アニメ艦これ、最終回を見て、思ってしまったんですよ「なぜだ・・・・・・なぜ飛龍の反撃がないんだ!」と。そして、ハーメルンを開いたわけです。
たぶんTwitterのほうで呟いていた、エヴァネタも飛び出すと思います(笑)
最後に、うp主はゲームの艦これをやったことがなく、アニメと二次創作動画の知識しかありませんので、もしかしたら艦娘たちの口調に間違いがあるかもしれません。その時は感想欄等で教えていただけると幸いです。
一話~飛龍ハ健在ナリ~
「赤城先輩、直上!」
夕立の叫び声でハッと視線を上へ向けた赤城は、一直線に突っ込んでくる敵機と、その腹に装備されている爆弾に、目を奪われた。対空防御も忘れ、ただ、自分に吸い込まれるように落下してくる爆弾を見つめた。
(あの時と同じ・・・・・・やはり運命には・・・・・・)
いつかみた光景を思い浮かべ、赤城は静かに目を閉じた。すでに攻撃を喰らい、艦載機の発着艦も不可能に近い赤城にはそうするほか無かった。
「赤城さん!」
よく知った声がすぐ近くで聞こえた直後、爆弾が炸裂した音が聞こえた。直撃のはずだった、が、痛みは感じなかった。
「あ・・・・・・」
目を開けた赤城の目の前で、爆弾を背中で受けた加賀の身体が煙と血液を舞わせながら倒れこんでいく。
「加賀さん!」
既に弦の切れた弓を投げ出し、両腕でどうにか加賀を受け止める。
「なぜ・・・・・・私を庇ったのです・・・・・・」
「さぁ、なぜでしょうね。私にもわかりません。でもどうせ沈むのなら、赤城さん、貴女のそばがいい。」
「加賀さん・・・・・・」
その時、数十メートル離れた場所で、また一つ、敵の爆弾の炸裂音が響いた。
「蒼龍!」
飛龍の悲鳴にも似た叫び声が炸裂音に混じって聞こえた。
「私たち空母が全員沈めば、この海域の制空権は・・・・・・」
「えぇ、だけど見て、まだ希望はあるわ」
「・・・・・・そうね」
加賀の指さす方向に目をやった赤城は強くうなずいた。
空母のなかでたった一人被弾を免れた飛龍だけが、必死に艦載機を放ち、戦っているのが見えた。
「赤城さん、あの子に私たちの誇りを、願いを託しましょう・・・」
「わかったわ、加賀さん」
赤城はもう一度強くうなずいた。
「赤城さん、加賀さん!直上!」
そう叫んだのは吹雪だろうか、彼女達の対空砲火を潜り抜けた敵機が放った爆弾は二人へと吸い込まれていった。
轟音があたりに響いた。
「うぅ・・・・・・大丈夫ですか、加賀さん・・・・・・」
「そういう貴女こそ・・・・・・」
「・・・・・・大丈夫・・・・・・とは言えませんね、この状況は」
先の爆発の煙が晴れると、そこにはボロボロになって膝をつく赤城と加賀の姿があった。
「本来ならもう私たちは轟沈していてもおかしくはありません・・・・・・けど、まだ私たちにはやらなければならないことが一つだけ」
「わかっています。飛龍・・・・・・」
赤城の声にもならないような呼びかけは、波の音や砲撃音、爆発音の中を潜り抜けて、確かに飛龍に届いた。
「一航戦の先輩方!」
赤城達を見つけた飛龍は、砲撃と敵機をかわしながら近寄ってくる。その頭上には数機の直衛機が旋回している。
「飛龍さん・・・・・・私たち一航戦の最期の願いを聞いていただけますか?」
「な、なにを言っているんですか!?最期だなんて・・・・・・先輩方は必ず守って見せますから!」
赤城の言葉に飛龍はたじろいだ。
「いいえ、飛龍さん、私たちの任務は敵棲地MIの攻略・・・・・・貴女はそれを優先しなさい、それに・・・・・・」
赤城は言葉をきると、寂しげに笑ってみせた。
「自分達のことは自分が一番わかりますから。もう私たちは助かりません、いまこうして貴女と話せていることすら奇跡に近いことなのですよ」
「そんな・・・・・・そんなのって・・・ないですよ。姉の蒼龍も、もういません。二人もいなくなったら。・・・・・・私は・・・私はっ」
「落ち着いて、飛龍さん」
涙を流す飛龍を慰めるように、加賀が言った。微笑みながら言う彼女の目にもまた、薄らと涙が滲んでいた。
「貴女に・・・・・・私たち一航戦の誇りを託します・・・・・・。これを・・・」
二人は各々の矢筒に残った最後の矢を取り出すと、飛龍の手に握らせた。
「これは・・・・・・」
「さぁ、行きなさい。ここから先の運命は、貴女が変えるのです」
「貴女なら必ず成し遂げてくれると、そう信じています・・・・・・」
そう言い残すと、赤城と加賀の姿は、飛龍の前からまるで海の色に溶けるように消えた。
「・・・・・・確かに・・・受け取りました。」
飛龍は涙を強く拭うと、数キロ先の深海棲艦の空母ヲ級と、それを旗艦とする艦隊を見据えた。
「全艦及び鎮守府に打電『我此レヨリ航空戦ノ指揮ヲ執ル』」
そう告げる彼女の目に、迷いはない。