ハイスクールD&D 転輪世界のバハムート   作:生ハムメロン

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ルビ周りを少々修正(4/12)


2話

「アメリカから転校して来ました、飛龍(フェイ・ロン)です。日本語は多少出来ますが日本に来たのは初めてなので常識外れの行動を取るかもしれません。その時は直していきたいので遠慮無く指摘して下さい。よろしくお願いします」

 

 フェイがなんでこんな挨拶をしているのか。発端はリアスだった。

 

◇◇◇

 

「ここの常識を身につけるなら学校に通うのが一番ね。というわけでフェイ、貴方は駒王学園に通いなさい」

 

 何が『というわけで』なのだろうか。そんな表情を読んだのかリアスは楽しそうに続ける。

 

「学校は子供達がある程度世間に出ても不自由しないような常識を身に付けさせる一面を持つ施設よ、ここの常識を持たない貴方には丁度良いわ。それに駒王学園ならグレモリー家の融通が利くし。本当は小学校からの方がいいんだけどね」

 

 小学校とは6~10歳前後の子供が通う場所らしい。流石にそんな場所に混ぜるのは勘弁して欲しい。駒王学園の生徒は自分と比較的同年代中心らしいからまだマシか、とフェイは自分を無理矢理納得させた。

 

「勉強とかも1からやって貰う必要があるから1年生ね。あ、それと外国からの転校生にしましょう。それなら多少変わったことをしても文化の違いで通用するでしょう。それから――」

 

 リアスは楽しそうに"設定"――学園でつかう仮名や大体の受け答え内容まで――を細かく決められていく。楽しんでやがるなコイツ。

 

◇◇◇

 

 言語会話(タンズ)の呪文の効果はこの世界でも問題なく発揮しているようだ。同級生との受け答えにも問題はなかった。フェイのような者は珍しいのか色々と質問を受けるが、先だってリアスと決めた"設定"通りに答えていく。初日はつつがなく終了した……筈だった。

 リアスに用意して貰った住居に引き上げようとしたフェイの席に、一人の女生徒がやって来た。特徴的な白髪。フェイのクラスメイトで恐らく――

 

「塔城さん……で良かったか?」

「……はい。リアス部長に呼ばれているので一緒に来て下さい」

 

 関係者だろうな、今日の間コチラを観察しているようだったし。フェイは塔城に了承の旨を伝えると、案内をする彼女について行く。

 

「オカルト研究部で良かったか? リアスの部活は」

「はい。……飛君は部長とどんな関係なんですか?」

 

 リアスを呼び捨てにした為か軽く睨まれて詮索される。所属する組織の長を軽んじるような態度は彼女の部下の前でするものではないかと軽く反省する。そもそもオカルト研究部に所属するのもリアスの要望の一つだったから、尊重しなければならないか。

 

「ああっと、昨日会ったばかり……かな」

「冗談ですよね?」

 

 正直に答えたらまた睨まれた。実際昨日今日会ったばかりでこれだけ手配をしているリアス・グレモリーの影響力は相当大きいのだろう。通常なら信じられないのも無理は無い。少々気まずい雰囲気のまま、オカルト研究部の部室に到着する。

 

「失礼します」

「失礼します」

 

 扉をノックし塔城と連れだって中に入ると、オカルト研究部の中では3名の先輩(悪魔)が待っていた。

 

「ようこそ、フェイ。私たちオカルト研究部は貴方を歓迎するわ。それから――気付いていると思うけど今の部員は全員私の眷属よ」

「あらあら部長ったら。初めまして、3年性、姫島朱乃ですわ。いちおう副部長も務めております、以後お見知りおきを。それとこれでも悪魔ですわ。」

 リアスの紹介を受けて、軽く微笑みながら長い黒髪を纏めた落ち着いた雰囲気の少女が挨拶をしてくる。続けて顔立ちの整った金髪の男子生徒が挨拶をする。

 

「木場悠斗、2年生です。動ける男手は僕一人だったから君が来てくれて嬉しいよ。あ、あと悪魔です、よろしく」

「1年の塔城小猫です。クラスメイトですが改めてよろしくです。……悪魔です。」

「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵。よろしくね、フェイ」

 

 続いて一緒に部室に入ってきた塔城が先輩達に並び、挨拶をしてきた。最後にリアスの堂々たる挨拶。それを受けてフェイも挨拶を返してみるが……

 

「1年に編入しました飛龍です。人間です」

 

 ……少々気まずい。そういえばこの部員達にはどこまで事情を話して良いのだろうか。

 

「部長、どこまで話していいんですかね?」

「言ったでしょう?私の眷属しか居ないと。貴方に不都合がなければどこまででも構わないわよ」

「……わかりました。では改めまして。本名はただのフェイなのでフェイと呼んで下さい。自分は悪魔ではありませんが堕天使などの超常の存在と闘う能力は持っています。悪魔としての仕事の手伝いは出来ませんが、そちら側で助力するよう部長に頼まれていますのでよろしくお願いします」

 

 まあ異次元界の事そのものや、異次元界の竜神とはいえ、わざわざ悪魔相手に神の信徒と名乗ることもないだろ。ここに呼ばれている時点である程度あちら側の存在だとは思っていたのだろうが、人間の戦闘要員だとは思っていなかったらしい。リアス以外の者が三者三様の驚きを見せている。

 

「フェイ君は何を使って闘うんですか?」

 

 3人を代表したのか塔城が尋ねてくる。

 

「素手格闘、及び魔法ってところだ」

「あら、フェイも魔法を使えるの?」

 

 リアスが口を挟んできた。言ってなかったかな? モンクとしか言ってなかったかもしれない。

 

「俺は竜の血を引いているので。魔術師(ソーサラー)でもあるんですよ。尤も遠距離で呪文の撃ち合いをするよりも、拳に呪文を纏わせたりして近距離で闘う方が得意ですが」

「……本当に人間ですか?」

 

 本当に人間だよ。塔城の突っ込みに心の中で返す。前の世界(大いなる転輪)の身の回りには師匠を始め人外かギリギリ人間(人外と紙一重)しか居なかった気もするが。

 

「思った以上に拾いものだったかしらね?」

 

 リアスの言葉にフェイが肩を竦めるのを見て、姫島があらあらと笑う。穏やかな時間がながれる中、ふと気付いたのでリアスに尋ねてみる。

 

「そういえば昨日助けた少年はどうなったんですか?悪魔転生させたんですよね?」

「ああ、イッセー?この学園に通ってるわよ。元々この学園の生徒なのよ」

「兵藤一誠君、2年生ですわ。彼は転生したばかりなのもあって、過度に接触せずに様子見中です。しばらくすればオカルト研究部の新入部員としてやってくる筈ですわ」

 

 兵藤一誠というのか。そして先輩か。姫島が言った兵藤の現状にとりあえず納得する。彼の生前は知る由もないが、悪魔になったら何か変わるのだろうか。とりあえず知っているか?と隣に座った塔城に目線で問いかけてみる。

 

「……転生前からあまり良い評判を聞かない人です」

「まあ、大分個性的かな」

 

 木場のフォローがあまりフォローになってない気もするが、これは悪魔に転生した人間の素行の参考にするなって事だろうか。兵藤の件も含め、しばらく様子見か、とフェイは結論づけた。

 

 ――数日もしないうちに兵藤一誠の学校での評判はフェイの知るところになった訳だが。

 




次で一誠とフェイの初対面です。

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