緋弾のアリア  《鼠の書く舞台》   作:通りすがりの床屋

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サッカーは諸事情から(面倒だから)省略します
気が向いたら(駱駝が針の穴を通ったら)番外編として書きます



6弾目 ハロー レキ ハロー 誰かさん

理由はわからんが白雪は最近、俺のことを避けている

顔を見るなり半泣きで逃げるし

追いかけようとすると決まって邪魔が入る

それどころか俺の部屋にも帰ってこなくなった

ヒスる原因の女が部屋からいなくなるのは歓迎だが幼馴染みに何かあったのではないかという心配が勝る

白雪のやつ、いつもならこの時間は飯を作っているかアリアと喧嘩してるのにな

コンビニの弁当を食うのは懐かしいと思ったぜ

白雪と仲がいいジャンヌに変わったことがなかったか聞きにいったが、ジャンヌは責任や結婚がどうのこうのと言っていて会話が成り立たなかった

俺が依頼で灰塚の仲間を迎えに行っている間に何があったのか灰塚に聞いたが笑いながら「それくらいわかれよ遠山」といって話そうとしない

俺は超能力者じゃないんだぞ

灰塚は俺で遊んでるような節がある

悪いやつじゃないんだが性格は悪いな

 

「それより遠山、単位どうするんだ」

 

ニヤニヤと笑いながら灰塚はス〇カバーを齧っている

女じゃなくて男が俺の部屋にいるのを新鮮に感じてたがこいつが部屋にいるにもう慣れたな

 

それよりヤバいのは進級するのに0.1単位足りていないことだ

 

明日で夏休み最終日

試合終了のホイッスルが今にも鳴り響きそうだ……!

豪快に途方に暮れてしまった俺は武偵高の良心とあだ名される担任教師、高天原ゆとり先生に情けなくも縋り付くことにした

その成果もあり俺はお情け任務、『探偵科棟内の清掃』を請け負うことができた

 

お情けでちょっとした雑居ビルぐらいの広さがあるのを掃除しろという

 

一人でやると深夜までかかるだろうから誰かに手伝ってもらおうとしたが

 

「ギャルゲーの主人公みてーなヤツをこれ以上手伝う義理は無え」

 

武藤に意味不明な理由で断られ

 

「他に頼むべき人、いるんじゃないかなー?」

 

不知火に笑い混じりに電話を切られ

 

「男を誘ってどうするよ遠山。女を口説いてこその遠山だろうが」

 

灰塚に心底驚いた顔で断れた

女を口説くなんて通常状態の俺にはありえん

 

仕方なく理子と迎えに行った二人にも電話してみたが

 

「可愛い僕を誘いたい気持ちは大いにわかりますけど、今からフランとデートなんですよ!どうです?羨ましいでしょう?フランのことが!」

 

とウザいかったり

 

「悪ィな遠山。俺様、今から蘭豹ってやつに喧嘩売りに行くンだ」

 

と死にに逝こうとしていて役に立たなかった

 

「一人でやるしかないか」

 

灰塚に手伝ってくれないかなと視線を送るも「ちょっと出かけてくる」といってどっかにいきやがった

 

 

※ ※ ※

 

 

仕方なく俺は、夏休みの最終日を……無人の探偵科棟にモップがけをし、窓ガラスを拭き、独りぼっちで潰していくのであった

独り、か……

なんだろうな、この感じは

寂しい……のか?俺が?

孤独になんか慣れてる筈だが……

頭の中の灰塚が「孤独とか辞書引いてこいよ戯け」と爆笑して煽ってきた

知り合って一週間と少しでもう灰塚の性格の悪さが俺の中に記憶されているとか恐ろしいな

いや、アリアよりマシか?

と苦笑しながら、まだ掃除していない小教室の扉を開いた時

――――ぽふっ

扉に挟んであったらしい黒板消しが落ちてきて、頭上にチョークの粉が舞った

小学生低学年のような悪戯を仕掛けた犯人は机に腰を掛け足を組んでいる

 

「こんなトラップに引っかかるなんて、未熟ねぇ。あんた諜報科には向いてないわ」

 

「アリア……?」

 

 

※ ※ ※

 

 

誰も手伝いにきてくれない中、アリアだけが手伝いにきてくれた

ありがたいな

ありがたいが掃除が終わって暇になったからごっこ遊びって……

いや、アリアは清掃任務を手伝ってくれた功労者だ

ガキっぽいが少しは付き合ってやるか

ちなみに俺が生徒役でアリアが先生役だ

 

「さて、密室殺人が起きました」

 

……

 

…………

 

 

「……で?」

 

「――――犯人はどうやって被害者を殺したか?はい遠山くん、答えなさい!」

 

アリアが黙ったから続きを促してみたら意地悪なクイズだった

何を言ってもハズレにされてアリアの気分でタイムアップになった

犯人は瞬間移動で逃げたとかズルいだろ

付き合いきれん

 

「えもね。その事件、続きがあるのよ」

 

「続き?」

 

「そう、その事件の犯人の超能力(ステルス)は厄介で本来、簡単に捕まえれるわけがないの」

 

「だから、苦労して捕まえたんだろ」

 

Sランク武偵が出向いたんだ

それこそイ・ウーほどの超人集団じゃないかぎり逃げれるはずがない

 

「苦労はしたけど想定ほどじゃなかった。犯人は末端とはいえイ・ウーのメンバーに喧嘩に売るほどの実力者だったの」

 

「それで?」

 

「私が犯人を捕まえれるように誘導されていたのよ。犯人も私も他の何もかもが、まるで演劇の役者のように舞台装置のようにね」

 

「そんなことできるやつがいるのか?あり得んだろ」

 

「それをやってみせるから灰塚礫は『脚本家の鼠』って呼ばれてるの」

 

「灰塚?」

 

あのソファーでダラけながらスイ○バー食ってるようなやつに不可能に近い芸当が出来るのか?

まだ武藤に美人の彼女が出来たってほうが信憑性があるぞ

 

「気をつけなさいよキンジ。近づいてきた目的はわからないけど敵だったら厄介だわ」

 

 

※   ※   ※

 

 

「————風穴を開けます」

 

「――――それはアリアの十八番だろ?」

 

遠山キンジがレキにドラグノフの銃口を向けられているころ

灰塚礫も別の女に銃口を向けられていた

違いがあるとするならばレキはキンジに求婚を

金木犀厘斥は殺意を突き付けていたことだった

 

「大人しく捕まって殺されなさい……!」

 

「俺、名も知らぬ女に追い回されてる件について」

 

呼び出されてひょこひょこ顔を出してみれば死ねとおっかない女にエンカウント

割とよくあることなので慌てず逃走中

 

「ふざけるな!三年前の銀行強盗、お前が裏で手を引いてたことはわかってるのよ!」

 

「……三年前だぁ?」

 

心当たりは……

ありすぎてないなぁ……

 

「あの事件、彼女だけが運悪く殺されたと思ってた。でも、違った。『脚本家の鼠』が彼女を殺すためだけの計画的強盗だったって知り合いから聞いてるのよ!」

 

「……あぁ、あれか!あの時の舞台のお嬢さんか!いやいや、お久しぶり!」

 

三年前、俺はじぃさんから女を一人始末するように命じられた

難易度は低くベリーイージーモード

故に俺に回ってきた

いくら難易度が低かろうが俺は正面からぶつかれば負ける

だから、面白い脚本を用意してやった

舞台はイカれた強盗集団に占拠された銀行

ターゲットは偶然、そう、偶然その場に居合わせた

ターゲットは正義感の強い少女だった

そしてどこまでも愚かしい少女だった

己を正義と信じて己がどれほど危険な橋を渡っているか自覚もないままイ・ウーに関わってしまった

イ・ウーを知った程度で抹殺対象にはなりえないが少女はイ・ウーにとって厄介なことを知ってしまった

その上、それを世界に公表するつもりだったとか

少女が知った厄介なことが何だったのかはもう忘れたが俺は少女を間接的に葬った

その事件、唯一の犠牲者として

強盗犯どもは人を殺す気のない腰抜け(チキン)だったが恐怖のあまりに少女を殺すことになる

少女はインターンの武偵で強襲科で正義感が強いが故に必然的に起こった喜劇である

少女は一人で制圧寸前までの奮闘を見せた

だが、死の恐怖で事前に強盗どもは極限状態に追い詰められていたのだ

本当に余裕はなかった彼等が人質を盾にして少女を止めようとするのは自然な流れだ

それで動きを止めてしまった少女の虚を突き残っていた強盗が名も知らぬ少年から渡された銃を撃つのも自然な流れだ

初めて銃を握った素人の強盗が狙いも定めずに撃った銃弾が少女の脳天を貫いたのもごく自然な流れなのだ

そうなるように俺が仕組んでいたのだから

その後は銃声を聞きつけ突入した現場慣れしている武偵達に呆気なく制圧され事件は幕を閉じた

今、俺を追い回している女はその時、少女とともに行動していた女だ

俺に辿り着けるようなヒントは残していないはずだがバレることもあるだろう

しゃーない

 

「昔は虫も殺せないような大人しそうな子だった気がするけど成長したね!」

 

「思い出したよう死ね!」

 

言い終わる前に死ねって言うくらい嫌われているのかー

殺意が心地好い

 

「俺の脚本にそんな予定はないんだよねー」

 

大体、脚本家が舞台に上がるわけがないだろう

 

「知ったことか!」

 

おいおい、廊下でUZIでぶっぱなしていいのかなー?

後で武偵高の怖い先生方に説教(物理)くらわされるぞー

武偵高の制服が防弾性がなければ俺冗談抜きで死んでるなー

背中に衝撃ががが

痛痛痛痛痛い

 

「ところでよく俺が『脚本家の鼠』ってわかったな。まだ、新学期も始まってもいないのに」

 

「知り合いからリークされてね!」

 

「金木犀厘斥。なるほど、お友達が四桁もいるのか。裏の裏まで知ってる感じ?」

 

「何、勝手に私のこと調べてんのよ!」

 

「お互い様だと思うんだがねぇ」

 

ちなみにさっきのは冗談で言ったのであって調べてない

本当に四桁もいるの?Tw○tterのフォロワーの数じゃなくて?

 

「うるさい黙って私に殺されなさい!」

 

「HAHAHAHA!捕まえてごらん!」

 

『脚本家の鼠』の所以たる逃げ足、ご覧にいれようってね

 

「ぶっ殺す……!」

 

後先、考えていない殺意は実に好ましい

 

※ ※ ※

 

コントをしながら礫は屋上へ駆け込む

当然、そこは行き止まり

厘斥は勝利を確信してラストスパートをかける

 

「屋上に逃げ込むなんて選択を誤ったわね!まさに袋の鼠よ!無様ね灰塚礫!」

 

意気揚々と最高にハイという気分でマシンガンの銃口を礫に向ける

 

「灰塚!?お前、何してるんだ!?」

 

厘斥は夏休みだから生徒はいないだろうと油断していた

目撃されたからには礫を殺すことはできない

復讐のために人生を棒に振るつもりはないのだ

もっともここに来るまでにかなりの生徒に目撃されているのだが視界が狭まった彼女は知るよしもない

厘斥が視線を外し思考を巡らしている間に礫はあらかじめ外していたフェンスを蹴り飛ばし屋上からダイブしていた

 

「おいおい、袋の鼠ってたわけだなお嬢ちゃん!去らばだ!あとは遠山が相手してくれるぜ?知らんけど」

 

「はっ!?ま、待ちなさいよこの卑怯者ぉー!」

 

正気に戻った厘斥が叫んだころには礫の姿は見えなくなっていた

 

「……」

 

場に気まずい空気が充満する中、レキは静かに、しかし迅速にドラグノフを礫の消えた方向に向けていた

 

「おいレキ、なにをするつもりだ?」

 

怪訝な声で問うキンジを無視してレキは歌う

 

「私は一発の銃弾。然れど愛を紡ぐ者」

 

引き金が引かれた

ドラグノフから放たれた銃弾は地面に当たり止まることなく跳び跳ねる

それは丁度、死角に逃げ込んだ礫の眉間を貫くコースだった

咄嗟の出来事にヒステリアモードにあったキンジも対応に遅れた

いくら制服が防弾製でも頭は無防備なのだ

このままではレキは人殺しになるとキンジは直感で理解した

 

「――――調子に乗るんじゃありませんわ」

 

――――キィン――――

それは死角に潜んでいた真理音が撃ち落とさなければの話だったが

金属と金属がぶつかり合い勢いを相殺する

レキは外したことを悟ると次を撃とうとする

だが、二回目をキンジは許さない

ヒステリアモードは女に甘くなるが女が手を汚すのをよしとするものではない

ヒステリアモードの全速をもってドラグノフの銃身を掴み下げる

レキは抵抗することなくキンジの行動を受け入れる

 

「もう一度聞くぞレキ。なんのつもりだ?」

 

「私は『怠惰』に身を委ねるつもりはありません。私はキンジさんを守る銃弾ですから」

 

焦り、誇り、怒り、悲しみ、諦め

ロボットと評されるレキから推し量れない感情をキンジは感じていた

 

「え?何?灰塚礫のやつSランクからも恨み買ってるわけ?」

 

事態に付いていけない厘斥は困惑していたが標的に完全に逃げられたことを悟ると二人に背を向けそそくさとフェードアウトした

 

「――――もう私は違えない」

 

キンジはレキの言葉の意味が、わからなかった

盗み聞きしていた礫は、笑う




久々の更新です
もう更新しないと思ってた方もいるでしょう
そもそも読んでいる人いないしそれでも問題ない気がしますが趣味だから書けたら投稿くらいはしますとも
書きたいは書きたいんですけど色々忙しかったり面倒だったりするんですよ
だから適当な出来栄えとなっております
大変失礼をば
原作のレキさんとこちらのレキさんではキャラが多少異なることを御了承くださいな
さて次から修学旅行Ⅰと行きましょうかね
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