Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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ノロウイルスにかかってしまい、更新が遅れてしまいました。
本当に、申し訳ございません。
皆さんも風邪には気をつけてくださいね。

では、本編へ移りたいと思います。

今回の話は珍しく長くなります。


5:島の終わり

 

「着いたぁ!!」

 

 「やったー!!」

 

少年達は一週間もの密林の旅を終え、ついに草原に抜けたのだった。

 

「本当に長い旅でした!」

 

「そうだなー!上からのゾンビ達に震えながら旅ももう終わりかぁ・・・」

 

「ただバイオームを抜けただけなのに、なんか嬉しいね!!」

 

少年達は笑う。

 

 

 

その時だった。

 

 

 

「ワン・・・ワン!!」

 

 

「あ・・・!!」

 

「お前は・・・!!」

 

 

 

少年達の元に、一匹の狼が近づいてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれはエンダードラゴンの野望を打ち砕いた後のこと・・・

 

ライモンと離れ、再び旅に引き返した少年達に近づいてきた狼。

 

 

 

 

「お前も・・・ついてくるか?」

 

「ワン!!」

 

少年は骨をかざす。

 

だが狼はタイガへ引き返してしまった。

 

「・・・?・・・」

 

「どうしたんだろう・・・?あんちゃん?」

 

「・・・ついて来い、って言ってるのかな・・・」

 

少年達は狼の跡を追う。

 

 

 

 

 

「ワン!」

 

「これは・・・」

 

少年の目の前にいたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

「家族だ・・・」

 

その狼は子持ちであった。

 

父親か、母親か・・・どちらかは分からない。

 

 

 

その時。

 

 

 

 

子供の一人が、少年の腕に噛み付いた。

 

「ガルルルル・・・」

 

子供の狼の噛む力では、当然少年も噛み跡がつくだけだ。

 

「・・・たくましい子だ。」

 

「本当だ・・・」

 

少年は子供の狼の頭を二度、軽くたたいた。

 

「クゥン・・・」

 

子供の狼は腕から離れた。

 

 

 

「・・・あきらめようか。こいつには、子供を守ることのほうが重要だ。」

 

「そうだね。」

 

少年達はきびすを返す。

 

 

 

 

その後ろから。

 

 

 

 

「ワンワン!!ワンワン!!」

 

子供の狼が強く吠えた。

 

 

 

「・・・ああ!!大きくなったら・・・俺がお前を迎えに行くよ・・・!!」

 

「待ってるからね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・お前なのか・・・?」

 

「ワン!!」

 

 

 

「そうか・・・お前か!!よくここが分かったな!!」

 

「ワンワン!!」

 

「え・・・?」

 

狼はバッグをしょったチェリーの周りを嬉しそうにはねている。

 

「ははははは!なるほど、クッキーか!」

 

「チェリーさんにそっくりだ!!」

 

「ふふふふ・・・あなたもクッキーが大好きなんですね!!」

 

「ワンワン!!」

 

狼は嬉しそうに吠えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年は狼に青の首輪をつけた。

 

口にはクッキーを頬張っている。

 

「・・・これでよし・・・と・・・」

 

少年は立ち上がる。

 

「さあ、新しい仲間が増えたところで!!旅をつづけますか!!」

 

「「おおー!!」」

 

「ワンワン!!」

 

少年達は草原を踏みしめる。

 

 

 

 

 

 

が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あり・・・?」

 

「え・・・」

 

「うそ・・・」

 

「クゥン?」

 

地平線の先が見えると同時。

 

草原は終わったのだった。

 

前には海ばかり。

 

「「な・・・な・ん・で・す・と・・・」」

 

「まさかこんなに短いバイオームだったなんて・・・

 

前のようなラージバイオームとばかり思ってました・・・」

 

「ワンワン!!」

 

バシャ・・・バシャ・・・

 

狼は水遊びを始める。

 

「こらぁ!!そこ!」

 

少年は怒る。

 

 

 

 

「・・・ってことは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「この島に・・・別れを告げなきゃいけないってことだよね・・・」

 

子供はつぶやいた。

 

 

 

「・・・そうだな・・・」

 

 

 

ルーフスは思い返す。

 

 

 

 

 

この島のとある浜辺でモンスターに襲われた。

 

 

ライモンとも出会った。

 

 

洞窟で鉱石を取って、ジョーとも出会った。

 

 

ゴーレムと村長さんに出会い・・・

 

 

ムフェックリー博士に出会い・・・

 

 

そして、こいつ・・・ジャックに出会ったんだ。

 

 

 

ジャックも思い返す。

 

 

本当に、いろんなことがあったなぁ・・・

 

 

地の果てでゾンビピッグマンと出会った。

 

 

ブレイズと戦った。

 

 

あんちゃんと共に、エンダードラゴンを倒した。

 

 

(俺は、この島で・・・)(おいらはこの島で・・・)

 

((どのくらい、成長したんだろうか・・・))

 

 

 

 

チェリーは笑う。

 

「本当に、いろんなことがあったんですね・・・顔がほころんでますよ。」

 

「うお!?まじで・・・ハハハハハ!!」

 

「ハハハハハ!!」

 

「ふふふ・・・」

 

 

 

 

「よし、島の最後の記念に、ここに灯台を建てるか!」

 

「「賛成!!」」

 

「ワン!!」

 

「長期にわたる大きなプロジェクトだ・・・拠点を完成させよう!

 

チェリーはジャングルに木を、ジャックはこの草原の動物達を狩ってきてくれないか?」

 

「分かったよ!」「分かりました!」

 

二人は散っていった。

 

「さてと・・・俺達は洞窟で鉱石をとってこよう!!」

 

「ワン!!」

 

少年は洞窟を捜しに森へと向かう。

 

 

 

 

 

 

太陽が沈み、夜になり、朝になった。

 

少年達はそれぞれの場所で睡眠を取り、

 

作業を続けていた。

 

 

 

 

 

最初に戻ったのはチェリー。

 

汗を拭きながら、木材の沢山入ったバッグを草の上に置いた。

 

その横に寄りかかるようにして座る。

 

「ふう・・・このくらいでいいかな・・・

松ノ木と樫の木も採ってきちゃった・・・

 

・・・ルーフスさんとジャック君はまだ終えてないのね・・・」

 

「チェリーさーん!!」

 

「ジャック君!!」

 

ジャックが戻ってきた。

 

バッグの中には焼いた肉とキノコのシチュー。

 

「草原の動物は本当に元気があったよ。感謝して食べないとね!」

 

「そうですね!どうでしたか?夜は。」

 

「夜は良く眠れたよ。縦穴掘って、松明立ててね。

 

・・・そういえば昨日は狼の鳴き声がすごかったような・・・」

 

「確かに私もそうでした!昨夜はそれであまり眠れなかったんですよ・・・」

 

「はははは!それにしちゃ、肌もきれいだよね、チェリーさんって!」

 

「お、お世辞を言わないでください!!」

 

メイドは顔が赤くなる。

 

「・・・あ!あんちゃんが帰ってきた!!・・・って・・・え・・・!?」

 

 

 

 

そこに居たのは戦場を跡にしたような出で立ちの少年だった。

 

狼も・・・なにやら怖くなっている・・・

 

「はぁ・・・はぁ・・・あいつは・・・これまでで最大の強さだった・・・

 

あいつとは・・・関わるべきでは無かった・・・」

 

「ど・・・どうしたの・・・あんちゃん?」

 

少年は押さえていた左腕を離して、真顔でこう言った。

 

「いんや。なんにも。」

 

「なにがしたかったんだよ!」

 

「ワンワン!!」

 

狼はしっぽを振る。

 

メイドは腹を抱えて笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、設計図は決まった!明日の朝一、作業に取り掛かろう!」

 

「おやすみなさい!」「おやすみー!」

 

「クゥン・・・」

 

 

 

少年達はベッドにもぐった。

 

今日も、月がきれいであった。

 

 

 

続く

 


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