――――9月1日
俺が武偵高に編入して一日目、二学期が始まった
日本の一般的な学校と同じく始業式である
少々異なるのはローマの武偵高の制服を模した『
昨日、レキにプロポーズされた遠山は帰ってこなかった
神崎だけが失恋した乙女のような雰囲気を漂わせてトボトボと帰ってきた
遠山はレキの部屋に寝泊まりしている
それを神崎に教えて追い打ちを掛けたい
しかし、じぃさんの孫だ
失礼はいけない
我慢は苦手だが我慢しようじゃないか
占いで事態を察したらしい星伽を誘導するならセーフだろうか
しかし遠山が他の女と寝てるというのに星伽が動かなかった
これは予定通りいい兆候だ
俺は始業式に出席せずそんな益体のないことを考えながら寝転んでいた
ぷわ
ぷわ
ぷわわ
無数のシャボン玉が俺の周りを取り囲む
「――――たしか、
寝転んだまま石ころをシャボンに当てる
シャボン玉は割れ
俺は防弾性のガスマスクで顔を覆う
――――バチィッッッッッ!
衝撃と閃光が走る
シャボン玉の爆発により他のシャボン玉も割れ、また爆発する
気体爆弾
ココの開発した作品の1つだった気がする
「――――きひひっ、この程度ならやぱり気付くか」
連鎖する衝撃が止むと影から神崎と同じツインテールのチビッ子が姿を見せる
耳まではカバーしていなかったため何を言っているか聞こえないが何を言ったか予想はつく
「俺じゃなくてもあんなあからさまなシャボン玉に引っかかる馬鹿はいねぇよ」
「下手したら死んでるのに表情変えない。面白いネ」
俺の皮肉に朝っぱらから酒で酔っ払っている子供、『
機嫌が良さそうだ
いいビジネスでもあったのだろう
それと下手したら死んでるとはいうがいくらでも回避する方法はある
焦るほうがおかしいというものだ
「それで?俺に何の用だ?まだ極東戦役は始まってないぞ?」
「今日は誰にでも喧嘩売ていい祭あるらしいネ」
千鳥足でふらふら覚束ない足取りのココは愉しそうに嗤う
ココのいう祭『水投げ』とは緑松の母校で行われていた始業式の日には誰が誰にでも水をかけてもいいというぬるい喧嘩祭をアレンジしたもので徒手でなら誰が誰に喧嘩をふっかけていいという喧嘩祭のことだ
「一応、言っておくが俺はやらない」
「わかてるヨ。礫、弱い。戦う意味ないネ。礫に会いにきたのはお願いとお知らせがあるからヨ」
イ・ウーのメンバーであるココは俺の弱さを承知している
それなのに戦闘準備が済んでいるところをみるに遠山か神崎、あるいは両方に喧嘩を売るのだろう
「修学旅行Ⅰでココはビジネスする。邪魔は許さないネ」
「まぁ、いいぜ。俺達は手を出さない」
てか、修学旅行Ⅰに行くのは二年生だけ一年生のフランと真理音、美弦は当然参加出来ない
ドレイクは弱すぎてココの障害にもならない
「あと、お知らせは『人形姫』の『出来損ない』がまた暴走したネ」
「はっはっは、暴走したとは違うだろ?」
『人形姫』
イ・ウーのメンバーで人形を作ることを仕事としている
それの作品が暴走など滅多にないし、仮に暴走しても『人形姫』と共に行動している『天狗』が止める
暴走など嘘っぱち
ココが言いたいのはイベントのお知らせ
存分に楽しめということだ
脳裏に浮かぶのは『怠惰』を口にしたレキと因縁をつけてきた金木犀厘斥の二人
「いいねぇ。せっかくだ。俺も運営に回ろうじゃないか」
ココは目的を果たしたと嬉しそうに瓢箪の酒を煽る
それを眺める俺は修学旅行の脚本を組み終えた
修学旅行Ⅰレイドボス
灰塚家のペット ドレイク
ロリコンにはたまらない ココ
謎の老人 天狗のじいちゃん
暴走する 出来損ない
修学旅行ptを貯めてSSRレキを手に入れよう!
礫「ソシャゲ乙」
ココ「今の時代ソシャゲが儲かるヨ」
礫「そうだな。だがテメェは駄目だ」