For Your Happiness   作:皆斗

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勃発〜sudden occurrence〜

 

 

二日後

「瑠璃姫様!湊真様!バージスが攻めてきました!いかがいたしましょう?」と兵士が慌てながら王室に飛び込んでくる。

「はじまってしまったのですね。」と瑠璃。

「敵兵はどうなってる?」と湊真。

「数は2000程度です。おそらく海の道を使ってくるのではないでしょうか?」と近衛兵が視認可能な敵兵の数を告げる。あくまでこれは"視認可能な"である。

「晃政どう思う?」と湊真は言う。

「そうだな~。海の道はフェイクだろうな。ほとんどそこには来ない。敵は海を泳いで渡ってくる」

晃政は言う。

(海を渡る戦法か。随分大胆な作戦じゃないか。兵士の体力を消耗するが、確実に奇襲を成功させて長引かせない点リスクはあるが、うまい作戦だ。

上手くやられたらこちらにとって痛手になるのは間違いない。

晃政の情報があって助かったな。)

 

それを聞いて湊真は指示を出す。

「海道に配置する人数を最小限にする。他は昴、俺、慧斗、慶星の指示に従い海岸を警戒。海道部隊は柚樹が指揮しろ。」

「了解!」

全部隊が城を出発し、それぞれの配置に移動する。

 

 

1人城に残った湊真は、自室に戻り、作戦まで待機することにした。

1人と言っても、大将格が1人という事だ。

もちろん、給仕の人、つまりメイドや執事、料理人、その他もろもろは城にいる。

兵の300程も城に常駐していた。

 

ほのかもそのうちの一人であるが、彼女は扱いが違う。

彼女は魔導師で、位階としても大将補佐という高い地位である。

この国、ラピスの位階制度

以下の通りである。

 

王族

大将

大将補佐

小隊長クラス

研究所所属学者

近衛兵

一般兵

 

これは軍の位階制度であり、一般人はこれに含まれない。

 

部屋で待機。

彼の役目はまだ来ない。

今回の戦い、彼は遊撃部隊として存在する。

各大将に敵の大将が一対一になるとは限らない。だからこそ、そこに加勢し、一対一の状況を作るためにいるのだ。

大将の中で唯一高速飛行が可能な俺だからこそできる役目だ。

 

「湊真さん」扉越しに呼ぶ声が聞こえる。

ほのかだ。

「ん?なんだ?」

「戦闘が始まりました。」

「予想外だな。わかった。すぐいく。」

返事をすると、ベッドから起き上がり、武器を手に部屋を出る。

大理石の廊下をほのかを連れて城門まで移動する。まだ3月後半。春だとはいえ、日の当たらない廊下は冷たく、戦闘用の服ではやはり寒い。戦闘服は、薄く強固な布地に、ショルダーガード、ブレストプレート、アームガード、レッグガードといった金属の防具が軽く付いているような物で、普段着の方が明らかに暖かい。

そうこう考えてる間に城の門まで到達した。

「いくぞほのか」

「はい」

ほのかの返事を確認すると、ほのかを抱き上げる。非常事態だとはいえ、少し恥ずかしい様子のほのかを湊真は気にしない。重心を確認し、足の裏と体の中心を意識する。すると、湊真の体が宙に浮いた。

そこから一気に飛び上がり、加速。

戦場へと一直線に飛翔する。

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