大将が誰も死んでないのが幸いだと思われたが、そこまで都合よく行くはずはなかった。
その通りだった。大将補佐の柚樹がやられたのだ。
聖貴との戦闘後。伝令役が戦況を報告に来る。
「湊真様。戦況を報告いたします。慧斗様、昴様共に撃退に成功しました。慶星様はなんとも言えないですね。体力がつきたようです。晃政様は敵を倒しました。ですが……柚樹様は…」
そう言う部下に湊真は聞く。
「大丈夫なのか?」
「息はあります。ですがかなり危険な状態です。」湊真は苦笑いで誤魔化すのが精一杯だった。そのまま湊真は柚樹の元へと走った。そして、柚樹の元へたどり着く。すでに治療が終わっていて一命はとりとめたようだが、意識がもどらないらしい。
「柚樹‼ 死ぬなよな‼ なあ、またさみんなで花火みようぜ。騒いだり楽しんだりケンカしたりしようぜ。もどって来いよ‼」
〜〜〜〜〜〜〜
ここはどこだ?何も見えないよ。真っ暗だ。暗い。自分の声だけが響く。僕はその場にうずくまる。すると、声が聞こえてくる。その声は懐かしく愛おしい。
「柚樹、柚樹。私の柚樹」
「その声は、明日美だよな?
教えてくれよ。ここは何処なんだ?真っ暗で何も見えないんだ。」
「ここは無だよ。死人が来る場所。でも、あなたはまだ死んでない。柚樹、過去に囚われないで。私の事は忘れて。」
「出来ないよ。明日美との思いでも何もかも忘れたくないんだ。」
「けど、その結果あなたは死にかけている。」
「君と一緒に居れるなら死んでもいい。」
「私の事をまだ好きなの?けど、あなたが死んだらみんなが悲しむよ?」
「けど、、、、」
「ねえ、契約をしましょう?」
「契約?」
「私は吸血鬼。私には主がいない。だから、私の主になってよ?」
「僕が主に?」
「そう。代償の代わりに、あなたはそれ相応の力を得る。湊真達にも引けを取らない力を」
「わかった。君の主になるよ。
だから、そばにいてくれ」柚樹はあっさりと答えを出してしまう。それがどのような結果になるかは今の彼にはまだわからなかった。
「うん。じゃあ、契約成立。あなたの血をもらうよ。」そう言って明日美は僕の首筋から血を吸う。
「痛っ」
(そして僕は目を覚ました)
「柚樹!よかった。」湊真が嬉しそうに言う。
柚樹はおもむろに立ち上がる。
「湊真話があるんだ。あ、みんなの前で話したいからまずは、城に戻ろう。」
〜〜〜〜〜〜
城に到着し、みんなの前で柚樹は見た事もない魔方陣を展開。そこから現れたのは、驚くべき人。人と言っていいのかは疑問であるが。
柚樹は事情を説明する。柚樹は力を手に入れていた。明日美との契約によって。明日見るは昔と変わらず元気だった。容姿はだいぶ大人になった。
話が落ち着いたところで、湊真は城の外に出た。