ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~短編劇場   作:Mr.エメト

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今回もドミトリ様とのコラボ小説!!

時期的には本編のサイラオーグ戦後ですが、本編のネタバレはありません。
逆にシェリルの能力が明かされる話です。

まずは前編からどうぞ~。


黒と白の羽根【前編】

サイラオーグ戦と学園祭が終わった数週間後――――。

 

=魔界中央・ハンター本部=

 

今回は鋼弥、タオ、リオ、カナン、珠樹、彗華、フィーナが集まっている。

フィーナまでも呼び出されるほどの任務のようだ。

 

「今回の任務だが……堕天使ウァラクを捜してほしいという依頼だ」

 

その言葉に他の皆は真剣な表情になる。

正確に言えばウァラクという悪魔を聞いていだ。

 

「ウァラクと言えば、ドラゴンを操る堕天使。堕天されても天使の姿を保っているのも特徴ね」

 

珠樹がウァラクの特徴を説明する。

 

「ウァラクの実力はSクラス……手強い悪魔だ」

 

魔界悪魔の強さは、高い順からS、A、B、C、D、Eとランクがある。

一部の悪魔や魔王、大天使、魔神、破壊神、邪神、龍神、鬼神、女神、魔人、英傑などはSSクラスとされる。

ウァラクの実力は―――Sクラスレベル。

 

「それで、ウァラクが迷い込んだという世界というのは?」

 

タオの問いに鋼弥は答える

 

「―――平行世界の駒王町だ」

 

 

◆◆◆◆

 

 

=平行世界の駒王町=

 

時刻は夜、半月。

はぐれ悪魔などの異常が無いか調べているルクーナス。

 

「異常は無し、と……」

 

任務を終えて、帰ろうとするが先に誰かいる。

月の光で徐々にその姿が見えた

 

「崇仁くん……?」

 

目の前の人物はレイナーレの夫であり、転生天使の佐藤崇仁だ。

だが、崇仁(?)はスッと右手を突きだし、手を広げると雷が奔る。

 

「むっ!?」

 

ルクーナスは左に避けると同時に、雷撃がルクーナスがいた場所へと直撃する。

焼け焦げた匂いと煙が上がる。

 

「なにをするんだ!?」

 

ルクーナスは問いかけるが、崇仁(?)は答えず両手から火炎を連続で放つ。

問答無用で襲い掛かる攻撃にルクーナスは避けるのが精一杯だ。

 

(おかしい……!優しい彼がこんなことを……!)

 

戦いや争い事が大嫌いな崇仁とは思えない行動だ。

止むおえないが、光の槍を作り出し投擲する―――が、天使の証である白い翼を広げて上空へと飛び立つ。

そして、彼は嗤っていた。獲物を痛めつけるという顔。

それに気を取られたルクーナスは反応に遅れ、眼前に迫っていた。

 

「しまっ……ぐわああああああああああああああっ!!」

 

ゼロ距離の雷撃を受けてルクーナスは倒れた。

意識を失いかけるが、彼の両瞳にある違いがあった……。

 

 

◆◆◆◆

 

 

~次の日~

 

=崇仁とレイナーレの家=

 

 

レイナーレと咲耶は二人で談話をしていた。

少し前まで、崇仁とアベルがいたのだが、二人はアザゼルに呼び出されて二人だけとなった。

 

「それにしても、アベルも崇仁くんも一体何の用で呼ばれたのかしら?」

 

そう疑問に感じる二人。

風が吹き、人影が見える。

 

「崇仁……?」

 

レイナーレと咲耶は先程、出て行った崇仁を見るが……雰囲気が違う。

 

【うん……いいね。君でいいかな?】

 

身体を広げると、バサッと天使の翼を広げる。

 

【けど……黒髪の天使はイラナイや】

 

そう言った瞬間、猛スピードで咲耶に迫り至近距離の電撃を放つ

 

「きゃああああああああ!!」

 

悲鳴を上げて、吹き飛ばされ倒れる咲耶。

 

「さ、咲耶さん!!」

 

レイナーレは駆け寄ろうとしたが、崇仁(?)が左手をかざし……

 

【シバブー】

 

緊縛魔法を唱えて、レイナーレの自由を封じる。

 

「か、身体が……動かない」

 

【フフフフフ……しばらく待ってて……ドルミナー】

 

催眠魔法をかけてレイナーレを眠らせる。

連れて行こうとするが―――――。

 

「烈風刃!!」

 

刃が飛んでくるが、それを回避する。

珠樹は刀を構えて、烈風刃を連続で放つがウァラクはスイスイと避ける。

 

「当たらない……!!」

 

鋼弥はウァラクの後ろに倒れている女性の堕天使レイナーレの姿を確認した。

どうやら、魔法で眠らせれているようだ。

急いで、彼女を安全な場所へと運ぼうと向かうが――――。

 

【近づいたら、この人を殺しちゃうよ】

 

ウァラクは卑怯にも咲耶を人質に取る。

これでは、手が出せなく鋼弥たちは仕方なく下がる。

ウァラクは咲耶をゆっくりと地面に置き、レイナーレを抱えて逃走した。

 

「くそ……!!」

 

シェリルは咲耶の呼吸や脈を調べる。

無事のようだ、軽い電撃でやられて気を失っていたようだ。

しかし、崇仁は何処に?

 

「なにが、あったの……!?」

 

第三者の声に振り向く鋼弥たち、シェリルはその二人を知っていた。

 

 

◆◆◆◆

 

 

=堕天使本部 医療施設=

 

 

「僕がルクーナスさんを!?」

 

「いや……正確に言えば君に似た人物だ。争い事を嫌う君のことは良く知っている」

 

崇仁とアベルは医療しているルクーナスに会っていた。

どうやら他の堕天使たちが彼を運んで、崇仁とアベルと話がしたく呼び寄せたのだ。

 

「けど、夜はレイナーレと一緒に寝ていました……」

 

「そうか……。だとしたら、あれは一体何なんだ?」

 

すると、扉が開かれ男性が入ってきた。

崇仁はその人物を見て驚く。

 

「鋼弥さん!!」

 

「ああ、久しぶりだな」

 

魔人アリス事件の時、出会った涼刀鋼弥と再会したのだ。

彼は道を開けると、シェリルは傷ついた咲耶をベットまで運ぶ

 

「咲耶!!一体何が……!?」

 

「私たちがレイナーレさんの家に行ったら、彼女がすでに……」

 

ユーラティとカスティーの二人も同行していた。

 

「崇仁くん……レイナーレさんが……」

 

「レイナーレが、どうかしたのか!?」

 

「……レイナーレは攫われてしまった。俺たちが追っていた悪魔に」

 

「……!!そ、そんな……!!」

 

崇仁は大きなショックに倒れかけようとしていたがアベルが支える

鋼弥は初めて会う人たちにこれまでの経緯を伝える。

そして、今回起きた事件を……。

 

「じゃあ、この間と同じように悪魔が現れたという訳か……」

 

「ルクーナスさんが襲った悪魔が単独なのか、それとも別のだったら厄介ね。

 私たちが追っている悪魔が一体だけではないという考えも……」

 

「俺が襲われた悪魔は……崇仁くんと似たようなものだが、右目が赤で左目が青のオッドアイだ」

 

"オッドアイ"という特徴に鋼弥たちは反応する。

 

「"それ"に遭遇したんですか……?間違いなく?」

 

タオがルクーナスに問う、ルクーナスは「ああっ…」と言って頷く。

鋼弥、リオ、カナン、シェリル、珠樹、彗華、フィーナはお互い顔を見合わせて、確証を得たという表情になる。

アベルが問いかける。

 

「咲耶とルクーナスさんを襲った人物について知っているのかい?」

 

「同時に言えば、私たちが追っている悪魔よ。

 それが堕天使ウァラク。誤解があるけど冥界の悪魔の方では断絶しているけど、

 彼は魔界の悪魔。それも堕天使族では高レベルの悪魔よ」

 

フィーナの堕天使と聞いてルクーナスが驚く。

 

「バカな!?堕天使の特徴である黒い翼ではなかったぞ!?」

 

堕天使の最大の特徴―――堕天した証である黒い翼。

だが、あの時のウァラクは白い翼だった。

 

「魔界の堕天使の一部の者は天使の姿を保っている者たちもいるわ」

 

「話を戻すけど、ウァラクを捕まえておかないと被害が増える。最悪――――殺すしかない」

 

"殺す"という言葉を言う鋼弥。

幾つもの修羅場や死線を潜り抜けた猛者だからこそ今の状況がどれだけ危険なのか解っている。

彗華は方陣を取り出し、ウァラクの居場所を探る。

 

「……ここから、北の廃墟となったビル街にいるわ」

 

 

◆◆◆◆

 

 

=廃墟のビル街=

 

昼間は不良や暴走族の溜まり場となっている場所だが、夜になると不気味さが増す。

レイナーレが目を覚ますと……自分の家ではなく廃墟の建物にいる。

 

【目が覚めたようだね】

 

月明りに照らされた姿は崇仁だが右目が赤で左目が青のオッドアイ。

そして、なにより魔力が明らかに上で鋭い

 

「あ、貴方は……誰なの?」

 

【僕かい?僕は堕天使ウァラク】

 

「それって……」

 

魔人アリスや三体の悪魔と言った魔界から来た悪魔ということに理解するレイナーレ。

幸いなのが、無暗に殺すような存在ではないので刺激させない様に話をする

 

「私を攫って……どうする気なの?」

 

【攫った目的?僕は君に惚れたから魔界に連れて帰ろうかと思ってね】

 

「駄目よ。私はタカヒトがいて、貴方といっしょに行けないわ。

 それに、こんな無理やりな事をしても……よくないわ」

 

【そうか……そうなのか……】

 

レイナーレは諦めると思っていたが―――ウァラクは最悪な答えを導き出した。

 

【じゃあ、そのタカヒトを殺せばいいんだね?】

 

「なっ!?」

 

【レイナーレはそのタカヒトが好きだから、僕を見てくれない。

 だから、タカヒトを消してしまえば僕の事を見てくれる

 簡単な事だよ、殺して奪えばいいじゃないか】

 

「違う、そうじゃないわ!!そんな事をしても貴方を好きにならないわ!!」

 

【じゃあ、君の人格と記憶を破壊して、僕の事を好きにさせればいい】

 

支離滅裂な答えを出すウァラク。

目の前の存在は愛する人と似ているが全く違う、残虐で恐ろしい悪魔だ。

今まで出会った悪魔の中で、最もだ。

 

【……さてと、外にいる連中を殺しに行こうかな】

 

ウァラクは外の方へと向く。

レイナーレは助けが来たのだと知るが――――。

 

(タカヒト……!!)

 

 

◆◆◆◆

 

 

廃墟へとたどり着いた鋼弥たち。

周辺を警戒しつつ、捜す――――。

 

「やぁ、君がタカヒトかい?」

 

月の光に照らされて、姿を現す堕天使ウァラク。

笑みを浮かべているが、眼は獲物を弄り殺す眼だ。

 

【おや……?僕の事を追いかけて来た人もいるのか?】

 

「堕天使ウァラク、お前を捕獲……さもなくば討伐する」

 

鋼弥は冷たい眼でウァラクを睨むがウァラクは余裕の態度だ。

相手のレベルを知らないのか、知っていたとしても楽しむかのどちらかだ。

 

【僕はレイナーレが欲しい。だから、君を八つ裂きに殺して彼女を貰う。けど…………君たちは邪魔だなぁ】

 

ウァラクは指をパチンっと鳴らすと……空に召喚の陣が描かれる。

ワイバーンの大軍が出現し鋼弥たちの方へ向かいタカヒトと分断させようとしたが―――。

 

「なんの!!」

 

タオは棍を地面に刺し、棒高跳びにしてタカヒトと合流する。

 

「タオ、タカヒトを守れ!!俺たちはコイツらを片付けて合流する!!」

 

「任せてよ!!」

 

タオは棍を振り回して、タカヒトを護るように前に立つ

 

【一人増えても、同じだよ。二人纏めて、殺してあげる】

 

ウァラクは不敵な笑みを浮かべ、両手から炎が燃え盛り、対峙する。

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