Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
最近多忙の為少し遅れることがあるかもしれません。
本当に申し訳ありません。
引き続き、この小説を宜しくお願いします。
青く溶けそうな空にふわふわと白い雲が浮かんでいる。
ルーフス達は1日ほど海を渡り、
「セルバースタウン」という港町についた。
大きな灯台はどっしりと構えており、漁船と貿易船がゆらゆらと波の上で揺れている。
クァ、クァ…
カモメが鳴いて旋回をしている。
ルーフス達は美しい町の風景を堪能しながら砂浜を歩く。
「いい風ですね…」
「ああ…」
ステーラは砂浜を駆ける。
町は道往く人の静かな賑わいで包まれていた。
ある人は路上で時計や地図などを売り。
カップルはベンチで静かに愛を感じていた。
チェリーは路上販売で4人分のバッグパックを買う。
チェリーはルーフスとジャック、ココアに手渡した。
「お、ありがとう。」
「これで荷物も安心だね!」
「チェリーさん、食材もここで買っちゃおうよ!」
「ワオン!」
ステーラがチェリーを急かす。
「そうですね、食材を買いに行きましょう!」
ルーフス達は別れて買い物をすることにした。
ルーフスとココア、ステーラは肉屋さんと魚屋さんに。
チェリーとジャックは小麦と野菜やパンを買いに行くようだ。
それぞれの買い物を楽しむルーフス達。
「牛肉と豚肉に…鶏肉も買っておくか、ココア好きだもんな!」
「うん!ありがと!」
「ハッハッハッハ…」
「はは、ステーラ、嬉しそうだな!」
「はい、サービスだよ。」
ステーラの前にステーキが置かれる。
「ワン!ワン!!」
ステーラはお肉にがぶりついた。
「あ!ありがとうございます!…良かったな、ステーラ!」
「ワン!」
「はい、チェリーさん、にんじん持って来たよ。」
「あ、ありがとう!ジャックくん。」
「あとは何が必要なんだっけ?」
「うーん…じゃがいもにカカオ豆ですね!」
「じゃあ僕カカオ豆持ってくるよ!」
「ありがとう!…じゃがいも…じゃがいも…」
5人の旅は平和に過ぎていく。
チェリーの笑顔の中には、不安げな表情も同時にあった。
正午のキャンプ場。
旅人たちの腹もすいてくる頃だ。
チェリーとココアの手料理が始まる。
「今日はフレンチトーストをつくってみよっか!」
「フレンチトーストって?」
チェリーは優しく笑う。
「作って食べて見た方がわかるかな?…じゃあまず材料は…」
チェリーはココアに説明をする。
ココアは一生懸命に卵を割る。
チェリーはシロップを作りながら見守っていた。
ルーフス達は静かに本を読んで待つ。
ステーラは暖かさに眠ってしまったようだ。
「出来たよ!」
「お!完成したか!」
「うまそうだね~!!」
「ワオン!」
ココアは不安そうにルーフスたちの反応を待つ。
「…どうかな?」
「んー!うめぇよ!」「最高!」「ワオーン!」
「良かったね!ココアちゃん!」
「うん!!」
ココアは笑顔で応えた。
ステーラが木陰で座っている中。
ジャックとココアが開いたままの辞書を挟んで、ビニールシートの上で眠ってしまった。
チェリーは二人にタオルケットをかけた。
「ルーフスさん。」
「ん?どうした?」
チェリーはジャックとココアを見て微笑みながら話す。
「最近、とっても平和ですよね。」
「まあそうだな、モンスターは時々出るけど、前よりじたばたしてねえっつーか…」
「…平和ならそれでいい、って思いたいのです。でも…
この幸せな日々が、いつか不幸になって帰ってくるんじゃないかって、
思うことがあるんです。…どうしたらいいのでしょうか…?」
「…まあ、そうだな…」
ルーフスは考える。
「でもよ、俺たちなら吹き飛ばせんじゃねぇか!そんな不幸ぐらい!
俺達がこの町まで来れたのも、俺達の力なんだからよ。
大丈夫さ、今の幸せを、そのまんまかみ締めておこうぜ。」
「…そうですね。」
チェリーは幸せそうに微笑みながらいった。