Jumper -IN DOG DAYS-   作:明石明

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どうもこんにちわ、リアルの方がいろいろ忙しく更新が遅れてしまった作者です。

さて、今回は原作第4話に当たる内容となっています。
尊がなんだか弱く感じるかもしれませんが、一応理由付きなのでご容赦ください。

それでは本編第7話、どうぞご覧ください。


第7話「突撃! ミオン砦!」

 日もとっぷりと暮れた中、月に照らされた街道を駆け抜ける五つの影があった。

 一人を除いてそれぞれがセルクルに跨り、一直線にミオン砦へと向かっていた。

 

 

「まったくこの阿呆は! コンサートまで順調だと思っていたのになんてことをしてくれるんだ、この阿呆!」

 

「そ、そんな何度も言わなくても!」

 

「だいたい貴様は何でまともにセルクルに乗れんのだ!? 尊殿……はともかく、サラ殿はちゃんと乗りこなしているぞ!」

 

「いえ、私の場合は、この子がいい子だからだと思うのですけど」

 

「というかエクレール、もう少し落ち着いたらどうだ?」

 

「そうであります。あんまり怒ると血管切れるで有りますよ」

 

 

 宣戦布告を受けたシンクに怒鳴り散らすエクレールを尊たちが諌めようとする。

 彼らはミルヒオーレ奪還のため宣戦布告が認められてからすぐにミオン砦の攻略に向かっていた。この中で尊だけ戦場の時のようにサラのセルクルに乗せてもらっているのだが、こうなったのは単にすぐ動かせるセルクルの数が足りなかったからだ。

 ちなみにセルクルを脳内変換でチョコボに見立て自分で操る姿を想像していた尊は多少がっかりしたものの、ここにいるうちはいくらでも機会が巡ってくると割り切って奪還戦に集中することにした。

 閑話休題(それはさておき)

 ここまでシンクが怒られているのは、やはり独断で宣戦布告を受諾したことが原因だ。

 フロニャルドにおいて宣戦布告を受ければそれは公式の戦として認められることになり、あとからの取り消しは容易ではない。普段ならばそれでよかったかもしれないが、コンサートまで時間がないこのタイミングではまさに致命的なミスと言えよう。

 そう考えればエクレールの怒りも尤もなのだが、それはフロニャルドに住む人の常識だ。

 

 

「ですが宣戦布告にそんな仕組みがあるなんて私たちも知らなかったのですし、少し大目に見てあげてはどうですか?」

 

「しかしサラ殿!」

 

「言ったはずだぞ、エクレール。異世界の常識的なルールなんて普通は知らなくて当然だってな。しっかりと教えられているのならともかく、今日来たばかりの俺たちはまだこの世界の基本的なことすら把握し切れていないんだ。状況が状況なだけに怒るのもわかるが、それは全部終わってからだ」

 

 

 尊の言葉に反論できず、エクレールは不機嫌な様子を隠そうともせず視線を前に向けた。

 

 

「エクレール、リコッタ、それに尊さんにサラさん。ごめん、勝手なことしちゃって。けど、姫様が誘拐されるって聞いたら、黙っていられなかった」

 

 

 どうにか姿勢を安定させ、シンクは力強く手綱を握る。

 

 

「だけど絶対! 姫様を助けて、コンサートにも間に合わせる!」

 

 

 そこに先ほどまでセルクルにしがみついてアワアワしていた少年の姿はどこにもなく、宝剣を構えて闘志を燃やす勇者がいた。

 その姿にエクレールは照れ隠しのように「当然だ」と答え、他の三人も微笑ましそうに意気込む。

 

 

「勇者様! 自分も微力ではありますが、頑張るでありますよ!」

 

「俺とサラで道を作ってやるから、シンクは最短距離を最速で突き進め」

 

「でも怪我にだけは気を付けてくださいね? 傷だらけの姿を姫様に見せて、心配させるわけにはいきませんから」

 

「はい! ありがとうございます!」

 

「よおし! 声出していくぞ! ファイトーッ!」

 

「「「オーッ!!」」」

 

「……お、おー」

 

 

 掛け声をあげることで士気を高めた一行は――一人を除いて――負ける気がしないままミオン砦へと突き進んだ。

 

 

 

 

 

 

 遠方から支援砲撃をするといってリコッタが隊列から外れて森へと入り、俺を含めた4人はそのまま目標の砦を視界に入れると作戦の最終確認をする。

 

 

「本隊と合流したいが、待っている時間はどこにもない! 加えてガウル殿下の兵は、厄介なことに精鋭が揃っている! まともにやりあえばそれだけで手間になる!」

 

「だからこそ初撃で削れるだけ数を減らして、残った雑魚を俺とサラで引き受ける!」

 

「姫様の元にたどり着けばこちらの勝利。二人とも、お願いします!」

 

「「はい!」」

 

 

 シンクとエクレールの返事を聞いて、俺とサラは早速攻城戦の第一手を準備する。

 

 

「さあ! 戦闘開始の花火を上げるぞ!」

 

 

 ここに来るまでにチャージしておいた紋章を一気にレベル3まで解放し、俺はセルクルから飛ぶと同時に持ってきたハルバードの穂先を正門に向ける。サラも番えた矢にレベル2の紋章を流し込み、狙いを定める。

 こちらに気付いた正門の兵たちが弓を構えようとするが、圧倒的に遅かった。

 

 

「月光砲! 吹っ飛べ!」

 

月閃(げっせん)! 行きなさい!」

 

 

 俺の照射ビームである月光砲(サテライトエッジのブラスターに似ているのでそれにあやかった)と、サラの貫通力に特化させた一撃が正門の守りについていたガレット兵たちを強襲、さらに撃ち漏らしを仕留めるように森の方からリコッタの支援砲撃として無数の光弾が飛来し正門前を絨毯爆撃する。

 この攻撃で正門の守りは完全に崩壊し、城壁の一部の風通しが非常によくなっていた。

 俺たちはそこから堂々と侵入し、セルクルから飛び降りる。ふむ、ざっと見ただけで敵兵は優に100を超えるな。

 

 

「熱烈な歓迎痛み入るな、ガレットの諸君! だがこちらは歓迎を受けている時間も惜しい……なので、一気に間引かせてもらう!」

 

 

 『加速』を使って一気に距離を詰め、さらに『集中』を使い迅速かつ的確に隙をついてガレット兵を戦闘不能に追い込んでいく。

 サテライトエッジのブラスターやサンダガとかで一掃できれば楽なんだが、フロニャ力の加護が働かず致命傷となってしまってはまずいので紋章砲と物理攻撃で地道に潰していくしかない。

 

 

「助っ人の男を囲め! 数で押しつぶすんだ!」

 

 

 誰かがそう叫ぶと俺に群がる密度が目に見えて増え始め、槍のリーチを生かして包囲しようとするのが分かるが、こっちだって一人じゃない。

 

 

「させません!」

 

「道を開けろ!」

 

「姫様は返してもらうよ!」

 

 

 サラたちの攻撃がガレットの一団に襲かかり、やられた数だけ『けものだま』が量産される。

 しかし流石精鋭というべきか、鍛えられた連携はなかなか隙を見せようとしない。

 

 

「ほおー、殿下の精鋭がこれほどまで押されるとはな。流石は勇者たちと言ったところか」

 

 

 そこへあからさまにランクが上と思われる若本ボイスな大男が砦の奥から姿を見せると、ガレット兵たちから歓声が上がった。

 

 

「おお! ゴドウィン将軍!」

 

「お待ちしてました!」

 

「将軍がいらっしゃればもう怖くありませんな!」

 

 

 どうやらあれがこの砦にいるガレット側の切り札といったところか。しかし声と手にしている武器のせいか、某運命2のRPGに出てくる青髪男がダブって見える……アイテム使うなとかいうなよ? トラウマが再発するから。

 しかし姫様を攫ったの三人娘や件のガウル殿下とやらも見ていないので、幹部クラスの戦力はまだ温存されているとみていいだろう。

 それでも戦力の大半はここに集中しているので、奥に進めば敵は少ないはずだ。だったら――

 

 

「シンク、エクレール! 手筈通り先に行け、ここは俺たちが引き受ける!」

 

「えっ!? けど、もう少し数を減らしてからでも――」

 

「お前は姫様に召喚された勇者だろ? 勇者が囚われの姫様を助けなくてどうするんだ」

 

「そうですよ。それに姫様の元にたどり着いても、それからすぐにコンサートホールに向かわないといけないんですから、時間を無駄にできません」

 

「そういう訳だ。それに敵の数の問題なら気にするな、俺たちはこれ以上の相手を何度かこなしてるからな」

 

 

 連携は確かに鬱陶しいが個々の戦力は当然ながら黒の夢にいた魔物以下だし、ラヴォス・ビットみたいにコアを破壊するまで無限に再生するわけじゃない。そう考えればこの程度、決して無理じゃない。

 

 

「……行くぞ、勇者。お二人の言う通り、姫様をコンサート会場に送り届けるのが最優先だ」

 

「……分かった。 尊さん、サラさん、お願いします!」

 

 

 砦の内部へつながる道に立ちはだかる兵を蹴散らしながらシンクとエクレールが突き進む。塔の方から進行を阻もうとする弓兵が見えるも、それに感づいたサラが先に狙い撃つ。それにしても、弓を使い始めてそんなに立っていないはずなのにうまいな。

 そんなことを思いながら俺も振り下ろされた剣を弾き飛ばし、がら空きになった胴体へ蹴りを叩き込む。

 

 

「ふむ。ただの優男と戦を知らぬお嬢さんかと思えば、存外そうでもなさそうだな」

 

 

 こちらを観察していたゴドウィン将軍が笑みを浮かべてそうつぶやくと、鎖につながれたハンマーを振り回し始める。

 あの攻撃は普通の武器じゃ凌げないな……ならば!

 

 

「ぬぅぅぅぅんっ!」

 

「シールド!」

 

 

 勢いよく放たれたハンマーを左手に召喚したサテライトエッジのシールドで防ぎ、そのままハルバードで切りかかる。

 攻撃は難なく斧で防がれるが、相手の顔は更に深い笑みが浮かんでいた。

 

 

「はっはっは! 閣下との戦いを見ていた時も思ったが、こちらに来て間もないというのに既に輝力武装まで扱えるようになっているとはな!」

 

「輝力武装というのが何なのか知らないが、俺は使えるものを使っただけだ!」

 

 

 シールドを解除し、一般兵にしたように蹴りを見舞おうとする。

 

 

「温いわぁ!」

 

「げっ――――ぬおおぉぉぉぉ!?」

 

 

 だが放たれた足は難なく掴み取られ、そのまま力任せに振り回される。

 目の前の世界が目まぐるしく回転する中、どうにか脱出するべく空いている方の足でゴドウィン将軍の手に蹴りを入れる。

 一発だけでは何ともないだろうと判断し力任せに何度も蹴りつけると、流石に効いたのか僅かに顔をしかめてそのまま手を放す。

 解放されて安心したのも束の間、体は遠心力で放たれ壁に向かって一直線に進んでいた。

 バオバオみたいな真似しやがって! けどこの程度、義弟に追い回された恐怖に比べれば! 

 

 

「――『集中』!」

 

 

 クロノたちを投げつけてダメージを与えていた敵を脳裏に浮かべながら『集中』を付与し、壁を足場にするように体制を整えると接触と同時に跳躍。そのままサラの隣へと降り立つ。

 

 

「戦い慣れしておるようだが、俺とやりあうにはまだまだ力が足りんな!」

 

 

 それについては否定しない。クロノ世界でも技量が求められる対人戦よりも魔物相手にあらゆる手段を用いて効率よく殲滅する戦い方をしてきたので、おそらく補正なしなら最終決戦時の家臣三人にも勝てないだろう。

 やはりサテライトエッジと『熱血』もしくは『勇気』の精神コマンドを使用せざるを得ないか? ただの物理攻撃なら魔法じゃない分『けものだま』になるだけで終わるかもしれないし。

 自分の制約をここで解くべきか思案していると、突然夜空で何かが煌めいた。

 

 

「むっ!?」

 

 

 ゴドウィン将軍も自分に迫るそれに気づいたのか、斧を掲げてそれを受け止める。

 チェーンソーのようにがりがりと斧とぶつかり合ったそれはやがて弾き飛ばされ、勢いよく地面に突き刺さった。

 

 

「これは……刀?」

 

「――御二方、無事でござるか?」

 

 

 聞いたことのない声が砦に響き、全員の視線がそこに集中する。

 そこには見るからに武士といった出で立ちの女性が立っており、醸し出される雰囲気から只者ではないことが容易に想像できた。

 

 

「そこの斧将軍に、ビスコッティの助っ人御二人はここでは(・・・・)お初にござるな。 拙者、ビスコッティ騎士団自由騎士、ブリオッシュ・ダルキアンにござる。騎士団長、ロラン殿の要請により、これよりビスコッティ軍の助太刀をいたす!」

 

 

 ダルキアンと名乗った彼女は手にした巻物を広げて宣言し、俺たちは思いがけない援軍に笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 同時にこれが俺とサラが初めて彼女に出会った瞬間であり、後のかけがえのない親友(とも)との会合になるとは、この時点では思いもしなかった。




本編第7話、いかがでしたでしょうか?

次回の投稿でミオン砦編は決着させるつもりですが、予定が変更される場合があります。
また、投稿に関しても相変わらず不定期となっていますが、どうか気長にお待ちください。

それでは、今回はこのあたりで。
また次回の投稿でお会いしましょう。















え、今日まで遅れた理由?
ほら、艦これのイベントが18日の朝までですよね?
E-6甲のゲージ破壊がががががg
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