IS~宇宙戦士~   作:煉獄 龍騎

4 / 17
第3話 宇・宙・変・身

試合当日。SHRから姿を見せない布仏のことも気になるが、先に試合を片付けるか。

愚弟のISが届いたようなので先に愚弟を戦わせることにする。

愚弟は姉貴と篠ノ之に意気込んだ後、俺のほうに意識を向けてきた。

 

「シュウ兄」

「あ?」

「見ててくれ」

「仮眠とるから無理」

「ぅおいっ!弟の初陣なんだからちゃんと見ててくれよ!」

 

俺はベンチに横になると口元に弧を描く。

 

「朗報を期待してまってるぜ、()

 

愚弟は一瞬フリーズ。その後満面の笑みを浮かべる。

 

「行ってくる!」

 

愚弟はビットから飛び立つ。

さあ、ぶっ潰して来い!

 

 

 

~★~

 

 

 

『とりあえずは、千冬姉とシュウ兄の名前を守るさ!』

 

いきなり聞こえてきた声で目覚める。

 

「起きたか」

「おう。試合はどうなった?」

「ああ、それなら・・・」

 

『試合終了。勝者 セシリア・オルコット』

 

「・・・」

「・・・」

「死刑決定だな」

「まったくだ」

 

思わず俺と姉貴の口からため息が漏れた。

 

 

~★~

 

 

「さあ、どう料理されたい?」

「え・・・?なんでそんな恐ろしいことを聞くの・・・?」

 

現在正座させている愚弟を見下ろす俺、姉貴、篠ノ之。

愚弟は縮こまりながら冷や汗を流している。

 

「姉貴」

「何だ」

「提案がある」

「ほう・・・」

 

こちらを向き、急かすような視線を送ってくる。

 

「金粉との試合後に、愚弟と俺の試合をしたい」

「ふむ・・・」

 

顎に手を当て、考え込む姉貴。

・・・このまま絵になりそうだな。

 

「幸い、アリーナの使用可能時間はまだある。許可しよう」

「うし、俺はあとで料理するから、お二人さん好きにして良いぞ」

 

頼もしく、そして力強く頷くふたりを横目に見ながら俺はピット内の端に寄る。

金粉のエネルギー補給のために15分程度時間がある。

腕を組んで、目を閉じ待とうとするが、前方から気配がしたのでそちらへ向く。

そこにいたのは___

 

「・・・あっきー」

「布仏か」

 

姿を見せていなかった布仏がいた。

いつもの快活でのほほんとした雰囲気はなりを潜め、顔を俯かせ暗い顔をしている。

 

「何かあったか?」

「・・・ううん、べつにー」

 

そういっているが、何かあると感じた俺は聞きだそうとするも、

 

「出番だ、織斑兄」

「へいへい」

 

呼ばれてしまったのでは仕方ない。

布仏に近づき、頭を撫で付ける。

 

「布仏、勝ってくる」

「・・・がんばってね」

「おう」

 

表情は暗いままだが、顔を上げて激励してくれた。

布仏に笑みを見せてから入り口へと向かう。

 

「姉貴、ゲートを開けてくれ」

「分かった。山田君、ゲートを」

「は、はいっ!」

 

ガシャンッ、と音を立てながらゲートが開いていく。

と、愚弟と篠ノ之が寄ってくる。

 

「勝ってくれよ!シュウ兄!」

「秋二ならいけるだろう。勝ってこい!」

「無論。あんな雑魚には負けんよ。それから愚弟、好きな数字は?」

「え?何だよ、藪から棒に・・・」

「いいから早く言え」

「・・・んじゃ9」

「分かった」

 

ちょうどゲートが開き終わったので、ゲートへと歩を進める。

背中に温かい手の温もりを感じた。

誰のかは確認するまでもない。

そのまま歩いていった。

 

 

~★~

 

 

 

アリーナには観衆が大量にいた。

空中に佇む金粉は、こちらに視線を送ってきた。

 

「織斑秋二さん」

「あ?」

 

いきなり名前を呼ばれたので少しばかり驚いていると、

 

「先日の数々の無礼。謝罪します。申し訳ございませんでした」

「・・・ほう」

 

いきなりの謝罪。おそらくは愚弟の影響だろう。

そうあたりをつける。

 

「それで、あなたのISは・・・?」

「そう焦るなよ」

 

俺は腰にぶら下げているチェーンに触れる。

するとチェーンは光り輝き形を変える。

薄水色、4つのスイッチが入ったベルト。

それを腹に当てるとベルトのパワーハーネスが伸長・装着される。

そのままトランスイッチを右から順に下に倒すことでON状態にする。

右手はエンターレバーに、左手は握りこぶしを作り顔の右側へ。

 

・・・3

 

「なんですの、それは!?」

 

・・・2

 

「見てれば分かるさ」

 

・・・1

 

「変身!!」

 

エンターレバーを前に押し、右手は真上に左手は真横へと開く。

ドライバーからは煙があふれ出し、上下には円形のサークルが現れる。

二つは俺を包み込み、姿を変えた。

ベースの色は白、複眼の色はオレンジ。両手足には○・×・△・□のマーク。

背部にはブースターのスラストマニューバーを装備。

宇宙飛行士を連想させるような姿。

俺のIS、「仮面ライダーフォーゼ」である。

俺は両手を顔の前で握り、しゃがみ込む。

そのままX字に背伸びしながら叫ぶ!

 

「宇宙キターッ!」

「う、宇宙・・・?それにその姿は一体・・・?」

「これが俺のISさ」

 

髪型をセットする様な仕草で頭を撫でると、

左手をベルトに沿え右手を握りこぶしにし、上空の金粉に向ける。

 

「仮面ライダーフォーゼ。タイマン張らせてもらうぜ!」

「まあいいですわ。さあ踊りなさい!このセシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!」

 

ブースターを噴かせ、金粉に肉薄。

ヤクザキックで壁まで吹き飛ばす。

が、そこは代表候補生。すぐさま体勢を立て直すと、ビットで俺を囲む。

素早く「1」と描かれたアストロスイッチを起動させる。

 

《Rocket On》

 

右腕に小型ロケット「ロケットモジュール」を装着。

ブースターを噴かせ、急上昇する。

 

「なっ!?」

 

標的が突然消えたため放たれたビームの一つがビットに直撃。

俺はロケットのブースターを噴かせ、金粉に突撃。

金粉はギリギリで避けるも、急旋回し追撃の一撃。

 

「ライダーロケットパンチ!」

「うっ!」

 

かろうじて金髪は直撃を免れるも、大きくのけぞる。

その隙を逃さず、俺は「2」と描かれたアストロスイッチを起動。

 

《Launcher On》

 

右足にミサイルランチャー「ランチャーモジュール」を装備し、放つ。

放たれた5つの内、命中したのは1つ。

1つは避けられたが、3つは掠る気配すらなかった。

やはり、レーダーと併用する必要があるな・・・

などと考えていると爆風から抜け出した金粉のビットからビームが飛んでくる。

ランチャーで消し飛ばす。

しかし、先ほどよりも多くのビームが飛んでくる。

とりあえず避け、「3」と描かれたアストロスイッチを起動。

 

《Drill On》

 

「ドリルモジュール」を装着し、追撃として飛んできたビームを

ドリルを回転させながら後ろ回し蹴りで他のビットに弾き返す。

 

「そんなっ!?」

「甘いぜ?」

 

その後も何発かビームが飛んでくるがランチャーで消し飛ばすか、ドリルで弾き返す。

と、そこで金粉がライフルで連射してくる。

が、ドリルを高速回転させながら突き出しビームを巻き取る。

 

「えっ!?」

「返してやるぜ、受け取りな!」

「きゃあ!」

 

ビームを巻きつけ、圧縮し蹴り返す。

自分で撃った攻撃が返ってくるとは思ってもみなかったのだろう。

まともに喰らった金粉は真っ直ぐに落下していく。

 

《ジリリリリ、ジリリリリ》

「ん?」

 

そんな中通信が入った。

ドリルを解除し、「4」と描かれたアストロスイッチを起動。

 

《Radar On》

 

「レーダーモジュール」を装着。通信相手に問う。

 

「なんか用か?」

『こいつらがお前のISについて聞きたがってるから教えてやれ』

「今?」

『ああ』

 

ため息をひとつ。ランチャーで金粉を狙いながら答える。

 

「わぁーったよ」

 

 

 

~★~

 

 

 

今はシュウ兄とセシリアの試合中。

俺が苦戦していたあいつをシュウ兄は手玉に取っている。

それを見ていると尊敬と、憧れの意識が芽生えた。

シュウ兄が左足のドリルでビームを弾いたところで千冬姉がモニターを弄ってるから

何してるのかと思っていたら次の瞬間、モニターにISを展開したシュウ兄が写った。

そのままシュウ兄のISを説明してくれることになったけど・・・

 

「ちょ、ちょっと待ってシュウ兄!」

『何だ愚弟』

「別に今説明しなくても良いんじゃないか?試合中だろ?」

『構わん。問題ない』

「秋二、流石にそれは・・・」

 

箒も同意したのか無理だと言うが、

 

『俺を見くびるな。この程度の雑魚、会話しながら倒せるわ』

 

その一言に驚くが、同時にシュウ兄なら出来るような気もする。

こういうところがシュウ兄のすごいところなんだよな・・・

普通なら出来ないようなこともシュウ兄なら出来る気がするんだよな。

 

『んで?何を話せばいい?』

「とりあえずは名称、世代、装備の三点だ」

『名称は「フォーゼ」俺は仮面ライダーってつけてるけどな。世代は「新世代」』

「新世代!?」

 

山田先生が驚いている。よくみれば箒も驚いてるし、千冬姉は頭を抱えてるし。

 

「新世代なんて聞いたことありませんよ!?」

『そりゃ俺が付けたからな。1にも2にも3にも当てはまらないから新世代ってな』

「あの馬鹿うさぎめ・・・便宜上第3世代にしておくぞ」

『別に良いぜ。んで武装は「アストロスイッチ」状況、用途に応じて使い分ける。種類は35種類』

「「「35!?」」」

 

その数字に驚愕する一同(千冬除く)

当然である。ISの拡張領域に仕舞える武装はせいぜい10個程度が限界。

それを35個もあるというのだ。驚かないほうがおかしい。

正直に言えばまだコズミックエナジーが集まっていないのが5個あるのだが・・・

 

「ふむ、よしOKだ。終わらせてこい」

『あいよ』

 

そこで通信は切れた。

 

 

 

~★~

 

 

 

さて、通信も終わったのでスイッチを全て解除し、地面に降り立つ。

そこへまってましたとばかりに顔を綻ばせる金粉。

ビットが俺へと真っ直ぐに向かってくる。

「5」と描かれたアストロスイッチを取り出し、ロケットと入れ替え、そのまま起動する。

 

《Magic Hand》

 

《Magic Hand On》

 

多関節のロボットアームである「マジックハンドモジュール」を装備。

ビットを掴み、グチャリ、と潰して金粉に投げ返す。

と、同時にもうひとつスイッチを入れ替える。

 

「きゃあっ!?」

 

直撃したその隙を逃さず、ブースターを全快にし、金粉に急接近。

しかし、金粉は笑みを浮かべている。

 

「かかりましたわね!」

 

金粉は声高々に宣言し、アーマーの一部を分離。

ビットにするが、そこにはパラシュートがあるだけだった。

 

《Parachute On》

 

「っ!?どこに・・・?」

 

急停止から逆噴射で距離を少しとりながら「パラシュートモジュール」を展開。

目くらましと同時に俺は「8」のアストロスイッチを装填。起動した。

 

《Chainsaw》

 

《Chainsaw On》

 

刃・ソーブレードの付いているアンクレット「チェーンソーモジュール」を装備。

ブースターを噴かせながら後ろ回し蹴りを繰り出す。

パラシュートごとビットを切り裂く。

きれいに切り裂かれたビットを掴み、金粉へと投げつける。

 

「くっ!・・・!?きゃあっ!」

 

投げたビットはライフルで打ち落とすも、

瞬時加速レベルの速さで接近した俺の後ろ回し蹴りには対応出来ず切り裂かれる。

同時にドリルを起動。

 

《Drill On》

 

金粉の持つライフルをドリルで弾き飛ばすと、そのまま本体へとぶつける。

金粉はなすすべなく吹き飛ばされる。

そのまま怒涛の勢いで攻め立て続ける。

穿孔と切断により、金粉のアーマーはボロボロ。

地面に着地し、ドリルとチェーンソーを解除。

ロケットを装填しなおし、起動。

 

《Rocket》

 

《Rocket On》

 

ロケットモジュールのブースターを噴かせ、金粉に突撃。

 

「がふぅっ!?」

 

おおよそ女には似つかわしくない声を出す金粉。

・・・ちょっと悪いことをしたな。すまん。

そのまま急上昇、途中で金粉をロケットから外し、かかと落としで地面に落とす。

そして左手でエンターレバーを前に押す。

 

《Rocket Limit Bleak》

 

音声が鳴ると、ロケットのブースターが全快になる。

と、同時にコズミックエナジーをロケットに纏わせる。

そのロケットを少し引き構える。

右腕を勢いよく突き出し、叫ぶ。

 

「ライダーロケットミサイルッ!!」

 

右腕のロケットがミサイルの如く飛んでいく。

勢いに押されて少し浮く。ブースターを噴かせることで、着地に成功する。

そしてミサイルは金粉に直撃し、大爆発を起こす。

 

「きゃああああ!!」

 

『試合終了。勝者 織斑秋二』

 

アナウンスを確認し、レーダーを起動させる。

 

《Radar》

 

《Radar On》

 

「来い、愚弟。相手してやる」

『お、おう!』

 

愚弟を呼び出し、俺は「9」と描かれたアストロスイッチを装填し、起動。

 

《Hopping》

 

《Hopping On》

 

スプリングの「ホッピングモジュール」を装着すると、白式を装着した愚弟が来た。

 

「来たぞ、シュウ兄!」

「ああ、タイマン張らせてもらうぜ。まあすぐに終わるが」

「え?」

 

俺はエンターレバーを前に押し、リミットブレイクを発動する。

 

《Hopping Limit Bleak》

 

右足のスプリングにコズミックエナジーが収束。

ギリギリまで縮ませると一気に開放する。

地面を、壁を、シールドバリアを、そして愚弟を足場に

アリーナを縦横無尽に駆け回る。

 

「うわぁっ!」

 

愚弟の装甲がボロボロになっていく。

3分ほど続けると愚弟は立っているのもやっとになった。

 

「これで終わりだ!」

 

壁に着地しバネを限界まで縮ませ、開放。

その勢いのまま体を捻り、左足を突き出す。

 

「ライダースプリングストライクッ!」

 

愚弟はそれをまともに喰らう。

反撃すら出来ずに、愚弟は俺に敗れ去った。

 

「もっと強くなれよ、愚弟、金粉」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。