Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
ご注意下サイ。
では、始まり始まり。
灯台を見上げていた夜が過ぎ。
狼の草原に朝が来た。
ルーフス達は拠点から、手持ちにするものを選んでいた。
「終わったか?お前ら。」
「終わりましたよ。」
「おいらも終わったよー!!」
「よし、後は・・・あ゛・・・あいつか・・・」
「狼のことですか?それなら家の前で狼達と別れを惜しんでましたよ。」
「クゥン・・・」
「ワオーン!」「オーン!!」
「「「ワオーン!」」」
家の前で五匹の狼が泣いていた。
「・・・さすがに二日も滞在してちゃ、親友になるよな・・・」
「もう少し出発を遅らせましょうか。」
「お前ら、本っ当にありがとうな!こんな立派な灯台を作ってくれやがって!」
「俺らだけで作ったんじゃないさ、あんたも手伝っただろ!」
ルーフスは笑う。
「俺も灯台作ってて楽しかったぜ!ガキの頃に戻ったみてぇだった!」
「ふふふふ・・・あなたって本当に子供らしいですねっ!面白いです!」
狼男は照れる。
「お前らはこの後、どっちに行くんだ?」
「あっちだ。」
ルーフスはジャングルと反対側の、広い海を指差す。
「!!・・・はははははは!!!」
「きゅ・・・急にどうしたんだよ・・・」
「わりぃわりぃ、偶然だな・・・俺の娘もあっちの方角に船を進めていったんだ。」
「じゃあ、もしかしたら会えるってことかぁ!」
「そうかもな、・・・もし会ったら、話してみてくれ、性格は悪くねぇからよ。」
「ああ。・・・狼、大丈夫か?」
「・・・ワン!!」
三人はボートを海に浮かべる。
「じゃあな!風邪なんか引くなよ!!」
「わぁったよ!!お前らもな!!」
「ワオーン!!」
「「「「ワオーン!!」」」」
今まで旅をした島に、別れの遠吠えが響いた。
「あ・・・」
「どうしたの?あんちゃん。」
「今悪いんだが・・・」
「狼の名前。」
「「あ゛あ゛ーッ!!」」
「ワオン?」
「なんで灯台作り終わってから気づくんだよ!!」
ルーフスはボートを叩きながら自問自答する。
「し、仕方が無いですよ。」
メイドは言う。
「なんてったってこの小説の作者が忘れたから
こんな変なギャグ展開を作ることで・・・」
「「ワーーワーーワーー!!メタな発言はやめろ!!」」
※本当にごめんなさい。
ボートはまっすぐ進行方向に進んでいく。
「・・・まあ名前を考えましょう。どうします?」
「かっこいい名前がいいな!!ガ○ダムとかエ○レカセ○ンとか。」
「おい、登場する度○をつけるような名前はやめなさい。」
「あんちゃんはどんなのがいいの?」
「うー・・・ん・・・そうだな・・・
骨が大好きだからコツコツ君とか・・・」
「チェリーさんはどんな名前がいいの?」
「かわいい名前がいいですね!ウルフから『ウールちゃん』とか。」
「なんか羊みたいな名前だな・・・」
「スルーせんといて!!」
ルーフスは涙目になりながら大声をだした。
狼は犬掻きで楽しそうにボートを追いかけていた。
ボートはゆっくりと進んでいく。
「まだ島は見えないな・・・よし、ゆっくり考えるぞ。
まずはこいつから連想する情報を整理するぞ。」
ルーフスは本と羽ペンを取り出す。
「まず狼!」「うん。」
「お肉を食べますよね。」「うんうん。」
「骨もなめて・・・って食べ物しか思い浮かばないぞ。
もっと性格の方で考えよう。」
「えっと・・・強いですよね!!」
「確かに、こいつは真っ先に俺の腕に怖がらずに噛み付いてきたよな。よし、候補っと・・・」
「気が利く!」
「なるほどなるほど・・・」
海はすでに赤く染まろうとしていた。
海上の夜。
少年の本には300以上の候補。
「だぁー!!逆に何選べばいいのかわかんねぇ!!」
「候補出しすぎましたね・・・」
「途中で止めておくべきだったよ・・・」
「・・・ちょっと休もうぜ?」
「「「ハァ・・・どーしよーかなー・・・」」」
三人はボートの上でへたばる。
狼は寝ぼけているのか、犬掻きしながら器用に寝ている。
少年達は夜空を見た。
星がキラキラと小さく輝き放つ。
少年は懐かしく感じた。
自分の最初。
旅に出てから、まだ一人だった頃。
こんな風に、夜空を眺めていたんだっけ。
「・・・そうだ・・・星だ!」
「ルーフスさん?・・・」
「あんちゃん?」
「おい、ジャック、お前、なんか違う言語の辞書持ってるか?」
「ああ、あるよ。」
少年は本を取り出す。
「『星』って調べてくれ。」
「星・・・星・・・・・・ステーラ。ステーラだよ、あんちゃん。」
「まあ・・・いい響き・・・でも何故『星』を?」
「俺、いつも思うんだけどさ、どの星もこの星からすげぇ遠いだろ?
考えてみれば、よく光なんか届くよな、て。」
ルーフスは狼の頭をなでる。
「だから俺は星のように、『強く』輝いて欲しいんだ。こいつにな。」
「いいよ!あんちゃん!かっこいい名前だ!!」
「私も賛成です!!」
「よろしくな!ステーラ!!」
「クゥン・・・」
狼は寝ぼけ眼でルーフスを見た。
翌朝。
「はぁ・・・寝ちゃってたのか・・・・・・」
子供は背伸びをする。
「どこまですす・・・・・・」
子供は進行方向を見たと同時に固まる。
そして目をこする。
もう一回見る。
そして目をこする。
もう一回見る。
音量注意。
「え・・・・」
『えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?』
「うわぁ!!びっくりしたなぁ・・・どうしたんだよ・・・大声出して。」
「もう・・・どうしたの・・・?ジャック君・・・」
「ワン!ワン!」
ステーラも前を見て興奮している。
「ああああんちゃん、チェチェチェチェリーさん、ままままま・・・」
ジャックは進行方向を指差す。
「前を見ろ」っていってるらしい。
「前?・・・!!!!!」
前を見た瞬間、少年の疑問符は感嘆符に変わっていた。
「なんじゃありゃ・・・」
「何・・・あれ・・・」
読み返すと思う。
ふざけすぎた。後悔はしていない。今は反省している。