Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

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19:廃坑探索!(後編)

 

 

短くあらすじを説明しよう。

 

ルーフス、ジャック、チェリー、ステーラの三人と一匹は

モンスターに追いかけられ、洞窟に入り、渓谷へ真っ逆さま。

明かりを見つけると、そこは廃坑であった。

 

ルーフス達の危険な廃坑探索が始まる…

 

 

 

 

今、ダイヤモンドの剣でゾンビが倒された。

 

木製の柱の影からモンスターが次々と現われる。

 

 

 

「さすが廃坑だ…モンスターがうじゃうじゃいるぜ!」

 

チェリーは青い顔をしながら言った。

 

「う…生のゾンビの肉のにおいが…」

 

「だ、大丈夫?チェリーさん。」

 

ステーラがチェリーの前のゾンビ肉を飲み込む。

 

 

「ふぅ…ありがとう、ステーラ。」

 

「ワン!!ワン!!」

 

狼は元気になったのか尻尾を振る。

 

 

「さあ、お前ら、気を抜くなよ。まだモンスターはいるぜ!」

 

 

シュー…

             カラン…

 

   ヴォ―…

        

        キシュキシュ!!

 

 

「はい!ルーフスさん。」

 

「おう!あんちゃん!」

 

「グルルルル…バウワウ!!」

 

ステーラがモンスターに威嚇し飛び掛る。

 

 

カラッ!!

 

 

スケルトンが崩れる。

 

 

チェリーが剣を振るう。

 

 

 

キシュゥゥ…

 

 

蜘蛛が仰け反り、動かなくなる。

 

 

ジャックが弓で矢を放つ。

 

シュゥ…

 

クリーパーが火薬を落とす。

 

 

 

ルーフスが剣で斬る。

 

 

グボォァ…

 

 

ゾンビが倒れる。

 

 

 

 

ルーフスは松明を力強く立てた。

 

 

 

「よし!ここは制圧完了!!」

 

「チェストがあるよあんちゃん、」

 

 

ジャックはトロッコの上に置かれたチェストを調べた。

 

 

 

 

ギコォ…

 

 

 

 

 

 

金の延べ棒と蜘蛛の糸、リンゴに鞍、そして鉄の剣。

 

 

「ワン!!」

 

狼がリンゴにかぶりつく。

 

 

「うーん…なんか微妙だ…」

 

「なーに、宝探しなんだ。そんなに見つかったら苦労はしないぜ。」

 

「そうですね。気長に探しましょう。」

 

 

 

「じゃあ、ここからは手分けして探すことにしよう。

 

俺はここの道を真っ直ぐ、ジャックは左、チェリーは右へ行ってくれ。

 

…ステーラは誰と行くか…」

 

「はい!」

 

チェリーが名乗りをあげる。

 

「わたしが連れて行きます。」

 

「よし、決まりだ!!皆、けがなんてするなよ!」

 

「うん!」「はい!」「ワオン!!」

 

 

ルーフス達は分かれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~ジャックの探索~~~~~~~

 

「「「「ヴォー…」」」」

 

「な、なにぃ!!もしや…うそでしょ…モンスタースポーンがあるのか!?

 

いやいやいや早いだろー!!」

 

 

ジャックはあわてて剣で応戦する。

 

 

ズシャ!! ザク!! ザク!!…

 

 

 

ゴホォゥ…

 

   グボォゥ…

 

グホゥ… グボォウ…

 

 

 

急いで周りを照らす。

 

 

 

苔だ。

 

 

 

「やった…!!」

 

 

 

モンスタースポーンを壊して、

 

松明をつけて、制圧完了。

 

 

「中身は…」

 

 

 

ギコォ…

 

 

 

リンゴ、鉄の延べ棒、腐敗した肉、エメラルド…鉄の馬鎧!!

 

「おおおおおおお!!??」

 

少年は目が飛び出る。

 

 

「これ…レアでしょ、絶対!」

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~チェリー、ステーラの探索~~~~~~~

 

「…なんで元から使われていたのに鉱石が残ってるのかしら…」

 

チェリーは鉱石を掘りながらつぶやく。

 

ステーラが「それは言わない約束だ」とばかりにチェリーを見て首を振った。

 

「まあ、ここまで鉱石がたくさん取れるからいいわよね、ステーラ。」

 

「ワオン。」

 

ステーラは一声鳴いて同意する。

 

 

 

 

キシュゥ…

 

    キシャ…!

 

蜘蛛が二匹、チェリーの元へ。

 

 

「…ごめんなさい…あなたを殺してしまう身だけど、言いたい事があるわ。

 

私は、もうあなた達なんかには負けない!」

 

剣を六つ、素早く振る。

 

 

 

 

 

キシュゥ…

  

    キシュゥゥ…

 

 

 

「クゥン…」

 

狼がさびしげな顔をチェリーに向ける。

 

「あ…ごめんなさい、なんか獲物を横取りしちゃったみたい…」

 

「ワン!!ワン!!」

 

「ふふふ、分かったわ。次の敵はあなたが倒してくれる?」

 

「ワオーン!」

 

狼は力強く吠えた。

 

 

「さ、もう少し先に進んでみましょうか。」

 

「ワン!」

 

 

チェリーたちは松明を灯しながら奥へと進んで行った…

 

 

 

 

~~~~~~ルーフスの探索~~~~~~~

 

 

「カラン…コロン…」「シュー…」

 

「お、出たなモンスター!それっ!!」

 

ルーフスが剣で素早く斬る。

 

 

攻撃はどんどん当たる。

 

 

 

シュゥゥ…

 

 

カララッ!!

 

 

 

倒れた後に火薬と骨、そして弓が散乱した。

 

 

「おお、弓を落としてくれた!

…サンキュー、お前の弓、大切に使ってやるからよ!」

 

ルーフスは更に進む。

 

 

 

「…?…なんだこの蜘蛛の巣だらけの場所は…

 

…こういう場所に限ってすげぇ宝があるんだよな。

 

よし、行ってみるか!」

 

 

ルーフスは蜘蛛の巣を剣でなぎ払う。

 

 

 

 

 

「ふぅ…まだ宝箱はね…!!!!」

 

ルーフスが足元から前方に視線を移す。

 

 

 

 

   目。    目。     目。

目。    目。    目。

 目 目。目。  目。 目。  目。

 

 

無数の目が沢山いたのだ。

 

 

「こ、この赤目は…蜘蛛か!?」

 

 

ルーフスは蜘蛛の巣から離れた。

 

 

やべぇぞ…あのでけぇ蜘蛛がここまで沢山いるのか!?

 

気を抜くなよ、ルーフス、気ぃ抜いたら死ぬぜ…

 

 

 

「キシュゥ…!」

 

 

 

 

 

あれ…

 

 

 

 

 

出てきた蜘蛛はいつもの半分のサイズ。

 

 

まだ赤ちゃんか…?

 

 

「なんだ…びっくりさせやが…」

 

「キシュゥ!」

 

 

「…!!」

 

ルーフスを襲う。

 

ルーフスは少し痛い攻撃に耐え、なんとか倒す。

 

 

 

 

 

 

ズク…

 

 

 

 

 

「…!!!!!!!!」

 

 

ルーフスの身に経験したことの無いような痛みが走る。

 

辺りを見回しても何も無い。

 

蜘蛛もまだ遠い所だ。

 

 

 

 

「キシュゥ!!」

 

 

お…また来た。

 

 

 

ズキィ…!!

 

「ぐっ…」

 

 

ルーフスは突然の痛みに剣を振れなかった。

 

剣が手から離れる。

 

小さい蜘蛛は寝転んだ状態のルーフスに攻撃を仕掛ける。

 

「くそぉ…!!」

 

ルーフスは力を振り絞り蜘蛛から離れる。

 

蜘蛛も追いかける。

 

 

 

ルーフスは分岐点に差し掛かった。

 

「ここだ…!!」

 

ルーフスは急いで通路を丸石で覆う。

 

「キシュゥ!!」

 

タン…

 

最後の丸石が置かれた。

 

間一髪で蜘蛛の行く手を阻んだのだ。 

 

 

 

 

ズキュゥ…

 

 

 

「ぐはっ…」

 

ルーフスが血しぶきを口から出す。

 

持ち合わせたパンを食べるが治らない。

 

 

 

どうしちまったんだよ俺…!!

 

 

 

 

 

~~~~~~~チェリーとステーラの探索~~~~~~~

 

ステーラの耳が立つ。

 

「ワン!!ワン!!」

 

「ステーラ、どうしたの…まさか、ゾンビの肉があたったんじゃ…!」

 

首を振る。

 

「ワンワン!!ワンワンワン!!!」

 

ステーラが一目散にもと来た道を駆け出して行った。

 

「!!…ちょっと!ステーラ!!」

 

チェリーが追いかけていく。

 

 

~~~~~~~ジャックの探索~~~~~~~

 

~♪

 

 

廃坑に鼻唄が聞こえる。

 

ジャックはレアを手に入れ上機嫌だ。

 

「まっだまっだあっるのっかな~超レア~♪」

 

即興で作った需要の無い歌を口ずさみながらスキップでモンスターを倒していく。

 

最後の松明が置かれた。

 

 

「…あ、…しまった、材料持ってき忘れた。取りに行こうっと。」

 

ジャックは辞書を読みながらもと来た道を歩く。

 

 

 

もと来た道を…

 

 

 

 

 

 

止まった。

 

 

 

 

 

辞書の一ページのある部分の内容を読んだからだ。

 

 

 

 

パタン…

 

 

 

 

ジャックはもと来た道を走る。

 

 

「まずい…このことは伝えなきゃいけないじゃないか…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~ルーフス達、合流~~~~~~~

 

 

「チェリーさん!…!!!」

 

 

…ハァ…ハァ…

 

ルーフスが石の上に横になっていた。

 

 

「まさか…毒!?」

 

「ええ…そうよ、なんで分かったの?」

 

「これだよ!」

 

 

洞窟グモ(Cave Spider)

廃坑に生息する蜘蛛の亜種。

スポーンブロックによってしか

出現しない、小さな蜘蛛だが、

その姿とは裏腹に強力な毒を持つ。

 

 

「ごめん、僕が廃坑の事を良く調べなかったばっかりに…」

 

「謝らないで、ジャック君…それより…」

 

チェリーが久しぶりの涙を見せる。

 

「ルーフスさんが…全然よくならないの!!」

 

「クゥン…」

 

狼も悲しげな顔を見せる。

 

ジャックはチェリーの肩に手を置いて自信を持って答える。

 

「大丈夫だよ、チェリーさん、解毒方法はしっかり調べてあるよ!

 

チェリーさん、お菓子の材料の牛乳って持ってる?」

 

チェリーは涙をぬぐってかばんを探す。

 

「牛乳なら…」

 

「それをあんちゃんに飲ませて!」

 

 

 

 

 

 

ゴク…ゴク…ゴク…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あり?治った。」

 

一瞬で完治。

 

チェリーは目が点になる。

 

ジャックは笑顔で言う。

 

「ね!」

 

 

 

 

 

「ははははは…いやー小さい蜘蛛だって油断してな!

 

…ジャック、チェリー、ステーラ、ありが…」

 

 

チェリーが涙目になっている。

 

 

 

 

「もう!心配させないでくださいよ!ルーフスさん!」

 

 

本当に…心配…したんですからね…!!」

 

 

チェリーはまた泣いた。

 

「…ああ、サンキュー、チェリー。」

 

「ワン!ワン!!」

 

狼も喜ぶ。

 

「あんちゃん、治ってよかった!!」

 

ジャックも続けて笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ルーフス達はすぐ地上に戻ることにした。

 

さすがに、もう誰も毒にはかかりたくは無いから。

 

「へぇ…ステーラが俺の毒を察知してくれたのか…

 

俺より賢いなぁお前!」

 

ステーラの頭をルーフスが撫でる。

 

狼は嬉しそうだ。

 

ジャックがいきなり発表する。

 

「あんちゃん、この廃坑探索ですごいもの見つけたよ!」

 

 

 

「ジャーン!!」

 

 

「「おおおおおおおおおお!!!」」

 

 

「これ、お前、かっこいいじゃんか、お前、よく見つけたなぁ~!!」

 

ルーフスは興奮している。

 

「本当に『地下の宝物庫』でしたね!…馬か~!!乗ってみたいなぁ!!」

 

チェリーもいつも以上に興奮している。

 

「クゥン?」

 

狼は何がなんだか分からないようだ。

 

「いつか馬も欲しいね!あんちゃん!」

 

「そうだな!そん時までに手綱を作っておかなきゃな!」

 

「ふふ…早いですよ、ルーフスさん、荷物になるだけですよ!」

 

 

 

洞窟中に笑い声が響く。

 

 

 

 

 

 

 

「お、出口だ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーフス達はやっと地上に出る。

 

 

「すげぇえええええええ!!」

 

ついたのは巨大なセコイアの生い茂る森。

 

木々の間で鳥がさえずっている。

 

「すごいなぁ…」

 

「美しいですね…」

 

「ワオーン!!!」

 

今までに見たことの無い景色にルーフスは思わず感嘆する。

 

「世界ってこんなに広いんだな…」

 

「あんちゃん、早く行こうよ!」

 

「行きましょう!ルーフスさん!」

 

「ワン!ワン!!」

 

 

 

「おう!!」

 

 

 

 

ルーフス達はセコイアの森へ駆けて行った。

 

 

 

 

 


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