Minecraft ~ある冒険家の旅路~ 作:セッキー.Jr
~~~~~~~鈍行世界にて~~~~~~~
鈍行世界には幾多の人々が避難していた。
アルガとブロッカスは人々に食事を配る。
サクラノ国の人々もすでに避難を終えていた。
タマベエとタネノスケに、
ウメと狼のユズもいる。
「ルーフスのあんちゃんたち…今どうしているのかなぁ…?」
「クン…」
ユズは遠く見たステーラを心配しているようだ。
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セルバースタウンにて~~~~~~~
ルーフスとチェリーの剣はウィザーをばさりと斬る。
ジャックのハンマーは強く鈍くウィザーに当たり、ステーラの牙も鋭くウィザーに刺さる。
「シュオオオオオオ…」
ウィザーは苦しむ。
大男は更に一発ウィザーに鉄槌打ちを喰らわせた。
ウィザーは頭蓋骨が割れ、地に埋まった。
大男はルーフス達の横に戻り言う。
「ガキのくせにやるじゃねぇかお前ら!」
「そりゃどうも。」
「だが、そっちの嬢ちゃんは戦えないみたいだな!」
大男はココアを指差し言った。
「嬢ちゃん、戦えねぇんなら逃げた方がいいぜ。ここじゃ足手まといだからな。」
ココアは一瞬言葉に押される。
ココアはまぶたを一旦閉めてから
開いて言った。
「私…ジャックくんの側にいたいから!」
ジャックは赤くなった。
「まあ♪」
チェリーはハート眼で二人を見る。
ルーフスも少し照れるような目だ。
大男は呆れて言いはなった。
「そうかい、それなら、俺は助けるつもりはねぇからな 。」
「元から要らないわよ!」
ココアはべーと舌を出した。
「ちょっココア…」
大男は驚いて笑う。
「…本当に要りそうにねぇな。
おい小坊主!」
大男はジャックに向かって言った。
「その嬢ちゃん、しっかり守ってやんな。」
ジャックは返す。
「…絶対に!」
ボォオオン…!
大男は振り返る。
さっきのウィザーが地面から浮き上がり、光で身を防護した。
そのウィザーだけではない。
世界中のウィザー達が一斉にバリアを張り始めたのだ。
それから
世界の人々が
異変に気がついたのだ。
ウィザーの切り傷は埋められ。
殴打のへこみは無くなり。
銃痕も全て埋められたのだ。
ウィザーは完全回復していた。
「…なんだと…!」
「今までの4時間は…」
「全く無意味だったと言うのか…!」
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~~~~地獄にて~~~~
水晶にはウィザーが映っている。
「…そうだ…これがウィザーの恐ろしい所だ。
ウィザーは自らを回復し何度も蘇ってくる。
ただただ、攻撃が強いだけではないのだ…!!」
ゾンビピッグマンは絶望に押され倒れる。
「人民達よ…どうか未来の為に…!」
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~~~~クレイソルジャーズの村より~~~~
クレイソルジャーズ達は青、赤が一つになって戦っていた。
スチルもダイヤの装備で自らを包んで戦っていた。
「…何てことだ…回復しただと…!!」
クレイソルジャーズも何匹死んだことか。
「…だがこいつらのパワーもなめてもらっては困る!
彼らは…!どんなに小さくとも『戦士』なのだ!!」
スチルはクレイソルジャーズ達を起き上がらせる。
ドスン…
ドスン…
スチルの体が小さく縦に揺れる。
クレイソルジャーズ達は大きく跳ねた。
「…!…違う敵か……!!!!」
スチルは背後を向いた。
スチルは口をあけっぴろげにして汗を流す。
スチルに巨大な影が落ちる。
クレイソルジャーズ達も影の元を凝視した。
ウィザーも恐怖に震えるばかりであった。
「ヴォッホッホッホッホ…さすがに西の大陸に行くのは遠かったわい…」
巨人だった…!!
「ワシはお前らに会いたかったぞ…小さき戦士達よ…
会えて光栄だ…共にお茶でもたしなみたいところだが…」
巨人は巨大な剣を肩に担いでウィザーをにらんだ。
「まずはこの炭をきれいにしなければな…!!」
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~~~~~~~とある上空~~~~~~~
飛行艇は空を行く。
2体のウィザーが飛行艇に向かって射撃する。
ボッ… ボッ… ボッ…
「元気爆発!!」
「神の鉄槌!!」
「シンプル・イズ・ザ・ベスト!」
ドォオオオン!!! ドォオオオン!!
ドォオオオン!!
「厄介な敵がでてきたものだ!」
モイラは顔をしかめて言う。
「でも中の乗客を守らなきゃね!」
プルボネが返す。
「そうです!私たちは絶対に勝たねばならないのです!」
テンドロンも返した。
「「「正義は必ず勝つッ!!!」」」
モイラ達は一心不乱に攻防を繰り返していた。
飛行艇の中。
中は400万人の人々であふれていた。
オリ―は人々の対応をしなければならなかった。
オリーは外で守りたい気持ちを抑えながら心で言った。
(3人とも…どうかこの人々を守ってやってくだせぇ!!)
「おじさーん、おなか減ったー、ソフトクリームちょーだーい。」
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~~~~~~~セルバースタウンにて~~~~~~~
戦士たちは言葉にならない悔しみでモンスターを見つめていた。
戦士たちの戦闘意欲がそがれようとしている。
でも…こいつらを倒さなければ…
世界は消滅してしまう。
「ダァーーーーーー!!」
バンプが叫んでウィザーに連続で殴り掛かる。
「おりゃぁーーー!!」
「たぁっ!!」
「はぁあああ!!」
「ガウ!!ガウ!!」
ルーフス達もそれに続く。
叫びながら戦士達に問いかけた。
「お前らぁ!相手が回復するからなんだぁ!」
戦士達は耳を傾ける。
「バンプ…例え私たちが悪あがきを続けても…
それはまた無駄になるんだぞ…」
「上等だ!」
バンプは大声で答える。
「世界が簡単に救えるわけねぇんだ!
でもそれは一つのチャンス…!
俺たちが『進化』するチャンスじゃねぇか!!
お前らは惑星最後の日まで弱いままでいいのか!!」
戦士達はこぶしを握った。
戦士が一人…また一人とウィザーに向かっていく。
ウィザーの光が途切れようとしている。
「「「「「「「「「俺たちは…『進化』してみせる!!」」」」」」」」」
ウィザーの光は壊れるように放たれた。