お久しぶりです、煉獄です。
宣言通りに投稿できず、申し訳ありません。
直近にテストが来るので今月の投稿は厳しいかもしれません。
こんな作者ですが、今後ともよろしくお願いします!
では、第14話。
原作よりも、アレになる展開が早いです。
それでは、どうぞ!
さて、合同の実習も終わり、更衣室にて。
つなぎから制服へと着替え終え、更衣室を出ようとすると、愚弟が入れ違いに来た。
と、俺の顔を見て思い出したかのように声をかけてきた。
「あ、シュウ兄!」
「あ?・・・んだよ」
「昼飯、シュウ兄も一緒に屋上で食おうぜ!」
「は?何で?」
「いいから!食おうぜ!」
「ん?一夏、屋上でお昼食べんの?」
ひょこ、っと現れたのは鈴。
昼飯の話に反応したようだ。
「おう!あ、鈴も来いよ!人数多いほうが楽しいし!」
「丁度いいわね。オッケー。シュウ、あたしたちも屋上で食べよ?」
「わーったよ、鈴。本音にも言っとくぞ」
「大丈夫よ、本音には言っとくから」
「分かった。じゃ、後でな」
「ん、後でね」
飯は鈴と本音ととることが日常となっている。
ふたりが一緒なら場所はどこでも構わないしな。
・・・あ、丁度いいし、あいつの分を作ってきてやろうかな。
~★~
「アキ~、屋上行こー?」
昼休み開始の鐘が鳴り、本音がゆっくりと近づいてきた。
俺も一緒に行きたいが、今回だけは、悪い。
「あ、ワリ、本音。先行っててくれるか?」
「いいけどー・・・どうかしたのー?」
「ん?孤独な兎に食事を運んでやろうかなと思ってな」
「うさぎー?・・・あー、なるほどー。分かったー、先行ってるねー」
「ん、悪いな。すぐ行くから。鈴にも伝えといてくれ」
「は~い」
察してくれた本音に礼を言い頭を撫でてから、教室を出る。
さて、あいつの気配は・・・と
~★~
校舎裏に来てみると、兎はベンチに腰掛けて寝ている。
後ろから軽く頭を小突くと、滅茶苦茶驚いた顔をしていた。
「兄様!?いつの間に・・・!?」
「今だ。そして硬い対応をするな。というか、隙だらけだぞ。隊長殿?」
「・・・!?ご存知だったんですね、兄様・・・」
「さっきはるりんから聞いた」
って、そんなこと話すために来たんじゃねえや。
「ボーデヴィッヒ、昼飯は食ったか?」
「はっ。まだです」
「硬い対応をするなといっただろうが」
「あうっ!?」
強めにでこピンを喰らわせる。
痛そうに額をさするボーデヴィッヒ。
ったく・・・
「ほら」
「・・・え?」
軽く頭をポンポンと叩いてからタッパーを差し出す。
それを見て驚いたまま動かないボーデヴィッヒ。
「こ、これは・・・?」
「見りゃ分かるだろ、飯だ。といっても、適当にBLTサンド詰めただけだが」
「わ、私にくださるのですか!?」
「そう言ってるだろう。それとも、いらないのか?」
「いえ、いただきます!」
そういっておそるおそるタッパーを手に取るボーデヴィッヒ。
受け取ったのを確認し、俺は屋上へと向かう。
「それ、タッパーもやるから返しに来なくていいぞ。ちゃんと食えよー」
「はい!」
ビシッと敬礼を俺にする。
硬くすんなっての・・・
まあいいや、鈴と本音を待たせてるし、急ぐか。
~★~
「悪い、遅くなった」
「あ、やっと来たわね」
「遅いぞー、アキー」
「悪かったって」
屋上に着いた途端に鈴と本音に囲まれる。
ふたりを宥めながら愚弟たちの元へ行くと、
「・・・死体が一つ出来ているな。何があった?」
「あはは~・・・」
「まぁ、ちょっとね」
泡を吹いて白目をむいたモノが一つ出来上がっていた。
雫さんは混乱してるし、他の面子は青い顔をしている。
「・・・よし、スルーしよう。鈴、本音、お前らは飯食ったのか?」
「まだよ。シュウが来るの待ってたもん」
「私もーまだだよー」
「うし、じゃあ食うぞ。座れ」
ポッケからレジャーシートを出して敷く。
その上に座り、鈴と本音も座る。
すると、まず鈴がタッパーを取り出した。
「あたしからね。シュウの食べたがってた酢豚。朝仕込みして、さっき作ったからまだあったかいわよ」
「マジか!!さすが鈴!」
「きゃっ!?」
嬉しさのあまり鈴に抱きつく。
唐突にくっ付いたので鈴は顔を真っ赤に染めた。
普段寝るときは自分からくっ付いてるくせに押しには弱いのな・・・
「ちょ、ちょっとシュウ・・・!」
「悪い悪い、つい、な」
軽く謝ってから、タッパーの蓋を開ける。
「おお・・・」
もう見た目からして美味そうな酢豚に口角から涎が零れる。
本音の手にあった箸を取り、口に入れる。
「・・・」
「ど、どう・・・?」
鈴の問いに答えずに、半分ほど食いきる。
一段落すると、箸を置いて答える。
「美味い。今まで鈴に食わせてもらったもんの中で一番に」
「ほ、ホント!?」
「ああ、マジで美味かった」
素直に感想を言った。
冗談抜きに鈴の酢豚は美味い。
こう、なんていうか・・・俺には出せない味だな。
「いいないいなー、アキばっかりー」
「本音にもあるから待てい」
「やったー!」
座ったままはねるという器用なことをする本音。
ボーデヴィッヒに渡したのとは違うタッパーを取り出し、開ける。
中身は普通のハンバーグ。
一口サイズにとって本音に向ける。
「ほれ」
「あーん♪・・・やっぱりアキの作るのはおいしいね~」
「そうか?まあ、お前らが喜んでくれんならそれで良いや。ほれ、鈴」
「ん・・・本音の言う通りね。シュウの作るご飯はおいしいわ」
「褒めてもなにもださねぇぞー」
「あー、アキ照れてるー」
「うっせ、おとなしく食え」
そんなこんなで昼飯は楽しく食えた。
ちなみにだが、ここで本音は自分は何も作ってないことに気づき、晩飯を作ることを宣言した。
さて、問題は・・・っと。
~★~
時間は過ぎて、放課後。
俺は愚弟の部屋へ向かっている。
理由は簡単。金髪に話があるからだ。
左耳につけたイヤホンに触れる。
「あ、あ~、マイクチェック。聴こえてます?」
『ああ、大丈夫だ。・・・やりすぎるなよ』
「善処します。本人の口から聞くまではいくらあなたの情報とはいえ信用しきれないんで」
『まあしょうがないっすねえ。目的はなんにせよ方法は褒められたものじゃないし』
「はい。じゃあ、行きます」
通信をしたままにして、扉に手をかける。
・・・よし、行くぞ。
「邪魔するぞ」
「あ、シュウ兄!」
「お前、姉貴が呼んでたぞ」
「マジか!?ちょ、ちょっと行ってくる」
愚弟を部屋から出す。
一応、姉貴に話は通してあるし、万一の時には刀奈が時間を稼いでくれる。
「・・・さて」
「一夏にじゃないってことは、僕に何か用?」
「まあ・・・な!」
「きゃっ!?」
ポケットに入れていたシャーペンを素早く取り出し、金髪を壁に押し付けながら首筋に当てる。
「な、なんのつもり・・・?」
「お前には聞きたいことがある。・・・ああ、先に言っておくが逃げられるとか、はったりだとか思うなよ?」
「えっ?」
「シャーペンでも人は殺せるからな?」
言って俺は金髪の隣の壁にシャーペンで風穴を開ける。
大きく抉られた壁を見て、金髪は恐怖にゆがんだ顔をした。
「一応調べはついている。嘘をついたらお前もこの壁のようにするからな」
「・・・」
金髪は無言で頷いた。
「まず一つ目だ。お前は女だな?」
「っ!?」
驚きを露にする金髪。
その顔は何故って顔か。
「ど、どうしてそれを・・・?」
「質問しているのは俺だ。お前が質問するのは後。今は俺の質問に答えろ」
「・・・分かった」
とりあえずこれで言質はとった。
さて、後はこいつをどうするか・・・だな。
「二つ目。何故貴様はここに身分を偽って来た?その理由を説明しろ」
「・・・」
表情を暗くさせる金髪。
だが今はそんな顔をされていても知ったことではない。
「早く答えろ」
少し強く首に押し付けると、観念したかのように金髪は独白を始めた。
「・・・僕は、デュノア社の命令で秋二と一夏のISのデータを盗みに来たんだ。男装していたのはふたりと仲良くなって近づきやすいから。・・・やりたく、なかったんだけどね」
「ならば何故断らなかった」
「僕は愛人の子なんだ。僕がこっちで言う中学2年くらいの年の頃に事故で母さんが亡くなった。そこではじめて知ったんだよね。本妻であるあの人に社では逆らえない。言うことを聞くしか、無かった・・・」
申し訳なさそうに語る金髪。
今の言葉で俺の心には何か引っかかるものがあった。
しかし、今はそんなこと言ってられないので最終確認といくか。
「ふむ、事情も目的も大体理解した。質問の続きだ。三つ目。お前はデータを盗む作業をしたか?」
「・・・?まだ来て初日だよ?そんな余裕無かった」
さっきまでの問い詰める形の質問ではなかったためか不思議な表情をする金髪。
ふむ、まだ行っていないか。予想通り。
「・・・最後の質問だ。お前は、どうしたい?」
「・・・え?」
唐突な関連性の低い質問に驚いている金髪。
それもそうか、当たり前だな。俺が聞く側でもおそらく同じ反応をする。
「・・・秋二にばれちゃったし、この状況なら先生に突き出すか、僕を殺すでしょう?」
「違う、そういうことじゃない。貴様という一個人がどうしたいかだ。もしこの場を切り抜けることが出来たら、貴様はどうしたい?」
「僕、僕は・・・」
言いよどむ金髪。仕方ない。
「・・・お前の望みを言え。お前が、どうなりたいかを」
「僕は、もうデュノアの言いなりなんて、嫌だ・・・。皆を騙していたくない。僕は、自由に、なりたい!」
途切れ途切れに、そして最後にはっきりと叫んだ金髪。
そして俺の手首を掴む。
「だから・・・っ、だから、僕を殺さないで・・・!助けて・・・!」
泣き顔になりながら懇願する金髪。
・・・今まさに命を奪おうとしている相手に命乞い、か。
おもしろい。
俺は薄く笑い、首筋に当てていたシャーペンをはずす。
金髪は驚いた表情をしているが無視して左耳に手を当てる。
「JKさん、今の話、聞いてました?」
『もちろんっすよ!裏もきっちりとってあるし、その娘の言ったことは全部本当っす』
「そうですか、ありがとうございます。あ、あっちのほうも調べてもらえてます?」
『はい、ちょっと待ってくださいねー』
「分かりました」
JKさんが情報を持ってくるまで待つ。
ちなみにJKさんとは仮面ライダー部のメンバーで情報の収集に長けた、所謂情報屋だ。
と、金髪が怯えと戸惑いの混ざった表情のまま俺の袖を引っ張った。
「ねえ、何をしてるの?」
「何って、お前を助けるための一手を打ってるんだよ」
当然のように答えるとまたも驚かれた。
「え・・・!?ど、どうして!?」
「お前が願ったんだろ、助けてくれって。だから助けるんだよ」
本当はそれだけではないが、JKさんが戻ってきたっぽいので話を切り上げる。
「どうでした?」
『ビンゴっすよ、秋二くん。デュノア社は社長名義こそ、その娘の父親ってことになってますけど実権はその妻が握ってるっす』
「やっぱりな・・・」
俺はボーデヴィッヒに飯を渡しに行く途中でデュノアのことを調べてもらえるように頼んでおいた。
なんとなく、直感的にその情報がいると思ったんだがビンゴだったとはな。
『デュノア社の経営危機もこの奥さんが無茶苦茶な方針を採ったり、横領してるみたいっす。他にもいろいろやらかしてるみたいですよ、この女』
「わかりました、短い時間で集めてもらってすみません」
『お安い御用っすよ。またなんかあったら頼ってください』
「ありがとうございました。あ、えっと賢さんかクイーンさんそこにいます?」
『賢吾さんはいないっすけど会長ならいるっすよ。ちょっと待ってください』
デュノア社の実体と現状は分かった。
解決策も思いついたから実行といくか。
この分だと恐らくこいつの父親は・・・
『お呼びかしら秋二?』
「クイーンさん、お久しぶりです。いきなりで悪いんですけど、ちょっと頼みたいことがあって・・・」
『デュノアの社長に直接電話、かしら?』
「・・・さすが、お見通しですか」
『あなたからの頼みは殆ど外国の高官系とのパイプ役だもの。ちょっと待って頂戴』
今の人はクイーンさん。本名、風城美羽。これまた仮面ライダー部の部員であり、部長を務めていた。ミスコンでは三年連続グランプリという快挙を成し遂げ、ついた、というか俺がつけたあだ名が「クイーン」。今では世界のトップモデルとしても活躍しており、外国人とのパイプ役となってくれる。
と、どうやらつながったようだ。
拡張領域からアストロカバンを取り出し起動する。
『つながったわよ』
「はい」
画面に一瞬モザイクがかかり、おっさんが映る。
こいつか。
「はじめましてか。俺はIS学園の織斑秋二。あんたに話がある。デュノア社長」
『織斑・・・だと!?・・・そうか、あの娘がばれてしまったか・・・』
「その前に少し。あんたがこいつをここに送った理由はなんだ?調べによればこいつを送ると言い出したのはあんたの妻らしいが」
『・・・私の元にいることで傷つけられるあの子を見ていられなかった。名目はともかくあの子をあいつの手の届かないところに送りたかった。IS学園なら少なくとも3年は無事で居られる。その間にあいつをなんとかしよう。そう思ったのだ・・・』
「なるほどな・・・。大体分かった」
この人はただ純粋に守りたかったのだ。金髪のことを。
・・・ま、及第点だな。
「・・・あんたに提案がある。こいつが身分を偽ったこと、こいつのこれからの生活、更にあんたのとこの妻の不正を暴き、デュノアを立て直してやる」
『・・・見返りは何だ』
「察しが良いな。俺が求めるのはこの女。あんたが守りたいこの娘さ」
『何だと・・・?』
「別に奴隷にしようってんじゃねえよ。一生俺専属の従者になってもらう。と、いっても形だけで自由は保障しよう」
『・・・娘と話させてくれないか』
「いいだろう」
俺は金髪を画面前に立たせ、壁に寄りかかる。
・・・うわあ、愚弟の服脱ぎ散らかってるの踏んじまった。
蹴っ飛ばして洗濯機にシュートすると、呼ばれた。
『織斑秋二くん』
「・・・答えは決まったか?」
『娘を、頼む』
真っ直ぐな瞳で俺を見る。
いい目だ。
「仮面ライダー部の名にかけてこいつを守ると約束しよう。会社については追って連絡する」
『ああ、頼んだぞ』
通信をきる。
金髪を見ると、目を赤く腫らし、頬を染めている。
「その、えっと、秋二」
「・・・なんだ?」
「ありがとう、僕を助けてくれて」
向日葵のような笑顔を向けてくる金髪。
へえ、いい顔するじゃねえか。
軽く笑い返して向き直る。
「さて、改めてだが。今からお前は俺の従者だ。いいな」
「うん」
「とりあえずはタイミングを姉貴と楯無と決めるまでは、悪いが男の振りは続けてくれ」
「分かった、しょうがないもんね」
「よし、最後に一つ。お前の同居人はデリカシーのかけらも無い上に突拍子の着かないことをしてくる。万が一にも正体がばれないように気をつけろ」
「う、うん。わかった」
「ああ、それと」
「?」
首をコテン、と傾ける。
ちょっと可愛い。
「何故あの状況で俺に助けを求めた?殺されるかもしれなかったあの状況で」
これが疑問だった。
面白いとは思ったがなぜそんなことが出来たのか。
泣き落としは普通に効かない俺に。
「えっとね、それは・・・」
瞬間、俺は愚弟の気配を察知。
この状況はまずいと思ったのでカバンを拾い上げて、言いかけた口を塞ぎながらベッドにダイブ。
そのまま掛け布団を被り息を潜める。
(ちょ、ちょっと秋二!?)
(シッ、黙ってろ)
直後に扉の開く音。
「ただいまー、ってシャルルもう寝ちまったのかよ・・・。んじゃ俺は寝る前にもう一回風呂に入ってから寝よう」
言って脱衣所に入る愚弟。
シャワー音が流れてから布団をはがす。
「悪かったな、急なことで」
「う、ううん、別に気にしてないよ」
時間も時間なのでそろそろ戻らないと鈴と本音に心配かけちまうな。
「今日はこの辺にしとくか。この話はまた今度だな」
「そうだね」
「んじゃ、正体バレだけ気をつけろよ」
「あ、ちょっと待って」
言ってドアノブに手をかけると、呼び止められる。
「どした」
「僕の本当の名前、言ってなかったと思って。ほぼ家族みたいになるし言っとこうかなって」
「そうか」
「僕の、僕の名前はシャルロット。シャルロット・デュノアだよ。よろしくね、秋二!」
言ったデュノアの顔はとても輝いていた。
はい、ということで14話。
いかがだったでしょうか。
違う日に合間を縫って書いたので不自然な点もあるかもしれません。
ご指摘お願いします。
これからも頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
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