ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~短編劇場   作:Mr.エメト

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今回もヴァルナルさんとコラボストーリー!!

異世界帰りの一誠たちの前に現れたのは……!?



ザ・グレイトバトル~銀ノ牙~

新たな事件も終わり、調査報告が済んで、安息が訪れた。

鋼弥は異界ゲートを調べると、違和感があった。

 

「……やはり、誰かが、ここを通ったな」

 

事の始まりは、ルキフグスからのメッセージだ。

異界ゲートから、妙な魔力が感知されており、調べて欲しいとのことだ。

だが、調べると強力な魔力を感知した、普通ではない何かだ。

 

―――嫌な予感がする。

 

仲間たちには連絡をして、もしもの時に備えて、一人で異界ゲートへ入る鋼弥。

 

(待っていろ、一誠、皆!!)

 

アカラナ回廊を速く走る、鋼弥。

 

 

 

=???=

 

 

 

ゲートから現れたのは銀色を逆立てて首にマフラーを巻いた青年だ。

自分が知っている駒王町とは違うと感じとる男、―――自分が追い求めていた"ある存在"がここにいる。

 

「……まずは、奴をおびき寄せる方法か」

 

そう言いつつ、青年は町中にいる、"とある集団"を見つけて―――跳躍する。

 

 

◆◆◆◆

 

 

激戦続きの一誠たち、今は休息の時間である。

新たにモーリスとリーシャがこちらに来て、二人を街へと案内していた。

一誠は短い間だが別の世界の仲間――鋼弥たちを思い出す。

 

(あいつら元気にやっているかな……?)

 

一誠たちはフッと前を見ると―――共に四大天使の討伐した仲間である鋼弥が立っていた。

アリスは驚きつつも喜んでいる

 

「鋼弥?また、来たの?」

 

「彼は何者かしら?」

 

「涼刀鋼弥、リーシャとオッサンがここに来る前に共にある事件を解決した仲間だ」

 

リーシャの問いに一誠は答える。

何の連絡も無しに来たのはサプライズな事を?

そう考えていたが、鋼弥(?)はゆっくりと歩み、一誠を見定めている。

 

「……この世界の赤龍帝は格段に強いようだな。楽しめそうだ」

 

そう口を開き、ニヤリッと笑う。

 

次の瞬間―――シュッ!!

 

消えたと思ったら、一誠の首を狙い回し蹴りを仕掛けて来た。

一誠は伏せて、回避しつつ距離をとる。

彼の蹴りはブワッと風を巻き起こすほどの威力だ。

その余波はお店の窓ガラスに罅が入り、葉っぱが一瞬で微塵になるほどだ。

 

「―――ッ!!いきなりかよ!!」

 

「な、なにをするんですか!?」

 

突然の攻撃に一誠と美羽は驚き戸惑った。

 

「反応もいいようだな」

 

一旦距離を置いて、右手をコキリッと鳴らし、構える。

美羽は結界を張り巡らせて、外界と切り離す。

これで、周りの被害を抑えることができるが、さきほどの蹴りの威力を考えると……破壊される可能性もある。

 

一誠は鎧を身に纏い、対峙する。

男が先に動きだし、正拳突き、連続蹴り、踵落とし、といくつも体術を繰り出す。

一撃一撃が重く鋭く、目を離したら瞬く間に刈られる。

 

「いきなり、何考えているのよ!!」

 

アリスは槍を構えて、振りかざすが、男は無駄のない動きで避ける。

槍を脇でガッチリと止めて、左足を踏みこむと同時に掌底打ちで吹き飛ばす。

一誠はアリスを抱きしめて、キャッチする。

 

「アリス、大丈夫か!?」

 

「な、なんとか……、それにしても、アイツの拳、強すぎる」

 

槍を放り棄てて、歩む男。

祐斗、ゼノヴィア、ネコショウの力を解放した小猫、闇の獣を纏ったギャスパーは男を取り囲む。

囲まれても焦る様子はない男。

 

「少し、力を解放しよう……」

 

足元に召喚の陣が描かれていく。

 

「こいつは……!?」

 

以前、鋼弥も同じように自身を悪魔へと変貌する―――業魔化身。

 

「―――タナトス」

 

その名を告げると、男の背後に棺桶が出現し、その中へと入る。

棺桶がはじけ飛び、現れたのは―――。

4対8つの棺桶が翼となっており、銀色の王冠を被り、黒いコートを身に纏った死神が現れた。

 

【我が名は死神タナトス……。魂、斬られる覚悟はあるか?】

 

ショットガンを抜き、小猫とギャスパーを狙い撃つ。

二人は避けるが、タナトスはマハザンダインを唱えて、二人を吹き飛ばす。

 

「今度は……!!」

 

「私たちが相手だ!!」

 

祐斗とゼノヴィアが攻めるが、腰に下げている大刀を抜いて剣戟を繰り広げる。

タナトスは祐斗の剣速を見切り、ゼノヴィアの豪快な太刀技を捌く。

いや、徐々にタナトスの斬撃が速度を上げて、祐斗とゼノヴィアを押しているのであった。

 

【デスバウンド!!】

 

大刀を振り下ろすと同時に斬撃波が巻き起こりゼノヴィアと祐斗を吹き飛ばした。

 

――――桁違いに強すぎる。

 

素の状態も、業魔化身によって悪魔へと姿になっても。

しかし、鋼弥と同じ姿、同じ能力を持つこの男の正体は?

 

タナトスは大刀を地面に擦りつけて火花を出しながら歩む。

その時、一誠たちの前に銀色の髪を持つ男が現れた―――涼刀鋼弥だ。

 

「やはり……この世界を渡っていたのか」

 

【貴様もこの世界に来たのか。いや、報告では四大天使がこの世界に現れて、討伐したからな】

 

鋼弥とタナトスは会話をしている。

一誠は鋼弥の横に並び立ち、目の前の敵について訊く。

 

「鋼弥、アイツのことを知っているのか?」

 

鋼弥は一度、目を瞑り―――驚くべき言葉を放つ。

 

 

 

「あいつは涼刀嶺爾。―――――俺の兄だ」

 

 

 

「あ、兄!?」

 

その言葉を聞いて驚く一誠。

彼だけではない、美羽とアリス、他のメンバーも驚きを隠せなかったようだ。

 

「一つだけ言えば、相手は並の実力者ではない。

 力を貪欲なまでに、求めて戦う悪鬼羅刹と言える。

 故に……」

 

鋼弥は一誠を下がらせて、前に出て、足元に召喚の陣が描かれる。

親指をガリッと噛み、一滴の血を落とす。

 

「ここからは俺が引き受ける。――――来い、アンクー」

 

黒く輝く柱が鋼弥を飲み込んだ。

黒い柱が晴れると大きな黒のつば広帽子、背中には大鎌を背負い、黒いローブを身に包んだガンマンが現れた。

 

タナトスは大刀を構え、アンクーは大鎌を静かに構える。

静寂が支配し、風が吹く。

 

 

(BGM:通常戦闘~アマラ経絡とアマラ神殿~≪真・女神転生Ⅲ≫)

 

 

【【Kill You!!】】

 

 

その言葉と共に両者は駆け出し、武器と武器が激しくぶつかり合う。

アンクーは鎌に回転を加えて投擲、タナトスはそれを弾くが、アンクーは二丁のマグナムを連射撃。

タナトスは大刀で弾きお返しとばかりにショットガンをぶっ放す。

避けつつも、ビルの壁を駆けて飛び、曲芸の如くマグナムを撃つ。

タナトスは棺桶の翼で防弾、アンクーは鎌を構えて強襲し、振りかざすが大刀で鍔迫り合いをする。

 

 

距離を離れて―――元の姿へと戻り召喚の陣が描かれていく。

 

「コウ!!」

 

「ヴァスキ!!」

 

鋼弥は白い霊狗の神獣コウ、嶺爾はナーガ族の王ヴァスキとなった。

 

「また、姿が変わった!?」

 

「前の事件で見たアルトリア、アンクー、それと……白狗のコウ。一体、どれだけの悪魔と契約したのよ」

 

「……お互い、14体も契約を交わしたのですよ」

 

アリスの疑問を応える第三者の声が響く。

一誠たちそちらに向くと白髪をポニーテールに纏めて女の武人が立っていた。

 

「あ、貴女は?」

 

「私はシンディ・ハラオン。鋼弥が喋ったかと思いますが―――彼の師匠を務めています」

 

リアスの問いに答える女性の名はシンディ

この人が、鋼弥を鍛えたお師匠であることに驚く一誠たち。

シンディは前に出て、鋼弥と嶺爾の激闘を見て呟く。

 

「業魔化身を使える鋼弥と嶺爾。

 互いにその悪魔へと変生し、力と技をぶつけ合う……。

 それこそが、魔の力を持つ二人の戦い」

 

「でも……兄弟なのに、どうして殺し合いをしているの!?」

 

一誠と美羽は血は繋がってないが、本当の兄妹として接して、その絆は固い。

だが、二人は血の繋がった兄弟関係なのにどうして、戦っているのかだ。

シンディは哀しそうな顔をして、二人の経緯を語る

 

「……まだ幼い二人でしたが嶺爾は鋼弥に何も言わずに立ち去り、

 己に宿っている力を研磨し、魔界の名のある者たちを殺害した。

 指名手配となった嶺爾を倒すために、鋼弥はその任務を与えられた。

 二人は、出会っては命を奪う覚悟で戦い続けていたのです」

 

「そんな事があったのか……複雑な事情を抱えているなぁ」

 

その話を聞いてモーリスは険しい表情となる。

 

後に、冥界騒動の事件の際、嶺爾の真意を知ったのだ。

弟を護るために、汚れ役を背負った嶺爾。

兄を知ることができなく、己を赦せなかった鋼弥。

 

 

―――それでも、二人は戦う。

 

―――お互いに力を研磨して、来るべき刻のために。

 

 

一誠たちはもう一度、業魔化身の力を持つ二人を見る

コウは唸り声を上げて、爪と牙を駆使し、ヴァスキは尾を振りかざしたり、タックルをしかける

コウの口から火炎の息を、ヴァスキは凍える息を放ち均衡しつつ、爆発してお互い爆風に巻き込まれる。

 

互いに体制を立て直したかと思いきや……再び、元の姿へと戻る。

二人は次なる悪魔へと変生しようとする。

 

 

「ヒジリ!!」

 

「クレオパトラ!!」

 

 

鋼弥が変生したのは、日を知る者という意味を持ち。

太陽の司祭者や呪術者を指したとされ、学徳の高い僧侶の魔人。

紫のグラデーションが入った銀のロングウェーブ、白黒のゴスロリ風ドレス、表地が黒裏地が赤のマントを纏っている大人の女性だ。

 

 

嶺爾が変生したのは、古代エジプト最後のファラオにして神々を束ねる者。

穢れが無い白い身軽な服を纏い、雪のように白い肌、プラチナの様な長髪。

絶世の美女という言葉はこのためにあるだろう。

 

 

【……新たな悪魔ですね】

 

【我がマスター、嶺爾と契約した女神クレオパトラと申します。お手柔らかにお願いします】

 

【私の名は魔人ヒジリ。マスター鋼弥と契約した者です。よろしくお願いします】

 

互いに挨拶を交える。

だが、ビリビリとし、大気が震える。

 

ヒジリは懐から経巻を取り出し、広げると七色に輝く文字が浮かび上がる。

クレオパトラは右腕を天にかざすとコブラになっており、瞳が爬虫類となる。

 

【アギダイン!!ブフダイン!!ジオダイン!!ザンダイン!!マグダイン!!】

 

先に動いたのはヒジリだ。

火炎、氷結、電撃、衝撃、地変を唱えクレオパトラに直撃するが……対してダメージが通っていないようだ

 

【フフフ、残念。私は魔法耐性が強いのよ。今度はこちらから行くわよ!!】

 

右腕のコブラを鞭の様に振りかざす。

ヒジリは避けて、立っていた場所が陥没する。

いつの間にか近づいており、首を斬り飛ばすが如くの蹴りを放つがヒジリはガードして、防ぎ掌打で吹き飛ばす。

右手で星を描き、彼女の背後に8つの光剣が出現する。

 

【スターソーディアン!!】

 

クレオパトラを閉じ込めるように突き刺さり、眩い光の万能属性でダメージを与える。

硝煙の中から、クレオパトラは左手を突きだす構えをして―――。

 

【ダズルレイ!!】

 

左手から閃光が奔り、ヒジリに直撃すると彼女を呑み込むかの如く光の柱が奔る。

特大のダメージを受けて、片膝をつくヒジリ。

しかし、耐性を考えれば破魔属性は無効になるはず、どうして通ったのか!?

 

【どうして、ダメージが通ったと思う?私のダズルレイは破魔属性を貫通するのよ。

 ―――幾ら、耐性があろうともダメージは受けるわ】

 

即死は免れているが、それでもダメージを受けてしまったのは間違いない。

直ぐに体勢を整えようとするが、身体が痺れて立ち上がれない。

それどころか、化身が解けてしまい鋼弥へと元に戻ってしまう。

クレオパトラはゆっくりと歩み、止めを刺そうとするが……。

 

 

一誠たちが護るように前に立ちはだかる。

 

 

「一誠、皆、なにを!?」

 

「……この世界の人たちも貴方を護るために動いたのですよ」

 

「師匠、来ていたのですか!?」

 

シンディが鋼弥の傍へと寄り、介抱する。

一誠は鋼弥の方へと向いて、口を開く。

 

「シンディさんから、聞いたよ。鋼弥と嶺爾の関係を……戦い合っていたことも」

 

「事情を知ったのなら……戦ってはダメだ!!死んでしまうぞ!!」

 

幾度も戦い嶺爾の恐るべき強さを知っているからこそだ。

戦ったら、確実に殺される。

 

「それでも!!それでも、ダチを見捨てはしない!!」

 

一誠の熱い言葉に鋼弥は目を見開き驚く。

例え、違う世界だとしても熱い心を持つ性格は変わらないと。

 

「……すまない。一誠、皆……」

 

一誠は鋼弥の方を向いて、"安心しろ"っと強く頷く。

眼前の敵―――涼刀嶺爾を見る、いつの間にか悪魔の姿を解いて元の人間の姿になっている。

 

「くだらぬ友情ごっこは済ませたか?

 いや……お前たちの最後の会話になるかもな。

 それに、先の戦いで手も足も出せなかったのに勝てると思っているのか?」

 

「勝たなきゃいけないさ。別世界のダチを助けるためにさ!!」

 

一誠の言葉と共に、仲間たちもそれぞれの得物を構えて、嶺爾に立ち向かう。

嶺爾は静かに構えて、冷たい視線で一誠たちを見る。

 

「……鋼弥よりも先に貴様たちから片付けてやる。覚悟するがいい」

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