二人来たのはやはり海の道だった。柚樹一人では対応はできない。
湊真が戦場へ到着したと同時に指揮権は湊真へと移る。
「全員攻撃準備!!敵がくる」
部隊に指示を出した。そのときだった。雷の魔法が飛ぶ。
同じ系統の魔法を瞬時に構成し、襲い来る魔法に対抗し打ち出す。
ぶつかりあった雷一瞬拮抗しあい弾け飛ぶ。
魔法を撃ってきたのは聖貴だ。
「聖貴。止まるきはないのか?
こんな事をしてなんになる?」
「湊真、もう遅いよ。俺達は蜜羽のために戦ってるんだ。お前だって守るものがあるだろ?」
「それは、わかる。でも、ここで止める。聖貴悪く思うなよ。」
「悪いな湊真。8年前とは違うんだよ。」
「本気で来いよ。聖貴。」
柚樹の部隊から、聖貴を引き離し、一対一の状況を作り出す。
周りには何もない。思いっきりやれるのだ。
こうなれば、湊真は気楽だった。
天に魔法陣を展開し、雷撃を聖貴に落とす。
それを、軽々と避ける聖貴。
「さすがだな湊真。だが!
」聖貴も負けじと詠唱をし、魔法で攻撃をしてくる。
「どうやら、魔法じゃ決着つかないな。」そう言って湊真は腰の刀に手を伸ばす。
「そうだな。」聖貴も背中の直剣に手を掛ける。
「ごめんな聖貴。お前じゃ相手にならないよ。ぐはっ…なんだと⁈」そう、聖貴に向かって言った瞬間だった。背後を突かれ、聖貴の刃が湊真の心臓に深々と刺さる。
「ざんねんだよ湊真。お前の8年と俺の8年はちがうよ。」そう言う聖貴。明らかに勝ちを確信し油断しきった表情である。
「こっちこそ。ざんねんだよ」聖貴の首に刃を突きつける。油断した好きを狙ったのだ。
「やはり分身か。負けたよ。」
「油断しすぎだよ。」
「殺せ。俺を」
「いや殺さないよ。仲間になって欲しい」と湊真は提案する。
「俺を仲間に?
何をする気だ?」と聖貴は首をかしげ疑問の表情を浮かべる。
「天下二分の計だ。」
はっきりと口にする湊真。
「は?本気で言ってるのか?」
不可能だと言いたそうな顔で湊真を見る聖貴、
「無理だって言いたいんだろ?それでもだ。」
強い意志が感じられる湊真の言葉に、聖貴も折れてそれを受け入れる。
「わかったよ。手伝うよ。けど、蜜羽達とは戦いたくない。」聖貴が言う。そちらも譲れないようだ。
「わかってる。最後の戦いが終わったら。俺らが半分の領土を確立したら蜜羽達のところへ戻ればいい。」と湊真は言う。
「ありがとう。」手を取り合う聖貴と湊真。
上空で待機していたほのかが、降りて駆け寄ってくる。
「あれ?ほのかちゃん?」
聖貴が彼女に尋ねる。
「はい!お久しぶりです聖貴さん!」8年ぶりの再開である。
「随分大きくなったねー。」
「そーですかぁ?まぁ、8年ですからね!」
「とくに、む・・ぐぁっ」聖貴が言い切る前に、腹に一発ケリを入れて止める湊真。
「やめろ。ほのかが真っ赤じゃないか」
途中まででも、聖貴の視線でわかったらしく、恥ずかしそうにするほのかに気を配る。
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「行くぞ!この国のために。瑠璃姫様のために。」部隊を突撃させる。相手は憲哉だ。
「こちらも展開する。押し負けるな!」憲哉も部隊を展開する。
「憲哉は俺が相手をする。お前らは敵部隊を。」と慧斗は指示する。憲哉もそれを指示する。
そして、少し離れた場所で俺達は戦いを繰り広げる。
「憲哉!お前を先に行かせるわけにはいかない。この国を守るため」そう言って慧斗は自分のガンソードと呼ばれる特別な剣を抜く。
「慧斗。俺は先に行く。この大陸を平定するんだ。争いのない大陸にするんだ。」憲哉は背中に背負った大剣を振り下ろす。常人では持ち上げることも困難なほどの大剣を振り回す。それを可能にするの抜かりなく鍛えられた上質な筋肉だ。
「俺達も平和を願ってる。」慧斗は振り下ろされた大剣をやっとの思いで薙ぎ払う。
「願うだけじゃ何も変えられない!思いだけでも力だけでもだめなんだ!」憲哉さらに攻撃を繰り返す。
「願ってるだけじゃないさ。
俺達は必死に方法を探してる。恐怖による支配じゃなくて、もっと優しい平和を。」慧斗は必死にその剣撃受け流し答える。
「そんな甘くないんだよ!」憲哉は言う。そして、蹴りが慧斗の腹に入る。
「ぐはっ……例え、偽善だとか言われようとも、貫けばきっと実になるんだ!」負けじと慧斗も憲哉の脇腹に蹴りをいれる。
「ぐっ…。俺だって・・・・・嫌だよこんな世界は!!」
『バァンッッ!』破裂音がした。
周りの戦闘が激しくなっている。
慧斗は焦り始める。
「長引かせるわけにはいかないな・・・・・。」意志の力をガンソードからエネルギー弾にして打ち出す。それに憲哉は、
「あぁ、そうらしいな」憲哉も大剣に力を込め剣撃を打ち出しエネルギー弾を真っ二つにする。完璧に切ったはずだった。
その攻撃が憲哉を吹き飛ばした。地面には叩きつけられた。
「くそ・・・・・視覚ずらし【ファントムミラージュ】か。」慧斗の技。【ファントムミラージュ】はその名の通り相手の感覚をずらす能力。それが、相手に切ったと錯覚させたのだ。
「危なかったよ。」
「やるじゃないか。撤退だ。」そう言うやいなや、突如茂みから配下が現れ、憲哉を連れて消えた。
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敵は来ない。退屈な時間。だが、柚樹はここに来て思い出してしまう。8年前に死んだ明日美の事を。2人でよくここに来た。とても可愛かった明日美。優しかった明日美。僕の……
「柚樹か。てっきり湊真がくると思ったぜ。」と目の前に現れた響夜が言う。
「そんなに湊真がいいか?
悪かったな僕で。でも、君を倒しちゃうよ。」
「君にできるかな?明日美を忘れられない君に。過去にとらわれた君にさ。」と響夜が揺さぶる。
「とらわれてなんかいない!
俺はただ明日美が好きなだけだ!」小刀を取り出し攻撃をする。カキッン。
「残念無念また来年!」
「えっ?ぐはっ…何だと?」何があったのかわからず柚樹はそのまま倒れる。柚樹の背中を貫いた光の槍は肉体を傷つけることなく敵の精神を攻撃するのだ。
「過去にとらわれた君は俺を倒せない。隠れてないででて来いよ。晃政。」
響夜はある気配に気がついた。見えるはずもない敵の名を口にする。
闇から現れた晃政は
「ばれた?でも、そんな事を言ってもさ無駄だよ。君は僕には勝てない。」と、そう言って自分の周りに黒い剣を無数に出現さする。そして、そのまま響夜に刺す。反応が間に合わない。それもその筈、闇から逃れることは出来ないのだ。響夜の反応速度を超えた剣は避けられやしない。
「くそ。だが、俺がやられたとしても・・・・・。」と響夜は消え入りそうな意識の中で最後の言葉を口にする。
「大丈夫だよ。急所は外してあるから。おい、響夜の部下ども!」そう言って響夜の部下と思わしき黒装束の者を呼ぶ。
「連れて帰れ。命まで取る気はない。」
晃政は敵を逃がした。
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「お前と戦うとはな。8年前を思い出すよ。河原で喧嘩したな。ほんの些細なことだったのにな。輝琉お前を倒す。」
「昴。お前を殺すぞ。いいのか?」二丁の銃をむける輝琉。
「構わないさ。死ぬ気はない」
そう言って二本の刀を抜く昴。
バッン!キーン!打ち出された弾を刀で払う。
「やるじゃね~か。だが、これならどうだ。白虎乱撃!!」そうして輝琉は常人では反応不可能なスピードで弾を打ち出す。いや、速いだけじゃない。分裂もしているんだ。かなりのスピードで。それを昴は正確に軌道を読み撃ち落とす。
「おーやべ。なんつって。青龍斬二式」昴の青いエフェクトを纏う剣撃が繰り出される。
「だが、これならどうだ。白虎乱撃翔!!」輝琉は空に向けて白虎乱撃を打ち出した。そうしてそれは昴を目掛けて降り注ぐ。
「おいおいおいおい。まじかよ?ありかよそれ。でも、龍翔蓮撃斬!!」昴は地面を蹴り銃弾を切り裂く。ドドドーン‼それに驚いた様子の輝琉
「嘘だろ?これまで止められるとはな。あの技を使うハメになっちゃうな」そう笑う輝琉。
「はっ。来いよ。どんなに強くても無駄だよ」
「わるいな。これは今までのとは違う。」すると、銃の前に魔方陣が現れる。そして、銃弾がその魔方陣を通る。その銃弾は炎をまとう。
「ちょっと。やばいね。それにそのスピードだから風の影響で火力はさらにますんだね。でもね、軌道は読んだ。 ぐっ。何でだ?軌道は読んだはずなのに」腕をかするくらいですんだが痛みはかなりのものだ。
「だれが言った?炎をまとうだけだって?」
「だな。だけど忘れてないよな?俺が炎属性だって事を。」そう言った瞬間、昴の身体が炎に包まれる。
「そうだったな。だが、たかが炎を纏ったくらいで。」輝琉は油断した。そんな輝琉を昴は容赦しない。
「双刃炎舞二式!続けて、狼牙天炎衝!」輝琉に反撃させずに右斜め上からの切り下げ、左斜め上からの切り下げでエックスを描き、狼牙天炎衝で、吹き飛ばし海に落とす。
「やりやがったな。覚えてろよ!」そう言って潮に流される輝琉。この場所でも戦いはラピス軍の勝利に終わった。
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慶星の前には懐かしい女の子が立っている。その娘は可憐で瑠璃に勝るとも劣らない可愛さの持ち主だ。その娘の名前は蜜羽。8年前に戦争に巻き込まれた慶星達の幼馴染。部隊は敵の部隊と戦闘に入っている。
「慶星。久しぶりだねこんな形で再会するなんて、でもこんな時代だからさ。」と蜜羽。だが、慶星はふざけた口調で、
「まあ、君を無傷で倒せば成長の具合と確認できるからいいんだけどさ」と言う。
「そうだね。けど、まだ初めてをあげる気はないよ。それは本当に愛し合う人としたいからね」
「まあ半分冗談だけどさ。ははっ。」慶星は長剣を構える。
「そうなんだ。やる気なんだね。」そして蜜羽も刀を抜く。だがそれはただの刀では無い。魔力を纏う刀だ。
「冗談言うなよ。」
「うるさいなぁよ?その口とじられないの?」そう言う蜜羽に言われる。
「口を閉じるなら唇でな。女だろ?」とふざけたつもりだが、
「ちゅっ。」本当にされるとは思わなかった。すると蜜羽の身体が輝き始める。そして光の翼を展開し風を纏う。
「はぁ?何だよそれは。まさか」
「そうだよ。瑠璃ちゃんと同じ力だよ。エンゲージ。あなたの生命エネルギーを力に還元する力」やばいな。
「ちくしょう。まじでぇ?」剣を振ろうとする。だが、
「えっ?あれ?力が抜ける。」と倒れる俺。
「ごめんね。力を貰うって知ってたよね?あれ、言ってなかった?」笑いながら蜜羽が言う。
「まだだ。まだ力は残ってる。月下雷斬‼」力を振り絞り一撃を放つ。だがそれはいとも簡単に止められた。そして、
「ごめんね私の勝ち風来斬烈波。」襲い来る風に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。蜜羽の一撃で慶星は意識を失った
「我が生涯に一片の悔いなし…
……」
「この辺でいいかなぁ。退散しようか。
全軍撤退!‼」
好調とも思われた戦況は慶星の守る北西海岸の敗北によって崩されたが、突然の撤退から、大敗を着せずに済んだ。大将が誰も死んでないのが幸いだと思われたが、そこまで都合よく行くはずはなかった。