緋弾のアリア  《鼠の書く舞台》   作:通りすがりの床屋

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5弾目 偶然居合わせたガードマン

――――武偵高の施設は、やはり充実しているらしい

客寄せは大事だよな

少子高齢化の今のご時世

学校を維持するために生徒を集めるために必死なものだ

 

閑話休題(どうでもいいか)

 

今、俺は星伽妹に、正確には昨日遠山への同行を阻害した俺への報復といして星伽姉に『学園案内』を命じられていた

案内されている星伽妹は不機嫌丸出しだった

男と歩くのは不愉快で相手に殺意を抱いてしまうとか

帰っていいかな

駄目だろうな

星伽姉がなんかしてきそうだし

手前の妹だろ手前が案内しろよと思ったがなにやらジャンヌと淡い桃色な空間を作り出していてとても言えなかった

遠山狂いと噂の星伽姉がジャンヌ相手にウブな反応をしていたのだ

断れるはずもない

後で夾竹桃に出来立ての薄い本を借りねばならぬ

しかし、まぁ、来たばっかりの俺に案内しろとは無茶を言ってくれる

大体、見ず知らずの俺に妹を預けるなんて正気を疑うぜ

あの巫女、勝手に俺をジャンヌの兄だと認識したらしい

ジャンヌが信用してる相手なら大丈夫とか何を根拠に……

 

「はい、学園見学終了。なんか質問ある?」

 

終止、心の中で愚痴をこぼす遊びに興じていたとノーリアクションの星伽妹

わぁー実に有意義な時間でしたね(棒読み)

 

「いいえ。もう充分です」

 

やはり不機嫌そうに唇をへの字に曲げて

 

「――――武偵高がいかに乱暴な場所か、よく分かりましたから」

 

「そりゃ、武力を行使する探偵を育成する高校だしな」

 

強襲科にはアイドルの水着写真を取り合って殴り合いをしてるような馬鹿が当たり前のようにいたし

諜報科にはストーカー予備軍が大勢いたし

探偵科には調べ上げた弱みを盾に脅迫しているのいたし

軽蔑されても文句いえないわな

イ・ウーに比べるとおままごとだけど

 

「そもそも、金銭のために武力を用いるという行為自体が卑しいものですし。清廉たるべきお姉様が、その様な場所にいるなんて――――私には耐え難いことですっ」

 

「子供の考えだなー。武力を求められるから金を対価に手を貸してる。単純で合理的な話だろ」

 

「いいえ!不合理です灰塚様!武力が必要な状況なら自分の力で解決すればいいのです。少なくとも私は、そのような問題に陥るようなことは有り得ませんっ」

 

「一般人に武力を求めるのは酷じゃね?」

 

「そんなことはどうでもいいのですっ!私は星伽からお姉様を奪っていった武偵高が、武偵が大っ嫌いなのです!お姉様は武偵の遠山様に誑かされたせいで、帰ってこなくなってしまったのですから!」

 

ふむ、理不尽なことを言う

大好きなお姉様を奪った武偵に八つ当たりか

星伽妹はいつか何故あのとき……と後悔するタイプの人間だな

俺が作ってきた舞台でよく存在していて使いやすい役者で助かっている

大切な者の亡骸を抱き泣いて慟哭する様といったら滑稽この上ない

俺なら大切な娘であるフランが死んでも後悔することはないだろう

自分の選んだことだから仕方無いと割り切るから

まぁ、娘は俺と違って強いから先に死ぬのは俺だと確信している

星伽妹を一言で表すなら自分の思い通りに事が運ばないと癇癪を起こすお子様

それを指摘してやる必要はないな

人間は実際に経験して成長するものだものな

口角が上がりそうになるのを抑えて帰ることにする

 

「武偵のせいだと思うか。それは大いに結構。なら、どうする?先に言っておくが俺に喧嘩売るなよ?俺、星伽妹にも勝てないくらい弱いからな?だから、刀をチラつかせるなよ?土下座するぞ?」

 

プライド?そんなのブラドのペットの犬っコロに食わせたよ

かかってこいって空気を流しても無駄だぞ

星伽の巫女って武闘派じゃないですか勝てるわけないじゃないですかヤダー

『脚本家の鼠』はどこにでも現れて逃げ足が速い程度の雑魚なんだぜ

 

このあと、星伽妹は空薬莢を踏んで転ぶことになるが警戒を怠ったやつが悪い

依頼人をケガさせた?

タンコブくらい気にするなよ

 

※ ※ ※

 

「粉雪、ただいま帰りました。遅くなってごめんね」

 

「お姉様、お帰りなさいー!」

 

あからさまに不機嫌だった星伽妹だったが星伽姉の帰宅と同時に流星のごとくタックルをかましていた

それを力をいなして抱き止める星伽姉

星伽姉妹が百合百合している

非常に眼福である

夾竹桃先生はジャンヌ×星伽姉×星伽妹の三角関係漫画書いてるよ

俺はアシスタントな

ジャンヌはテニスでもして後輩を落としてるんじゃないかな

 

「もう、粉雪はお姉ちゃんっ子ですねぇ」

 

星伽妹の情愛に気づかず撫でている星伽姉を見ていると昨日のような状況に持っていきたくなる

てか、昨日のことがあってまだ気づかないとは遠山ほどではないが星伽姉も中々に鈍感だ

しかし遠山の経歴やら人間関係を洗えば出るは出る

遠山に落とされてきた女の多さにはお父さん吃驚だよ

それに比べたらフランやジャンヌ、星伽姉、夾竹桃から聞いた間宮のタラシなんて児戯に等しい

あれ女ばっかりだ

 

夜九時ごろ

俺と夾竹桃は星伽の姉妹喧嘩を題材に三冊目の執筆に移行していた

内容は全く聞き取れなかったが喧嘩の内容なんてこっちの都合のいいものにしてしまえばいい

どろどろの三角関係から姉妹喧嘩に発展ってうまくね?

それは、そうとして、マジ、早いっすわ、先生、俺は、もう、駄目、がくっ……

平均能力が全体的に一般人に劣る俺にアシスタントは辛い

 

「……ゆ、勇気を出すのです。チャンスは……今夜しか無いのですから。ファイトです」

 

なんか星伽妹が下手な抜き足で廊下を歩いていた

後ろにいる俺に気づかないとかシュールすぎる

あ、何もないところでこけた

俺は見つかれば面倒なことになると確信して星伽妹が振り返るより早く死角に入る

心配しなくとも誰も止めやしないのに面倒なやつだな

とはいえ『かごのとり』と名高い星伽巫女を一人にするのも心配だな

どうせ狸寝入り決めてる星伽姉がついていくから問題ないと思うが姉にフォローされても星伽妹は面倒なアクションを起こす気がする

それはそれで百合的に美味い気もするが脚本を潤わすために恩を売っておきたい

 

「取りあえず、娘達にメールしておくか」

 

しかし、今日も帰ってこないとは遅いな遠山

理由には検討がつくがヒステリアモードに入れないだけで俺の連れに苦戦しているな

俺はとりとめのないことを考えながら昨日確保した空き部屋へ戻る

 

※ ※ ※

 

灰塚礫の義理の娘、灰塚フランは雑賀真理音に連れられ台場のショッピングモールを探索していた

着飾ることに意味を見出さない礫に育てられたフランは服にこれぽっちも興味はないのだが自分に好意を向けてくれる真理音の意思を無為にしないため微笑んでいた

真剣に自分の服を選んでいる真理音が可愛いと思うフランである

そもそも身長191cmもある彼女に選べる服はそう多くない

彼女の普段着はジャージ、父の礫はパジャマのまま一日過ごすなんてざらである

今、来ている服は真理音が見繕ってくれたものを適当に着ているだけ

 

「見てくださいなフラン!この服、可愛いですわ!」

 

真理音が可愛いという服が全部同じようなものに見えるフランだが真理音が笑顔ならいいかと頷いておく

真理音は礫が浚ってイ・ウーに入った当初、誰にも気を許さず全く笑わない少女だった

父曰く、故郷でも常時仏頂面だったらしい

イ・ウーのメンバーは不愛想かつ罵倒とともに銃弾を叩き込んでくる子供に好き好んで関わろうとしなかったし彼女も関わりを持とうとしなかった

そんな厄介な子供に近づくのはその血に興味があるブラドと物好きのフランくらいのものだった

ブラドは力尽くで真理音を所有物にしかねかったので心配したフランがそばでブラドを牽制していただけだが

一年間、真理音の罵倒と銃弾をやり過ごし耐え抜きブラドから真理音を死守したフランは何時の間にか真理音から信用を勝ち得ていた

そうなるようにブラドと協力して礫が手を回していたのがだ彼女等の知ることではない

 

「さて、次はどこをまわりましょうか?」

 

まだ、見回るのと驚くフラン

 

「当たり前ですわ。まだ始まったばかりですのよ?」

 

考えていることを呼んで妖艶な笑みを浮かべる真理音

父や真理音は自分の心を読んでくるからフランは不思議でならない

喋らなくていいから助かってはいるが

 

「どういたしまして、ですわ。私がフランの考えが読めるのは当然のことですの。だって恋人ですもの」

 

自信満々に自分を恋人と呼ぶ真理音にフランは苦笑する

だが、それには真理音は気づかない

彼女は都合の悪いことはシャットアウトするのだろうか

 

「あら?お義父様からメールですわね。『悪いけど星伽妹の子守りしてくれ』。勿論、いやですわよ」

 

基本的に真理音は愛しのフランと義理とはいえ父である礫以外には辛辣な対応をする

真理音の毒舌で心が折れたイ・ウーのメンバーは数知らずとまではいわずともいるのだ

 

「……」

 

そんな友達をフランは声もなく見つめる

それだけで自分が何を考えているか察してくれると信じているから

フランの思惑通り真理音は愛する人の望みに答える

 

「フランは優しすぎますの。もっとも、そんなフランが私は大好きですわ!」

 

都合のいい女はどちらだろうか

 

※ ※ ※

 

その頃、キンジは

 

「やや、不愉快な気配を感じました!可愛い僕のためにとばしてくださいドレーク!」

 

夏だというのにマフラーにブカブカな服を着込んでいる少女が指示し

 

「言わるまでもねェ!初めッから全力全開だ!」

 

身につけているのは褌だけという変質者の男が道路を爆走していた

 

「りりりりり理子達、ぶぶぶぶぶ武偵なのに、すすすすすスピード違反で、けけけけけ警察に追い回されてちゃってるよ!理子、いいいいい生きて帰れるかな遠山君!?」

 

涙目の峰理子リュパン4世

 

「俺が知るか!後、あれはプロ武偵だ!」

 

世の中、楽な仕事なんてなかったんやと遅くも悟る傷だらけの遠山キンジ

 

スピード違反から武偵の方々とカーチェイスに洒落込んでいた

 

※ ※ ※

 

「こんばんはー、いっぱいお買い物したねー」

 

「あっれぇー?もしかして一人ぃ?可愛(以下省略)」

 

その頃、粉雪は頭悪そうな三下にデートのお誘いを受けていた

 

「の、退きなさい。星伽の巫女は、悪徒の威迫には応じません!」

 

「ハァ?」

 

「日本語喋れやガキ!」

 

「剥くぞオラ!」

 

……デートのお誘いである

たとえそれが男四人で銃やらナイフを手に逃げられないように囲んでいたとしても

粉雪は意味が通じなくても日本語で話しているのにそれがわからないなんて彼等は頭が腐ってしまっているのだろう可哀想に

 

「……!」

 

星伽の巫女は武装巫女

普段なら刀を常備しているだが今の粉雪のお洒落な服にそんなものはない

割と聡い粉雪はどうしようもないことを悟り気丈な顔を歪ませて、その場にしゃがみ込む

 

「……お……お姉様……助けて」

 

今までの獲物同様、拳銃に怯えた粉雪に三下達は下劣な笑みを浮かべて笑う

 

「そうそう大人しくしてりゃあいいんだよ」

 

「こいつのお姉様ってのも呼んで遊ぼうぜ」

 

「一回、ヤッてから写真送りつけてやりゃよくね?」

 

早速、年端もいかぬ若い果実に手を出そうと一歩踏み出すと

 

パァ――――――ン!

 

乾いた音が公園を飾る

次の瞬間、五一式手鎗(クロボシ)は弾かれチンピラの手から離れていた

 

「あ……?」

 

「――――銃を撃ったこともない素人が不愉快ですわね」

 

一目で不機嫌とわかる女が乱入してきたのだ

 

「な、なんだテメェー!?」

 

男のその声から威嚇ではなく恐怖が窺える

所詮、素人が玩具(じゅう)を持ったところで狙撃されたことに気付けるわけもない

突然、彼等の前に現れた真理音は銃など持ってないのだから

人は理解できないことを恐れる

 

「煩い喋るな虫けら呼吸をしているだけでも不愉快ですわ。屑虫の分際で人間様を見下ろすとは頭が高い地面を這いつくばってなさいな」

 

尋ねられたからといって微生物以下の存在にネタばらしする真理音ではない

呆れるほど高慢的な態度の真理音に三下達は怒りのあまり声をなくす

どうやって拳銃を飛ばしたかは知らないがムカつくから潰す

単純な思考回路しか持たない哀れな彼等は一斉に真理音に殴りかかろうと切りかかろうと迫るが

 

「……」

 

四人揃いも揃っていつの間にか転ばされていた

いつの間にか大女、フランが立っていた

 

「淑女らしくない?フラン、このウジ虫共は許可もなく私に声をかけてきましたの。罵倒しても仕方ないことですのよ?」

 

何をされたか相変わらずわからないが女に舐められることは彼等のちっぽけなプライドが許さなかった

立ち上がって速攻でナイフを突き刺してやると意気込み、息を呑む

生意気な女は銃を持っていた

一体、いつどこから銃を取り出した?

素人の彼等には理解することなど出来はしない

 

「どうせ、このゴミ虫は既に何人かに手を出している屑ですわ。殺しても問題ないですわ」

 

気心知れた友人に指を差すくらいの気軽さでマシンガンをチンピラに向ける真理音

マシンガンの弾はゴムスタンではない

彼女はこけおどしではなく殺す気で銃を向けている

真理音にとってフランと義理の父以外はすべからく有象無象で有象無象を殺すことに善悪はない

ただ不快だから処分するだけのことなのだ

 

「……」

 

フランは相変わらず言葉を発さずに困ったように眉尻を下げるだけ

 

「……はぁ、わかりましたわ。ほら、ゴミ、死にたくなくば疾く失せなさいな」

 

それだけで真理音には銃を降ろすには充分な理由となる

チンピラなど路上の石ころのためにフランを悲しませる必要はないということ

フランはイ・ウーでトップレベルの甘ちゃん

虫も潰せない

真理音にはそれがまた愛おしい

恐ろしいものから四人は我先にと走り出す

礫がこの場にいれば腹を抱えて爆笑していただろう

ちなみに相手の神経を逆撫でするのが礫の特技である

 

「そういえば武偵は一般人に銃を向けてはいけないんでしたかしら?まぁ、まだ転校していないのですから問題ありませんわね」

 

真理音は手品のようにマシンガンを消して粉雪に視線を向ける

 

「ど、どなた様か存じ上げませんが」

 

注目されていることに気付いた粉雪は助けに入ってくれた他人を見上げて

その場で土下座を敢行した

 

「はぁ?」

 

突然、義父から強気なお嬢ちゃんと聞いていた少女に土下座されたものだから二人は戸惑った

 

「ほ、星伽にはこの事、な、何とぞ内密にしてください……!」

 

「そういうことでしたら私達は貴女のことなど欠片も興味ありませんから安心なさいな」

 

「何かムッとくる言い方ですが本当ですか……?」

 

「……」

 

やはりフランは苦笑して、へたりこんでいる粉雪に手を差しのべる

言葉はないが粉雪は大丈夫だよと言われた気がした

 

 

 

後日、チンピラ四人は東京湾で半殺しの状態で漂流していたが『脚本家の鼠』は自業自得だと語る

 

※ ※ ※

 

俺は打撲や擦り傷を隠して部屋に入る

怪我なんてアリアや白雪に見られたくないからな

 

「よぉ、遠山、遅かったな」

 

そしたら、元凶の灰塚が呑気にアイスを食っていた

灰塚は俺と同部屋になったんだったか

 

「お前の仲間のせいだよ!いきなり殴りかかってきたぞ!」

 

ドレークという褌の男は会うといきなり戦いを仕掛けてきた

不意討ちだったのとヒステリアモードではなかったことから俺はあっさり負けたのだ

 

「ドンマイ!ドレークは強襲科Bランク程度の雑魚だHSSになれば余裕で殺せるって!」

 

「……なんで俺が負けたこと前提なんだよ」

 

「遠山は考えてることが顔に出てるからなー。お父さん、心配になっちゃうレベル」

 

「白雪達は?」

 

いつもなら騒がしく犬のごとく駆け付けてくる

 

「神崎は知らないが星伽はお前に合わせる顔がないって言ってジャンヌのところだ。というか男子寮に女連れ込んじゃいかんだろ。お前、何してんの?」

 

男子寮に女がいるのはおかしいってか

……珍しく正論を聞いた気がするぜ

 

※ ※ ※

 

『シャーロックホームズの日記』

 

✕月✕✕日

 

僕は『彼』に出合った

『彼』は一般人だが何かが一般人と乖離していると『条理推理』が告げている

だから、僕は少し『彼』をからかってみた

『彼』は僕を不審者と判断して大慌てで逃げ出した

『彼』の行く先を『条理推理』で先回りして捕まえたがね

そのまま、どこか適当な抵抗も虚しく『彼』は僕に誘拐されてイ・ウーのメンバーになった

 

 

 

 




現段階でオリジナルのシナリオが四章分あるんだよね
一章が『王』
二章が『消失』
三章が『正義』
四章が『天才』
原作のどこでぶちこむか考えてないし読者諸君が気にすることではないのだがね
オリキャラどころかオリジナルの組織が四つ出来上がってしまったよ

あれ?お兄さん、キャラ崩壊していないだろうか



AAでのアリアのカリスマ高いのことよ

「強きは美なり……されど弱きもやがて強き美とならん
武偵憲章3章。強くあれ。但し、その前に正しくあれ。でしょ」

誰やねんアリアさんカッコよすぎぃ



皆さん、お気付きいただけただろうか
理子がビビリコリンになっていることに……
パクりやないオマージュ(劣化コピー)
ビビリコリンは正義なのです
決して原作の理子が書けないとかではないです……よ?

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