Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
幽霊達は空を舞う。
少年達は豚の後に続いて地の果てを歩いていた。
少年と狼、子供はひそひそ話し合っていた。
(ねぇ、おいら全然悪い悪魔に見えないんだけど・・・)
(俺もだ。見た目は確かにグロテスクだけどさぁ
・・・ライモン、あの鬼って本当にお母さんが言ってた悪魔なのかなぁ。)
(油断するな。たとえいい鬼に見えても中身は違うかもしれない。
・・・もしかしたら食べるために、俺達を助けたのかもな・・・)
(ひぃ!怖いこといわないでよわんわん!)
(そうだよ、お前も犬鍋にされるかもしれないぞ!)
(・・・俺は犬じゃねぇっつーの!)
「先ほどから何を話しているのだ。お前達は。」
(((ひぃ~!!)))
少年達は背筋が伸びた。背中に汗が流れる。
少年は咳払いをし、正直に言った。
「あなたはなぜ罪の無い村人達を裁くのですか?」
鬼は黙った。
少年達に緊張が走る。
(言っちゃった・・・言っちゃったけど良いのかこの空気!?)
(おい、お前のせいで気まずくなっちゃったじゃねーか!!)
(ガクガク・・・ブルブル・・・)
少年達は目を合わさないように、直立不動で横を向き、目を食い縛った。
「すまない・・・」
少年達は前を向きなおした。
「私が地位を剥奪されたのが原因なのだ・・・私が弱いばかりに・・・」
「・・・?」
「・・・勝手ながら、私の長話を聞いてはくれないか。・・・」
180年前・・・
私は生まれた。
天使のような母と、強い父のもとに。
醜い豚の子として。
私は正義を通した。
村人が倒れていれば口で咥えて近くの街に運び。
水の無い街にはバケツを首にぶら下げて街へ持っていった。
だが醜い、汚いなどと言って追い出された街もあった。
それでも一部の人々から愛されていた。
私はそれだけで十分だった。
やがて15年が経った。
季節は冬だ。
私は老いていた。
瞳がくすむ。
だが死ぬのも悔いはない。
・・・でもできれば、死後も善を尽くしたい・・・
森の木の葉の最後の葉っぱが一枚、ひらひらと地面に落ちた。
目を開けるとそこは赤い世界だ。
私は死んだのだ。
行った先は地の果て。
天に昇らなかったのだ。
私は泣きそうになった。
(待ちなさい・・・)
声が聞こえる。
天の声らしい。
地の果てまで響く壮大な天の声。豚は耳を傾けた。
(おぬしは悪いから地の果てに行ったのではない。「天の指令」を受け取ったのだ。)
「・・・天の・・・指令ですか?」
(そうだ・・・おぬしには鬼という地位の配属を許可した・・・
なぜなら、おぬしは死ぬ際までも善を尽くしたいと懇願したからだ。
これはおぬしにとっての「大きな宝」であろう・・・)
「・・・ありがたく、もらわせていただきます。」
(よろしく頼むぞ・・・)
それが天の声の最後の言葉だった。
それから165年もの間、私はとある村に富と災いを与えつづけた。
それはとても幸せであった。
人々の笑顔をずっと観ていたかった。
166年目。
私はいつものように仕事をしていた。
だが、何者かの炎の玉によって、溶岩に突き落とされた。
長い長い間溶岩の近くで体がなれていたため、何も無かったのだが・・・
地位を奪われた。
炎の悪魔は言う。
「神聖な者とは・・・美しく、それでいて力のあるものがなるにふさわしいのだ。
お前のような弱く、醜い者には決してむきはせんのだよ・・・」
悪魔は高らかに笑う。
「あいつの裁きは非常に卑劣で、強欲なものであった。
貢物はむさぼるが富は決して与えない。ただ貢物を忘れると災いを与える。
最悪な「裁き」なのだ・・・」
「そいつはいったい、どんな奴なのですか?」
「炎の悪魔・・・その名をブレイズと言う・・・」