ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~短編劇場   作:Mr.エメト

16 / 29
お待たせしました。後編スタートです!!


三匹の悪魔を追え!!【後編】

=ドルキー&望紅組=

 

 

【グウウウウウウッ!!】

 

巨人は鋭い歯をむき出しにして、ドルキーと望紅を睨む。

二人は目の前の巨人を分析する。

 

「邪鬼グレンデル。邪鬼の中では高いレベルの相手だな」

 

ドルキーが目の前の悪魔をグレンデルと呼んだ事に崇仁は驚いた。

 

「えっ!?グレンデルって、凶暴な黒いドラゴンじゃあ……!?」

 

「あ?何言ってんだ?グレンデルがドラゴンなわけないだろ?」

 

崇仁の言葉にドルキーは反論する。

今の発言で崇仁は"しまった"という顔をするが―――。

 

「そんなことはどうだっていいから、さっさと倒すぞ!!」

 

「それもそうだな」

 

望紅の言葉にドルキーはグレンデルと対峙する

 

(魔界のグレンデルって、あんな巨人タイプなのかな…?)

 

崇仁が知っている邪龍グレンデルと目の前にいるグレンデル。

その大きな違いを見せつけられて、ただ驚き戸惑う。

 

「おらっ!!」

 

「どりゃっ!!」

 

望紅はローキック、ドルキーは風手裏剣を放つが、グレンデルには全くダメージが入ってない。

 

「あれっ!?効かない!?」

 

「こいつ、物理と衝撃が無効なのか!?」

 

グレンデルは剛腕を振りかざして、ドルキーと望紅を吹き飛ばす。

 

「「うおおおおおおおおっ!!」」

 

一回転着地して、体勢を立て直す二人。

グレンデルはニタリッと笑っている。

 

「ヤロー……、俺たちの攻撃が効かないから、調子に乗っていやがるな」

 

「あんたの風が効かないとなると、アタシの火炎でどうにかしないといけないか」

 

「けど、お前の魔力だってそんなにあるわけじゃないだろ。あったとしてもシェリルぐらいしか……」

 

「そこまで、低くねぇーよ!!スピードバカ!!」

 

ギャーギャーと言い争う二人だが、シェリルをバカにしているのだがそんな事は知らず。

グレンデルは痺れを切らし、マハマグナスを唱えて、岩石の雨を降らす。

 

「させるか!!」

 

ドルキーは風の手裏剣で全ての岩を撃ち落とす。

だが、相手は体力もあるうえ、物理と衝撃が通じない。

この敵をどうやって攻略すればいいのか……。

 

 

―――――――――――

 

 

=アルス&リーザ組=

 

 

グレンデルと戦闘中、こちらでも戦いが始まろうとしていた。

 

「……アベル」

 

「ああ、目の前のあれは、強い妖気を感じる」

 

リーザはCOMPを操作してサーチモードを実行し、悪魔を調べる。

 

「厄介ね。あれは破壊神チェルノボグよ」

 

「スラブ神話における夜、悪、闇を司る黒い神か」

 

【フォフォフォフォ……。ワシを追ってきたのは若い男女か。それに純正と混ざりの天使か】

 

純正の天使はアベルを指し、混ざりの天使は咲耶を指す。

 

【せめて、苦しんで死んでくれればジジイはより強くなれる。

 恐怖で塗りつぶされた魂は極上の逸品だからのぉ】

 

カタカタと笑うチェルノボグ。

リーザは腕を組んで、ジト目で黒い神の趣味を嫌悪する

 

「悪趣味な破壊神ね」

 

「……破壊神チェルノボグ、お前をここで討伐させてもらう」

 

【フォフォフォフォ。できるかの?ブフダイン!!】

 

剣を地に突き刺すと、巨大な氷塊がアルスとリーザに襲い掛かるが二人は避ける。

 

「「アギダイン!!」」

 

二人は同時にアギダインをチェルノボグ目掛けて撃ち、直撃させる。

チェルノボグの弱点は火炎属性、このまま押し切れば倒せるはずだ。

二人はもう一度、アギダインを唱えて撃つが―――。

 

【火炎ドレイン】

 

チェルノボグの前に赤いシールドが出現し、アギダインが吸収され回復したのだ。

 

「ウェイトスキル!?それぞれの属性に応じたシールドを張るスキルを持ってたなんて!?」

 

「……敵のスキルを把握できなかったのは、こちらの判断ミスだ」

 

これでは火炎系統の魔法や技が封じられた。

 

【では、これはどうかの?】

 

ドスッと剣を地に突き刺すと、影が伸びていきアルスの影とリーザの影が動き出し、二人の前に立ちはだかる

 

「……こんな芸当ができるとは、夜を司る神と呼ばれるだけあるな」

 

【では、ワシはしばしの眠りにつくかの……】

 

チェルノボグは"黒神の睡目"を使い、姿が消え剣だけが宙に浮いている状態になった。

リーザはチェルノボグが持っている剣に狙いを定めるが……。

 

「やめておけ、剣だけ狙ってもチェルノボグ自身に何もダメージは与えられん」

 

アルスが止めに入る、

影法師のアルスと影法師のリーザを先に倒さなければならない。

 

 

 

―――――――――――

 

 

=シェリル=

 

 

【ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!】

 

紫色の大蛇―龍王ユルングは口から凍てつき息を撒き散らし周辺を凍らせる。

シェリルは刃羅鬼丸を風車の様に回して、冷気を弾く。

 

「ハッ!!」

 

ユーラテが光の剣を投擲するが、強固な龍の皮膚に阻まれて弾かれる。

ユルングはユーラテに狙いを定めて、大きな口を開けて飲みこまんとかかる。

だが、一歩の所でユルングが止まりかけている。

みると、シェリルがユルングの体を掴み、脚を踏ん張って止めていたのだ。

 

「あの人、私を助けるために……」

 

外見で判断してしまった自分は彼(シェリルの中身が知らないので男だと思っている)に酷い事をしたんだろうと悔いていたユーラテ

ユーラテは距離を取り、光の剣を生み出す。

 

「皮膚がダメなら……ここはどう!!」

 

ユルングの左眼へ投擲し、貫いた

 

【ギュガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!?】

 

左眼に激痛が走り、暴れだすユルング、シェリルは転がりながら、退避する。

だが、ユルングが無茶苦茶に尾を振りかざしているせいで大地が抉れていく。

その尾が、カスティー目掛けて振り下ろされようとした。

 

「うわああああああああ!!」

 

「カスティー!!」

 

ユーラテは急いで彼の元へと向かうが……間に合わない。

 

―――ドスンッ!!

 

 

―――――――――――

 

 

=ドルキー&望紅組=

 

 

「しかたねぇ、とっておきの用意するか」

 

ドルキーは懐から巻物を取り出し、広げる

 

「それってなんだ?」

 

「報酬に貰ったスキル伝授の巻物だ。まぁ、何が出るのかお楽しみだ」

 

ドルキーはフムフムと巻物を読む、ニヤリッと笑う

 

「ラッキー、"貫通"スキルをゲットしたぜ。これであのデカブツを倒せる」

 

「なら、早速……!?」

 

望紅はグレンデルの狙いが崇仁とレイナーレに定め、襲い掛かろうとした!!

グレンデルの手が二人に伸びて、掴みに掛かろうとしたが望紅が二人を突き飛ばし、捕まってしまった

 

「「望紅さん!!」」

 

グレンデルは握力を強め望紅を痛めつけている

 

「あ……ぐぅぅ……!!」

 

ギリリリッ!!

 

「うああああああああああああっ!!」

 

更に握力を強め望紅は悲鳴を上げる。

 

―――ザシュ!!

 

望紅を掴んでいたグレンデルの手が斬り飛ばされ、ドルキーは望紅を抱きかかえる。

 

【ヴオオオオオオオオッ!!?】

 

失った手の痛みに激しくもだえるグレンデル。

 

「……望紅を頼む」

 

崇仁とレイナーレに託し、帽子を深く被り彼の足元に風が大きく渦巻く。

 

「よくも、やってくれたなデカブツ!!」

 

巨大手裏剣トゥインクルスライサーを持ち構えて、グレンデルへ向かう

残った手で、ドルキーを殴りにかかるが跳躍し、構える。

 

「紅葉奔(もみじばしり)!!」

 

トゥインクルスライサーを投げ、グレンデルの身体を奔り切り裂く。

ドルキーがトゥインクルスライサーをキャッチし、地面に降りると同時に―――グレンデルの体はサイコロの様にバラバラに切り裂かれ灰となった。

 

「女を泣かせるようなことすんなよ」

 

 

―――――――――――

 

=アルス&リーザ組=

 

影法師アルスは黒いサーベルを抜きアルスに斬りにかかり、影法師リーザは黒い鞭を取り出し、リーザに襲い掛かってくる。

二人は影法師の攻撃をかわしつつ、反撃を加えている

何故、こんなにも冷静なのか?二人は修行時代、シンディの言葉を思い出す。

 

――相手が自分と同じ攻撃しても、焦らなくてもいい。

  真似を攻撃してくるという事は、自分が最も解りやすい癖や弱点を出す。

 

(俺の弱点は――――) (私の弱点は――――)

 

二人の影法師は強力な攻撃を仕掛けようとした時、アルスとリーザは動き出す

 

((溜め攻撃が長い事―――!!))

 

アルスは影法師アルスの首を斬り、リーザは影法師リーザの両腕を吹き飛ばし、腹部を貫く。

影法師たちは砂の様にれ落ち、消滅した。

 

「すごい……」

 

「冷静で的確に倒すなんて…」

 

アベルと沙耶は二人の実力にただ、驚愕する。

今度はチェルノボグが姿を現した。

 

【フォフォフォフォ……まさか、影たちを仕留めるとのぉ?

 だが、貴様たちの威勢もそこまで、後ろの者たちと共に死ねい!!

 ―――マハブフダイン!!】

 

剣を横に薙ぎ払うように振りかざすと、巨大な氷塊の波状が襲い掛かってくる。

 

「マハラギダイン!!」

 

リーザは猛炎を放ち、マハブフダインを相殺する。

 

【無駄なあがきを……】

 

次なる攻撃を加えようとするが―――――――ドスドスッ!!

 

【ぬぐぉ!!?】

 

腹部に光の槍が刺さっていた、アベルと咲耶が天使化して投擲したのだ。

 

「僕たちがいる事を」

 

「忘れないでね」

 

アルスはその隙を逃さず――――。

 

「散れ、ロッソ・アンダルシア!!」

 

サーベルの刀身が赤くなり連続で突き刺し、とどめの一撃を突く。

 

【ゴハァァァァァァッ!!まさか……ワシが敗れるとは……!!】

 

チェルノボグは黒い塵となり消滅し、手に持ってた大剣は地に落ちるとバラバラと砕け散った。

サーベルを軽く横に振るい鞘に収める。

 

「感謝するアベル、咲耶」

 

「いえ、お役に立てて光栄です」

 

アルスとアベルは握手する、リーザはCOMPを操作して、マップを表示させる。

 

「どうやら、ドルキーと望紅たちも無事に悪魔を片付けた様ね」

 

「後は、シェリルだけだが……彼女は何処に?」

 

「ここの湖がある場所で戦闘しているようね」

 

アベルと咲耶はその場所に覚えがあった。

ユーラテとカスティーがいる場所だ。

 

「その場所は僕たちも知っている場所で、仲間がいます」

 

「そうか、すまないが案内を頼む」

 

―――――――――――

 

=シェリル=

 

カスティーは恐る恐る目を開けると、目の前に鎧を身に纏った人物―――シェリルがいた。

ユルングの尾を掴んで、守っていたのだ。

シェリルはユーラテの方を向き、次にカスティーの方を見る

 

―――今のうちに退避させてというサインのようだ

 

「カスティー、今のうちに」

 

「う、うん」

 

ユーラテはカスティーの手を掴んで急いで退避する。

二人が安全な場所へ行ったことを確認したシェリルは力を込めてユルングの尾を押す。

ようやく痛みが治まったユルングは片方の目でシェリルを憎々しげに睨み唸り声をあげる。

 

(本気を出すしかないわね)

 

恥ずかしいけど、あの二人を助けるため。

シェリルは意を決して、鎧の胸部、腰部分、兜を脱ぎ捨てる。

 

「えええ!?あの人って女性だったの!?」

 

これには驚くユーラテとカスティー、シェリルは長髪をポニーテールに纏める。

籠手と脚部分だけは装備しており、黒のサポーターとスパッツ状態となる。

 

「覚悟をしてね」

 

刃羅鬼丸を振り回して、構える。

ユルングは口から凍える息を勢いよく吐くが、シェリルは避けて斬撃を次々と与える。

 

――脱げば脱ぐほど強くなるという訳ではないのでその辺は誤解しない様に。

 

「決める!!」

 

助走をつけて、ダンッと思いっきり踏んで跳躍し、大刀を頭上に掲げて丸ノコの如く回転する

 

「グランドスラッシュ!!」

 

そのままユルングを縦一直線に切り裂き地に着く。

アジの開きの様に真っ二つになり、黒い塵となり消滅した。

戦闘が終わり、脱いだ鎧を装着する。

 

「あの、ありがとうございます。僕を助けてくださって」

 

「最初の時、貴女の事を悪く言って、ごめんなさい」

 

カスティーは礼を言い、ユーラテは悪く言ったことを謝りシェリルはニコッと笑う

 

「大丈夫。二人とも無事でよかった」

 

それからドルキー、望紅、アルス、リーザ、崇仁、レイナーレ、アベル、咲耶たちとも合流して事件は無事に終わった。

 

 

~交流~

 

事件が終わった、翌日。

 

「この人たちが望紅さんの仲間なんですね」

 

「まぁな、修行時代に張り合った仲だったり支え合った仲でもあるな」

 

ハンターだったり、軍に所属していたりと経歴の持ち主ばかりだ。

 

「それにしても、彼女の事なんだけど……」

 

ユーラテの視線の先にはシェリルの姿だ。

兜も被っており、あの時の顔が見えない。

 

「彼女って、どうしても鎧を外さないの?」

 

「シェリルは顔や体とか見られるのが恥ずかしいのよ。

 あの時は貴方達を助けたいために外して本気になったからね」

 

リーザがそのことを説明する。

 

「鋼弥さんは今回は来ていないのですか……?」

 

「学園祭の準備とサイラオーグ戦のため、今回の依頼に参加できなくてな」

 

崇仁の疑問にドルキーがそう説明する。

アルスは懐中時計を取り出し、時間を見る。

 

「そろそろ、我々の世界に帰還しなければならん」

 

「せっかく、異世界に来たんだからもう少しゆっくりしたぜ」

 

「駄目だ。長く滞在していればどんな影響が出るのか解らないぞ」

 

「悪いな、ドタバタしててゆっくり滞在できなくてさ」

 

「今度はお休みの時に遊びに来てください」

 

「ああ、鋼弥にも伝えておくよ」

 

ドルキーと崇仁は握手を交わし、ゲートを開いて自分たちの世界へと帰還した。

二度にも渡る異世界騒動はこうして幕を閉じた。

鋼弥たちの世界ではサイラオーグとの戦いが迫ろうとしている。




今回はそれぞれの場面展開に挑戦しましたが、目まぐるしくて解りづらかったかも。

本編も更新しますので、しばしお待ちください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。