしか、できなかったのだ・・・

 

 

そんな宿舎の中で立っていた少年に、

 

窓の外がコンコンと鳴った。

 

 

「・・・?」

 

「なんだ・・・?」

 

ガラガラ・・・

 

窓を開けると、そこには少年がいた。

 

「ずっと 外で聞いてたんだ・・・あんちゃん、鬼たいじにいくんだろ!」

 

「ああ・・・そうだけど・・・?」

 

「おいら、知ってるんだ!その犬がしゃべること!」

 

「「な、なんだってー!?」」

 

「まちがえた・・・このことはおいといて、地の果てにいく方法!」

 

「ど、どうやっていくんだ!?」

 

喋ることがばれた狼はたずねる。

 

「ゲートを使うんだ。この村の北にある教会の裏にあるんだ!」

 

「ほ、本当に!?案内してくれ!」

 

「そのかわり・・・」

 

 

 

 

 

 

「ぼくも連れてってくれ!」

 

「へ?」

 

「強くなりたいんだ!あんちゃんみたいに!」

 

 

 

 

聞けばその子供は、さっきの話に感動していたらしい。

 

だから、ここにいるのも嫌になってしまったらしい。

 

そして、村の役になりたいらしい。

 

「いいけど・・・危険だってことはわきまえておいてよ?」

 

「ああ、もちろんだ!おいら、ワクワクすっぞ!」

 

「ちょ、それは言っちゃだめぇ!」

 

少年は叫んだ。

 

 

 

 

「ここがゲートだよ。」

 

木の防具をつけた子供は説明する。

 

黒曜石で淡々と囲まれた建造物。

 

なんともまがまがしい。

 

「ここを通り抜ければいいんだな?」

 

「まだだよ。このごろおいら気づいたんだけどさ・・・

キセキが起こらなきゃだめなんだ!」

 

「キセキ・・・?」

 

「まあ気長に待とう!」

 

 

 

 

 

 

一日が過ぎ、二日が過ぎ、六日が過ぎた。

空は薄暗い。

 

「なかなかこないなぁ・・・?」

 

「オイオイ・・・まだこねぇのかよ!」

 

「犬君、気長にまとうよ。キセキだから!」

 

「俺は犬じゃねぇ!」

 

叫んだ時、後ろで轟音が響く。

 

 

ピシャァン!

 

 

雷が鳴ったのだ。

 

ゲートに火がともされる。

 

紫色に光る。

 

「おおおおおおおお!」

 

「きたぁああ!」

 

「やったぁああ!」

 

二人と一匹は喜んだ。

 

「よし!早速いくぞ!」

 

「おぉ!」「あぁ!」

 

少年達は紫の炎の中へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついた・・・!地の果てだ!」

 

「ここが地の果て・・・!」

 

赤い岩が広がる。遠くで灼熱の橙色をした溶岩の海が音を立てる。

 

少年達は赤い岩を踏みながら進む。

 

空には幽霊達がさまよっている。

 

幽霊達がこちらを見つけたようだ。

 

「タス・・・ケテ・・・」

 

 

ボォ・・・!

 

 

言葉は炎の玉に変わりこちらへ向かう。

 

 

「口から炎の玉!?」

 

 

「うわ!」

少年達は伏せる。

 

バァアン!

 

後ろの床が崩れる。

 

 

「イキタイ・・・イキタイ・・・イキノコリタイ・・・!」

 

 

ボォ・・・ボォ・・・ボォ・・・!!

 

 

「やめろぉ!」

 

 

ドォン!

 

 

「うわ!」

 

「こいつは・・・厄介すぎる!」

 

地の果てはみるみる壊れていく。

まるでクレーターのように、穴ぼこだらけだ。

 

バァン!

 

 

ボォン!

 

「ストォーーップ!!!!!」

 

 

少年は急停止した。

 

それに続き、後の狼と子供も停止した。

 

前の床が崩れ、下には溶岩が広がっているのが見える。

 

「あ、あぶねぇ・・・」

 

 

「クルシミタクナイ・・・!」

 

ボォッ!!

 

 

炎の玉がこちらへ向かってくる。

 

 

「ダメだ・・・よけられない!」

 

 

「「「うわぁああああああああああああ!」」」

 

 

 

 

ガキィン!

 

 

前には・・・豚?

 

 

豚が炎の玉を剣で素早く跳ね返した。

 

跳ね返した玉は幽霊に当たった。

 

 

 

「プシュゥウ!」

 

 

 

そのまま、マグマの海へと落ちていった。

 

 

 

豚は言う。

 

 

 

 

「我は・・・正義を貫く地の戦士なり!」


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