Minecraft ~ある冒険家の旅路~   作:セッキー.Jr

83 / 96
今回、ちょっと短めです。
最近多忙の為少し遅れることがあるかもしれません。
本当に申し訳ありません。
引き続き、この小説を宜しくお願いします。


49:嵐の前の静けさ

青く溶けそうな空にふわふわと白い雲が浮かんでいる。

 

ルーフス達は1日ほど海を渡り、

 

「セルバースタウン」という港町についた。

 

大きな灯台はどっしりと構えており、漁船と貿易船がゆらゆらと波の上で揺れている。

 

クァ、クァ…

 

カモメが鳴いて旋回をしている。

 

ルーフス達は美しい町の風景を堪能しながら砂浜を歩く。

 

 

「いい風ですね…」

 

「ああ…」

 

ステーラは砂浜を駆ける。

 

 

 

町は道往く人の静かな賑わいで包まれていた。

 

ある人は路上で時計や地図などを売り。

 

カップルはベンチで静かに愛を感じていた。

 

 

 

チェリーは路上販売で4人分のバッグパックを買う。

 

チェリーはルーフスとジャック、ココアに手渡した。

 

 

「お、ありがとう。」

 

「これで荷物も安心だね!」

 

「チェリーさん、食材もここで買っちゃおうよ!」

 

「ワオン!」

 

ステーラがチェリーを急かす。

 

 

「そうですね、食材を買いに行きましょう!」

 

 

 

ルーフス達は別れて買い物をすることにした。

 

ルーフスとココア、ステーラは肉屋さんと魚屋さんに。

 

チェリーとジャックは小麦と野菜やパンを買いに行くようだ。

 

 

それぞれの買い物を楽しむルーフス達。

 

「牛肉と豚肉に…鶏肉も買っておくか、ココア好きだもんな!」

 

「うん!ありがと!」

 

「ハッハッハッハ…」

              「はは、ステーラ、嬉しそうだな!」

 

「はい、サービスだよ。」

 

ステーラの前にステーキが置かれる。

 

「ワン!ワン!!」

 

ステーラはお肉にがぶりついた。

            

          「あ!ありがとうございます!…良かったな、ステーラ!」

「ワン!」

 

 

「はい、チェリーさん、にんじん持って来たよ。」

 

      「あ、ありがとう!ジャックくん。」

 「あとは何が必要なんだっけ?」

 

         「うーん…じゃがいもにカカオ豆ですね!」

    「じゃあ僕カカオ豆持ってくるよ!」

「ありがとう!…じゃがいも…じゃがいも…」

 

 

 

 

5人の旅は平和に過ぎていく。

 

 

チェリーの笑顔の中には、不安げな表情も同時にあった。

 

 

 

 

 

正午のキャンプ場。

 

旅人たちの腹もすいてくる頃だ。

 

 

チェリーとココアの手料理が始まる。

 

 

「今日はフレンチトーストをつくってみよっか!」

 

「フレンチトーストって?」

 

 

チェリーは優しく笑う。

 

「作って食べて見た方がわかるかな?…じゃあまず材料は…」

 

チェリーはココアに説明をする。

 

 

 

ココアは一生懸命に卵を割る。

 

チェリーはシロップを作りながら見守っていた。

 

ルーフス達は静かに本を読んで待つ。

 

ステーラは暖かさに眠ってしまったようだ。

 

 

 

「出来たよ!」

 

「お!完成したか!」

 

「うまそうだね~!!」

 

「ワオン!」

 

 

ココアは不安そうにルーフスたちの反応を待つ。

 

「…どうかな?」

 

 

「んー!うめぇよ!」「最高!」「ワオーン!」

 

「良かったね!ココアちゃん!」

 

「うん!!」

 

ココアは笑顔で応えた。

 

 

 

ステーラが木陰で座っている中。

 

ジャックとココアが開いたままの辞書を挟んで、ビニールシートの上で眠ってしまった。

 

チェリーは二人にタオルケットをかけた。

 

 

 

「ルーフスさん。」

 

「ん?どうした?」

 

 

チェリーはジャックとココアを見て微笑みながら話す。

 

「最近、とっても平和ですよね。」

 

「まあそうだな、モンスターは時々出るけど、前よりじたばたしてねえっつーか…」

 

「…平和ならそれでいい、って思いたいのです。でも…

この幸せな日々が、いつか不幸になって帰ってくるんじゃないかって、

思うことがあるんです。…どうしたらいいのでしょうか…?」

 

「…まあ、そうだな…」

 

ルーフスは考える。

 

 

「でもよ、俺たちなら吹き飛ばせんじゃねぇか!そんな不幸ぐらい!

俺達がこの町まで来れたのも、俺達の力なんだからよ。

大丈夫さ、今の幸せを、そのまんまかみ締めておこうぜ。」

 

「…そうですね。」

 

 

チェリーは幸せそうに微笑みながらいった。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。