IS~宇宙戦士~   作:煉獄 龍騎

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なんだかんだで結構間が空きました。
すみません。

そんなこんなで今回。
前回ダスタードを大量に駆逐しましたが、今回は一旦忘れてあの転校生たちが来ます。
秋二との意外な関係性がふたりに存在します。
では、13話どうぞ!


第13話 金・銀・転・校

さて、先日ダスタード共の大量発生があったが弦さんに

 

「あいつらのことは俺たちが調べておくから、お前は学園生活を楽しんどけ!」

 

という旨のメールが送られてきたので、とりあえずは学校を楽しむとするかねえ。

さぁ、サイドで俺に巻きついている本音と抱きついている鈴を起こすとするか。

 

「おい、鈴、本音。朝だ、起きろ」

「___んむぅ、もう少し・・・」「___ふみゅぅ~、まだぁ・・・」

「3秒以内に起きなければふたりの私物、私服、下着、その他もろもろとふたりをこの部屋から締め出し、以降一切の立ち入りを禁じます」

「___ふふっ、そんなこといってー・・・」「___どーせ、やらないくせにぃ~・・・」

 

こいつら・・・。

たしかに、部屋から締め出すことは絶対にしないだろう。

俺の楽しみが減るし、なによりこいつらは大切だからな。

が、しかし。俺に他の手段がないかと思ったか?

 

「・・・なら、今日の朝食は無くなるでしょうねぇ。俺がこの状態じゃ作れないし」

 

その瞬間に俺の腕から重みが抜けて、引っ張られる。

 

「さあ!あたしたちはとっくに起きたわよ!シュウもさっさと起きなさい!」

「ほらー!アキー、早く起きて~!ご飯~!」

「・・・現金な奴らだな」

 

まぁいいけど。

でも、先に・・・

 

「きゃっ!?」

「おっと」

 

寝ぼけているのか拙い足取りで動いた鈴がよろけるのを支える。

 

「ったく、とりあえず洗面所で顔洗って来い。鈴も本音も眼が半開きで無理やり開けてるだろ」

「・・・わ、分かってるわよっ!本音、行こ」

「うん~。アキー、ご飯よろしくね~」

「わーってる、さっさと顔洗って来い」

 

洗面所にふたりを向かわせ、キッチンに立つ。

無難に和食で良いかねぇ。

 

 

 

~★~

 

 

 

朝、食事を終えた俺たちは用事があると言った鈴と別れ、いつもの様に本音をぶら下げて教室に入る。

近場のクラスメイトに挨拶してから、本音と席に座る。

若干だが、クラスメイトたちが浮かれているような気がしないでもない。

まぁ、どうでもいいか。とか考えてたらISスーツの話題を振られた。

 

「そういえば一夏君のISスーツはどこの社のやつなの?見たことない型だけど」

「あー、えっと特注品だって。男のスーツが無いからどっかのラボが作ったらしいみたい。もとはイングリッド社のストレートアームモデルだって」

「へぇー。秋二君のISスーツは見たことないけど、どんなのなの?」

「俺は必要無い。が、いつもISスーツの代わりに、つなぎを着てる。機能的な面では同じだし必要ないんだが、押し付けられた」

 

弦さんと束、姉貴曰く

 

「秋二(あっくん)がいくらスペック高くても心配だから着ておけ(おいてー)」

 

らしい。

正直、フォーゼはISスーツはあんまり関係ないんだがつなぎのデザインが気に入ったので着ている。

オレンジ色をベースとし、フォーゼをデフォルメしたようなデザインやスイッチの番号等が描かれたワッペンを無造作に貼り付けてある。

なかなかに面白いデザインだ。

 

「あとで授業の時に見せてやるよ」

「本当!?やったっ!」

 

と、そこへISスーツの説明をしながら真耶姉が現れた。

今日から申し込みが出来るということでわざわざ勉強してきたらしい。

この人は良い教師だな。生徒のためによく勉強してきてくれるなんてな。

どっかの誰かとは大違___

 

ブゥンッ!

 

「・・・危ないっすよ、織斑先生」

 

姉貴が出席簿を落としてきたから身を屈めて避ける。

・・・どうしてみんな心を読むんだろうか。

 

「何故いつも使わん敬語を使う」

「別にー?」

 

ブゥンッ!

 

「・・・それが病み上がりに対する仕打ちかよ?ったく」

「お前はそんなに軟くないだろう?」

「・・・そういう時ばっかり言うよなぁ」

「ふん、まあいい。諸君、おはよう。席に着け」

 

姉貴の一声でクラスメイトたちは素早く席に着く。

素晴らしい集団行動だ。

姉貴が声をかけてから2秒とかからなかったぞ?

 

「さて、今日からは本格的な実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業になるので気を引き締めるように。お前たちのISスーツが届くまでは学校指定のものを使うので忘れるな。忘れた者は代わりに学校指定の水着で訓練を受けてもらう。それも忘れたら・・・まあ、下着で構わんだろう」

 

いやいやいや、待て。それはダメだろう。

ってまあ冗談だろうな。

それぐらいの気持ちで居れば忘れない。ということだろうな。

・・・だよね?

 

「さて、山田君。HRを頼む」

「あ、はい!では、みなさんに転校生を紹介しますっ!それも、2人です!」

 

ああ、さっきから教室の外に感じられる気配はそれか。

しかし、この気配。どっかで・・・?

入ってきたのは、端的に言えば金と銀。

そして、金のほうはこの学園の制服としては珍しきズボン。

その型を着ているのは俺と愚弟のみ。

つまり・・・

 

「それでは、自己紹介をお願いします」

「はい。フランスから来ました、シャルル・デュノアです。慣れないことも多いと思いますが、よろしくお願いします!」

「・・・え?お、男・・・?」

「はい!ここに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を・・・」

 

その後はクラスメイトからのソニックブーム。

何とか耳を守った。

だが、こいつ・・・男ではないだろうな。

明らかに不自然だ。まぁ、それは後で確認するが・・・

問題はもう一人。

銀髪のあいつは、腕を組み、眼を閉じたまま動かない。

・・・ったく。

 

「さっさと挨拶をしろ、ラウラ」

「はい、教官」

「・・・もう私は教官ではない。ここでは織斑先生と呼べ」

「了解しました」

 

姉貴を教官と呼んだあいつは腕を下ろし、眼を開くと一言。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

それだけ言うと再び腕を組む。

困惑顔の真耶姉が恐る恐るという様子で話しかける。

 

「・・・い、以上ですか?」

「以上だ」

 

そして、愚弟の前へと歩き。

 

「貴様がっ・・・!」

「へ?俺?」

 

呆けて馬鹿面をしている愚弟に、あいつは腕を振るう。

が、それが直撃する前に俺の掌底が愚弟の頭にヒットし、愚弟が机に突っ伏す。

それにより空を切った腕を掴み俺は立ち上がりながら腕を捻り、体勢を崩したあいつの膝を軽く蹴り、地面に沈ませる。

 

「・・・なんのおつもりですか?教官代行」

「それはこっちの台詞だ。さすがに目の前の馬鹿を殴らせはせん。というか姉貴も言ってたけど、もう俺たちは教官じゃない。普段の呼び方に戻していいぞ、ボーデヴィッヒ」

「・・・わかりました、兄様」

 

俺のことまで教官代行と呼びやがったので直させる。

昔、姉貴が1年間ドイツに居たとき夏休みの間だけ面白そうだったから行ったら多少面白い奴が居たから覚えていた。

ちなみに呼び方は、教官代行、教官代行、って何度も言うからもっと砕けた呼び方で構わんと言ったら「兄様」と呼んできたから放置している。

姉貴が手を軽く叩き、膠着状態のクラスメイトが動き出す。

 

「よし、SHRは終了だ。次は2組とISの合同実習だ。着替えてグラウンドに集合。ああ、それと織斑兄弟はデュノアの面倒を見てやれ、同じ男子だろう」

 

同じ男子、ねえ・・・?

まぁ、とりあえず着替えに行くのに急ぐか。

 

「はじめまして、織斑秋二くんに織斑一夏くんだよね?僕は・・・」

「いいから行くぞ金髪。遅れるわけにはいかねえ。走るぞ、愚弟」

「わかってるって、シュウ兄!」

 

そういうと、愚弟が金髪の手を握り走り出す。

その時顔を少し赤くした金髪。

やっぱ怪しいな・・・

いつもと違い、考えながら走っていたため囲まれてしまった。

 

「転校生発見!」

「一夏君の黒、秋二君の茶メッシュもいいけど、金っていうのもいいわね!」

「ちっ・・・囲まれたか」

「うーん・・・どうする?シュウ兄?」

 

困り顔でこちらを向く愚弟。

まぁ、離脱案は考えてある。金髪のことを調べるのにも丁度いいしな。

 

「決まってんだろ?」

「「?」」

 

ふたりそろって分からない。という顔をしているが、無視して真後ろの窓を開ける。

そして、金髪を抱え上げ窓枠に足をかける。

 

「・・・え?まさか・・・いや、ちょっと待ってくれよシュウ兄!」

「ここは任せるぞ」

「え?え?ど、どうするつもり?」

「あん?こーするんだ・・・よっと!」

 

そのまま外に飛び出す。

なにやら叫んでいる金髪と愚弟は置いといて、落下しながら確認をする。

よし、終わった。終了したのでパラシュートモジュールを金髪につけさせ、俺は近くの木枝に着地し、地面に降りた。

 

《Parachute On》

 

「さて、俺たちは先に行くからあとは何とかしろ」

「シュウ兄の薄情者!」

「もとからだ、諦めろ」

 

そんなやり取りをしていると金髪が落ちてくる。

 

「行くぞ」

「あ、うん」

 

再び走りながら、俺は確信する。纏っている気配、身体の感触、走り方。

何をとってもこいつは男ではない。

なんにせよ、後で確認を取るか・・・

 

 

 

~★~

 

 

 

さて、更衣室に遅れてきた愚弟は文句を言ってきたが無視して着替えを済ませ、グラウンドに並ぶ。

遅れてきた馬鹿は姉貴に殴られてから並んだ。

 

「さて、本日から実戦訓練を開始する」

「「「はい!」」」

「本日は戦闘を実演してもらおう。凰、オルコット、前に出ろ」

 

呼ばれた鈴と雫さんはおとなしく前に出る。

が、少しやる気がなさそうな鈴を見た俺は列をはずれ、鈴の元へ向かう。

 

「鈴」

「・・・なによシュウ。なんか用?」

「演習は真面目にやれよ?真面目にやったら後で褒美でもやる」

「・・・言ったわね?今の言葉、聞いたからね?」

「ああ、さっさと行け。まあ頑張るといいさ」

「おっけい!任せなさい!」

 

鈴のやる気を引き出し、列に戻る。

雫さんも姉貴に何か言われてやる気を出している。

 

「さて、お前たちの対戦相手だが____」

「わああっ!ど、どいてくださーい!!」

 

キィィィィィン、と音を出しながら落下してくる影。

真上を向けば真耶姉が急降下してきていた。

落下点には愚弟。

結末が最悪になることを恐れた俺は、まず愚弟をどかす。

 

「さっさとどけ、馬鹿」

「うわっ!?」

 

スイッチをオンにし、頭上に投げる。

投げたスイッチは真耶姉の背中に当たり、そこでモジュールを展開させることで落下スピードを緩めた。

 

《Parachute On》

 

「ふぅー、ありがとうございます、秋二くんー」

「いーえー、大丈夫っすか?」

「はい、ありがとうございました」

 

緩めに落ちてきた真耶姉は自分の足で着地し、スイッチを返してくれた。

ああ、驚いた。全く心臓に悪いぜ。

おそらく俺が手を出さなかったら愚弟はギリギリ展開が間に合うかどうかだな。

・・・考えるだけでも恐ろしい。放置していたら少なくとも雫さんと篠ノ之は怒り狂っただろうしな。

 

「さて、小娘共。さっさと始めるぞ、準備しろ」

「え?あの、二体一で・・・ですか・・・?」

「いや、あの、さすがにちょっと・・・」

「安心しろ、今のお前たちならすぐに負ける」

 

負ける、と言われやる気が満ちるふたり。

まあ無駄だとは思うが一応アドバイスだけでもしておくか。

 

「・・・真耶姉は元日本代表候補生だかんな。油断や慢心は捨てろ。相手は格上、全力で、な」

 

それぞれ頷くのを確認した。

まあ、多分真耶姉が勝つけどね。

 

 

 

~★~

 

 

 

「はあっ!」

「甘いです!」

「くっ・・・!」

 

そんなこんなで試合中なんだが、俺の予想は半分当たって、半分正解だった。

開始後に金髪が真耶姉のラファールリヴァイヴの説明を始めた。

それを姉貴が途中で遮り、真耶姉に誘導された雫さんが鈴にぶつかり、グレネードを投擲され試合が終わると思われた。

俺もそう思っていたのだが、鈴はそこで瞬時加速を行い、爆発から逃れて真耶姉に接近戦を仕掛け始めた。

雫さんが落とされ、戦力的に圧倒的不利な状況に陥りながら一人で奮戦する鈴。

 

「ほう・・・まさか凰があれほど実力をつけているとはな」

「クラス対抗戦のときのが結構悔しかったみたいで最近の訓練は結構ハードになってきてんだよ。その性かもな」

「なるほど。だが・・・」

「ああ。まだ、真耶姉にゃ勝てんな」

 

俺がそう言った瞬間、鈴は特攻を仕掛ける。

だが、真耶姉はシールドを犠牲にし双天牙月の斬撃を堪えお返しといわんばかりに至近距離でライフルを連射する。

さすがにそれには耐えられなかったようで爆風と共に落下してくる鈴。

 

《Winch On》

 

「鈴、甲龍の展開を解除しろ」

「・・・うん」

 

咄嗟にウインチを部分展開し、落下方向を誘導。

甲龍の展開をを解除させ、鈴をキャッチする。

 

「お疲れさん、鈴」

「ん、ありがと。でも・・・負けちゃった・・・」

 

悔しそうに俯く鈴。

俺はウインチを解除し、鈴の頭に手を置く。

 

「・・・ふぇ?」

「ったく、そう落ち込むな。真耶姉は強い。今のお前じゃ絶対勝てない。なら、勝てるようになるまで、だろ?」

「シュウ・・・」

「お前はまだまだこれから強くなれる。頑張っていこうぜ?」

「・・・ええ!あたしは強くなる!」

 

さっきとは打って変わってやる気の満ちた表情になる鈴。

・・・ちょっとからかってやろう。

 

「おう、その意気だ。それと・・・」

「ん?」

 

歩行速度を速めながら、後ろに居る鈴に一言。

 

「さっきの「ふぇ?」って声、結構可愛かったぜ?」

「なっ・・・!?」

 

一瞬にして顔を真っ赤に染める鈴。

こっそりバガミールに撮影させながら俺は列に戻る。

鈴も我に返ったのか急ぎ足で列に戻る。

 

「さて、これで諸君にも教職員の実力が理解できただろう。以降、敬意を持って接するように」

「「「はい!」」」

「さて、グループごとに実習を行ってもらう。グループリーダーは専用機持ちの織斑兄弟、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰が行え。では、分かれろ」

 

さて、ここで大半のものは俺や愚弟、金髪の元へ向かう。

まぁ、だろうとは思った。

 

「・・・姉貴ー。さすがに、この人数捌くのはダルイ・・・」

「分かっている・・・。この馬鹿共!出席番号順に分かれろ!手早くな!」

 

姉貴の怒号を受け、クラスメイトたちはマッハで並びを終える。

愚弟や金髪の班になった奴らは喜び、鈴や雫さんの班になった奴らは落胆や、俺たちの話を聞きだそうとしている。

ボーデヴィッヒの班になった奴らは・・・うん。静か過ぎて逆に怖い。

 

「アキー、よろしくー!」

「おー、本音は俺の班か。良かった良かった。んじゃ、始めるぞー」

「「「はーい!」」」

「ん、いい返事だ。うちの班はリヴァイヴで良いか?」

「秋二君にお任せしまーす!」

「「「まーす!」」」

「あいあい、んじゃとりあえずは俺と模擬戦を・・・」

「「「しないよ!?」」」

「知ってるよ、冗談冗談。まずは歩行訓練から。適当に一列に並べー」

 

並ばせて、一人ずつ捌いていく。

と、なにやら騒がしいのでそちらを向くと愚弟が篠ノ之を所謂お姫様抱っこで運んでいるところだった。

おおかた、立ったまま解除したんだろうな。

と、後ろのが終わったようなので振り向くと、

 

「・・・」

「あはははは・・・ご、ごめんっ秋二君!視線に耐えられなくて、つい・・・」

 

案の定、直立状態で装着を解除していた。

 

「はぁ、まあいいさ。次は?」

「えへへーっ。私だよー」

 

笑顔でにじり寄ってくる本音。

よし、許す。

 

「うし、本音、来い」

「はぁ~い」

 

近くに来た本音の脇の下を通し、抱えてからロケットスイッチを取り出し展開する。

 

《Rocket On》

 

「ほれ、着いたぞ。もっとも、本音にゃ簡単すぎる気もするがな」

「気にしない、気にしなぁ~い」

 

にこやかに乗り込むのを確認してから、地面に降り立ち、展開を解除する。

その後、何度か運んだり歩かせたりを繰り返し、訓練は終わりを告げた。

 




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