Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
「おお…すげぇ…」
「ワン!!」
少年達はハヤブサ放送局本部のビルに訪れていた。
そこには何台もの撮影用カメラ、コンピュータ、
スクリーンが設置してあった。
「すごい設備だな…」
「…」「…」「…」
薄い綿の服を着た少女達は高度な設備に唖然としていた。
「ほっほっほ…私は旅人の頃からカメラオタクでね。
カメラの事を追求していたら、いつのまにか放送局までも建っていたのじゃ。
ちなみに、この放送局ではただ撮影するだけではないのだぞ。」
「…!…あれは…本で見た事があるぞ!」
ジャックがある機械に興味を持った。
「プリンターか!」
「その通り。ここでは新聞の発行も行っているのじゃ。」
「すごいや!…あっちの部屋も見ていいですか?」
「ああ、いいとも。」
ジャックは輝いた目で部屋に入っていく。
「ところでルーフスくんとチェリーさんよ。
…あのお嬢さん達のことなんだが…」
少年と娘は消えたカメラの前で、楽しそうに手を振っている女の子達を見た。
「正直な話…あの子達はこの都市にいてはいけないと思うのじゃ…
恐らく、小さい頃からなんの教育も受けておらんのじゃろう。
この都市にいても将来、生きられないと思うのだ。
どこか別の場所に移してやれないものか…」
「確かに…こんな変な性格の都市じゃあ、仕事も見つからないですよね。」
「ハヤブサさん。」
「私にいい考えがあります。…ちょっとお買い物行ってきますね。」
チェリーは放送局から出て行った。
ここは放送局内の控え室。
中にはチェリーと女の子達がいる。
男性陣の三人と一匹は外で待っていた。
「出来ました!…ささ、あなた達。見せてあげなさい。」
外に出てきた女の子達は、メイドの服に着替えていた。
ハヤブサは白く太い眉を少し上げた。
「ま、まさかチェリーさん、この子達に水商売なんて…」
「ち、違いますよ…私の住んでいた村ではほとんどの人たちが女性のメイドさんなんです。
村長も優しい人で…この子達をその村に置いていこうというわけです。
周りの自然も豊かですし。」
「成るほど…しかし似合いますな!」
「本当だな!」「かわいいわよ!」
「ワン!!」
女の子達は照れて顔を下に向ける。
「では、私はこの子達を送ってきますので。」
「おいチェリー…大丈夫か、一人で。」
「大丈夫ですよ。私を女の子だと、心配なさらないでください!」
チェリーは笑顔で答える。
「ま、待ちなされお前さん方。まさかあの距離をボートで行くというのかね?
それでは時間がかかって、二日は経つだろう。
そうだ。私の撮影用のジェットボートが港にある。それに乗っていきなさい。
3時間後。
懐かしいジャングルからチェリーと少女達が出た。
目の前には村が見えた。
「さあ、あなた達の家よ。…」
チェリーは自分も村に入ろうとしたが―――
「…行きなさい。」
「「「ありがとうございました!」」」
少女達は元気な声で挨拶する。
「…いい返事だ!」
チェリーは笑う。
そうよ…私は勝手にこの村を離れたの…
今更この村にする挨拶なんて…
「何してんだい、チェリー…」
「!…ムース姉さん…」
冷静な顔つきをしたメイドがチェリーの後ろにいた。
「全く…勝手にこの村から出て行くなんてね…」
「……」
「…忘れものだよ。」
メイドは本を投げた。
チェリーはあわてて受け取る。
チェリーがつけていた日記帳だ。
「チェリーは本当にあわてんぼだねぇ。」
メイドは優しく微笑んだ。
「体には気をつけるんだよ。」
「…ニ…」
「ニース姉さん!!」
チェリーはニースに抱きついた。
涙が止まらない。
止まらせる事が出来なかった。
血はつながっていないが、いつも自分を見てくれたお姉さんだ。
「…ありがとう…お姉さん!!」
「もう…!泣くんじゃないよ!…私の、大切な妹!」
ニースの瞳にも涙があった。
村と再度別れた後、チェリーはジェットボートで都会に戻り、ルーフス達と合流をした。
少年達は翌日、都会で発電所や缶詰工場を見学し、都会を後にしたのだ。
「いろいろあったな…グレートスライヴシティ。」
「ありすぎてまだ疲れてるよ…」
「ワンワン!!」
ステーラは巨大な肉にかぶりついている。
チェリーは遠くに広がるグレートスライヴシティを見ていた。
さようなら…私の故郷…さよなら…お母さん、プラムちゃん…
私…この人たちと一緒に…
この広い世界を、旅してきます。