緋弾のアリア  《鼠の書く舞台》   作:通りすがりの床屋

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3弾目 鼠と遠山の邂逅Ⅱ

キンジはまだ俺を警戒しているようだ

こんなにも無害アピールしているのに解せぬ

通常状態の遠山は雑魚で馬鹿だと思っていたんだけどな

腐っても探偵科(インケスタ)ってわけか

 

「なんで俺に接触(コンタクト)してきたんだ?」

 

探偵らしく相手の腹を探ろうと質問を投げてくる遠山

でも駄目だな仏頂面ではなく何気なく相手に疑問も考える間もなく上手く質問しないとだぞ

才能ない俺のは方法はわからんがな

 

「ジャンヌと理子が世話になってる男に礼くらいは言うさ」

 

「あの二人と知り合いなのか」

 

遠山はなるほどと納得したような顔をしている

 

「というのは建前でじぃさんと戦った男と曾孫の顔を拝みにきた」

 

本音を口にすると急に警戒された解せぬ

 

「それよかアリアはいないのな」

 

「アリアは一回も見舞いに来なかったぞ……」

 

「それは知ってる。イ・ウー関連で走り回ってるってな」

 

ただでさえ不機嫌そうな顔が余計険しくなっている

こいつ自覚はないだろうがアリアにラブしてんなわかりやすいやつだ

流石に退院する今日くらいは顔を出してワトソン君を迎いに来るものと思っていたが別件で手こずってるのかね

 

「キンちゃん、ご退院おめでとうございます!」

 

「あ、ああ。ありがとな、白雪」

 

病院のロビーを出るとジャパニーズ大和撫子が半泣きのお辞儀で遠山を出迎えていた

遠山の幼馴染みにしてHSS状態の遠山の毒牙にかかった一人

遠山の何がよかったのかわからんが箱入りのお嬢さんはチョロインと相場が決まっているらしい

……うちの真理音も箱入り娘だった気がするけど例外なんだろうな

このチョロインはジャンヌ曰く卑弥呼の子孫だとか

そして『星伽の巫女』は『緋緋色金』を管理してるだとかなんとかとヒルダが言っていた気がする

ぶっちゃけ、ほぼ忘れたけど覚えるほどのことじゃなかったはず

夾竹桃曰くジャンヌの嫁

流石にそれはないわー遠山にぞっこんラブして御座るよこの巫女さん

しかし、だからこそ、ジャンヌとアレする感じのアレは非常に背徳的で美味しい展開

このあと少し手を打っておくさ

 

「あ、あのキンちゃんその人は……?」

 

「あー、こいつはだな……」

 

「初めまして星伽の巫女殿。私は今し方遠山の友人になった灰塚 礫と申します」

 

営業スマイル全開で自己紹介しておく

印象がガラッと変わったことで遠山は絶句している

二重人格とは失礼な猫くらい誰だって被るだろうが戯け脚本家舐めんな

 

「灰塚?どこがで聞いたことがあるような……」

 

どうやら星伽の巫女は俺か娘の名前を耳にしたことがあるようで思案顔になっている

どれが出るかな

 

「……『虚飾』」

 

ボソッと星伽の巫女は溢す

 

「……なんで知ってんだよ」

 

俺には『脚本家の鼠』以外にも通り名がある

『虚飾』

そう呼ばれたのはいつぶりだろうか

一か月ほど前だったかもしれない

あれ、割と最近じゃね

 

「おい、灰塚『虚飾』って何のことだよ?」

 

こいつ虎穴に足を踏み入れるのが趣味なんだろうか

星伽の巫女は探るような目で俺を見ていた

が、ときどき遠山のほうを見ては顔を赤らめていた

なんだろうムカつくなこれ

 

「中二病で検索するとわかるさ。そんなことより遠山、単位足りてないみたいだぞー」

 

「は?」

 

「え?」

 

正直に教える義理はないので教務科の掲示板を指差し話をすり替える

 

『 8/20時点での単位不足者 遠山金次 専門科目(探偵科) 1単位不足 』

 

遠山は掲示板に張り出されている紙に飛びつき愕然とし、ちょっ……おまっ……なんだよこれ!という顔をしている

星伽の巫女も俺の品定めをするのを忘れて目を丸くしていた

 

「き、ききキンちゃん!た、たた単位が!たたたんたんたん!」

 

リズムに合わせて踊りだすのか

この程度のことでテンパりすぎやしないかね

イ・ウーでノルマ達成できずに説教くらうのが日常茶飯事だった俺にはわっかんねー

 

「二学期から学友になるって言ったが取り消すことになりそうだな」

 

「なんで、そんな楽しそうに留年って、言うんだ!」

 

「人の不幸は蜜の味、これ常識」

 

「この人でなし!」

 

「お前ほどじゃないから安心しろや」

 

「俺は一般人だ!」

 

「辞書で意味調べてこいや戯け」

 

星伽の巫女は血相を変えて武偵手帳に何かを必死に書き込んでいたが俺と遠山は意識しないように彼女の意識が戻ってくるまで冗談を交わしていた

 

「き、キンちゃん!まだ夏休みは10日あるよ!1単位、なんとかしよう!」

 

「あ、ああ。当然そのつもりだ」

 

「武偵憲章7条 悲観論で備え、楽観論で行動せよだってよー」

 

10日しかないのに何も備えてなくて楽観的に行動できないよなー

 

「グ……ッ!」

 

「大丈夫だよキンちゃん!私、全力で協力します!入籍するために!」

 

「今の進級と言い間違えたんだよな!?な!?」

 

「いや、その逃げは苦しいだろ……」

 

「お前さっきから俺を追い詰めて楽しいか!?」

 

「超楽しい」

 

キレ気味で文句言ってくる遠山にサムズアップして答えてやった

 

「そんな単位、知能、カルシウムの足りない遠山に吉報だ。人を迎えにいくだけの簡単な緊急任務があるぞ」

 

「マジか!?……いや、このパターンは」

 

「上手い話には裏があるんだろ?って顔だな。イ・ウーのメンバーを迎えにいくだけだよ」

 

「イ・ウーか……」

 

「嫌そうな顔だな。今朝こしらえた緊急任務だからまだあるってだけでいつ取られるかわからんが」

 

「この際、依頼は選ぶ余裕はないそれ受ける」

 

「そいつは良かった。任務の詳細は理子に聞いてくれ」

 

予想通りことが運ぶのは楽でよろしい

 

「私もキンちゃんと一緒に」

 

「星伽の巫女には別件で話があるから遠山は一人で車輌科(ロジ)の車庫に行ってくれ」

 

「おう、わかった」

 

着いていこうとした星伽の巫女の言葉を遮ると恨めしそうな目で睨まれた

関わりたくないのかキンジはそそくさと去っていた

せめて巫女を鎮めていってほしかった

なんで巫女が鎮められるほうに回ってるんだよ

 

「今にも噛みついてきそうな星伽の巫女に先生から連絡だ。お前の妹、名前は……忘れたが訪ねてきてるぞ」

 

「え……?」

 

生まれた隙をついて俺は逃げ出した

 

 

 




ここで原作と違う流れになりまーす
どうでもいいことだけどイ・ウーのメンバーは多少性格が変化しています
???「ほーっほほほほ!人が家畜のようだわ!いえ家畜にも劣る有象無象ね!ただし理子を除く!理子は私の嫁!もう少し虐めたら怯えて震えてしまう理子可愛いわ!ハァハァ!」
???「俺は娘の教育をどこで間違てたんだろうか……?小夜鳴、胃痛薬はどこだ?」
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